【テニス(男子)】4-5で惜敗も、多くの収穫を得る/第186回早慶対抗庭球試合

 

昨年はダブルスで1勝したものの、シングルスでは全敗を喫し、涙をのんだ慶大男子庭球部。今年は、ホームである蝮谷テニスコートで大きな声援を背に伝統の一戦に臨んだ。

慶大

スコア

早大

D1 ●逸崎・羽澤

2{4-6,7-6,6-4,6-7,4-6}3

坂井・田中

D2 ○福田・今村

3{6-3,6-3,5-7,2-6,6-4}2

島袋・髙村

D3 ○畠山・山崎

3{6-2,6-7,6-3,6-4}1

古賀・安上

S1 ○羽澤

3{6-3,6-3,4-6,4-6,6-3}2

島袋

S2 ○今村

3{6-0,6-2,5-7,6-2}1

田中

S3 ●福田

1{4-6,5-7,7-6,0-6}3

髙村

S4 ●逸崎

1{6-3,6-7,4-6,4-6}3

坂井

S5 ●中村

2{5-7,6-1,3-6,6-0,4-6}3

小林

S6 ●伊藤

0{2-6,3-6,2-6}3

古田

合計4

5

第186回早慶対抗庭球試合@慶応義塾大学蝮谷テニスコート

2018年5月12日・13日

 

D3畠山/山崎

3{6-2,6-7,6-3,6-4}1

古賀/安上


畠山成冴(環4・湘南工科大付属)・山崎瑛二(環4・慶應)組は早慶戦初出場の古賀・安上組と対戦した。第1セットはネットプレーと前衛を抜くストレートでポイントを重ねていき、6-4で第1セットを取る。続く第2セットはタイブレークにもつれ込む。相手の粘り強さが上回り、セットカウントがイーブンに。しかし、相手の勢いはここまであった。第3セットと第4セットでは、自分たちのテニスを展開し、慶大にとって初勝利をもたらした。

 

D2福田/今村

3{6-3,6-3,5-7,2-6,6-4}2

島袋/髙村


D2の福田真大(商3・慶應湘南藤沢)・今村昌倫(環2・清風)はストレート、スマッシュ、ボレーなど、多彩な攻撃でゲームをものにしていく。波に乗った状態でセットを連取し、セットカウント2-0でリードする。しかし、第3セット以降は相手が攻撃的なプレーを展開し、受け身なる場面が増える。セットを連取され、セットカウント2-2に。第5セットはデュ―スが続くゲームが増え、緊迫した展開が繰り広げられた。そんな中、福田・今村組は好プレーを連発。相手を翻弄し、白星を獲得した。

 

D1●逸崎/羽澤

2{4-6,7-6,6-4,6-7,4-6}3

坂井/田中


手に汗が握る接戦となったD1。第1セットでは第3ゲームにブレイクを許す。これが大きく響き、4-6でセットを落としてしまう。続く第2セット、反撃の糸口をなかなかつかめず、1-4と先行される。しかし、ここから怒涛の追い上げを見せ、タイブレークに突入。流れがどどちらに転ぶかわからない状況が続いたが、7-5でタイブレークを制する。ここで勢いに乗った逸崎凱人(環4・大阪産業大付属)・羽澤慎治組。6-4で第3セットを奪い、1セットアップで第4セットを迎える。しかし、調子を取り戻し、積極的なプレーを展開する相手に苦しみ、4-6でセットを落とし、イーブンに。第5セットに入っても攻めの姿勢を崩さない相手に手を焼き、痛恨の負けを喫した。

 

S6●伊藤竹秋

0{2-6,3-6,2-6}3

古田伊蕗

 
 
S6にはルーキーの伊藤竹秋(法1・慶應)が抜擢された。第1セットからルーキーらしい強気な攻めでブレイクを狙うも、早大副将の老獪なテニスに翻弄され苦しい展開に。バックハンドを執拗に狙われ、甘いショットを強打されてしまう。健闘空しくストレート負けを喫し、早大に勝ち星を並ばれる形となった。
 

S5●中村進之介

2{5-7,6-1,3-6,6-0,4-6}3

小林雅哉

 
 
