前節の早大戦を制し、勢いに乗る慶大。上位校対決2戦目の相手は日大だ。RB李卓(総4)の劇的なタッチダウンランで先制すると、QB米内碩希(商4)の積極的なパスやK廣田祐(理2)のフィールドゴールで点差を広げる。ディフェンス陣は失点をわずか6点に抑え、21点差で勝利を収めた。ここまで全勝の慶大、夢の舞台はすぐそこに見えている。
関東学生アメリカンフットボール連盟2016年度秋季リーグ戦 第6節
11/13(日)16:45KO@横浜スタジアム
慶大 |
| 日大 |
0 | 1Q | 0 |
7 | 2Q | 0 |
10 | 3Q | 0 |
10 | 4Q | 6 |
27 | TOTAL | 6 |
昨季王者を倒し、強さを見せつけた慶大。今節の相手は、かつて絶対王者として君臨していた日大だ。ここまでリーグ戦全勝の勢いで今節も勝利を挙げ、関東制覇へと弾みをつけたい。
日大の攻撃から始まったこの試合。慶大は、QBサックやタックルで日大を阻止し、すぐに攻撃権を獲得した。この日のQBは米内碩希(商4)。RB李卓(総4)にボールを渡すと、華麗なランで次々とフレッシュを獲得。エンドゾーンまで近づくと、RB李がパスを出すスペシャルプレーを試みるも、インターセプトされ攻守交代となってしまう。続く日大の攻撃、パスプレーでフレッシュ獲得を許したが、DB藤井弦一郎(理4)が2試合連続となるインターセプトを決め日大の勢いを止める。次の攻撃シリーズ、慶大は再びランプレーで攻め込みフレッシュを獲得。そのまま2Qへと試合は進む。敵陣30ヤード地点から始まった2Qの攻撃。QB米内からWR田邊翔一(政4)へ31ヤードのロングパスが決まった、と思われたが、キャッチ後にまさかのファンブル。攻撃権を奪われてしまう。しかし次の攻撃シリーズ、RB李が66ヤードのロングランを決めタッチダウン。7-0で前半を折り返す。
迎えた後半、ランとパス成功でゲインを重ね敵陣29ヤードまで攻め込んだ慶大。QB米内からWR蜂須賀元太(政4)へのパスが通り2つ目のタッチダウンを獲得した。その後もパスプレー中心にボールを運び、K廣田祐(理2)のフィールドゴールで3点を追加する。4Qに入っても慶大の勢いは止まらない。敵陣30ヤード地点からQB米内からWR田邊へのパスが決まりタッチダウンを奪うと、次の攻撃シリーズでは再びK廣田がフィールドゴールを決め得点。スコアは27-0となる。試合終了間際、日大がギャンブルを成功させると、パスでじわじわと攻め込まれタッチダウンを許してしまう。完封勝利とはならなかったが、最終スコアは27-6。2005年以来負けが続いていた因縁の相手から、清々しい勝利を勝ち取ることができた。
QB米内の力強いパスと、日大の攻撃を封じ込めたディフェンス陣のタフさが光ったこの試合。その一方で、反則などのもったいないミスが目立ってしまったのも事実だ。今節で慶大は6連勝、負けなしで最終節を迎える。勝てば甲子園ボウル出場、さらには目標としてきた日本一もすぐそこに見えてくる。強豪法大を相手にミスにつけ込まれることはなんとしてでも避けたいところだ。リーグ戦開幕当初は苦戦を強いられる試合もあったが、「一つ一つ勝って成長してきた」(李)という慶大ユニコーンズ。今節の反省を生かし、さらなる飛躍を見せてほしい。
(記事 鈴木優子)
☆順位表
順位(順列) | 大学名 | 勝ち点 |
1 | 慶大 | 18 |
2 | 早大 | 15 |
2(3) | 法大 | 15 |
4 | 日大 | 9 |
5 | 立大 | 6 |
5(6) | 中大 | 6 |
7 | 明大 | 3 |
8 | 日体大 | 3 |
※早大と法大、立大と中大は勝ち点で並ぶため、直接対決の結果により順列を決する。
☆優勝条件
慶大→次節・法大に勝利
早大→次節・日大に勝利かつ法大が慶大に29点差以内で勝利
法大→次節・慶大に30点差以上で勝利 or 慶大に勝利し早大が日大に敗れる
※三つ巴の場合は当該校間に限っての得失点差により決する。
試合後コメント
李卓主将(総4)
(今日の試合を振り返って)まず、勝てて良かったです。今までずっと大差で負けていた相手に勝てたことはすごく嬉しいです。(勝因は)今週のテーマとして掲げてきたのはone play at a timeといって、ワンプレーにフォーカスすることです。前後のプレーや点差、モメンタムに左右されることなく、目の前のワンプレーに対する自分たちの役割、仕事というのをしっかりと徹底することに力を入れてきたので、そういうフットボールができたことは良かったと思います。(ここまで6連勝のリーグ戦を振り返って)このリーグ戦は最初どの試合も接戦で、やはり一つ一つ勝って成長してきたと思います。今日も勝ったことで課題が見つかったり、自信がついたりしたので、またさらに成長できたと思います。(次節に向けて)法大戦に勝てば甲子園ボウルに出場でき、自分たちの目標である日本一に王手をかけられるので、何が何でも勝ちにいきます。
田邊翔一(政4)
