第47回関東学生フィギュアスケート選手権大会が東大和スケートセンターにて2日間にわたり開催された。大会2日目には、男子3・4級、5・6級クラス、女子5級、6級クラスの慶大選手が出場した。女子5級クラスでは、土屋有葵(経3・慶應女子)と水野明保(環2・国府台女子学院)がワンツーフィニッシュ。男子5・6級クラスでは、田村周彦(法法1・桐朋)が大学生として初試合に臨んだ。
5月19日(日) 第47回関東学生フィギュアスケート選手権大会
@東大和スケートセンター
☆大会結果
クラス | 選手名 | 出身校 | 点数 | 順位 |
男子3・4級クラス | 佐藤優人 | 法政3・慶應 | 32.91 | 4位 |
男子5・6級クラス | 田村周彦 | 法法1・桐朋 | 49.83 | 6位 |
女子5級クラス | 土屋有葵 | 経3・慶應女子 | 51.89 | 1位 |
| 水野明保 | 環2・国府台女子学院 | 49.05 | 2位 |
| 佐々木花音 | 文4・県立相模原中等教育 | 46.90 | 8位 |
| 新田陽奈子 | 文3・東京女学館 | 40.19 | 11位 |
女子6級クラス | 花城桜子 | 法法3・県立那覇国際 | 50.57 | 25位 |
| 猪川乃絵瑠 | 経3・桐蔭学園 | 48.10 | 29位 |
| 湯浅加彩 | 総2・智辯学園奈良カレッジ | 47.18 | 30位 |
男子3・4級クラスには佐藤優人(法政3・慶應)が登場。ダブルサルコウを決めるなど、ジャンプに転倒はなかった。しかし、3つ全てのスピンがノーカウントになってしまい、点数が伸びない。それでも、昨年から継続の「seven nation army」に合わせて、より自然に馴染んできた印象的な振り付けをこなしていく佐藤。次の試合で、見納めとなるこのプログラム。彼が納得する演技を見たい。
男子5級クラスではこれが大学に入学してから初の試合となった田村周彦(法法1・桐朋)が登場。2年のブランク後の復帰戦となる。 まず、最初のシングルアクセルをしっかりと着氷。その後もシングルルッツで着氷が乱れた以外はほとんどミスなく演技を終えた。「今までできていたことをしっかりできた」と、ブランク明けにもかかわらず構成をしっかりと滑りきり、今後につながるスタートを切った。
女子5級クラス。慶大からは4人が出場した。まず登場したのは佐々木花音(文4・県立相模原中等教育)。試合直前に体調を崩してしまい、ジャンプ構成を下げて臨んだ今大会。冒頭のダブルサルコウは決めるが、その後のジャンプはほとんどがシングルジャンプ。その中でも、確実にスピンとステップで点数を積み重ねせ、17人中8位に入る。初披露の新プログラムは「オペラ座の怪人」だ。佐々木が引退シーズンに使いたいと考えていた曲で、ラストシーズンを迎える。
続いて新田陽奈子(文3・東京女学館)。「ニューシネマパラダイス」の柔らかな音楽に合わせて演技を披露した。ダブルルッツの転倒など、ジャンプが思うように決まらなかった。それでも、今大会目標にしていたという目線を意識して演技するということに関しては、満足の表情を見せた。次回の大会で、このプログラムは最後の披露となる。ジャンプを含め、悔いのない演技を期待したい。
土屋有葵(経3・慶應女子)は新しいプログラムであるSecret Gardenの「Nocturne」に乗せて伸びやかな演技を披露した。苦手だというフライングシットスピンで転倒があったもののジャンプはしっかりとまとめ、このクラスでの優勝を果たす。それでも「思いっきり滑れないところがあった」と演技後には悔しさを覗かせた。常に持ち前のしなやかなスケーティングを生かした完成度の高いプログラムを披露する土屋。このプログラムの完成形にも期待したい。
最後に水野明保(環2・国府台女子学院)。「調整して試合に臨めた」という今大会。前半ジャンプで二箇所抜けてしまった部分があったが、後半にはしっかりと立て直した。また、力を入れて練習してきたというスピン、ステップも確実に得点源とし点数を重ね、土屋に次ぐ2位に入る。去年から使っている「Romeo and Juliet」を情感豊かに演じ切った。