S5を任された主将の中村進之介(商4・慶應湘南藤沢)。豊富な運動量と巧みなスライスで第1セットから連続ブレイクし、4―0とする。しかしここからミスが重なりこのセットを落としてしまう。ここからは交互にセットを獲り合い迎えた最終セット。「自分の武器である足が動かなくなってしまった」と語るように、疲労からか運動量で相手に差をつけられなくなってしまう。最終セットを落とし、早大にリードを許した。
 

S4●逸崎凱人

1{6-3,6-7,4-6,4-6}3

坂井勇仁

 
S4の逸崎凱人は、前日にD1で対戦した坂井と再び相まみえた。第1セットは気迫のこもったプレーで選手した逸崎。第2セットもリードした展開だったが、終盤に追いつかれタイブレークの末惜しくもこのセットを落とす。さらに続く第3、4セット、相手に要所でエースを決められ苦しい展開に。さらにミスも重なり、1―3で敗戦。慶大はこれであと一敗も許されない状況となった。
 

S3●福田真大

1{4-6,5-7,7-6,0-6}3

髙村佑樹


今年からS3を任されるようになった福田。D2で再び髙村と激突した。第1セット、終盤に追い上げを見せるも、序盤から髙村ペースで試合が進み、4-6でセットを落とす。続く第2セット、福田はバックスピンの効いたスライスを効果的に使い、相手を揺さぶっていく。主導権を握り、5-3で第8ゲームを終える。しかし、ここから髙村が勝負強さを発揮。ギアを上げてきた髙村のプレーに追いつけず4ゲーム連取される。セットカウント0-2となる。後がない中で迎えた第3セット。一進一退の攻防が続き、タイブレークまでもつれ込む。気迫がこもったプレーでポイントを重ね、7-3でタイブレークを制する。しかし、第4セットでは、終始髙村に押され、0-6でセットを落とした。この瞬間、慶大の敗北が決定した。

 

S2今村昌倫

3{6-0,6-2,5-7,6-2}1

田中優之介


去年のインカレインドア準決勝と同じカードになったS2。今村昌倫は強いトップスピンがかかった重いショットを駆使し、ラリー戦で優位に立つ。さらに、要所でサービスエースを奪い、相手に全く隙を与えない。序盤はセットカウント2-0で先行する。第3セットに入っても勢いを失わず、着実にポイントを重ねていく。しかし、5-3と迎えた第9ゲームでブレイクを許すと、主導権が田中に渡ってしまい、5-7でセットを落とす。続く第4セットでは持ち前の攻撃的なプレーで果敢に攻め続け、6-2でセットを取った。

 

S1○羽澤慎治

3{6-3,6-3,4-6,4-6,6-3}2

島袋将

 

 
 
グランドスラムのジュニア大会に出場するなど、世界の舞台で活躍してきたS1の羽澤は、去年のインカレチャンピオンである島袋将と激突。早慶両校のプライドがぶつかり合った白熱した試合が繰り広げられた。序盤から速いスイングスピードから繰り出されるサイドライン上を狙いすました強烈なショットと、高い打点から放たれた力強いサーブで次々とエースを奪い、島袋を圧倒。最初の2セットを連取する。しかし、ここから島袋が王者の実力を発揮。勝負所でサービスエースとウィニングショットを決め、アゲレッシブなプレーで試合の流れを寄せ付ける。一方の羽澤は思うような攻撃をさせてもらえず、歯がゆい展開に。第3セットと第4セットを落としてしまい、勝負の行方は第5セットへ。両選手とも最後まで集中力を切らさず、スーパープレーを連発。最後は島袋のショットがアウトになり、ゲームセット。

 

今年のチームの目標も団体戦で日本一である。その日本一を達成するには早大という難関門を突破しなければいけない。今日の定期戦では優勝とはならなかったが、4-5という結果から見れるように健闘した。しかし、「早稲田にはケガ人が多く、ケガ明けで練習が十分にできていないという選手が多かった」と中村主将が語るように、早大は万全な状態で早慶戦に挑めなかった。点差以上に早大との実力には大きな差があるだろう。その早大を撃破するには個人のレベルアップが不可欠だ。今後の団体戦での飛躍には夏の全日本学生テニス選手権で上位に食い込む選手をできるだけ多く輩出したいところであろう。

 

(記事:内田貴啓、萬代理人 写真:堀口綾乃)

 

中村進之介(商4・慶應湘南藤沢)

