第73回国民体育大会冬季大会フィギュアスケート競技が1月28日より小瀬スポーツ公園アイスアリーナで開催されている。1月30日に行われた成年女子ショートプログラムに慶大から2名が出場した。鈴木美桜(法4)は神奈川県代表として、小堀瑛美(環1)は千葉県代表として演技を披露。今大会で引退を迎える鈴木は競技生活の集大成である「Time to say Goodbye」で、持ち前の大きくて柔らかいスケーティングを見せる。小堀も全国から強者が集まる大舞台で堂々とした演技を披露し、二人揃ってFSへ進出を決めた。
第73回国民体育大会冬季大会
1月30日 成年女子SP@小瀬スポーツ公園アイスアリーナ
選手名 | 点数 | 順位 |
鈴木美桜 | 41.72点 | 16位 |
小堀瑛美 | 39.09点 | 20位 |
まず、鈴木が第2グループの1番滑走で登場。プログラムは題名も引退にぴったりだと思って選んだという「Time to say Goodbye」。冒頭のコンビネーションジャンプの着氷が乱れ、続くサルコウジャンプでも回転が抜けてしまう。しかし、「ジャンプ以外の部分は自分のできるものが全て出せた」という言葉通り、鈴木のスケーティングが作り出す世界観で魅了した。特に、プログラムを作った当初からお気に入りだと語っていた最後のステップからフィニッシュの部分での緩急をつけた美しい滑りは観客の目に焼き付けられただろう。全体の16番目でFSへ駒を進め、明日は鈴木にとって競技生活の最後の演技となる。鈴木の全てを出した演技で、笑顔で大会を終えてほしい。
小堀は第5グループに登場し、「A Day in the Life」を披露した。今シーズンの目標にしていたという国体出場権を12月に行われた予選会で獲得し、調子も良い中迎えた今大会。緊張していたというが、初めはゆっくりとした曲調に合わせた滑りを見せていく。冒頭のトリプルサルコウは回転が抜けてしまうが、次のコンビネーションジャンプは落ち着いて決める。その後はダブルアクセルも成功させ、安定したスピンを見せるなどしっかりと演技を立て直した。小堀も全体の20番目でFSへ進出。フリーでは今シーズンなかなか決め切れていないトリプルサルコウを決められるように頑張りたいと語った。シーズンの締めくくりにふさわしい演技に期待したい。
(記事 西村夏菜)
◇以下、選手コメント
鈴木美桜(法4)
(今大会で引退。どのような気持ちで演技に臨んだか)演技前は結構落ち着いてできていたと思うんですが、やっぱりショートというのもあって、緊張していたかなと思います。(演技を振り返って)なんで涙が今も出てきているのかわからないんですが、最後というのはどうしても意識してしまいます。ジャンプ以外の部分は自分のできるものが全て出せたかなと思います。ただ、やっぱりジャンプがトリプル2本、しっかり決まらなかったのが悔しいです。(演技後は大きな歓声があり、感極まっているように見えたが、どのように感じたか)明日もあると信じたいです。今は明日が滑られればいいなというので精一杯です。悔しい部分もあるんですが、ああしておけばよかったなという後悔は全くないです。(フリーに進めたら)明日があったら、明日がスケート人生の最後の演技になるので、ジャンプとか関係なく、今日みたいに自分の全部が出せたらいいなと思います。
小堀瑛美(環1)
(今シーズン最後の大会。どのような気持ちで臨んだか)部活で目標達成シートというのがあって、4月くらいにそれを書いた時に今年の目標は国体に出ることと書きました。なので、出場して自分のできることはやれるようにしようと思って臨みました。(今大会に向けて、コンディションは)環境が変わって3か月くらい経って、だんだん慣れてきて調子も良い感じだったと思います。(演技を振り返って)今シーズン、スケーティングを頑張ろうと思ってやってきたので、スケーティングの点数に頑張ってきたことが反映されていればいいなと思います。ジャンプの要素に関しては、一つ目がトリプルサルコウなんですが、私の記憶の中だと一回も跳んでないくらい全部の試合で失敗しているので、もし明日滑ることができたら明日頑張りたいと思います。(フリーに進めたら)昨日すごく緊張してしまったんですが、友達に「(国体に)出られるように今シーズン頑張ってきたから楽しんで滑ればいいんじゃない?」と言われたので、もしショートを抜けられたとして明日やるなら、緊張はすると思うんですが、閉じこもった演技ではなくて、スピードを出して思いっきり踊りたいです。