日本一を懸けて、一戦も落とせない慶大男子ラクロス部の第3戦が行われた。慶大は序盤から「入りの悪さ」が露呈し、相手に先制点を許してしまう。MF矢島荘太郎(経4・長生高)、AT立石真也(政1・慶應義塾高)、MF杉山達也(経4・都立日比谷高)らが順調にリードを広げるが、3Qでは明大の猛攻に押され2点を失う。逆転をも匂わせる展開であったが、G杉本健(経3・慶應義塾高)のファインセーブが光り、リーグ戦2勝目を飾った。
第30回関東学生ラクロスリーグ戦 第3戦
9/10(日) 15:00F.O. @駒沢オリンピック公園総合運動場第二球場
慶大 | 経過 | 明大 |
1 | 1Q | 1 |
2 | 2Q | 0 |
2 | 3Q | 2 |
1 | 4Q | 0 |
6 | 合計 | 3 |
ここまでリーグ戦1勝1敗ときている慶大。迎えた第3戦、欲しいのは勝利だけではなく、次戦に繋がる善戦である。後がない男子ラクロス部の挑戦が始まる。
1Q、青木裕太郎(商4)がフェイスオフを取ると、すぐさまAT立石にパスが回りシュート。しかし惜しくもボールは枠外で速攻のチャンスを逃す。慶大オフェンスが続くが、なかなかシュートを決められずボールは明大へ。すると開始4分、果敢に攻めてくる明大に先制点を許してしまう。さすがに焦りを感じたか、ここでやっと慶大側にエンジンがかかる。開始7分、フェイスオフを取ると慶大攻撃が始まる。パス回しの末、MF矢島(経4)がシュートを決め、1点を返す。続いて得点を重ね勝ち越しを図りたい慶大であったが、なかなかゴールを決めきることができない。結局1-1で1Qを終えた。
気を取り直してここから一気に点差を開きたい2Q。開始2分、明大ボールをカットするとDF原拓輝(経4)が一気に敵陣へ走りこみ立石へパス。そのままランニングシュートを放ちこの日初得点が決まり、ついに勝ち越しに成功。さらに6分半、MF松平悠希(経3)から受けたパスを再び立石が弾丸シュートで決める。立石の2連続得点で流れは慶大に来たかのように思われたが、2Qは相手Gのファインセーブもあり、3-1のままハーフタイムへ。更なる得点は3Qにお預けとなった。
3Q、開始2分でMF杉山(経4)が味方のパスから一直線にシュートを放ちゴール。3点差へと引き離す。しかし直後開始4分、慶大がオフェンスを展開しているなか、パスミスでボールは明大へ。ゴール裏から回り込んでシュートされ、2点差へと縮められる。すると7分、G杉本(経3)が相手シュートをセーブし、速攻でATまで運ぶ。またも立石が圧巻の3得点目を決める。しかし明大もここでは終わらない。3Qも残り2分というところでシュートを決められてしまう。明大ベンチはかなりの盛り上がりをみせ、流れは明大で3Qを終えることとなった。
迎えた4Q、逆転を狙う明大の猛攻撃が始まる。開始直後から得点にはならずとも、早くも2本のシュートを打たれる、手に汗を握る展開となる。しかし7分、相手からボールを奪うと、杉山が速攻。そのままシュートを決め、再び3点差へと取り返す。とはいえ、安心はできない点差だ。再び明大の猛攻が始まると、相手ATに次々と攻め込まれる。ここでみせたのが慶大の守護神杉本健。隙をついて果敢に打ち込まれるシュートを前にスーパーセーブを連発。最後まで相手に得点を許さず試合終了。6-3で第3戦も勝利を収めた。
結果勝利で終えたが、得点が伸びず更には相手攻撃を許してしまい、選手たちにとってあまり満足のいかない内容となった。シュート数は多いが決めきれないという「決定力不足」(杉山)が今回の試合では多く見受けられた。今後はよりレベルの高い相手と戦っていくうえで、重要となっていくポイントだろう。今回のMVPはと聞かれれば、3得点の立石も、2得点の杉山も十分に活躍したといえるが、やはり井上主将も認めるG杉本だろう。抜群の反射神経で慶大ゴールを守り抜く姿は圧巻だった。それでも「自分としてもチームとしてもまだまだ足りないと思います。」(杉本)と語るように、まだまだ彼らの実力は存分に発揮されていない。次は負ければ4年生の引退、勝てば決勝リーグに繋がる大きな山場が待ち受けている。次戦、慶大男子ラクロス部の本領発揮に期待がかかる。
