慶應スポーツ新聞会

「應に王者」たらん。~慶應の體育會を強くする「主将・主務会議」とは

各部活の主将・主務らが出席した

塾體育会43部59部門が一堂に会する「主将・主務会議」が2月17、18日の2日間にわたって行われた。この会議は、各部のリーダーたちが学年最後の1年を価値あるものにするためのヒントを得る場として毎年開催されている。今回は本会議の目的やその概要に迫る。

本会議のテーマは大きく分けて二つ。一つ目は「部活間のつながり(=ヨコのつながり)」を得る機会の提供だ。代交代が行われるこの時期に共通の議題について意見を交わすことで、「部活を超えた横のつながりを強める(俣野)」ことを狙いとしている。二つ目は、自部活の運営の知識やヒントについてのアイデア共有だ。各部の主将・主務クラスが本会議で得たアイデアを自部活に持ち帰ることで、各部活の強化ひいては慶應義塾體育會の総合的な強化を目指している。

初日は體育會本部の活動紹介にはじまり、役職別のディスカッションさらには4年生ら上級生による座談会等が行われた。翌日の会議では、「ディスカッションのスピード感がどんどん上がり(俣野)」、體育會本部のスローガン決めや2日間の統括を中心に活発な議論が繰り広げられた。

 

①スローガン決め

昼食休憩をはさみ、體育會本部のスローガン決めが始まった。一昨年まで2年間スローガンとして使用されていた「應(こた)える慶(よろこび)び」や昨年のスローガン「流せ若き血」などが過去のスローガンとして紹介された。

昼下がりの睡魔もどこへやら。10分間のディスカッションタイムでは、各5,6名ほどのグループで熱のこもったアイデア出しが行われた。各グループから発表された多彩な案の中には、会場全体の爆笑を呼ぶものまで。3度の多数決の結果、今年度のスローガンは「應(まさ)に王者」に決定した。

スローガン決めの話し合いは各班で盛り上がりを見せていた

 

②「強い體育會」とはなにか

「三田会は強い」という言葉、塾生ならば一度は耳にしたことがあるだろう。端的に言ってしまえば、他者からの羨望。塾生であることの誇りを我々に与えてくれる。しかし、実際はどうだろうか。我々は「慶應義塾大学」や「三田会」といったフレームの中で、周囲の人々とつながっているといえるだろうか。否。たまたま入学した一つの学校にあって、たまたま身近にいる人々とつながっているだけ、という塾生がほとんどだろう。

こうした事態は慶應義塾の一般学生(非體育會生)にのみ起きている現象ではない。対外的な慶應義塾の象徴ともいうべき體育會でもまた、つながりの弱体化は問題視されている。

 

體育會本部主幹の俣野陽氏(水泳部競技部門・経3・慶應義塾)の現況報告、つまり「體育會生同士のつながりが弱体化している」との指摘からディスカッションが始まった。議題は「強い慶應義塾體育會とは、強くなるために足りない要素とは」。再び10分の時間が与えられるとスローガン決めからは一転、それぞれのテーブルには真剣な表情が散見された。

総じてあげられたのが「ヨコの弱さ」。それぞれの部が「1つの組織」として完結してしまっているため、部活間を超えたつながりを築く機会がないとの声があがった。今回の会議で初めて互いを知ったという声も。結果として部活、世代間を超えた「ナナメのつながり」を築くこともできず、體育會全体としてのつながりの弱体化につながっているのではないか、という話し合いがなされた。

本会議のテーマである「體育會の強化」にむけ、部活間の連携が必要だ

 

2日間を通じて活発な議論がなされた一方、志を遂げるまではまだまだ時間がかかりそうだ。俣野氏の目標は「全塾生で喜びを共有」できる體育會をつくること。體育會の各部活が「ヨコのつながり」を強化するだけでなく、一般学生と體育會生とのつながりを作ることも不可欠だ。本会議がその足掛かりとなり、體育會本部主体の動きがさらに加速していくことになるのだろうか。今後の動きにも注目されたい。

