【ラクロス(男子)】勝利するも課題の残る一戦/全日本ラクロス大学選手権 VS名大

クラブチームとの戦いを懸け、アウェーで名大との戦いに臨んだ慶大。開始1分、AT栗林良行(4・慶應義塾)が先制点を決めると、序盤から勢いに乗り攻守で名大を圧倒していく。4Q6点まで差を広げたところで、慶大は大幅にメンバーチェンジ。しかし、そこから一気に4点を奪われ、2点差まで詰め寄られてしまう。勝利はしたが、次戦に向けて課題の残る試合となった。

 

8回全日本ラクロス大学選手権大会 VS名大

2016/11/19 () 11:00 F.O. @名古屋市港サッカー場

 

慶大

経過

名大

3

1Q

0

2

2Q

1

3

3Q

2

1

4Q

4

9

合計

7

 

 

 関東代表として、名古屋に乗り込んだ慶大。アウェーにもかかわらず、多くのサポーターが応援に駆け付けた。また、朝から生憎の雨模様であったが、選手らはそれを吹き飛ばすように大きく声を出し、チームの雰囲気は非常に良いものに見えた。

 

ダイビングシュートを決めたAT仁熊

ダイビングシュートを決めたAT仁熊

 

 1Q。試合開始すぐにAT栗林が挨拶代わりの先制ゴール。大学選手権初開催となった名古屋の地に、慶大の速攻を見せつける。「オフェンス全体のいいリズムを作る大きなきっかけになったら」、と振り返る通り、その後も守備から攻撃に繋げる形で名大を攻め立てていく。4分にはLMF河村剛志(商4・慶應NY)のアシストからMD木全隼人(政4・慶應義塾)のゴールで追加点。さらに開始10分、AT仁熊健太(商4・慶應NY)が自慢の突破力でゴール横からダイビングシュートを決める。守備では、組織化されたディフェンスで名大のシュートを完全にシャットアウト。DF岡村佳祐(経4・慶應義塾)らが素晴らしいクロスチェックを見せ、無得点に封じ込めた。

 

 

守りから攻撃のリズムを作った (左からLMF河村、G石山, DF原)

守りから攻撃のリズムを作った
(左からLMF河村、G石山、DF原)

 

 2Qも守備で良いプレーが光る。橋本隆仁コーチが試合前のインタビューで期待する選手に挙げたDF片山瑛人(経2・慶應義塾)がグラボ処理からチャンスを作るが、惜しくも得点には結びつかず。また、ファールで一人少ない状態となる場面もあったが、DF陣の好プレーでピンチをしのぐ。名大が攻撃の体勢に入る前にしっかりとゴール付近を固めてコースを塞ぎ、ボールを持つ相手には素早いプレッシャーと正確なチェックで対応。13分に1点を返されるものの、それ以外は名大にチャンスを与えず、AT栗林とAT野上力(政4・慶應湘南藤沢)のゴールで点差を引き離して前半を折り返した。

 

 3Q。開始1分、名大ゴーリーから前線への超ロングパスが入る。意表を突かれた慶大は、対応できずに失点。細かいパス回しや個人の突破では、慶大DF陣を抜くことができないと感じたか、このクウォーターでは大きなパスでゴールを狙ってくるようになる。13分には、慶大DFが自陣に戻る前にボールを投げ込まれ、同じような形で1点を奪われてしまう。しかし、慶大もここでFO/MD曽根叙臣(理3・慶應NY)を投入。自らボールを運びシュートという気迫溢れるプレーも見せ、チームを再び盛り上げる。ひるまずに攻め続け、MD山田晃平(政4・慶應義塾)らの3得点で流れをキープしたまま最終4Qへ繋いだ。

 

3得点を決めたAT栗林

3得点を決めたAT栗林

 

 4Qからは1年のAT江原健(経1・慶應義塾)らが入る。メンバーが入れ替わっても攻撃の勢いは変わらず、AT野上が3得点目を決め試合は完全に慶大のものかと思われた。しかし、4分にパスミスから名大のカウンターで失点すると、徐々にリズムが崩れ始める。特に、前半では完全に名大攻撃陣の先手を突いていた守備が遅れを取るようになってしまう。一方、それを見て勢いに乗るのは名大。慶大はそれを「封じ込めるような力」(山田)を十分に発揮できず、ここから立て続けに3失点。結局、最後は主力が試合に戻り、逃げ切る形での勝利となった。

 

 クラブチームを含めた全日本選手権への出場権を得た勝利であったが、試合後のインタビューに答える山田主将の顔は厳しかった。「課題ばかりだと思います。来週に向けてもっともっと仕上げていかないといけない」。試合の入りが良かっただけに、最後2点差まで迫られたことが余計に悔まれる。また、自身は今試合1得点を決めたが、「AT任せでMDがここ最近全然点を取っていない」と物足りなさをあわらにした。次戦でポイントとなるのは、流れが悪い場面で踏ん張る力とMD陣の奮起か。慶大らしさを取り戻し、FINALの相手・神戸大を圧倒して笑顔で大学日本一を決めてほしい。

(記事・下川薫/写真・森田悠資)

 

 

【以下、試合後インタビュー】

 

山田晃平主将(4・慶應義塾)

 

(試合を振り返って)しっかり準備してきたことができて良い形で入れたと思います。でもその後は、メンバーを入れ換えたというのもあるんですが、それにしても激しさとかボールのケアとか細かい所が全然足りていなかったです。なので、物足りない試合だったと思います。(相手が調子を上げてきた部分もあったのでは)そうですね。僕らに対して、思ったより点を取れて勢いに乗ってきていたんじゃないかと。それを封じ込めるような力をしっかりと発揮したかったです。(チームとしてはどんな準備をしてきたか)今日に対してというよりかは、関東を制覇した時点で日本一というのを念頭においてやっています。社会人に勝つために、パスキャッチや目の前の相手に勝つということを詰めてやっています。(自身の得点シーンについて)僕自身1点取れたのは良かったんですけど、AT任せでMDがここ最近全然点を取っていないです。ATが点を取ってくれて関東では楽に試合ができたことが多かったんですが、MDが少し不甲斐ないので、もっとMDから崩して点を取っていきたいです。(課題が残る試合だったということか)そうですね、課題ばかりだと思います。来週に向けてもっともっと仕上げていかないといけないと思います。(全大FINALに向けて)日本一に向けて、日本一のプレーをしたいと思います。まずは学生日本一になりたいと思うので、圧倒していきたいと思います。

 

栗林良行(4・慶應義塾)

 

(今日の試合に向けてどんな準備を)変に意識すると、変な感じになってしまうので、普通にいつも通りどの相手にも同じように挑めばいいなと思い臨みました。(今日の試合を振り返って)すごく良かったんじゃないですか。その中で先制点が取れたのが、自分の中で大きくて、そこからオフェンス全体のいいリズムを作る大きなきっかけになったら良かったと思っています。(今日の試合で出た課題は)必ず試合の中で悪い流れの時間帯はあるんですけど、その中でオフェンスでチームの流れを良くしていくことができなかったので、ズルズル行かれたんだと思います。(3得点の活躍でしたが)こういう公式戦でたくさん点を取ったことが無かったので、いい気分です。(自身のチーム内における求められている役割は)点を取ることです。(次の試合に向けて)勝ちたいです。

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