先週、惜しくも2連敗となった慶大。突然のセッター交代に伴い、「3日くらいで合わせたチーム」(宗雲監督)で臨むこととなった。先週に引き続きこの日も第1セットは取ったものの、次第に相手に攻略され、2~4セットを連続で落として逆転負け。慶大は開幕3連敗となった。
9月15日(日)
秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦
第3戦 慶大×中大
@キッコーマンアリーナ
得点 | ||
慶大 | セット | 中大 |
25 | 1 | 23 |
18 | 2 | 25 |
26 | 3 | 28 |
20 | 4 | 25 |
先週負傷した吉田祝太郎(政2・慶應)に代わり、谷舜介(環1・徳島城東)がスターティング起用となった。
立ち上がりから清水柊吾(総2・広島城北)のブロックなどで3点のリードを奪う。その後、サイドアウトの応酬となるが、13-11の場面から谷のサービスエースを含む3連続得点。22-17からはスパイクミスなどで失点を重ね、2点差まで詰め寄られるが、最後は小出捺暉(環1・駿台学園)がスパイクを決め、第1セットを先取した。
第2セットは、途中までの互角の戦い。しかし、9-10からマルキナシム(総3・川越東)と小出がトスと合わず、連続失点するなど、ところどころミスが目立ってしまった。中盤には、相手の強いジャンプサーブにレシーブを乱され、ファーストサイドアウトを取れなくなってしまった。逆に相手の両サイドからの強力なスパイクを拾うことができず、ブレイクのきっかけを作れなかった。18-25の大差でこのセットを落とした。
第3セット序盤、相手にブロックポイントやサービスエースを献上し、一挙に4連続失点。しかしその後は富澤太凱(経3・慶應)や小出のスパイクですぐに追いつき、樫村大仁(環2・茨城高専)と清水のブロックなどで逆転に成功する。しかし中盤、マルキのスパイクがブロックに捕まり始め、18-18と同点に。慶大は、レシーバーとして途中出場の加藤真(商2・慶應)の正確なレシーブから、富澤が力強いスパイクを決めてみせた。デュースにもつれ込む接戦だったが、最後はマルキのスパイクがワンタッチされた後に切り返され、26-28。慶大は後がなくなる。
第4セットも序盤までサイドアウトの取り合いだったが、9-9からスパイクミスで3連続失点。12-17から、小出が相手オポジットを1枚ブロックで落とし、ネット際に来たサーブレシーブのボールを樫村がダイレクトで打つなどして3連続得点したほか、相手レフトのスパイクをワンタッチにかけて富澤のスパイクで切り返すなどしてブレイクを重ね、2点差まで詰め寄る。しかし、20-23から、マルキのスパイクがことごとくブロックにかかって得点を決められなくなり、連続失点となってしまった。20-25でこのセットも落とし、試合終了。慶大は惜しくも3連敗となった。
試合後、富澤は「相手は修正し始める一方で、こちらが修正できずにズルズルいってしまった」と振り返る。途中からブロックを攻略され、なかなか相手スパイクを止めることができず、一方で攻撃面ではワンタッチにかけてつながれることも多くなった。第1セットを3試合連続で先取している慶大が、あと少し必要なのは、第2セット以降、相手に攻略されてなお、得点に結びつけていく「対応力」(小出)なのかもしれない。
だが、決して絶不調というわけではない。この日、とくに活躍していたのは1年生2人だろう。小出は、70%超のサーブレシーブ成功率で安定感を見せたほか、鍛えてきた攻撃面でも存在感を発揮していた。そして、セッター谷。「もっともっとできると思う」と監督が評価するように、まだ本来の力を発揮できていないかもしれないが、突然の起用でも、大崩れすることなくトスを上げ続けた谷の姿は、とても頼もしく思えた。
(記事:藤澤薫 写真:尾崎崚登)
以下、コメント
宗雲監督
――今日の試合の振り返り
3敗目かな、負けているから非常に残念ですね。セッターが谷に変わって、急遽、本当に3日くらいで合わせたチームなので、まあ3~4日前の練習の様子よりは、よく頑張っていたと思います。
――今日の谷選手について
もっとできると思うんだけど、AB戦のときにBチームのセッターとしてAチームに対して向かっていっているときのトス回しはもっと良いし、急遽自分がトスを上げなきゃいけないってなってから、ちょっとプレッシャーに押されていたこの数日だったと思うんですよ。だからもっと責任感もってやってくれれば、もっともっとできると思います。
――ここまで3試合連続で第1セットを取っているが
今日は、すごく良いというわけではなかったです。中央さんの方が多分苦手意識があったんじゃないかなって思います。あれだけタレント揃いなんだけど、結構ドタバタしていたので、なんか変な苦手意識があるんじゃないですかね。
――春に比べてブロックは
まあブロックは水物なのでね。もうちょっとサイドが決めてくれればいいんですけど、今日はもう全然、マルキなんかも全然対応できていなかったので。技術的な問題とか、考え方の問題もあるかもしれません。
――今日、交代選手を多く起用していたが
宮川と加藤靖丈に関しては、あそこ小さいので、ピンチブロッカーとして。2人とも、打つチャンスがあったんですけど、結局点数にならなかったですね。加藤真に関しては、サーブレシーブで後ろを固めたいので、それで入れています。
――明日に向けて
筑波大は強いチームです。慶應は、もっと最後まで自分たちの力を出し切りたい。そうすればチャンスがあるので。波を少しでもなくしてほしいなと思います。頑張ります。
富澤太凱(経3・慶應)
――今日の試合を振り返って
雰囲気作りが難しい中で試合に入りましたが、こちらが普段出ないミスを出してしまったり、相手の強い部分と対した時に力負けしまった場面が多かった試合でした。
――入りが難しかったということか
それもあります。多少いつも通りでない部分はメンバーが自覚して、そこを意識していました。結果がついてこなかったのは自分たちの甘い部分だったなと思います。
――第1セットは取ったが
相手のミスに助けられた部分も多かったセットだったと思います。そこから相手は修正し始める一方でこちらが修正できずにズルズルいってしまいました。
――自身の攻撃面はどうだったか
勝負所で決められなかったので、反省しなければいけないなと思います。
――ブロックがあまりうまく機能しなかった
システムを徹底しようという話でしたが、ストレートを意識するあまり相手の得意コースを締められなかったのは反省すべき点だと思います。
――明日の試合に向けて
まずは自分たちが出せるものを全部出せるような試合を目指します。明日に向けて立ち止まっている暇はないので、また前向きにやっていきたいです。
小出捺暉(環1・駿台学園)
――今日の試合を振り返って
3連続で勝てる試合を落としてしまって悔しいです。
――何を意識して試合に入ったか
相手のブロックが高いので、何本もリバウンドでつないで1本ずつものにしていこうと思っていました。
――スパイクが好調に見えるが
自分の調子が良くて、結構今日は打つ機会が多かったです。でも、他の部分で怠ってしまった部分があったので、そこを修正したいです。
――ブロックの面を振り返って
1本の駆け引きがチーム全体的にできてなかったことと、前に出すなどいつもやっている部分ができていなかったです。それは意識の問題で明日には修正できると思います。修正して万全の状態でブロックができるようにしたいです。
――同期の谷選手について
一本一本トスを丁寧に上げてくれるので、すごく打ちやすいですし、同じ1年なので一緒に頑張っていこうという雰囲気でできたので良かったです。
――ここまでの課題は
チームの実力は相手に比べても全然戦えるくらいにはなってきています。波をなくすことも大事です。1セット目は3戦とも取っていますが、そこから相手の変えてきたことに対応できてないので、対応力を上げていきたいです。
――明日の試合に向けて
明日の筑波大はとても強く、ボールを全然落とさないチームなので、こちらも負けないで守備に力を入れて頑張っていきたいです。
出場選手 | |
センター | 樫村大仁(環2・茨城高専) |
オポジット | 富澤太凱(経3・慶應) |
サイド | マルキナシム(総3・川越東) |
センター | 清水柊吾(総2・広島城北) |
セッター | 谷舜介(環1・徳島城東) |
サイド | 小出捺暉(環1・駿台学園) |
リベロ | 岩本龍之介(商4・仙台第二) |
途中出場 | 加藤靖丈(商1・慶應) |
| 宮川郁真(総1・松本県ヶ丘) |
| 加藤真(商2・慶應) |
| 片波見和輝(文3・成田) |