女子6級クラスには、慶大から3人が出場。まずは、花城桜子(法法3・県立那覇国際)。冒頭のダブルアクセルは転倒してしまう。しかし、その後のジャンプに転倒はなくまとめる。中盤のステップでは観客からの手拍子と共に、音楽に合わせてステップを踏んでいく。「プログラムの完成度を上げていきたい」と話した花城。どのような演技を見せてくれるか、楽しみにしたい。
続いて、湯浅加彩(総2・智辯学園奈良カレッジ)が登場。冒頭のダブルアクセルは回転不足ながらもなんとか着氷。その後のジャンプにも大きなミスはなかった。しかし、前回の大会でもミスがあったスピンで転倒してしまう。力を入れて練習してきただけあって、悔しさをにじませた湯浅。次の大会に向けて、より練習すると話してくれた。
猪川乃絵瑠(経3・桐蔭学園)は、自身も振り付けに参加した新プログラム「Chicago」を披露した。冒頭のダブルルッツは転倒したが、その後のジャンプには転倒はなかった。軽快な音楽に合わせて、試行錯誤しながら考えた振り付けを披露していく。楽しんで演技ができたと話してくれた猪川。このプログラムと共に、インカレ出場を目指していく。
(記事:相川環、高井真衣 写真:白井美琴)
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※掲載が遅くなり申し訳ございません。
以下、選手コメント
佐藤優人(法政3・慶應)
ーー今日の演技を振り返って
今週の木曜日に、ちょうどこの東大和のリンクで練習があって、その時にかなり酷い演技をして、それを引きずるかなと心配していたのですが、思った以上にジャンプはまとめられました。ただ、演技中にも想像ついていたのですが、スピンが1つも点数になっていなくて、それが1つでも点数入っていれば、たらればの話ですが、2位に上がれていました。この後演技する他の部員に、メンタルに影響しないように隠していましたが、すごく悔しい思いをしたので、次は絶対同じことしないように、四大戦に向けて準備したいです。
ーープログラムは継続しますか
四大戦で最後です。次は楽しみにしていてください。
ーースピンのレベルは上げているのですか
スピンのレベルを上げようとしています。段々キャメルスピンが回れるようになってきています。キャメルスピンは元々あまり回転のスピードが出ないスピンなので、時間がなくなってきました。なので、キャッチフットでポジションをかけることに挑戦しているのですが、今回は、キャッチフットはできたのですが、得点に入らなかったです。
ーー今シーズンの目標
昨年度は頑張って、東インカレ、インカレに出ることができました。ですが、本当に出ただけ、というのが、昨年度の唯一の悔いなので、今年度はインカレで表彰台を目指しましす。そのためには、今日戦った相手というのは絶対に勝たないといけないので、まずはジャンプスピンステップだけじゃなくて、ジャンプとジャンプの間のつなぎのスケーティングを伸ばしていけたらと思います。今日の監督の話では、そこが上手くなったと褒められたので、この調子で、ジャンプを跳んで「ウェーイ」と言ってもらうだけではなくて、スケーティングも一流のスケーターになります。
ーー次の四大戦に向けて
今のところエントリーが僕だけなので、滑れば優勝するのですが、その中で、個人スポーツであっても、慶應のスケート部はほぼ団体スポーツなので、滑ればいいとかじゃなくて、自分の演技で他の人のモチベーションを上げて、最終的に五連覇する、そこに貢献していきたいと思います。
田村周彦(法法1・桐明)
ーー今日の演技を振り返って
大学生になって初めての試合でブランクがあった中での復帰戦だったので、自分のベストのものから要素として負担を少し軽くして滑りました。なので、今までできていたことをしっかりできたっていうのはプラスの評価なんですけど、逆に言うとまだまだできることをやらずに演技をしていたのでそこはこれから復帰していけたらと思います。
ーー初めての関カレでしたが滑ってみていかがでしたか
まず大学生の試合に初めて出たので応援の雰囲気とかすごく良くて大変滑りやすかったです。
ーーブランクはどのくらいありますか
