昨年9月に怪我から復帰して以来、180cmという長身を生かした攻撃的なテニスで塩月(環2)が今季調子を上げている。春関でもダブルスベスト16と好調ぶりを発揮、見事インカレ予選出場を決めた。そして今季、春の早慶戦に満を持して臨む塩月が、あつい意気込みを語った。
―一日の練習は
義務練は二時間、トレーニングが終わったあとにフリーで練習するんですが、それが今日は一時間くらいでした。
―今季の調子は
去年の半年くらいは怪我でずっと試合出れてなかったんですが、去年9月に復帰してからはずっとここまで上り調子です。今年に入ってからも結構調子が上がっています。
―春関を振り返って
予選からシングルスとダブルスがあったんですが、シングルスでは予選一回戦で早稲田の一年生とあたって勝ったんですけど、その次の試合で体力負けをしてしまって、それがすごく悔しかったので、早慶戦までは体力づくりをして、体力負けしないことが課題です。
―体力づくりとしては
基本的にダッシュ系、インターバルをやったりだとか、怪我の予防としてウェイトトレーニングをやっています。
―震災を受けて活動に影響は
しばらくテニスが出来なかったんですけど、皆でやってない間も体力を落とさないように自分でテニスをしたりランニングを続けていました。戻ってきたときは、できかったときの分を取り戻そうということを意識してやっていました。
―ウェアに「がんばろう日本」のワッペンをつけていますね
皆で、なにかしたいよねっていう話になって、せっかくみんなウェアがそろっているので、春関に向けてワッペンをつけようということになりました。
―復帰からここまでの出来は何点くらい
早慶戦まであと少しですけど、まだまだマックスではないと思ってるので。まだまだ出せるところはあると思っているので、出来としては80パーセントくらい……なんですけど、この一週間でマックスに上げたいと思います。
―練習の中で一番重点を置いているのは
私は試合が長引いて疲れてくるとフットワークが悪くなってくるので、どんなに疲れるつらいメニューでもしっかり足を動かすことを意識してやっています。
―昨年と今年で練習面などに変化は
去年は圧倒的に選手が強くて、みんなその選手についていくっていう感じだったんですけど、今年はすごい強い選手が抜けてしまったかわりにチームの団結力が強まりました。
―チームの雰囲気を明るくしているのは
一人っていうわけじゃないんですけど、全員が声を掛け合ってやっているんで明るい雰囲気になってます。早慶戦に対しても結構わくわくというか、うまくなりたいっていう気持ちはみんな前面に出ています。
―オンとオフの切り替えは
休むときはしっかり休みますが、授業などの兼ね合いで練習できる時間が少ないので、みんな練習外でもテニスのことを考えたり、慶応チームのことを考えています。
―試合期間以外の過ごし方は
試合前になると微調整しか出来ないんですけど、試合期間以外だと新しいこと、武器にできることに挑戦したりっていうことが増えます。
―ところでテニスを始めたきっかけは
私は帰国生なんですが、海外にいたころ、両親がもともとテニスがすごく好きで、たまたま休日ついていったときに、テニスすごく楽しいなって感じて、そこから始めました。
―海外選手と日本選手の違いは
一番大きいのは体型の違いです。小学校でもがっちりしている子はがっちりしてたりとか。あと、海外は小さいころからテニス一本で学校もほとんど行かずにっていう選手が多くて、その中でやっていくのは結構大変なんですけど、テニスにかけてるっていうのを感じました。それは良かったんですけど逆に日本は勉強とテニスの両立っていうのをすごく意識していて、それもまた良いかなって思います。
―勉強との両立は大変ですか
大変です。特に試合前になるとテニスのことを考えたいけど授業も行かなきゃっていう兼ね合いがあるので。
―早稲田ではなく慶応を選んだ理由は
早稲田もすごく魅力的だと思ったんですけど、個人を強調するスタンスが強いと思ったので。あと慶応のほうが文武両道というイメージがあったからです。
―理想としているプレーヤーは
ちょっと昔の選手にはなってしまうんですけど、クリステルスです。最近出産したんですけど、復帰してからも四大大会のひとつで優勝してて、パワフルなテニスがすごく好きです。
―四大大会を見に行ったことは
ニューヨークに住んでいたので、毎年USオープンを見に行っていました。
―自分のテニスの中で、得意なプレーは
サーブとフォアハンドが武器なんですけど、自分のサービスゲームではサーブを結構きわどいコースに打って、上がってきたのを回り込んでフォアハンドで逆のコースをつくのが得意な攻撃パターンです。
―つなぐのではなく攻め込むスタイルですか
攻め込むのが結構好きなんですけど、慶応のカラーとして、粘り強さということがあって、そこが私の中では難しいところなんですけど、大会を通して粘り強さを磨いているので、攻撃と粘り強さを兼ね備えた選手になりたいと思います。
―試合前に必ずすることは
シングルスの場合は音楽を聴いて、自分の盛り上がる歌を聞くようにしています。
―劣勢に追い込まれたときはどう自分をコントロールするか
団体戦では、チームのためにっていうことを考えています。皆がすごく応援してくれてて、それに応えなきゃって思うと一本踏ん張れます。
―声援は試合中届きますか
応援してる人たちが思ってる以上に支えになっています。
―早慶戦では、警戒している選手は
早稲田は結構入れ替えが出来るので、どう出てくるかまったく検討がつかないんですけど、高校生のころから負けてしまっている大竹選手という選手はちょっと気をつけなくちゃいけないと思っています。
―勝つための作戦は
自分のプレースタイルを貫くのはもちろんなんですけど、最後まで勝つ気でやることが一番の作戦です!
―早稲田はどんなチームか
すごく強いんですけど、個人主義なチームなので、チームとしての結束力はあまり強くないかなと思います。
―アウェーでの開催について
雰囲気に飲み込まれないようにしなくちゃなって思ってます。
―早慶戦に向けてあつい一言を!
なんとしても絶対勝ちをもぎ取ります!
◆塩月ゆかり(しおつきゆかり)
環境情報学部2年。東京学芸大学付属高等学校大泉校舎出身。180cmの長身から放つ豪快なサーブと、フォアハンドで叩き込むプレースタイルに注目。
By Asuka Ito
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