BIG8に降格しての復帰となった今季。1年ぶりの公式戦の相手は国士館大だった。開始早々、DB#12渡邊充(商4・慶應)がインターセプトからそのまま先制のタッチダウンを決めると、その勢いのまま点差を広げていく。後半、国士館大が怒涛の追い上げを見せたがなんとか逃げ切り、復帰戦を勝利で飾った。
関東学生アメリカンフットボールリーグ戦 第1節 vs国士館大
10月25日(日) @アミノバイタルフィールド 16:00 KO
慶大 |
| 国士館大 |
7 | 1Q | 0 |
7 | 2Q | 3 |
6 | 3Q | 0 |
7 | 4Q | 13 |
27 | TOTAL | 16 |
UNICORNSがアミノバイタルフィールドに帰ってきた。昨年の活動自粛を経て、1部リーグBIG8に降格した慶大アメフト部。新型コロナウイルスの影響により、今大会では自動昇格が適用されないことが発表され、TOP8に復帰する道は途絶えた。また、無観客の開催となったため客席からの声援も聞こえない。しかし、そんな状況下でも彼らの表情は輝いていた。
慶大のキックから試合が始まった。最初のシリーズからDB#12渡邊のインターセプトがさく裂。そのまま先制のタッチダウンを決めた。次のシリーズでもDB#22山本小次郎(総4・青山学院)がインターセプトし攻撃権を奪う。その後もディフェンス陣の頼もしい守備が試合を作っていく。
2Q、パントリターンでWR#1加藤豪介(経1・慶應)が58ヤードを走りぬき、好位置から攻撃が始まった。ファーストダウンを更新するとすでにゴール前17ヤード。QB#2久保田からSB#11伊藤涼介(経2・慶應)へのTDパスが成功した。TFPもK#22山本がしっかりと決め、リードを広げる。しかし前半残り8秒のところで国士館大がFGを決め3点を返されてしまった。
日も暮れ、徐々に暗くなる中後半戦が始まった。互いのディフェンス陣が踏ん張りを見せ、なかなか試合は動かない。そんな中でもK#22山本が2FGで着実に得点を重ね、リードを広げていく。そして4Q開始36秒、#23千葉優介(経3・慶應志木)がインターセプトしゴール前6ヤードまでボールを運ぶ活躍を見せる。RB#41石黒真人(総1・慶應)にボールが渡ると、エンドゾーンまで走り込み追加点を挙げた。その後、国士館大による粘りの攻撃に押され、2TDを奪われるも最後は逃げ切り復帰後初の白星を手にした。
「圧倒」を掲げBIG8に挑んだ新生UNICORNS。リターン時のボールの取りこぼしや、相手の守備に攻めあぐねる場面があるなど、決して「圧倒」とは言えない試合だった。しかし、ルーキーの活躍や多くのインターセプトなど好プレーも見られ、得るものが多い試合だったのではないだろうか。世間が彼らを見る目はまだ厳しいかもしれない。それでも、楽しそうにプレーするその姿は、長らく待ち続けた多くのファンを喜ばせただろう。逆境に負けず、高みを目指し続けてほしい。
(記事:左近美月 写真:栗栖翔竜)
以下選手インタビュー
主将・寺岡衆(文4・東京都立西)
--率直に、今の気持ちは
僕らとしては「圧倒する」というのを掲げていたのですが、点数の差を見ても内容を見ても圧倒はできていなかったかなと思います。しかし、勝利を挙げたという点では長い間公式戦が出来なかった中での勝利なので嬉しいです。
--試合前のチーム目標は
それぞれディフェンス、オフェンスで掲げていた目標はあったのですが中々達成できなかったです。ディフェンスとしては最初の方で自分たちで点をもぎ取れたのでそこでモメンタムを持って来れたのでスタートは良かったと思います。しかし最後の方は点を取られてしまったのでまだまだだなと思います。オフェンスとしては最初から最後まで課題の残る結果だったなと思います。
--課題を克服するためには
自分たちがやりたいことをやれば圧倒できる、と元々考えていたので、チーム内でもまず自分たちが決められたことをやろうと言っていました。ただそのやるべきことが出来ていなかったので、オフェンス、ディフェンスお互いに出来てないことへ厳しく言い合うことが必要かなと思います。
--次節に向けて
圧倒ということはシーズン中はずっと掲げていくので、点数の面でも内容でも圧倒する、自分たちのやってきたことに自信を持ってプレーをしようと思います。そして自分たちを支えてくれている人たちへの感謝を表現できたらいいなと思います
副将・渡邊充(商4・慶應)
--開幕戦、チームとしてどのようなテーマを持って試合に臨みましたか
久々の公式戦ということでまずはしっかり楽しもうということと、相手を圧倒しようということをテーマにしていました。選手一人一人が、自らの仕事を全うしながら、マッチアップする相手選手を圧倒していくことで、しっかりと点差をつけて勝ちきろうという話をしていました。
--今日の試合を振り返って
もっと点差をつけることはできたと思いますし、ディフェンスという立場から言えば、無失点を目指しているので、まだまだ反省すべき点は多かったかなという印象です。
--ディフェンスのお話が出ましたが、最初のドライブでインターセプトタッチダウンの活躍がありました
正直狙っていました。スカウティング通りの動きができたのでよかったなとは思いますが、あの流れをもっと繋げていきたいところだったので、その辺りは反省点です。その後のプレーにも繋げて点差をつけていきたかったですね。
--今後に向けて
第4Qに追い上げられてしまったので、その辺りは次戦までの反省点としてしっかり修正しつつ、今シーズンはしっかりと楽しみながらプレーするということを決めてやっているので、これからも一戦一戦楽しんで戦っていきたいと思います。
これからも応援よろしくお願いします。