3年連続王座出場を逃している女子部。そんなチームの主将に抜擢されたのが中村礼(総4.須坂)主将である。去年は、主務として、チームを支えた。過去の庭球部の主将は、プレーでチームを鼓舞する選手が多かったが、団体戦に出場したことのない中村主将は、プレー以外の側面でチームを引っ張ることを期待されていると言えるだろう。新体制企画第2弾は、中村主将に今のチーム状況と主将として懸ける思いを伺った。
【取材日 2月27日(木)】
――昨シーズンを振り返って
ここ3年間王座出場を逃しています。チームとして勝てるイメージがついていない現実があると思います。その中で変えるところは変えて挑んだつもりでしたが、結局、私たちは勝負ところで力を発揮できないことが多かったです。耐えきれなかったのが去年の敗因だと思います。優勝が見えていたメンバーだと思いますが、その中で優勝できなかったというのは私たちにとって厳しい経験でした。
――昨シーズンは下級生が躍進しました
今年も下級生も中心のチームになると思います。経験が浅いので、リーグ戦とかに挑むのも難しくて、一つのことで流されるところもあります。しかし、乗れば乗るので、勢いがあれば強いです。ただ、安定しているかといえばそうではないと思います。
――早大、亜大、筑波大など、実力のあるチームが多かった印象がありましたが
去年は全体的に4年生が強かったです。早大に4年生2人、亜大はほぼ4年生でした。他校の4年生が抜けた中、今年の慶應は戦力が揃っているので、今年はチャンスがあると思います。今年も下級生中心のチームになると思います。どうしたら下級生のポテンシャルを生かせるかというのを考えています。
――先日行われた新進を振り返って
ダブルスを優勝して、本戦に進出した選手も例年より大きかったです。そこはすごく自信になると思います。下級生が中心のチームなので、いい意味でテニスを楽しめる雰囲気はあると思います。そこは新進でも出ていると思います。
――末野(聡子=環2・芦屋学園)・平田(歩=総2・岡山学芸館)ペアが優勝しましたが
彼女らの実力からすれば当たり前かもしれないと思います。終わった後、平田が言いましたけど、今までより挑戦できたと言っていました。偶然で優勝したというわけではないと思いますので、ちゃんと自分たちの実力で勝ち取ったと思います。
――主将に選ばれた経緯は
毎年、エースやそれに準ずる選手が主将に選ばれます。私は、同期の中でも2番手か3番手ぐらいです。すごくプレーで引っ張るというところで期待されているわけではないと思います。自分の良さは、周りとコミュニケーションをとってモチベーションを上げたりできます。また、結構強気なので負けている中でも自信を持って何かをやろうとすることはできると思います。
「絶対優勝しようという気持ちになりました」
――主将に選ばれたときの気持ちは
率直に伝統のある部の主将を務めさせて頂くことに関して、プレッシャーを感じます。もし自分が優勝に導けたら、40年優勝できていない中どれぐらいすごいことなのかを思い浮かべたりすると、絶対優勝しようという気持ちになりました。
――主将の理想像は
テニスが強くて背中で引っ張るという主将もいます。しかし、私の理想は、全員の意見を反映させて、全員で優勝を目指せるようなチームを作っていきたいです。
――主将に就任されてから意識し始めたこととは
去年主務を務めさせて頂いて、チーム作りや仕組みのところで担当していました。主将になってから仕組みにこだわらず、一人一人と話したり、一人一人が何を考えているかを聞くようにしています。去年は、チームを作るところを今年は自分が作られたチームに勢いを乗らすというのが主将の役割だと思います。
「王座を優勝できてない状況が続いている中で何かを変えないといけない」
――今シーズンのチームの特徴は
今シーズンのチームで変えたいことが二つあります。一つは挑戦するところです。今までは勝負ところで無難なプレーを選んで、うまく自分の本領を発揮できないところが弱点でした。普段から挑戦する習慣を身につけたいです。「変革」という目標を立てました。王座を優勝できてない状況が続いている中で何かを変えないといけません。その変える勇気はなかなかでないと思います。レベルアップするために挑戦して本番でも挑戦できるように普段から挑戦する習慣を身につけたいです。挑戦して失敗することを楽しむというのをチームの文化として作っていきたいです。もう一つは自分で判断できるチームです。自主性です。今までですと、誰かに頼る傾向がありました。そういう自分たちで判断できるようなチームを作っていきたいです。
――去年も4年生の存在も大きかった思いますが、今年の4年生から期待することは
人数も多くて、個性も豊かです。気持ちが入ると団結する同期だと思います。いろんな意見を反映させやすい同期だと思います。信頼できる同期だと思います。
――今年の目標は
王座決勝の前日には、もうすることがない、チームとして自信を持って明日優勝できるというところまで持っていくのが目標です。
――お忙しい中ありがとうございました!
(取材:萬代理人)