ちょうど丸2年ですね。
ーー慶大のスケート部に入ろうと思った理由は
とりあえずは慶應大学に入った後に選択肢としてスケート部があることを知って、スケートも中高でがむしゃらにやっていたところから大学生としていろいろ考えながらスケートができたらなと思っていて、そこで慶應のスケート部のことを聞いて雰囲気も良くて考えながらやっている部活であることを知ったのでそれで入ろうと思いました。
ーーもともと続けるつもりで入った訳ではなかったということですか
もう一つ音楽系でオーケストラをやっているんですけど、そっちはずっと中高吹奏楽部だったのでやりたかったんです。スケートの方はかなり中高のとき時間を取られていた部分があるので、そのペースでは続けられないと思っていたんですけど、できれば続けたいという思いはありました。
佐々木花音(文4・県立相模原中等教育)
ーー今日の演技を振り返って
今日は、直前に体調を崩して、ジャンプが全然飛べなかったので、あえて抜いて、スピンやステップで取れるところをやろうと思っていたので、今日できることはできたかなと思います。
ーー選曲理由
何でか分からないんですが、ずっと引退の時はオペラ座の怪人を使いたいな、っていうのを、本当にぼんやりですけど、大学1年生の時から考えていて、でも使いたい曲がたくさんあったので、本当にオペラ座を使おうか悩んだんですけど、結局原点回帰してオペラ座を使うことになりました。
ーープログラムの見所
結構いろいろ綺麗な振り付けをつけてもらったので、全体的に柔らかい雰囲気とかを伝えたいなっていうのがあるのですが、途中膝で滑るニースライドがあるのでそれと、最後のステップを曲が盛り上がるところでステップを踏むようにしたので、ステップの中でもメリハリをつけるように意識するので、そこが1番の見所かなと思います。
ーー今シーズンの目標
今シーズンの目標は、6級を取ること、ダブルアクセルを試合で降りることです。今はまだダブルアクセルを綺麗に降りたことがないので、とりあえずは一生懸命練習をして、テストを受けられる状態になったらテストを受けてという感じにしたいです。
新田陽奈子(文3・東京女学館)
ーー今日の演技を振り返って
今日は2つ目標にしていて、パンクをしないということと、目線と視線を意識することを意識していたのですが、目線と視線は意識できたかなと思っていて、ジャンプが抜けてしまったところがあったのが、心残りなので、次の四大戦では、パンクをしないように全部しっかりとダブルを入れられるようにしていきたいと思います。
ーーこの大会に向けて練習してきたこと
フリップ、ルッツのジャンプと、ダブルダブルを練習してきたのですが、ダブルダブルが入らなかったので、そこは次絶対入れたいなと思っています。
ーー今シーズンの目標
今シーズンは、次の試合で、このプログラムが最後なので、プログラム自体の完成度を上げることと、ジャンプも引き続き頑張って行きたいと思います。
ーー次の試合に向けて
最後のプログラムなので、悔いなく終われるようにしっかり練習していきたいと思っています。
土屋有葵(経3・慶應女子)
ーー今日の演技を振り返って
今日はこのプログラムを滑るのが初めてでどのくらい点数がでるのかも分からなかったですし、思いっきりやろうという気持ちと一緒に緊張した部分もあって、最後まで体力が持たなくて思いっきり滑れないところがあって少し悔しい部分が残りました。
ーー新しいプログラム(「Nocturne」)の選曲理由は
選曲理由は前回前々回とは違う雰囲気のある曲を使いたいと思って、あとボーカル入りにも挑戦したいと思ったので、全部ボーカルは難しいと思ったので丁度いいボーカルと少し雰囲気の違った曲に挑戦することにしました。
ーー新しいプログラムの見所は
本来ならステップをもう少し踏めるようにしてそこを魅せ場にしたいと思っています。
ーー珍しくスピンで転倒する場面がありました
いつも練習でもフライングシットスピンは苦手でうまくいかないことが多いんですけど、頑張って力を入れ過ぎないと考えていたんですけど、やっぱり吹っ飛んじゃって転んでしまいました。
ーー次の四大戦に向けて意気込みをお願いします
