【ラクロス(男子)】走攻守で相手を圧倒!危なげなく決勝進出/全日本ラクロス大学選手権大会 VS南山大

関東から全国へ戦いのステージを移した慶大ラクロス部。準決勝の相手は、東海リーグ1位の南山大だ。試合は、序盤からAT浅岡大地(文2・慶應義塾)とAT立石真也(政1・慶應義塾)が大暴れ。1Qから一気に5点を奪う。2Qでは攻撃陣の息が乱れミスから失点する場面があったが、DF原拓輝(経4・慶應義塾)ら守備陣が踏ん張り、大きなリードを保ったまま前半を折り返す。後半は、メンバーを入れ替えながらもさらに点差を広げ、14-6で快勝。大阪大学との決勝に駒を進めた。

今シーズン初得点で井上主将からMVPに選ばれた関根

 

第9回全日本ラクロス大学選手権大会 準決勝 VS南山大

11/18(土) 11:00 F.O. @名古屋市港サッカー場

 

慶大

経過

南山大

5

1Q

1

4

2Q

4

1

3Q

0

4

4Q

1

14

合計

6

 

 

 一橋大戦、早大戦と連続で接戦をものにし、実力だけでなく終盤の勝負強さも手にした慶大。悲願の全日本王者に向け、着実にレベルを積み重ねている。今回、相対するは東海王者の南山大。相手もリーグ戦を勝ち抜いてきている実力校であり、気は抜けない。ここは、この先に待ち構える強敵との戦いを見据え、圧倒的勝利でチームに弾みを付けたいところだ。

相手DFを振り切る立石

 

 1Q。この日は開始からエンジン全開だ。2分に、DF原が運んだボールをAT浅岡が正面から決めて先制。さらに、直後のフェイスオフをFO/MD青木裕太郎(商4・早稲田)が取り、AT立石につないでそのままゴール。瞬く間に2点を奪い、チームを盛り上げる。その後も浅岡と立石のATコンビで得点を重ね、16分には立石が相手DFを3人背負いながらシュートを決める離れ業もやってのける。また、守備では徹底的なマンマークで南山大攻撃陣をシャットアウト。中盤、ファールによるマンダウン中に1点を返されるが、1Qから4点のリードを作る。激戦区・関東を制した実力を見せつけた。

ボールを運ぶ原

 

 2Qも、2分にMD川崎元照(政3・慶應義塾)のゴールで序盤から得点。このままさらに点差を広げていくかと思われたが、ここから苦しい時間が続く。何度も攻撃のチャンスを作るものの、前線でのパスミスが目立ちなかなか得点につなげられない。AT井上裕太(経4・慶應義塾)は、「(1Qが)うまくいき過ぎて、2Qからオフェンス陣が慌ててしまった」と振り返る。そして、その隙を突かれる形で4分と9分に失点。その後、慶大も流れを取り戻そうと立石と井上で3点を奪い返すが、終盤にパスミスからさらに2点を失ってしまう。4点差はキープしたが、嫌なイメージを払拭しきれないまま前半を折り返した。

フェイスオフを勝ち取る青木

 

 ハーフタイムを挟み、しっかりと気持ちを切り替えて臨みたい3Q。ここからFO/MD池垣陽介(商3・慶應義塾)とG井熊優(経3・慶應義塾)が入る。少しでも多くのメンバーに実戦経験を積ませることによる、「チームの底上げ」(井上)が狙いだ。6分に相手ファールによるチャンスを生かし川崎が追加点を挙げるが、以降は最後で決め切れず、このQは川崎の1得点のみ。だが、MD杉山達也(経4・日比谷)のナイスカットや原のクロスチェックなど好守備が光り、相手を無得点に抑える。リードを5点とし、最終Qへつないだ。

相手OFに立ち向かう井熊

 