――今日の試合を振り返って

ファーストセットが4-0でリードしていて、そこから5-3、5-4となりました。5-4だったら自分のサービスゲームでセットポイントがありました。そこで相手が何もしてこない中で、自分がリスクばかりとって、早く決めたいという思いがあったせいでミスが先行してしまい、落としてしまったのが相当相手を楽にさせてしまったと思います。自分の中でも取らないといけないセットであったのでそこが1-0になっているか、なっていないかで自分もそうですし、隣でやっている試合にも影響してくるのかなと感じました。あとはファイナルセットで自分の武器である足というところで動かなくなる時間帯がありました。学生大会には5セットの試合はありませんが、一日にシングルスとダブルスをやる日があるのでそこはどれぐらい長い試合をやっても自分の足腰が最後まで動き続けることが必要だと感じました。相手は2年前にインカレを取っていて、そういう相手にも戦える自信がついたという部分はありますが、勝ちきれないといけませんし、僕自身がそういった相手に勝てるようになれば、下もついてこれると思いますし、底上げにもつながると思うので、とにかく自分の結果にはこだわっていきたいと思います。

――今日の試合で良かったところは

波はありましたが、点取れているときは自分から前に入って、とにかくフォア、ストレート、逆クロスというところを、自信を持って攻めれて、前に出れたのがよかった思います。あとはスライスが効いていました。結構低く抑えられましたし、相手はそのスライスを嫌がっていたと思います。その2点に関しては自分の中では良かったと思います。

――団体戦の総括

早稲田にはけが人が多く、怪我明けで練習が十分にできていないという選手が多かったです。例年の早稲田と比べたらミスやしつこさというのがいつもよりはなかったと思います。そういう早稲田に対して、4-5で負けているのは本当に夏のリーグなどで勝つということを考えるともっともっと自分たちが成長しないといけないと思います。特に今回の団体戦の場合だと、シングルスの最初に入る3本というところがもっと相手にプレッシャーをかけられる存在にならないといけないと思います。特に僕の場合だと、その位置に出る選手だと思います。団体戦の流れを作るのは下位が相当大事な位置にいるのでそこに出るからにはまあ踏ん張りであったり、しつこさをもっと高めないといけないと思いました。

――どういうところで早大との差を感じたか

早稲田は経験もあると思います。競り合った場面や勝負所で自分のプレーを信じて戦える選手が多いと思います。早稲田に出ているような選手だとジュニア時代からトップ選手が多いです。ですので、自分の武器、自分の軸がはっきるしているので、緊張した場面などでいつものプレーをできるが早稲田の強みだと思います。それに対して、慶應は欲しい場面でいつもと違うプレーをしたりする選手がいまいす。もちろん慶應にもそういう選手がいますが、早稲田と比べると慶應のほうが少ないです。そこが差だと思います。

――今後の目標

団体としては日本一です。日本一になるプロセスとして、個人戦で全国上位に食い込む結果を出さないといけないと思います。実際に春関の結果もよくなかったです。個人戦勝てなくて、団体戦だけ勝とうとするのはあまりにもいい話だと思います。まずはインカレで慶應の選手が数多く残ることとリーグ戦は早大だけでなく、中大や法大などの強敵もいるのでそういうところに対して隙を与えず、一戦一戦自分たちの力を出し切っていけるチーム作りをしていきたいです。

 

羽澤慎治(環1・西宮甲英学院)

――早慶戦振り返って

1年ですが、単複ともにダブルス1、シングルス1で出させてもらって、相手のエースと戦うことができて、僕自身は1勝1敗でチームとしても4―5で負けてしまったということは、収穫もありますが本当に悔しいです。これかもっと普段の練習から突きつめてやっていかないとと思いました。チームとして戦うことが大学に入ってから初めてのことなので、チームの中で自分が何をできるのかもう少し考えて秋のリーグ王座に向けて頑張っていきたいです。

――強敵との戦いでの収穫は

今日のシングルス、最終セットまで行ったけど勝ち切れたということと、ダブルスでもサーブとボレーが得意なのでそれを活かして積極的に動いて自分らしいプレーができたということは今後につながると思いました。自分の武器をもっと磨いていきたいです。

――今後の目標は

慶應の大学生として自分が大学テニスを引っ張っていくということと、チームの団体戦で優勝を目指すのはもちろん、個人としても世界ランキングをドンドン上げて、将来的にはプロになってグランドスラムで活躍できるような選手になりたいと思います。

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