【バレーボール】早慶戦直前!特別企画 男子副将対談 村山豪×樫村大仁

バレー企画

左から慶大・樫村、早大・村山

 

第84回早慶バレーボール定期戦まであと2日。今回はかつてユニバーシアードなどで共に戦ったこともあるという早大・村山豪副将(スポ4・駿台学園)と慶大・樫村大仁副将(環4・茨城高専)。そんなおふたりに、ここまでのシーズンの振り返り、副将としての覚悟、そして最後の早慶戦に向けた意気込みなど、たっぷりとお話を伺った。

(※この取材は11月19日(木)に早稲田スポーツ新聞会と合同で行いました。)

 

 

――初めてお互いを認識したのは

村山 高校?中学?たぶん中学校のときですね。

樫村 そうですね。豪くんは有名選手だったので。

村山 違う(笑)

 

――初めて会ったのは

村山 会ったの…。

樫村 全中選抜かな。

村山 全中の合宿みたいなやつだよね。

 

――第一印象は

村山 大きいなぁみたいな感じですかね。

樫村 (笑)。豪くんの第一印象かぁ。

村山 優しいでしょ?

樫村 怖いなぁみたいな(笑)。

村山 絶対言うと思った

 

――プレーに関しての印象は

樫村 当時俺めちゃくちゃ下手だったから。

村山 いやいや。でも大きいのもあるんですけど、ブロックとかスパイクとか高いなぁっていうのはあります。

樫村 豪くんはこういう合宿苦手で、手抜いちゃってたんですよ。

村山 やめなさい(笑)。

樫村 まれに見るスパイクが、今と同じで強烈でした。

 

――今年の四年生は早慶同士、交流はありますか

 樫村 まったくないですね。

村山 このご時世もあるので…。

樫村 仲は良いんですけどね。

 

――村山さんなら慶大に、樫村さんなら早大に仲のいい選手はいますか

村山 自分は慶應の3年生に同じ高校の小出捺暉(環3・駿台学園)がいるんですけど、その子とは仲すごく良いので、去年とか一緒に旅行とか行きました。ご飯とか行けたりするときは、行ったりしてました。

樫村 僕は…。

村山 いるだろ(笑)

樫村 あんまり交流したことないかもしれないです。

 

――会場で会ったら話したりする選手は

樫村 割とみんな。同期だったら会場で会ったら話しますね。下の子は…。

村山 レイモンド(上條レイモンド=早大3年・習志野)とかは?

樫村 レイモンドとか、あとは…。

村山 陽介(仲濱陽介=早大3年・星城)?

樫村 陽介(笑)。割と話しますね。

村山 割と話すじゃん。

樫村 割と話すけど、プライベートで遊んだりとかはないですね。

 

1年生の頃からMBとして活躍してきた

――お互いをどんな人か一言でお願いします

樫村 難しいな。ちゃんと一緒にやったのはユニバ(第30回ユニバーシアード競技大会)くらいだから。

村山 そうだよね。バレーの時は真面目だなと思います。ユニバの時とか、ブロックとかクイックに対して、分からないことがあったら、監督とかコーチにこまめに聞いたりしてて、そういう所が真面目だし、積極性があって、すごいなと思います。

樫村 やめて恥ずかしい(笑)。そんなキャラじゃないでしょ豪くん。

村山 なんでそういうキャラでしょ(笑)。そういうキャラだよ。私生活はなんだろう。優しい、私生活は優しい!

 

――優しさを感じたエピソードは

村山 ずっと一緒にいたからね、ユニバの時は。自分があんまり代表の合宿とかに行ってなくて、慣れてなかったんですけど、そういう時に教えてくれたりとか、声かけてくれたりしたので優しいなと思いました。

樫村 絶対思ってない。

村山 思ってるよ(笑)思ってます!