次の四大戦は分数も30秒増えるのでそこをきちんと滑りつつ、体力をしっかりつけて最後まで滑り切れるように頑張りたいと思います。
水野明保(環2・国府台女子学院)
――今日の演技を振り返って
前のバレンタインカップと私大戦でなかなかうまく調整できなくて今回は調整して試合に臨めたので良かったんですけど、本番二箇所ジャンプが抜けてしまってそこは改善していきたいと思います。
ーーこの試合に向けて特に練習してきたことは
ジャンプはその日の調子によって飛べなかったりするので、確実にいつでもできるスピン、ステップに力を入れてきました。
ーーこれから新しいプログラムを作る予定は
まだ作るかどうか決めていないです。
ーー次の試合に向けて
四大戦五連覇がかかっているので貢献できるように頑張りつつ、今日よりも良い演技ができるようにしたいです。
花城桜子(法法3・県立那覇国際)
ーー今日の演技を振り返って
今できることはリリーカップ以降の練習を総括すると練習通りのことができたと思います。
ーー今日に向けて特に練習してきたことはありますか
全部なんですけどリリーカップの時は編曲を変えて3回目だったのでまずは滑り込むことを第一に頑張ってきました。
ーージャンプの調子は
去年よりは少しまた戻ってきたかなという感じなんですけど、まだダブルアクセルとかは飛べていないのでそこはまた秋の本格的なシーズンに向けて習得していきたいと思います。
ーー次の四大戦に向けて意気込み
今日はまだ結果はちゃんと見ていないんですけどスピンやステップのレベルがあまり取れていなかったと思うので、そういう細かいところもしっかり点数にして強みにしていけるように、またこれまで以上にプログラムの完成度を上げていきたいと思います。
湯浅加彩(総2・智辯学園奈良カレッジ)
ーー今日の演技を振り返って
練習ですごく調子が良かったのですが、6分間練習でスピンを失敗してしまったのを引きずってしまって、そのまま本番でもできなかったので、次の試合の四大戦では、もっと自信もってスピンができるように練習しようという反省がありました。
ーーこの大会に向けて練習してきたこと
前回のリリーカップの時に、スピンでまた失敗してしまっていて、結構それを反省してだいぶスピンを練習したんですけど、やっぱり失敗してしまったので、次に向けてもっと練習していきたいと思います。
ーー今シーズンの目標
前回は、東インカレで予選突破できなかったので、それを見据えてだんだん調子を上げて、構成も難しくできるように今できることを完璧にっていうのを、次の四大戦までの目標にして、東インカレでは、ジャンプの構成を難しくした演技で臨めるようにしたいと思います。
ーー次の大会に向けて
ずっとスピンを失敗し続けているので、とりあえずそれを絶対完璧に取れるだけのレベルを取って、プラスをもらえるような練習していきたいなと思います。
猪川乃絵瑠(経3・桐蔭学園)
ーー今日の演技を振り返って
6分間練習の時から、あまりジャンプの調子が良くなくて、それが本番まで引きずってしまったので、ジャンプが全く入らなかったという点ですごく残念なのですが、このプログラムは新しくして初めて滑って、結構自分なりに楽しめたので、それはよかったかなと思います。
ーープログラムの見所
曲の編集から自分で行ったのですが、最後のパートが結構お気に入りで、まだまだ体力不足で全然踊りきれてないのと、まだ振り付けが終わってないので、振り付けができて、最後ジャンプが入って、最後のポーズが結構気に入っているので、そこをしっかり練習して、もっと見所にしたいです。
ーー振り付けは誰がしましたか
大まかはコーチですが、細かい振り付けは、自分だとか、同期だとか、いろいろな人にアドバイスを頂きながら、試行錯誤しながらやっています。
ーー今シーズンの目標
今シーズンは、プログラムの完成度を上げてインカレ出場を目指して頑張りたいです。
ーー次の大会に向けて
今回はジャンプが全く入らなかったので、とりあえずジャンプを入れて、特に後半のジャンプを今まで練習で力入れてきたので、後半のジャンプを決められるようにすることと、あとスピンとステップで加点がしっかりもらえるようにしたいと思います。