第10回バレンタインカップが東大和スケートセンターにて開催された。慶大からは15名が出場。引退を迎える蓮田柚香(政4・国際基督教大学高)は思うように点数を伸ばすことができなかったが、多くのスケーターに見守られながら最後の演技を披露した。また、同じく4年生の山本健弘(理4・戸山)は怪我の影響で2年ほど試合に出られなかったという中、引退試合となる今大会で無事に復帰。笑顔でラストスケーティングを締めくくった。
2月18日 第10回バレンタインカップ
@東大和スケートセンター
クラス | 選手名 | 点数 | 順位 | 学部学年・出身高校 |
女子初級 | 壷井茉希 | 9.23点 | 優勝 | 薬2 桐朋女子 |
女子1級 | 齊藤ちひろ | 13.91点 | 4位 | 文2 取手聖徳女子 |
女子2級 | 大谷真由 | 17.95点 | 3位 | 法2 洗足学園 |
| 岡安萌 | 16.19点 | 8位 | 理3 森村学園 |
女子3級 | 白川めぐみ | 28.87点 | 6位 | 法1 慶應女子 |
| 中村聖菜 | 24.58点 | 11位 | 商3 相模原中等教育 |
| 中村優里 | 21.62点 | 17位 | 理3 慶應女子 |
| 蓮田柚香 | 21.49点 | 19位 | 政4 国際基督教大学高 |
女子4級 | 岡本愛美 | 39.16点 | 優勝 | 総2 Mira Costa |
女子5級 | 土屋有葵 | 50.99点 | 優勝 | 経2 慶應女子 |
| 佐々木花音 | 42.54点 | 3位 | 文3 相模原中等教育 |
| 水野明保 | 37.71点 | 5位 | 環1 国府台女子学院 |
| 新田陽奈子 | 35.90点 | 7位 | 文2 東京女学館 |
男子1級 | 勝股翼 | 棄権 | 棄権 | 理2 慶應 |
男子2級 | 山本健弘 | 16.78点 | 2位 | 理4 戸山 |
男子3級 | 佐藤優人 | 31.37点 | 2位 | 政2 慶應 |
女子初級では2年生の壷井茉希(薬2・桐朋女子)が優勝。女子2級では大谷真由(法2・洗足学園)がしなやかな演技で表彰台入りを果たした。
男子2級には山本が出場。冒頭のアクセルジャンプを着氷させるとリンクサイドからは大きな歓声が沸き起こる。その後も転倒はあったが、果敢にジャンプに挑んでいった。度重なる怪我の影響で2年ぶりの試合となった山本。試合に出ることができず苦しい時間が続いたが、副務としてスケート以外の部分でも部を支え続けた。そして競技人生最後となる試合で復帰。「内容はあんまり良いものじゃなかった」と振り返るものの、多くの部員に見守られながら最後の演技を滑り切った山本の表情は明るかった。
女子3級では、白川めぐみ(法1・慶應女子)が慶大勢トップの6位につけた。そして最終グループには今大会が引退試合となる蓮田が出場。リンクサイドからの「がんばー!」といった大声援を背に、演技が始まった。冒頭のアクセルジャンプを着氷させる。その他のジャンプは細かなミスはあったものの転倒はなく、演技をまとめた。しかし、本人は「ジャンプの調子が良く、ノーミスを目指していたので悔しい」と振り返った。蓮田の演技は笑顔が印象的だが、今日は一段と至る所で清々しい笑顔が輝いて見えた。演技後には、感情が溢れ出し涙ぐむ場面も。彼女のスケートへの想いが伝わる2分30秒であった。
女子4級では岡本愛美(総2・Mira Costa)が優勝。女子5級では東インカレ、インカレと力を見せつけている土屋有葵(経2・慶應女子)が今大会でも優勝を果たした。
今大会をもって、4年生は全員引退を迎えることとなった。東インカレやインカレ、どの試合でも、出場しない選手も含めて部員全員で鼓舞し合いながら試合に挑む姿が印象的な1年間だった。この団結力はきっと来季以降も受け継がれていくだろう。これからの慶大選手の活躍にもぜひ注目して欲しい。
(記事・写真:伊藤史織、高井真衣)
※掲載が遅くなり、申し訳ございません。
☆その他の写真はこちらから!(※一部選手のみの写真となっています。申し訳ございません。)
以下、選手コメント
蓮田柚香(政4・国際基督教大学高)
――演技を振り返って