 4Q。2分、立石がこの試合6得点目となるシュートを決め、慶大が久々の得点を挙げる。すると慶大は徐々に序盤の勢いを取り戻し、11分には井熊のグラウンドボールからAT江原健(経2・慶應義塾)がゴール。直後に速攻で1点を返されるが、そこからは井熊がナイスセーブを連発し攻撃の起点となる。そして試合終了間際、MD関根魁星(政4・慶應義塾)とMD田中聡貴(商4・福岡大附属大濠)がダメ押しの2点を追加。14-6で勝利を収め、決勝進出を決めた。

 

 前半で大きなリードを作り、後半では育成のためにメンバーを入れ替えながら戦う。全日本選手権で勝ち上がるためにさらなる強化が求められる中で、全体として理想的とも思える試合運びができた今試合。しかし、井上は「60点」と評価した。追い上げ型ではなく先行型の試合展開で、どのように集中力を維持していくか。「そこを修正できないと社会人チームには勝てない」。そう語った。彼らは己のプレーに満足することは決して無い。立ちはだかる壁に挑み続ける限り、彼らはどこまでも成長する。

 

(記事・下川薫/写真・森田悠資)

 

NEXT→11/26(土) 全日本ラクロス大学選手権大会決勝 VS大阪大学

駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 11:30 F.O.

 

【以下、選手コメント】

井上裕太(経4・慶應義塾)

(試合を振り返って)珍しく入りが良い試合でした。シーズン最初に、今年はフルフィールドラクロスをやろうという話をしていたのですが、原点に立ち返ってそれを実践することでチームを勢い付けたいと思っていました。それがうまくハマって、序盤に浅岡と立石が立て続けに決めて流れを引き寄せることができました。そういう意味で思い通りの展開に持っていけたのですが、逆にうまくいき過ぎて、2Qからオフェンス陣が慌ててしまって失点につながってしまいました。そこは新たな課題で、修正できないと社会人チームには勝てないと思います。(後半からメンバーチェンジがあったが)前半の時点で大きな点差を付けることができたので、育成の意味で色々なメンバーを出しました。(自身のプレーを振り返って)僕はサポーター的な役割でしたね。どんどんボールを回して、浅岡と立石に点を取ってもらいました。点取り屋としての動きは無かったんですけど、こういうのも慶應の怖さになると、個人としては思います。(全体としては合格点か)1Qが良かったのは合格点ですが、他はもうちょっとですね。総合すると60点くらいです。まだまだですね。(全国大学王者に向けての意気込み)勝つしかないというか、勝つと思っています。その先の全日本選手権に向け、チームのビジョンや意識を作り直していきたいです。これからもっと強いチームと当たるので、しっかり準備していきます。次の試合は、今やっていることの精度を高めながら、それでどこまで点を取れるのか試していきたいです。それと同時に、ベンチメンバーも含めたチームの底上げをして全日本に臨みたいです。

 

井熊優(経3・慶應義塾)

(今日の試合に向けて)Gなのでいかに失点を少なくするかをいつも通り、意識して練習をしてきました。(今日の試合を振り返って)セーブはよかったんですけど、クリアは見えていなかったです。次にはクリアを繋いでもっとオフェンスに関われるGになりたいです。(チームとしては)今日はオフェンスもデイフェンスも意識していてできない部分が多かった。こういう試合をしているとこの先勝ちきれない試合が出てくるので、意識する点をチームで共有していきたいです。(南山大のアタックの印象)すごいサイド展開が多くて自分も右に行ったり、左に行ったりとポジションを合わせるのが大変だったし、すごく上手いなと感じました。(スカウティング通りですか)スカウティングはしたんですけど、うまく生かせなかったシーンもありました。(今シーズンここまでを振り返って)本当にせっている試合だと杉本(#2)が出ていいセーブをしていて、僕は調子が悪くはなかったんですが、彼がいつ怪我しても出れるようにというのは常に意識しながらやっていました。前回の早大戦で何もできず交代させられたので、そういうところで安心してもらえるプレイヤーになるために、ここまでやってきました。(今後に向けて)学生で慶大が日本一だって見せつけて、1年間目標にしてきた社会人に勝つというところを目標に日々重きを置いてプレーしていきたいです。

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