強敵との連戦でなかなかペースをつかめない慶大。春季リーグ2位の筑波大と対戦したが、得意のブロックで苦戦すると、レシーブ面の乱れから攻め手を欠きストレート負け。連敗のトンネル脱出とはならなかった。
9月16日(日)
秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦
第4戦 慶大×筑波大
@キッコーマンアリーナ
得点 | ||
慶大 | セット | 筑波大 |
21 | 1 | 25 |
19 | 2 | 25 |
14 | 3 | 25 |
セッターの緊急交代など歯車がかみ合わない慶大。秋季リーグ4試合目は昨年の1部昇格から2戦で1セットも奪えていない難敵・筑波大。まだ2週目とはいえ、早めに復調のカギを見つけ出したいところだ。
第1セット、富澤太凱(経3・慶應)の前後衛の間に落とすサービスエースで先にブレークを奪うと、小出捺暉(環1・駿台学園)が相手のライトを止めるブロックを見せる。一方で相手も堅実な守備で攻撃につなげ、連続得点の奪い合いが続いた。この日2度目のスタメン出場となった谷舜介(環1・徳島城東)は前回よりトスが安定し、クイックも機能。富澤・樫村大仁(環2・茨城高専)のブロックや清水柊吾(総2・広島城北)の巧みなサーブも要所で光ったが、両チーム20点を超えた終盤からは筑波大ペースに持ち込まれる。最後は2連続でブロックポイントを許し、ここ3戦先取していた1セット目を落としてしまった。
2セット目、先に主導権を握ったのは慶大だった。マルキナシム(総3・川越東)のサービスエースや樫村のクイックが決まり一挙に4連続得点する。しかし、その後相手のサーブがネットインしてから状況が一変。相手のサービスが決まるようになると、相手のブロックも回避できず、スパイクをコートにすら入れられない。レシーバーで加藤真(商2・慶應)を投入して一旦は息を吹き返したが、終盤は時間差攻撃を有効に使う相手に再び突き放されてこのセットも落とした。
なんとか挽回したい第3セットだったが、レシーブ中のお見合いという普段見られないミスが出てしまう。リベロの岩本龍之介(商4・仙台第一)のスパイクレシーブや2段トスから小出が打ち切るシーンもあったが、このセットはほとんど慶大らしいプレーが出なかった。強烈なサーブやクイックがあればセンターを使った時間差のバックアタックなど多彩な攻撃に翻弄され、10得点に到達する前から10点以上の差をつけられてしまう。途中出場の加藤靖丈(商1・慶應)がライトからの強打で得点を決めるなど、中盤以降はサイドアウトを1度で切っていったものの、最後まで序盤の大量失点を取り返すことはできなかった。
セッターの交代自体に伴う影響はほとんどみられていないと言っていい。だからこそセッター交代から来るそれぞれのメンタルのぶれがプレーの不安定さにもつながっているようにも見える。そしてこの第2週に課題として見えたのが「当たり前のプレーをすること」。連携不足や攻撃のつなげ方など、見直していかなければいけない点は多い。次週は絶対王者早大・今年好調の明大と今週以上に難しい戦いが待っている。数少ない1週間でどこまで自分たちのバレーを取り戻せるか。今一度原点に立ち返り、捲土重来のジャイアントキリングに期待したい。
(記事:尾崎崚登 写真:藤澤薫)
以下、コメント
宗雲監督
――今日の試合を振り返って
きついですよね。なかなか負けが続いているので、心理的には良くないですけど、でも1部は簡単には勝てないので、今日の筑波さん相手にも練習試合含めても全然勝てないし、20点も取れない。ミスをしない相手なので、こっちの力不足ですね。
――レシーブの連携がうまくいかなかったが
簡単なことができていないですね。日ごろから練習でお見合いのボール含めて重要視してないから同じことが起きてしまっています。学生にも話しましたが「当たり前のことを当たり前に出来るように」と伝えています。彼らがどこまで重要視しているかですね。
――サーブは効果的に見えたが
狙いが1、2セット目はうまく決まりました。2セット目の途中に相手が立ち直ってからは苦しかったですね。