自分の中では、結構本当に調子が良くて、ノーミスを目指していたので、それとは程遠い演技をしてしまって、ちょっと悔しさもあり、最後まで応援してくれた人たちに申し訳ない気持ちもあるんですけど、本当に2分半があっという間で、なんかあっという間に終わってしまった印象です。
――東インカレからバレンタインカップに向けて、どのように練習してきたか
本当は東インカレみたいに、アクセル2本組み込みたかったんですけど、アクセル2本組み込むよりも、スピンのレベルと精度を上げていこうということで、今の構成に変えて取り組んできました。
――最後涙ぐんでいたが
あっという間に終わってしまったなという気持ちもあり、あとはみんなが見てくれてる中で引退できて幸せだなという思いがありました。
――フィギュアスケートはいつ始めたか
本格的には、大学から始めたんですけど、小6から中3まで父の仕事の都合でモスクワに住んでいて、その時に体育の授業とかお遊びで習っていてました。楽しかったんですけど、高校ではスケートを続けられる環境がなくて、大学に入ってから本格的にやりたいなということで、また始めた感じなので、ある程度普通に滑れる状態で入部したという形です。
――同期の存在は
お互いの足りないものであったりとかを補い合ったり、お互いの長所を活かしながら、4人でやってこれたなって思っているので、誰が欠けてもできなかったというか、全員がいなくてはならない存在で、すごくかけがえのない存在です。
――今日でフィギュアスケートとはお別れですか
大学生としての競技からは退きます。4月からは新社会人になるんですけど、どれくらい続けられるか分かりませんが、趣味として続けられたらいいなとは思っています。スケートは好きなので。
――4年間のスケート生活を終えて
自分の中ではまだ終わった実感がないんです。最後リンクに出る前に、同期の橋本(將太)から、「2分半あっという間だと思うから」という風に言われて、本当にあっという間で、あっという間だったなという感じです。
――後輩へ一言
後輩のみんなが頑張っている姿に刺激をもらいながら選手生活を過ごしてきたので、そんな私が大きなことを言うつもりはないです。私は大学から始めたのでそんなに技術も高い方じゃないですし、そういう面で部活を引っ張ることはできなかったんですけど、今のプログラムで笑顔で滑っているところを後輩が見てくれて、私も笑顔で滑ろうと思いましたと言ってくれたりとか、のびのびと滑っているところとかそういうところをすごい後輩に褒めてもらうこともあったので、そういう部分で、スケートを好きな気持ちは後輩に伝えられたかなと思っています。なので、後輩のみんなにもスケートを好きな気持ちを忘れないで、決して楽しいことばかりではないですけど、みんなと乗り越えていってほしいなと思います。
山本健弘(理4・戸山)
――引退試合でしたが振り返って
2年ぶりの試合だったのでめちゃくちゃ緊張はしたんですけど、とりあえず無事に滑り切ることができてホッと安心しています。
――2年ぶりだったのは怪我の影響でしょうか
ちょうど2年前くらいに怪我をして久しぶりの試合でした。内容はあんまり良いものじゃなかったんですけど、怪我なく終えることができて良かったです。
――衣装は竹居主将が着ていたものですよね
主将からインカレの時に借りて、曲に合ってるのかなと思って。
――4年間のスケート生活を振り返って
4月からではないんですけど、6月くらいからたしか入部して。怪我が2年前に怪我したやつ以外にも多くて、実際に氷に乗れた時間は少なかったんですけど、スケート以外でも副務としていろいろ活動したりとか後輩の成長を見れたのはすごく大きかったかなと思います。
――同期の皆さんの存在は
とても大きいです。あまり最初部活に馴染めないところがあったんですけど、同期がすごく声をかけてくれたりするのでスケート面でもすごく励ましてもらって、非常に支えになってました。
――後輩に伝えたいことは
まずは怪我をしないように…(笑)気をつけながら、なるべくケアしながら、自分の体を大切にしながらスケートを楽しんでもらえたらと思います。
4年生の選手の方々、4年間お疲れ様でした!
この試合をもって、今年度の取材は終了となります。
いつも気さくに対応してくださった部員の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします!