【ラクロス(男子)】劇的勝利でFINALへ!/関東学生リーグ戦 VS一橋大

約1か月ぶりのリーグ戦。FINAL4は一橋大学との対戦となった。MD川崎元照(政3)が先制点を決め、幸先よくスタートしたかに思われたが、連続失点が続き4点ビハインドで前半を終える。目標である日本一へ向けて早くも暗雲が立ち込めたが、後半に入るとAT浅岡大地(文2)、立石真也(政1)ら攻撃陣を中心に怒涛のゴールラッシュを見せ、一気に逆転。その後再び同点に追いつかれるが、終了間際に1点を押し込む。劇的勝利でFINAL進出を決めた。

ゴールを決め、拳を突き上げるLMF竹内

 

第30回記念関東学生ラクロスリーグ戦 FINAL4

2017/11/3(祝) 12:50F.O. @駒沢オリンピック公園第一球技場

慶大

経過

一橋大

1

1Q

3

1

2Q

3

3

3Q

1

6

4Q

3

11

合計

10

 

 整理券が配られるほどの賑わいを見せた駒沢第一球技場にて、熱い戦いが繰り広げられた。相手の一橋大学は、Bブロック全勝でここまで勝ち進んでいる。昨年のリーグ戦で勝利しているとはいえ、決して簡単な相手ではない。

 

 1Q。最初のフェイスオフでファウルを取られると、相手の攻撃が続く。しかし7分、ゴール前でパスを受けたMD川崎が鋭いシュートを決め、先制点を挙げる。このまま流れに乗って得点を重ねていきたいところだったが、シュートがなかなか決まらない。17分にゴール裏からの突破を許して失点すると、直後のフェイスオフから2失点目を喫する。悪い流れを断ち切れないまま遠めからのシュートを決められ3失点目。終了間際の数分で立て続けに3点を奪われ、2点ビハインドで1Qを終えた。

相手陣へ突破をかけるMD矢島

 

 まずは追いつきたい2Q。開始直後に主将のAT井上裕太(経4)がシュートを打つが決まらず。その後G杉本健(経3)がファインセーブを見せると、そこからパスをつないでいく。相手DF陣との混戦からAT浅岡がパスを受けると、ゴール前まで自力で走り込みシュートを決める。ここまでのリーグ戦で何度も得点を決めてきた浅岡が慶大の攻撃に火を付けたかに見えたが、1Q同様ここからペースダウン。終盤のタイムアウト後、あっさりと失点を許すと、またしてもここから3連続失点を喫する。差を4点まで広げられ前半終了。今シーズンは前半でリードを奪う展開が多かっただけに、不安の残る内容となった。

シュートを放つAT立石

 

 3Q。開始早々、相手にロングシュートを決められる。さらに点差が開き、客席には半ば諦めムードも漂い始める。しかし、ここから慶大の逆転劇が始まる。4分にMD川上拓純(経3)が、13分にはAT立石がシュートを決め、少しでも点差を縮めるべく次々と攻撃を仕掛けていく。逆転への期待が少しずつ膨らみ始めた終了間際、追加点をあげたのはまたしてもAT立石。落ち着いてスタンシューを決めると会場は一際大きな歓声に包まれる。ルーキー立石の活躍で最終Qでの逆転に望みをつないだ。

ボールを運ぶMD川崎

 

 運命の4Q。フェイスオフには敗れたが、2分にMD川崎がゴール正面からしっかりとシュートを決める。しかし直後にゴール付近でボールを押し込まれ、失点を許す。再び点差を広げられたが、慶大の攻撃はまだまだ終わらない。疲れも見え始めた相手DF陣を次々に抜き、攻撃を進める。相手のパスミスから転がったボールをAT立石が拾うと、DF竹内豪(理3)にパス。そのまま竹内が一気に走り込みゴール。その後もAT立石、AT浅岡が立て続けに得点を奪い、ついに逆転に成功。だが相手も意地を見せ、あっさりと10-10の同点まで追い上げられてしまう。残り時間がほとんど無い場面で、得点を決めるしかない慶大。会場全体が固唾を飲んで見守る中、MD松平悠希(経3)がシュートを放つ。シュートは惜しくも阻まれるが、このこぼれ球を押し込み再び勝ち越しに成功。このまま試合は終了し、大逆転勝利でFINALへ駒を進めた。