(今日の試合を振り返って)オフェンスとしてはまだまだ課題が残ったので、次の法大戦にはちゃんと修正して臨みたいです。(具体的な課題とは)ゲームブレイカーになってしまうターンオーバーやファンブルが多かったことや、反則が多かったことですね。アメフトとしてベーシックな部分が、オフェンスとしてうまくいかなかったです。早大戦同様、ディフェンスに助けられた部分が大きかったので、そこは改善していかなければいけないなと思います。(TDパスを振り返って)最初のロングパスを取った後に自分がファンブルしてしまって、オフェンスに良くない流れがあったので、次にパスが来たらちゃんと取って借りを返そうと思っていました。一個でもミスすると流れが変わってしまうので、次は全部ちゃんと取りたいです。(次節に向けて)法大は僕たちのチームが始まった時からずっと勝たなければいけない相手と言っていて、今まで僕たちが1年生の時から勝てていない相手でもあります。甲子園ボウルという新しい俺たちのフィールドが待っている大事な一戦、今までオフェンスとして納得のいく部分はないので、この2週間で調整しもっと上手くなって臨みたいと思います。
蜂須賀元太(政4)
(今日の試合を振り返って)自分達はこの試合に向けて準備を重ねてきたので、自信を持ってゲームに臨みました。結果が出て凄く良かったと思います。(タッチダウンを奪った場面は)練習では良く通っていたプレーなので、その練習通りのプレーが試合でできました。(日大戦勝利は11年振りとなった)僕が大学に入ってから3年間、ずっと負け続けていた相手だったので、やっと借りを返せたな、という思いです。(次戦に向けて)今までやってきたことを継続してやって、法政に勝って勢いを付けたまま甲子園に行きたいと思います。
杉山慶(経4)
(今日の試合を振り返って)この1年間は日大に勝つことだけを考えてやってきました。結果は本当に嬉しいのですが、内容的にはまだまだ詰められると思うので、次の法政戦でも必ず勝って甲子園ボウルに行きたいと思います。(どのようなゲームプランで臨んだか)対日大に限ったことではありませんが、1対1の場面で必ず勝つことに重点を置いていました。そして今まで、1対1で勝つための練習をやってきました。今日の試合ではそこの部分で勝てたことが良かったと思います。(前半はランプレーで抜かれてしまう場面もあった)ランに関しては、少し抜かれる所があっても仕方ないと割り切って臨みました。逆にパスを絶対に止めることを意識しました。パスを止められたことが今日の良かった点です。(パスを止められた要因は)僕たちが準備してきたプレーを、相手がやってくれたという点ですね。(改めて、日大戦勝利を挙げたことについて)日大にはずっと今まで負けてきて、歴史を変えられたという点では凄く嬉しいです。しかし僕達の目標はここではないので、あくまでも甲子園で勝って日本一になることが目標なので、それに向かって次の試合も準備したいと思います。
米内碩希(商4)
(スタメン起用となってどのような意気込みで臨んだか)このチームが始まってからみんなが日本一になることを掲げてきて、普段は小田が出ていて自分は2本目なんですけど、2本目になったからと言ってオフェンスのレベルが下がっているようではだめだと思うし、むしろ自分はパスに強みがあると思っているのでそこでしっかりと勝利に貢献していかなければならないという意気込みでした。(パスで小田選手との違いを出せたか)そうですね。自分としては納得のいかない点もたくさんあったんですけど、でもパスで2本タッチダウンを取れたことは、成果かなと思います。(この試合で心掛けていたこと)とにかく勝ちにこだわることと、日大に対して去年は雨だったんですけどパスが全然出せなくて負けてしまったということもあったので、かつ今までの試合はラン、ラン、ランで勝ってきたので、しっかりパスで(タッチダウンを)取ろうと心掛けてきて、試合前にもパスで勝つというのを言われていたので、しっかりパスで取ろうと意識していました。(あと1勝で関東制覇)自分たちで再来週の法政戦を意識したらきっと空回りしてうまくいかなくなってしまうので、1戦1戦今までやってきたことを再来週の法政戦でもできれば絶対に勝てると思います。(次節へ意気込みを)2週間しっかりと準備して絶対法政を倒して甲子園に乗り込んで、絶対に日本一になりたいと思います。
兵頭宣俊(商4)
(あと1勝で関東優勝ですね)そうですね。ついにここまで来たかという感じです。(試合を振り返って)前半はなかなかオフェンスがタッチダウンを取れなかったんですけど、日大の攻撃に対して粘ってディフェンスした結果、勝利につながったと思います。(法大について)かなり研究をしてくるチームなので、かなりスカウティングをしていると思います。向こうのオフェンスは自分たちの弱いところを突いてくるのがうまいチームで、スカウティングをして自分たちの穴を突いてくるのもそうですし、法政はけっこう自分たちの流れを持ってくるために普段見たことのないようなスペシャルプレーをしてくるチームなので、そのプレーが来た時にも慌てずに対応することがディフェンスとしては重要だと思います。(次節に向けて)もう歴史を変えるんで。応援しに来てください。