(記事:堀口綾乃)
※写真は男子ラクロス部より提供して頂きました。
【以下、選手コメント】
杉山達也(経4・都立日比谷)
(試合を振り返って)ディフェンスで3点に抑えられたのは良かったんですが、オフェンスの得点量が6点で目標より10点以上も少なかったので、決定力不足というのが今後の課題かなと考えています。(ご自身の得点を振り返って)特に2点目のところはディフェンス時間が長くて、ここは流れを変えてやろうという思いでパスを出さずに自分で決めることを意識しました。(後半は攻め込まれる場面もあったが、チーム全体としての守備面は)ゴーリーの杉本選手(杉本健)がビッグセーブを連発してくれたので、そこが最後の砦みたいなところはありました。その分ディフェンス陣がシュートを多く打たれたというところでもあるので、杉本選手のセーブに頼るのではなくて、ディフェンス全体でシュートを打たせないようにしていきたいかなと思います。(次の成蹊大戦に向けて)成蹊大学の方が早稲田大学に対しても点差をつけて勝っているので、自分たちの格上だと思って、油断せずに自分たちの力を出し切れるように頑張っていきたいと思います。
杉本健(経3・慶應義塾)
(今日の試合を振り返って)やはり「不甲斐ない」というのが大きいです。(個人的にはビッグセーブを何本も決めていましたが)初戦落としてから2、3戦目と集中できたので、そこはよかったとおもうんですけど、ディフェンスを動かすという面ではこのままだと次の成蹊戦とか失点がどんどん重なってしまうと思うのでそこは修正していくべき点だと思います。(Gから見て今日の選手の動きはどうでしたか)もう負けられないということで皆気を引き締めていたので最初の方は引き締まっている面もあったんですけど、やっぱり慶應の悪い点である「入りの悪さ」と「最後の精度の悪さ」が出てしまっているのは自分たちの弱みが出てしまっているのだと思っています。(今シーズンはどのようなことを意識されていますか)今シーズンは自分のセーブでボールを奪うといのも相手からボールを奪うというのが一つのポイントだと思うので、打たせていいところは打たせる、中でやられたりとかそういう危ないところでもセーブして、オフェンスにつなげるということを心がけています。(井上主将「彼は今日のMVPですよ」おっしゃられていますが)いや、まああの…笑自分としてもチームとしてもまだまだ足りないと思います。この結果で満足はしていないので、まあ誰も満足していないと思うんですけど、おごらず、とりあえず負けられないので一戦一戦戦っていくだけだと思います。(最後に次戦に向けてひとこと)次はこのブロックの中で山場となる一つのところで、勝ったら上に行きますし、負けたら引退という試合だと思うので、先に進むためにも何が何でも悪いところをこの2週間で修正して、必ず勝ちたいと思います。
立石真也(政1・慶應義塾)
(今日の試合振り返って)今日は得点が少なくて、内容もあまり良くなったですけど勝てて良かったです。(今日は3得点)味方のアシストで点が取れているのでありがたいです。次もしっかり点とって貢献できるように頑張ります。(守り合いの展開が続きました)ディフェンスやゴーリーがしっかり守ってくれて、厳しい時間も続いたんですけど、しっかりディフェンスが繋げてくれたボールを決められるように意識しました。(夏はどのような練習を)みんなと同じ練習にプラスして、自主練で毎日壁当て30分をやっていました。(次戦に向けて)次の試合は内容的にも結果的にも理想としている点数で勝てるように頑張ります。