11点目が決まった瞬間

 

 特に終盤、1秒たりとも見逃せない大逆転劇となった。相手にペースを握られ、前半を終えた時点で4点差をつけられるという苦しい展開。しかしそんな苦しい状況を救ったのは下級生たちだった。井上主将が「本当に下級生に支えられた後半」と振り返るように、これまで攻撃の要としてチームを支えてきた浅岡や立石、さらに川崎や竹内ら3年生が躍動し、見事な逆転劇を見せつけた。そして、FINALの相手は今シーズン3回目の対戦となる早大。「今後さらに慶應の一体感が増していくと思う」(川崎) 「みんなの力を貰って最後までやり抜けた」(浅岡)と選手たちが語ったように、後半で見せた団結力はチームを良い方向に導いてくれるだろう。今試合の勢いそのままに、FINALへ突き進んでいってほしい。

(記事・伊藤史織/写真・下川薫、内田貴啓)

 

NEXT→11/11(土)関東学生リーグFINAL VS早大

駒沢オリンピック公園第二球技場 10:00 F.O.

 

以下、選手コメント

井上裕太主将(経4・慶應義塾)

(試合を振り返って)毎回、1Qの入りから「集中しよう」と声をかけるのですが、なかなかそれができませんでした。完璧に相手の流れでしたね。でも、後半は絶対に自分たちの時間が来ると信じていました。個人的には、僕がその流れを持ってきたかったんですが、今日は味方に迷惑しか掛けられなかったです。そういったところで、すごく気持ちの強い浅岡が勝負強さを発揮してくれました。その他にも、1年ながら実力のある立石や中盤の川崎らが踏ん張ってくれて、本当に下級生に支えられた後半でした。(相手の印象は)むちゃくちゃ旨かったです。ディフェンス陣は、気持ちが強くしっかり寄せてきていて、手強かったです。オフェンス陣も、球回しが早くどんどんシュートを打ってきて、かなり怖いチームでした。だからこそ、こういうチームに勝てたことがFINALに向けての自信につながったと思います。(前半で大きくリードされていたときのチームの雰囲気は)マネージャーなど顔を曇らせているメンバーもいたのですが、不思議と下級生はそんなことなくて、「まだまだこれからです」と僕に声を掛けてくれました。僕自身もこんなところで終わるつもりは無かったですが、主将として自分が引っ張っているつもりが下級生に引っ張られていましたね。(後半の追い上げのきっかけは)竹内のシュートが決まった瞬間だと思います。それから全員一歩が出るようになって、グラボが上手くなったり寄りが強くなったりしました。(次の相手は今季三度目の対戦となる早大)そうですね。リベンジするつもりで戦いたいと思います。(どういった準備をしていきたいか)いつも通り、今試合の動きを反省して臨みたいと思います。僕個人としては、シュート精度をもっと上げたいです。得点を決めた他のアタックは、今日と同じようなパフォーマンスをしてくれればと思います。

川崎元照(政3・慶應義塾)

(苦しい展開も続いたが、試合を振り返って)正直、最初の方は負けるんじゃないかなと思ったこともあったんですが、結果的に勝つことができたし、今までの人生の中で一番熱い試合だったなと思います。(先制点も決めたが、自身のプレーを振り返って)先制点に関しては、どうせ最初だし自由にやってみようと思って自由にやった結果点が取れたのでそれはすごく自分の中でも変わった点かなと思います。振り返ってみて実際すごく熱かったし、楽しかったです。あと自分自身でもまだまだキャッチの精度だったりは練習通りいかない部分が多々あったと思うので、そういう部分はもっと練習から試合に近づけてパフォーマンスを上げていかないとFALCONSとか早稲田には勝てないなと思っています。(前後半で雰囲気が変わったきっかけは)たぶん誰かの点がきっかけだと思うんですが、慶應は流れでガンガン行くタイプなので、そういう1個の点に対してみんなが流れを変えていこうとする意識が、今回のこういう結果になったのかなと思います。こういう結果になると今後さらに慶應の一体感が増していくと思うので、もっと流れの中で最初から観客の方に安心して見ていただけるようなプレーをやって勝っていきたいなと思います。(一橋大の印象は)正直、断トツに上手いプレーヤーはいないんですが、一人一人がちゃんとミスしなくて上手いというイメージがありました。慶應もちょっと油断している部分があって、心のどこかでもしかしたら負けるかもしれない、ちょっと油断しすぎなんじゃないかと思う部分はあったので、結果的に前半で点数も取られていてちょっと慶應の弱さが見えたかなと思います。(海外遠征での収穫は)僕自身は、海外のプレーヤーが上手すぎて日本にいるプレーヤーがそんなに上手に見えなくなって、自分と同じような感じなんだなと思うことで、安心というかリラックスしてプレーできるようになりました。あと、オフボールの動き、ボールを持っていないときの動きが海外の選手は上手かったので、そういうところももっと参考にしていきたいなと思います。 (次は早大との対戦だが)このまま一体感を持って流れでいくか、ここで一橋に勝って油断して足元すくわれるかのどっちかだと思うんですが、僕は前者でこの流れのまま勝っていきたいなと思いますし、相手は相手で一回勝っている慶應だからと油断する部分はあると思うので、流れの中で安心して勝っていけるようにしたいなと思います。