――今日の試合で他に良かった点は
マルキが自分で考えてサーブを打ちだしたので、精神的に変わったんじゃないかなと思いました。フローターサーブを打たせていましたが、自分で判断してジャンプサーブに切り替えて、効果が出ていました。思うところがあったんでしょうね。一皮むけてくれないかなと思っています。サーブレシーブもまあまあ良かったです。
――今日の谷選手のプレーはどうだったか
昨日よりは良かったです。荷が重いのはかわいそうですが、ちょっと慣れてきました。この2日間バレーの形にはなったのでそれは谷に感謝しています。
――次週も早大明大と厳しい戦いが続くが
足元をすくえない訳ではないと思っています。負けが込んでみんな落ち込んでいるので、もう一回リフレッシュして臨ませたいと思います。
清水柊吾(総2・広島城北)
――今日の試合の振り返り
今日はこっちがちょっとミスが多くて、向こうがすごい繋いでガンガン来られていたので、あんまりこっちの攻撃とかが機能していなかったのかなと思います。
――チームの雰囲気は
序盤は割といつも通りだったんですけど、点取られはじめてから、とくに3セット目は暗かったなと感じます。
――なかなかサイドアウトを1本で切れなかった
向こうのブロックは速いし質も高いし、そこでなかなか1本で切れなくてそのままラリーになって向こうにブレイクされる、っていうのが多かったので、もうちょっとそこは練習が必要かなと思います。
――今日のご自身のプレーは
クイックとサーブに関しては、昨日ちょっと上手くいかなかったので、そこはセッターとしっかり話したりして今日は修正できたと思うんですけど、向こうの速い攻撃に対してブロックが全然追いつけなくて形も悪かったので、そこはもっと練習しなきゃいけないと思います。
――谷選手とのコンビについては
今日はタイミングとか変えて速いクイックっていうのを意識したんですけど、それが割と上手くいっていたので、それはもっと磨いていきたいです。
――来週までに修正する点は
来週も攻撃が速いチームなので、しっかりついていけるようにブロックを1週間やっていきたいと思います。
――来週に向けて
4連敗で負けが続いているんですけど、しっかり切り替えてまず1勝できるように、とりあえずもう相手とか関係なくとりあえず1点ずつ大切に頑張っていきたいです。
谷舜介(環1・徳島城東)
――試合を振り返って
今日はストレートで負けてしまって、ふがいない結果で終わってしまいました。しっかり反省して来週の試合に向けて頑張りたいです。
――何を意識して試合に入ったか
今日の筑波大は強豪ですが1セット目から取りにいかないと勢いで負けてしまいます。出だしから全力で、みんなが最高のパフォーマンスができるように、アップから気持ちを入れて1点目から集中して入りました。
――サーブが好調だが
サーブは自分の中で得意だと思っているので、しっかりそこで相手を崩せたら慶應にも勝てるチャンスがあるので、サーブはとくに集中してやっていました。
――スタメン出場した2日間を振り返って
トスは上がってはいますが勝負所では自分のトスが原因で相手に点数がいく場面が結構あるので、来週出るとしたら全部良いトスを上げられるようにしたいです。
――吉田祝太郎(政2・慶應)選手から何か話しかけられていたが
試合中もタイムアウトになったら声をかけてくれて、「こうしたらいいよ」とアドバイスもずっともらっているので、助かっています。
――今週の試合までの1週間を振り返って
自分しかセッターがいないので、思い切ってやるだけだと思っていました。
――次週に向けて
もう負けられないので、次は絶対に勝つつもりでいきたいと思います。
出場選手 | |
サイド | 小出捺暉(環1・駿台学園) |
センター | 樫村大仁(環2・茨城高専) |
オポジット | 富澤太凱(経3・慶應) |
サイド | マルキナシム(総3・川越東) |
センター | 清水柊吾(総2・広島城北) |
セッター | 谷舜介(環1・徳島城東) |
リベロ | 岩本龍之介(商4・仙台第二) |
途中出場 | 加藤真(商2・慶應) |
| 加藤靖丈(商1・慶應) |