ホームの蝮谷テニスコートで迎えた本戦4日目、ついにシングルス4強とダブルス8強が出揃った。慶大は佐藤南帆(環1・日出)、平田歩(総2・岡山学芸館)が堂々のベスト4進出を決めると、ダブルスでは3組がベスト8に残る快進撃を見せつけた。惜しくも3回戦敗退となったダブルス2組もスーパータイブレークにまで及ぶ接戦を繰り広げ、蝮谷を沸かせた。
2019年度関東学生テニストーナメント大会
2019年5月4日@慶應義塾大学蝮谷テニスコート
女子シングルスQF
〇 平田歩 | 2 {6-3、2-6、6-3} 1 | 吉田明日香(明大) |
〇 佐藤南帆 | 2 {6-4、6-1} 0 | 日暮春香(駒大) |
女子ダブルス3R
● 向井・城間 | 1 {6-3、6(7)-7、7-10} 2 | 安部・鈴木(山学大) |
〇 大村・望月 | 2 {7-5、6-0} 0 | 宮田・金山(明大) |
〇 黒須・今田 | 2 {7-6(3)、5-7、10-8} 1 | 千村・草野(筑波大) |
● 末野・平田 | 1 {3-6、6-4、9-11} 2 | 中島・南(亜大) |
シングルス4回戦に臨んだ期待の新人・佐藤南帆(環1・日出)。序盤は相手の攻撃的なプレーに押し負け流れを奪われるも、徐々に調子を上げその差を縮めていく。両手ハンドから繰り出される力強いストロークでエースを連発すると、劣勢だった第1セットを6-4で奪い取った。続くセットでも佐藤の勢いは止まらない。果敢に攻めのボールを打ち込み終始圧倒し続けた佐藤は、6-1でセットを締めくくり、余裕のストレート勝ちを手にした。
同じくシングルス8強に残る平田歩(総2・岡山学芸館)は立ち上がりから自分のペースでゲームを進めていく。自慢のストロークで相手を打ち負かし、一挙に5ゲームを連取。しかし、セットをとり急ぐあまりにミスが出始め、勝負の6ゲーム目をデュース戦の末に落とすと、その後もなかなかゲームを取ることができない。粘りのラリーで何とか第1セットをもぎ取るも、第2セットは相手のペースに飲まれ2-6で落とすこととなる。迎えたファイナルセット、ストロークが徐々に決まり始めると、平田はペースを取り戻していく。最後は長いラリー戦にも耐えきり、見事勝利を収めた。
ダブルス3回戦に臨む1組目は向井マリア(環4・城南学園)・城間安実(総4・九州文化学園)の4年コンビ。向井の鋭いコースを突くストロークと城間の勢いあるボレーでポイントを重ねる2人は第1セットを6-3で先取。勢いに乗りたい第2セットだったが、もつれ込んだタイブレークをあと一歩のところで落とし、試合は10ポイント先取のスーパータイブレークに突入。一歩も引かない両者の対決は、「1本弱気になってしまった」(向井)と振り返る向井・城間ペアがここ一番の勝負に敗れ、惜しくもこの接戦を落とした。向井・城間にとって最後の春関はベスト16に終わった。
快進撃を見せる大村千乃(総3・九州文化学園)・望月菜々子(環3・白鵬女子)組はこの日も息のあったコンビネーションを見せた。大村の大胆なショットや望月の器用な返球で接戦を繰り広げた末、終始活気ある掛け声で自らを盛り上げた2人が流れを奪い、7-5で第1セットを先取する。勢いそのままに臨んだ第2セットは完全に大村・望月のペースとなった。着実にチャンスボールを決めていき、相手に1ゲームも与えぬままこのセットも取りきり、自身ら初のベスト8進出を決めた。
注目の1年コンビである佐藤南帆(環1・日出)・永田杏里(総1・南山)。出だしに少しつまずいたものの、立て直した中盤からは永田の強烈なサーブや佐藤の鋭いストロークで相手選手を圧倒した。息の合ったネットプレーも光り、終始高いレベルのテニスを見せつけた2人は6-3、6-0でこの試合を快勝し、危なげなくベスト8進出を決めた。
先輩後輩コンビで臨む黒須万里奈(環2・山村学園)・今田穂(環1・啓明学院)は序盤から鋭いボールのラリーを展開。互いに一歩も譲らないシーソーゲームはスーパータイブレークまでもつれ込み、両者息の詰まるような緊迫したラリーが続いた。そんな中、最後は黒須・今田ペアがこの局面に耐え抜き、見事勝利をもぎ取った。
2月の関東新進テニス選手権に次ぐタイトル獲得を狙うのは末野聡子(総2・芦屋学園)・平田歩(総2・岡山学芸館)組。「序盤、私が引いてしまっていて」と末野が振り返る第1セットは相手の攻撃が先に決まり、ペースをつかめないまま3-6に終わってしまう。しかし、「ポジション的に前に入って、ファーストよりも攻めていけた」(平田)第2セットはその言葉通り、ネットに詰めたショットが冴え渡り、徐々に調子を上げていく。末野・平田はこのセットを6-4で取りきると、スーパータイブレークへとこぎつけた。運命の最終セット、末野のボレーなどで初めは優位に進めるも、相手のボレーが決まりだすと一気にスコアは同点へ。カウント9-9で迎えた終盤、ここで相手のポーチが2連続で決まり、まさかの試合終了。大接戦の末に敗れた末野・平田組は、ベスト16に沈んだ。