 

浅岡大地(文2・慶應義塾)

(今日の試合振り返って)最初はアタックで流れを作れたと思うんですけど、ちょっと途中で苦しい場面もあり、4年とか同期後輩、スタンドのみんなの力を貰って最後までやり抜けたかなと思います。ただ、次の早大戦では今日のような展開ではなく、圧勝で勝たなくちゃいけないと思っているので、僕たちはまだまだ上手くなれるし、頑張ろうと思いました。(前半と後半で流れが変わりました)やっぱり一人一人の言葉が大きかったと思います。集まった時に、主将の(井上)祐太とかDFの幹部の皆とか同期の皆が発した言葉が僕たちの心に刺さった部分があって、1つのグラボ、1つのパスをどれだけ大事にするかということを再認識出来たと思います。その結果、こぼれ球から点が決まったりとかいいパスが通って点を決めきれたシーンが多くなったのだ思います。最後の得点は僕たちの気持ちで取った一点だと思います。(一橋の印象は)がむしゃらな選手が多かった印象です。僕たちは落ち着いたプレーをする選手が多いので、油断すると付け入られるところがいくつかあると思って、気持ちで負けないようにすることが大事な相手だったなと思います。(アメリカ遠征は)凄く身になりました。アメリカは元々のレベルが強くて、子供の頃からやってるので、クロスワークとか1on1のキレは僕たちより数段上だったんですけど、2回くらいアメリカ人相手に張り合えた試合があって、凄く自信になりました。アメリカ人とやった後に日本人とやると、気持ち的にも余裕が出て1つ1つガツガツ行けたんじゃないかなと思います。(次戦のFINAL、早大戦に向けて)5月の定期戦では同点ゴールを決めたものの、引き分けに終わってしまったんですが、次は自分が良い形で点を取って、いい内容で圧勝で勝ち切りたいと思います。

 

立石真也(政1・慶應義塾)

(今日の試合を振り返って)目標は16-3で圧倒することだったんですけど、前半苦しい部分があって、その中で自分たちで流れを変えて逆転できたっていうのは、チームの底力と応援の力も含めて全員が団結できたからだと思います。(チームの雰囲気が変わったきっかけは)連続失点で点差が離された時に、ベンチやスタンドのみんな一人ひとりが諦めていなくて、応援も大きくなって雰囲気が変わったのかなと思います。(後半に向けて作戦の変化は)前半からやることは決めていて、自分たちのラクロスをすれば勝てるということで、することは変わらなかったです。(一橋大の印象は)体の大きい選手が多くて、アグレッシブなプレーも多かったです。ただ、慶應も海外遠征を経てアグレッシブさを高めてきたので、フィジカルの部分やグランドでの寄りの部分で負けなかったことが、勝因だと思います。(ご自身のプレーを振り返って)シュートは3本決めたんですけど、打ったシュートは7本くらいあったので、そこの決定率を上げていかないと来週勝てないと思うので、もう一度集中して決められるようにしたいです。(早稲田とは今年3度目の対戦になりますが)この1年間やってきた自分たちのラクロスをしっかり出せれば、必ず勝利できると思うので、いつも通り平常心を保っていきたいです。(改めて次戦への意気込み)相手も強いので、プレーヤーだけではなくて、ベンチメンバーやベンチに入れなかったメンバーだったりの応援が必要だと思うので、引き続き応援よろしくお願いします。

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