得点を決め喜び合う慶大バレー部
リーグ戦6戦を終えて駒澤大、青学大に次いで3位につけていた慶大。7戦目はトップを走る駒澤大との重要な一戦となった。互いに1セットを取り合い、迎えた第3セット、第4セットはどちらもデュースにもつれ込む白熱した戦い。しかし慶大はあと一歩のところで得点が遠く、惜しくも敗れて今季初黒星となった。それでも宗雲監督は「今年一番のすごくいい試合」と戦った選手たちを称えた。
4月29日(土)春季関東大学男子2部バレーボール第7戦 慶大×駒澤大@亜細亜大学体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 駒澤大 |
17 | 1 | 25 |
25 | 2 | 23 |
24 | 3 | 26 |
24 | 4 | 26 |
クイックで得点を重ねていった佐藤
第1セット。攻めたサーブからミスが見られる。スパイクやネット際の小技にもミスが出ると、一進一退の長いラリーも制することができず、徐々に点差が広がっていく。中盤、佐藤康平(環4)のクイックや、サーブで崩されながらもなんとか繋いで相手のミスを誘うプレーで食らいつく。しかし、相手のサーブがネットにかかりながらも自陣に落ちるなどアンラッキーも重なり、流れは駒澤大に。相手のスパイクに最後まで対応できず、17-25とこのセットを落としてしまう。
第2セット。相手の1番戸嵜嵩広をマークすることで、攻撃のリズムをつかんできた慶大は、マルキナシム(総2)のサービスエースや、富澤太凱(経2)のバックアタックなどで連続ポイントを奪う。その後佐藤、富澤と立て続けにサービスエースを決めると、相手の攻撃にも追いついてきたところで、吉田祝太郎(政1)、樫村大仁(環1)による、この試合初めてのブロックポイントが決まる。その後は逆に相手のブロックに苦しめられるが、富澤のクロスへのスパイクなどで序盤のリードを守り、25-23とこのセットをものにする。
強烈なスパイクでチームに勢いを与えた富澤
第3セットはサイドアウトが続く。試合が動いたのは9-8からサーブミスやスパイクミスなどで4連続ポイントを許して以降。相手のミスや吉田のサービスエースや、黒田彪斗(環4)のクロスへの強烈なスパイクなどで、何度も離されては追いつく粘りを見せる。マルキ、樫村のブロックポイント、富澤の相手コート真ん中に落とすサーブなどで一時は23-20とリードする。しかし、ここから駒澤大の反撃に遭う。大事な場面でブロックを決められ、相手の11番谷平拓海にスパイクを許し逆転されると、最後はサービスエースを2本連続で決められ24-26。惜しくもこのセットを落とす。
後がない第4セット。前のセットの悔しさを晴らすように、富澤が2本連続のサービスエースを決めるなど、一進一退の攻防を続ける。マルキがサーブで狙われれば、すぐさま黒田がバックアタックを豪快に決め、まさにチーム一体となった緊迫した戦いを繰り広げる。しかし、互いに一歩も譲らない試合のなか、長いラリー戦で最後に慶大にミスが出るなど、なかなか流れをつかみきれない。終盤はスパイクの打ち合いとなり、デュースにまでもつれ込むが、最後はサーブレシーブのミスを突かれ、またしても24-26とあと一歩のところで力及ばず、セットカウント1-3でこの試合を落とした。
宿敵駒澤大にほんの少し及ばず悔しい敗戦を喫した慶大。しかし、宗雲監督に「(選手)それぞれに賞を与えたい」と言わせるくらいの素晴らしい戦いを見せた。駒澤大に一敗したものの目標とする入れ替え戦進出にはまだ十分の可能性が残っている。明日もまた今日のような「今年一番」と言われる戦いを見せれば、必ず勝利につながるだろう。明日は今日ここまで無敗で2位につけていた青学大をストレートで破った国際武道大との一戦に臨む。
(記事・太田彩恵、写真・岩本弘之)
宗雲監督
(今日の試合を振り返って)いい試合でしたね。負けておいて言うのもなんですけど、紙一重だったので、今年一番のすごくいい試合でした。
(3セット目、4セット目とあと一歩でしたが)ちょっとだけ下級生が多い分、小技で決めきれないとか、ただ打ちまくるだけというところで決まらない部分もあったんですけど、こちらはこちらの持ち味の強いサーブをしっかり打つというのをテーマにしていたので、それとブロック、今日は本当に素晴らしい学生のプレーでした。
(駒澤大学の対策というのは)駒澤大学の選手はうまいし、1番の戸嵜くんもよく打つので、彼なんかをマークするのに2セット目から樫村を入れて、ポジション替えをして少しプレッシャーをかけていったというところですかね。
(相手の守りも固く、なかなか決めきれない場面も多かったが)打っても打ってもね。そういう意味では両方頑張ったので、気持ちいい敗戦だったなと思います。仕方ないです。
(素晴らしい試合、監督から見た今日のMVPは)今日は色々いるんですよ。マルキもすごい良かったし、長澤も二段トスがすごくきれいにネット際にくっついて黒田に打たせたり、マルキに打たせたりしているのも今までになかったことなので、それぞれに賞を与えたいというくらいの出来でした。
(明日の国際武道大は非常に調子のいいチームだが)今日もすごくいい試合をしていたので、向こうも押せ押せで来ると思うので、がっかりしないで、明日またしっかり勝って(入れ替え戦進出の)チャンスを残したいと思います。
樫村大仁(環1)
(試合を振り返って)
勝てない試合ではなかったので、取り切るところで取りきれなかったのが悔しいです。
(改善点は)
サイドアウトを多く取られてしまったので、ブロックの寄りを中心に頑張りたいと思います。
(ブロックの今日の点数は)
50点位です。
(練習にはいつから参加していたか)
2月に参加していたんですけど、アジア選手権で3月は参加出来なくて、4月の頭からまた合流した感じです。
(明日に向けて)
今日の反省を生かして、明日は明日で勝って入れ替え戦に出れるように頑張りたいと思います。
サイド | マルキ ナシム(環2・川越東高) |
セッター | 吉田祝太郎(政1・慶應義塾高) |
センター | 佐藤康平(環4・桐蔭学園高) |
オポジット | 富澤太凱(経2・慶應義塾高) |
サイド | 黒田彪斗(環4・富山一高) |
センター | 樫村大仁(環1・茨城高専) |
リベロ | 長澤翔吾(環4・盛岡第一高) |
| 谷口聡(環2・韮山高) |
途中出場 | 岩本龍之介(商3・仙台二高) |
| 立木智大(政4・慶應志木高) |
| 尾木将(政4・修道高) |