(記事:小林由和、野田快 写真:佐藤有、落合彩乃)

 

俣野陽(水泳部競技部門・経3・慶應義塾)

──今回の会議の目的とは

各部の代交代のタイミングで部活を超えた横のつながりを強めるというのと、自部活の運営の知識やヒントをアイデア共有やケーススタディで得てもらうということです。今年に関しては、横のつながりを得る機会の提供と、最終的な體育會の強化につなげるというのが主なテーマでした。

 

──1日目の活動について簡単に教えてください

體育會本部の活動については、名前しか知らないという方もいらっしゃったので、まずは本部の紹介に時間を使いました。午前中は全体の概要とそれぞれの局に分けた説明をしました。午後は主将と主務で部屋を別に分けて、それぞれの部屋で事前アンケートをもとにした席分けをして、それに沿った内容のディスカッションをしてもらいました。あとは1、2個上の主将・主務の方をお招きして座談会のような形式で投げかけとそれに対する答えをいただくという形を取りました。

 

──1日目から2日目にかけての雰囲気の変化は

1日目から2日目にかけてディスカッションのスピード感はどんどん上がって、意見が沢山出てくるようになっていましたし、自己紹介や懇親会を経て、一気に距離感を縮めることができたからこそ活発な議論ができたのだと思います。

 

──今後の体育会の活動の理想像は

僕の個人的な理想像としては、横の繋がりだけではなくて縦、斜めも含めて昔の先輩方のお話を聞いていると今は見劣りするなと肌で感じているので、まずはそれを強固にすることです。そのようなつながりがあることで情報の共有や知識、スキルが蓄積されて、それぞれの部活がさらに強くなると思います。さらに幅広くなれば、全学生を巻き込んで観客席に體育會生に限らず、学生みんなが集まってくれますし、学校を背負って戦っているという意識と全塾生で喜びを共有できるということにつながると思います。この学校は社会に先導者を出すためにできた学校でもあると思うので、現役時代は結果を出す、卒業後は社会の先導者として幅広く活躍していってほしいなと思います。

 

──全学生に向けてメッセージをお願いします

前提として、體育會が活動できているのは塾生の皆さんのおかげです。慶應義塾體育會としてはその価値を今以上のものにするために、スポーツの分野で結果を残して還元していきたいという気持ちで活動しています。僕たちはプレーヤーとして戦っていますが、みんなで試合に挑んでいるという意識を持っていただければな、と思います。こちらからいうのはおこがましいですが、慶應全員で早稲田に勝つ意識で、早稲田のパワー中心のプレーに慶應ならではの結束力や思考力で打ち勝つといったジャイアントキリング的なことを学校全体でできればなと思います。

 

大谷真由主務(法3・洗足学園)         

──この2日間を振り返って

自分の部活で普段考えていると、結構煮詰まるというか考えが最初に戻ってしまうことがあるんですけど、他の部の意見を聞いて自分たちもこういうことを取り入れてみようとか、今後の部活に活かせることが沢山学べました。

 

──「應に王者」というスローガンにはどのような想いが

「應(こた)える慶(よろこ)び」という前のスローガンが私たちは結構好きだったので、そういう感じで文字を入れられたらいいなと思い、読みを調べたところ慶應の應がまさにと読むということで。だから、「應に〇〇」というこの一言で入れたらいいよねとなり、陸の王者ということで應に王者にしました。

 

──「ヨコの弱さ」という意見が多くあがったことに関して

普段部活単位で活動するので、部活のOBOGとか後輩とかタテはすごく強いと思うのですが、やはり他の部活と交流する機会が年に数回とか、こういう主将主務会議とかくらいしかないのでそういう意味で弱いのかなと思いました。

 

──今シーズンに向けての意気込み

私はスケート部フィギュア部門の主務なのですが、主務としてしっかり部活面を下からも支えつつ、後輩に1年良かったなと良い部活だったなと思ってもらえるように取り組んでいきたいと思います。

学生主体の取り組みはほかにも…

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