(記事:堀口綾乃 写真:持丸嘉昭、堀口綾乃)
向井マリア(環4・城南学園)
――今日の試合を振り返って
2回タイブレークがあったのにそこを落としてしまったのがもったいないと思っています。競ったときに1本弱気になってしまったりして、そこでいかに思いきりいけるかどうかというところが今後の課題だと思います。そういった課題が浮き彫りになったことは良かったのかなと思っていて、負けたことは悔しいし、振れなくて取られてしまったという悪いところもあったんですけど、今後の課題もわかった一戦だったかなと思います。
――手ごたえを感じた点は
これまで前衛にいるときはあまり前で動けなくて、下がって受け身になってしまうことが多かったんですけど、今日は積極的に前で動いたりボレーでも展開を作っていけたので、そこは手ごたえを感じています。
――今大会のダブルスを振り返って
去年は1回戦で負けてしまい、インカレを予選から出ることになってしまって。結局けがで出られなかったんですけど、今年は単複本戦から出られることになり、そこは去年と違ってポジティブに捉えていきたいなと思います。
――ご自身にとってラストとなる早慶戦に向けて
去年は出られていないんですけど、自分が1年のときから春秋6回あるうちのシングルスは5回出ているので、今年は春絶対に勝ちます。また、下級生中心のチームではありますが、自分は上級生としてプレーでも引っ張っていけたら良いなと思っているので、応援よろしくお願いします。
城間安実(総4・九州文化学園)
――今日の試合を振り返って
勝てそうな場面がたくさんあった分、そこで振りきれなかったことが悔しいです。負けてしまった結果というよりは、もう少しで勝てそうというときに弱気になってしまったことが悔しいです。夏に向けてもっと緊張する場面はいっぱい出てくると思うので、次はしっかりと振りきって自分の強気のプレーで勝てるように練習していきたいなと思いました。
――タイブレークを振り返って
タイブレークもペアの向井がしっかりと強気で作ってくれて、二人で元気出してできたところは良かったと思うので、あとは最後の一本を決められるか決められないかのちょっとの差だったと思うので、そこをもっと取り組んでいきたいと思います。
――今大会を振り返って
向井とは今大会で初めて組んだんですけど、その中でも役割分担ができたのかなと思います。向井はしっかりと冷静に相手の弱点を突いていき、私は元気よくプレーして、というのを組み合わせて初戦も今日の試合もいいところまでは行けたのかなと思っています。息は合っているので、それをもっと結果にする可能性はあるのかなという手ごたえは感じています。
――今後に向けて
最後の年で集大成だと思うので、自分たちのそれぞれの強みを活かして二人で盛り上げていきたいです。早慶戦も、今大会で勝ち残っている選手は多く、慶應に良い流れが来ていると思うので、4年として盛り上げていけたらなと思います。
末野聡子(総2・芦屋学園)・平田歩(総2・岡山学芸館)
――今日の試合を振り返って
末野:序盤、私が引いてしまっていて上手くいかない中で、セカンドは何とか2人でいったんですけど、最後は自分たちが引いてしまって。タイブレークという緊張した場面でどうやって自分たちで攻めていけるかという課題が見つかったという感じです。
平田:末野と同じで、全体的に最初から最後まで相手の方が攻撃的だったというのがあって。勝ちを意識するのではなくて、もっと自分のプレーに集中して前に前にと攻めていけたら結果は変わっていたのではないかと思います。
――第2セットを巻き返せた要因は
平田:ポジション的に前に入って、ファーストよりも攻めていけたかなと思います。
――今大会を振り返って
平田:全体的にはあまり良くはなかったのかなと思っています。1試合目はどうにか勝って、新進で結果を残したことによって自分的にも引いてしまったところが出たのかなと感じています。攻撃的になれなかったのかなと思います。
末野:夏に向けての課題がたくさん見つかったのかなという感じです。自分的にはシングルスも上手くいっていなかったので、これを機に夏に向けて調子を整えていきたいです。
――末野選手は早慶戦に向けて、平田選手は明日のシングルス準決勝へ向けて、意気込みをお願いします
平田:相手はインカレやインカレインドアで頂点に立っている選手で、自分は本当にやれることを全部出しきるだけだと思うので、最後まで諦めずに頑張りたいと思います。
末野:まだ自分が出られるかはわからないんですけど、自分をアピールして、出られたのなら勝ちを一本取ってこられるように万全の準備をしたいと思います。