【ボクシング】格上相手に奮闘も白星奪えず/第70回関東大学ボクシングリーグ戦第2節VS平国大

惜しくもリーグ初戦を白星で飾ることはできなかった慶大。まずは一勝目といきたいところだが、今節の相手は昨シーズン2部リーグAクラスの平成国際大だ。慶大は前試合から大きくメンバーを入れ替え、格上へ挑む。試合は、インターハイ出場経験のある古山皓介(環1・新潟江南)や経験豊富な小笠原夢生(法4・慶應義塾)らが善戦するも、7戦全敗。同じ2部リーグであるが、上位校の実力を痛感させられる試合となった。

 

5月27日(土)

第70回関東大学ボクシングリーグ戦第2節VS平成国際大@後楽園ホール

 

階級

勝敗

慶大選手名

 

相手選手名

LF

古山皓介(環1・新潟江南)

2-3(28-29,29-28,28-29,28-29,29-28)

宗形駿

F

飯島諄(環4・芝)

RSC 1R 2分0秒

堤聖也

B

矢野健太郎(理3・西大和)

RSC 2R 0分41秒

矢代博斗

L

江嵜歩人(法2・開智)

0-5(27-30,27-30,27-30,27-30,27-30)

住吉夏希

LW

森瑞季(経3・福島成蹊)

 0-5(27-30,27-30,27-30,27-30,27-30)

千田亮

W

小笠原夢生(法4・慶應義塾)

1-4 (27-30,27-30,29-28,28-29,28-29)

上江洲タケシ

M

林麟太郎(経3・慶應義塾)

RSC 1R 1分27秒

落合祐希也

 

第一試合 ライトフライ級 古山皓介

 ライトフライ級には、古山が前試合から唯一連続で出場。相手は「地元でジムが同じで、練習相手などでお世話になっていた先輩」であり、大学初白星に向けてさらに気合が入る。1R。序盤から前に出てくる相手に対し、古山は冷静に対処。体を大きく使って相手の動きをかわし、上下のコンビネーションで巧みに攻める。2Rでは古山も積極的に打ち合い、ボディからのフックで有効打を積み重ねる。3Rに入っても軽いフットワークで先手を取り、試合の主導権をキープ。相手からストレートを受けても、一歩も引かない打たれ強さも見せた。試合が進むにつれに調子を上げた古山だったが、惜しくも判定負け。しかし、試合後は「自分なりのプレーができた」と振り返り、初勝利に向けてまた一歩前進してみせた。

第1節に引き続き、連続出場となった古山(環1)

 

第二試合 フライ級 飯島諄

 フライ級には飯島が出場。1R。体格差のある相手だが、飯島は積極的に先手を取りに行く。しかし、相手のフックでダウンを取られると、直後に右ストレートがクリーンヒットし再びダウン。たまらずセコンドからタオルが投げ込まれ、試合終了。悔しいRSC負けを喫してしまった。

積極的な攻めを見せる飯島(環4)

 

第三試合 バンタム級 矢野健太郎

 バンタム級には矢野が出場。1R。ここから全日本ランカーとの戦いが続く。矢野は、相手に対しガードを固め前進し、ジャブとアッパーを中心に攻める。距離を取られると、長いリーチを生かしたクロスで相手にダメージを与えていく。2Rでは、相手が序盤からラッシュ。矢野はその勢いに押され、左フックでダウンを奪われてしまう。実力者相手に敢闘するが、ここでタオルが投げ込まれRSC負けとなってしまった。

相手の隙を狙う矢野(理3)

 

第四試合 ライト級 江嵜歩人

 ライト級には江嵜が出場。1Rから積極的に前に出ていく。同様に激しくパンチを放つ相手を江嵜はガードでかわし、確実な一撃を叩き込むためにじっくりと相手の動きを見きわめる。2R。序盤にダウンを奪われ、相手を勢い付かせてしまう。江嵜はフックを軸に攻撃を組み立てるが、なかなか有効打を与えられずに防戦一方のラウンドとなる。3R。開始から打ってくる相手に対し、江嵜も手数を増やし打ち合いに。江嵜のカットの治療により一時試合が中断するが、集中力を切らさず最後まで戦い抜いた。しかし、結果は判定負け。ここで慶大の敗北が決まってしまった。

ダウンをとられながらも判定まで持ち込んだ江嵜(法2)

 

第五試合 ライトウェルター級 森瑞李

 ライトウェルター級には森が出場。1R。元高校生ランカーの強敵相手だが、ひるまず先手を取っていく。序盤はボディを攻められ攻めあぐねるが、徐々に相手の動きに対応。クロスとストレートが入るようになる。2R、3Rに入っても徹底してボディを狙ってくる対戦相手。森も負けじとボディとフックで応戦する。だが、有効打で相手を上回ることができず判定負けとなってしまった。

冷静に相手の動きを読む森(経3)

 

第六試合 ウェルター級 小笠原夢生

 ウェルター級には小笠原が登場。1R開始から打ち込む相手だが、そのプレースタイルは小笠原も同じ。相手の重いボディや顔面へのクロスを受けながら、小笠原も「気持ちで負けないように」クロスやストレートを叩き込む。序盤は相手にやや押され気味であったが、2R後半からは小笠原が前に出て試合の主導権を握る。強烈なフックなどが決まり、確実に相手へダメージを与えることに成功する。3Rに入っても小笠原は攻撃の手を緩めず、右ストレートから立て続けに連打を与える場面も。さらに終了間際には、相手のマウスピースが飛ぶほどの激しい打ち合いとなった。勝負の行方は判定に委ねられたが、結果は惜しくも判定負け。試合後、小笠原は「1Rで出きれなかったのが敗因だと思います」と悔しさをあらわにした。

ストレートで有効打を与える小笠原(法4)

 

第七戦 ミドル級 林麟太郎

 最後のミドル級には林が出場。相手は連勝の勢いに乗り、1Rから積極的に拳を浴びせてくる。林も懸命に応戦するが、左フックを決められいきなりダウンを奪われる。一度は立ち上がった林だが、右フックで再びダウン。ここでタオルが投げ込まれ、RSC負けとなってしまった。

勢いのある攻撃を懸命に交わす林(経3)

 

 予想通り、厳しい戦いとなった今節の平成国際大戦。勝利を奪うことはできなかったが、内容としてはチームを勇気づけるものであったに違いない。例えば、昨年まではなかなか白星を稼げずにいた、軽量級の層が厚くなった。実際、ライトフライ級に出場した古山は、試合に出る毎に自身のボクシングスタイルを取り戻しつつあるようだ。このまま調子を上げていけば、リーグAクラス入りのキーマンとなるだろう。さらに、相手チームは実力者が名を連ねる中、半数以上の選手が3Rを戦い抜いたことも見逃してはいけない。次節はまたしても格上の法政戦。しかし、今節のように気持ちを切らさずに戦いに臨めば、必ず結果は付いてくるはずだ。

 

(記事・下川薫/写真・佐野ちあき)

 

【以下、選手コメント】

 

小笠原夢生(法4・慶應義塾)

(オフの期間はどのようなトレーニングを行っていたか)昨年は今までと違うスタイルでプレーしていたんですが、オフはもっと自分に合うスタイルを研究していました。他の強い大学へ合同練習にも行きましたし。それが今回の自信につながったのだと思います。(相手は昨年のリーグ戦にも出場していた。対策などは考えていたか)去年の関東ブロック大会でも見ていました。自分は同じ平成国際大の(今回の相手よりも)1つ上の階級の選手に負けてしまったので、この大学には絶対負けたくないという思いがありました。対策はチーム全体としてやっていたので、それが上手く出せた試合になったと思います。(序盤から打ち込んでくる相手にはどう対応したか)自分も同じスタイルでしたし、自分が攻めれば相手は下がる性格でした。なので、気持ちで負けないように戦いました。2R後半からは完全に小笠原選手のペースだった。それでもポイントで勝れなかった要因は)1Rで慎重にいき過ぎたというのがあると思います。去年の成績という点で自分たちの方が格下だったので、勝つためには相手よりも一歩上の試合をしなければならなかったのですが、1Rで出きれなかったのが敗因だと思います。(次戦に向けて)1Rから全力で戦えるスタミナを付けるのと、気持ち的に上がらないで試合に臨めるようにしたいと思います。

 

古山皓介(環1・新潟江南) 

(今日の試合を振り返って)自分のなかではなんとか勝ったかなと試合後思ったんですけど、判断するのは第三者というところもあって、判定はしょうがないと思います。けれど、第3Rではきちんと自分の力が出せたのでよかったです。(相手選手の印象は)結構攻めが強く、手数も多いかなというところがありました。そこで3Rに自分はカウンターを狙っていきました。1R、2Rでそれができれば勝てたかなと思います。相手選手は地元でジムが同じで、練習相などでお世話になっていた先輩なので、対戦できてよかったと思います。まだ来年もあるし、たぶん国体予選でも新潟県に帰ったら対戦すると思うので、そこでリベンジできたらいいなと思います。(大学リーグ戦2回連続出場となったが)前の試合は初めてということもあって、ガチガチに緊張してて、なかなか自分のプレーというのができなかったんですけど、今日はその緊張もあんまりなく、自分なりのプレーができたと思います。(次節へ向けて)2試合とも負けているので、次戦はしっかり勝ち星あげてチームに貢献できるようにがんばりたいと思います。

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