【弓術(男子)】最後まで早大寄せ付けず勝利 昨年の雪辱晴らす 令和元年度対早稲田大学定期戦

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昨年、122中対123中とわずか1中差で早大に惜敗を喫した慶大。雪辱を晴らすためにも、さらに来月に控える全関、選抜へ向けての前哨戦としても、負けられない戦いとなった今回の早慶戦。20射、約三時間半にも及ぶ試合だったにも関わらず、最後まで隙を見せず逃げ切った慶大。134中対126中で2年ぶりに早慶戦を制し、残る春シーズンの試合に向け弾みをつけた。

 

令和元年度対早稲田大学定期戦

5月12日(日)@早稲田大学

 

※一回で各選手4本、合計20本の矢を放つ。各校4人チーム2つで構成され、計160本のうち的に中(あた)った本数の多い学校が勝利となる。

 

試合は慶大の先攻で始まった。慶大一の立は大事な初矢を全員が的中させて波に乗ると、新戦力の関口(経1・慶應義塾)を含め3人が皆中、計15中という高的中を記録し序盤から早大にプレッシャーを与えた。二の立は初矢を2人が抜いてしまったものの、二本目からは巻き返して計12中。初回から早大に対し3中差をつけると、8射目でもさらに1中リードを広げ、2回を終えて53中対49中と良い立ち上がりをみせた。

このまま突き放したい慶大だったが、早大も黙ってはいない。12射目では両校26中と的中数が並び、さらにリードを広げることは阻止される。続く16射目でも早大一の立が15中を出し慶大を追い詰める。対する慶大一の立は、大前の前原(政2・浦和)の的中が疲れからなのか思うように伸びず、この回の的中は計12中にとどまった。しかし、早大の二の立は的中が伸びず、慶大二の立は一の立の分を取り返すように14中を出した。16射を終え両校の的中は105中対99中となり、慶大は早大をまたも引き離した。

ついに迎えた20射目、慶大一の立は最後を飾るのにふさわしい堂々たる戦いぶりを見せた。ここまで一本しか抜いていない牧原(経3・慶應義塾)がここでも皆中を出しチームをけん引し、前原も調子を取り戻し計14中で後を二の立へと託した。

主将の本郷(法4・慶應湘南藤沢)が「自分を超えよう」と声をかけ、慶大二の立も最終回に臨んだ。この回でチームは本郷の言葉通り実力を十二分に発揮した。初矢をすべて危なげなく的中させると、その後も的中を重ねていく。五島(法2・慶應湘南藤沢)は今試合初の皆中をし、結果として彼らはここまでの4回の的中を超える15中をたたき出した。この瞬間、早大二の立の結果を待たずして慶大の2年ぶりの早慶戦勝利が決定した。

常にリードを保ち、早大を寄せ付けない完全勝利で昨年の雪辱を晴らした慶大男子。約三時間半にも及んだ長い試合だったにも関わらず、最後まで彼らが失速することはなかった。むしろ試合が進むにつれ調子を上げていったようにも見えた。試合後のインタビューで本郷が部員について「試合の中でも成長していく」と語ったように、回を追うごとにその強さを見せた慶大男子。これは彼らの持つ「貪欲さ」がなした結果ではなかろうか。

「まだ課題が山積している。」鈴木監督は彼らに対してそう述べた。しかし彼らの貪欲さがあればどんな壁をも超えていけるはずだ。来月に待ち受けている全関、選抜、またその先のインカレ団体優勝に向けて――。彼らの躍進はこれからも続く。

(記事・写真:松嶋奈々美)

 

以下、監督・選手コメント

鈴木清久監督

――試合を振り返って

早慶戦という、勝たなければならない試合で勝つことができたのは部にとって良いことだと思っています。しかし今後、全関、選抜、インカレ、リーグ戦と戦い続けていくためにはまだ課題が山積しているので、部一同気を引き締めてさらに頑張りたいと思います。

 

――勝因は

新人戦は不甲斐ない結果で終わってしまい、そこからもう一度基礎から立て直そうということで、基礎を重視した練習を重ねてきました。それが徐々に結果として出てきているのかなと考えています。

 

――今日見つかった課題

課題は受け身になっているということです。積極的に的の真ん中に強い矢を出していこうということを言っているのですが、どうしても守りに入ってしまうというところが早稲田との比較の中でも特に出てきていたと思っています。今後の試合などについても考えると、もっと積極的に、1日中星に中て続けるというような練習が必要だと考えています。

 

――今後に向けて意気込みを

今の練習の方向性である程度早稲田に勝つこともできましたので、これを継続しつつさらにメンタルも強化し、普段の巻き藁での一本、練習での一本から丁寧に牽くというごく当たり前のことを部員全員に心掛けさせていきたいと思います。

 

 

本郷一輝(法4・慶應湘南藤沢)

――試合を振り返って

ここまでレベル感が少し合っていない相手との試合での勝利はありましたが、今日はレベル感が近い、あるいは少し上ぐらいの相手に新体制になってから初めて勝つことができました。

 

――勝因は

今年みんなすごく頑張ってくれていて、試合の中でも成長していくハングリーな部員が多くなったことが勝因だと思っています。

 

――自身の結果について

微妙です。もっとできたはずだと思いますし、抜いてはいけない存在なのに一本目を抜いてチームの勢いを落とすようなことをしてしまったのはだめだったなと感じています。

 

――個人・チームそれぞれの課題は

個人としては、的中だったり結果だったりは置いておいて、まずは内容をもっと良くしていくことが課題です。チームとしては、中間層からのし上がってくるような選手がまだいないので、その層の部員たちの成長を促していくことが今後の課題になると思います。

 

――今後の目標

まだ先になりますが、インカレで団体優勝をすることです。個人としても、全関・インカレの個人戦で優勝することが目標です。

 

――意気込みを一言

今年はラストイヤーでもありますし、大事なチームのために、これからも頑張っていきたいと思います。

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