樫村 僕も結構同じようなこと言おうとしてて、豪くんで意外と真面目だなって。

村山 意外つけんな(笑)。意外じゃないわ。

樫村 プレーに関しては、僕と対角組んでたから、変わる時に戦術教えてくれたりとか、指示出してくれたりとか、こう見えて繊細というか。

村山 繊細でしょ(笑)。

樫村 私生活はすごい楽しそうって感じ。部屋でも音楽かけて変な踊りしだしたり。

村山 していないって(笑)。それ違う人。

樫村 違う人もいるね(笑)。けど、一緒にいたら楽しいなっていう。

村山 ありがとうございます(笑)

 

――それぞれ早大、慶大バレー部に入部した理由

樫村 僕はバレーを第一線でやってた人ではなくて、高専ってとこに通ってて、どちらかといったら勉強を優先してて。でも、そのなかでたまたまバレー続けて、関東長身者(長身選手発掘育成合宿)とかに呼んでもらって。僕もそういう道もありだなみたいな、自分の可能性試してみたいなところがあって。元々バレーは好きだったんですが、人生かけてやろうみたいな熱意ではなかったんですけど、そこでスイッチ切り替わって、やってみたいなってなったので、たまたま声かけていただいた大学が慶應さんで。そこで入って挑戦してるみたいな感じですね。

村山 自分もそういう感じなのか分かんないんですけど。

樫村 嘘つけ(笑)

村山 いやいや本当だって(笑)。松井監督に声かけてもらって。早稲田さんから声かけてもらったんで、ぜひ入りたいって感じで入りました。

 

――それぞれ、チームでの副将の役割のようなものがあれば教えてください

樫村 副将の役割って一番難しいよね。

村山 それな。難しいよね。

樫村 主将が軸だと思うですけど。まぁ人なので、チームの方向性が逸れるというか、ブレる時があると思うんですけど、それを補佐するというか、正すのが役割かなと思っています。なので単純に主将が不在の時とかに代わるっていうのもあるんですけど、1番は支えるって部分じゃないですか。前に立って引っ張る側ではあると思うんですけど、周りの声とかも聞きつつ、サポートするのが副将なのかなと思います。

村山 今年は早稲田は宮浦(宮浦健人=早大3年・鎮西)が主将なんですけど、宮浦と二人で話し合って、主将・副将っていう立場があるんですけど、基本は二人で立場とか関係なしでやっていこうのを今年始まるときに決めたので、役割としてはチームであるんですけど、二人でチームを作っていこうみたいな。もちろん他の四年生とかも一緒に作るっていうのもあるんですけど、二人で一緒に練習メニューとか組んだりとか、チームがよくなるためにはどうしたらいいよねっていうのは、常に二人で話し合ってやってます。

 

――それぞれのチームのプレースタイルを教えてください

村山 えぇ何だろう。自分はまぁミドルのなかだったら、あんまり大きくない方なので、特に攻撃では自分のなかでは速さを意識して。相手のブロックが完成するまでに、なるべく早く打つつことだったり、パスが割れた時でも攻撃に参加できるっていうのを意識してプレーしてます。

樫村 僕は逆に高い方だから、そっちを強みと思って、速いに越したことはないので、速さは僕も意識してますけど、豪くんほどの速さは出来ないので(笑)。自分のなかで1番高い打点を意識してプレーしてます。

 

――チームとしては

村山 今年のチームは、4年生も3人入ったり、1年生でいい選手がたくさん入ってきて、そのうちの二人がコートのなかに入るってことで、その二人も経験があって、たくさん経験のある選手がいるので、そういったなかで、どのプレーにおいても、すごい選手がたくさんいると思います。

樫村 逆にうちのチームはスキル面で経験豊富な選手がすごい少なくて、やっぱ客観的にみたときに、うちのチームは真面目な所が強みかなと思うので、技術的に乏しいところもあるけど、ボールを追う姿だったり、なんとかして決めようという一所懸命さだったりがうちの良さなのかなと思います。

 

――お互いミドルブロッカーですが、ミドルあるあるを教えてください

樫村 よく言われるのは、身長高い、目立たない、後衛やらない。

村山 親指が一番突き指しない?

樫村 親指かな。ボールを見て、親指を(隣のブロッカーと)合わせるからじゃないですか。親指めっちゃ痛いよね(笑)

 

――プレーに影響は

村山 親指って全部のプレーに使うから。スパイク、アンダー、トスとかも痛いんで。

 

――ミドルの面白いところは何ですか

樫村 攻撃面で言うと、自分で決めている感がないというか。クイックだとトス依存になるので。それよりはブロックとかの方が面白いと思います。リードブロックとかって相手のトスを見てから動くじゃないですか。ちゃんと状況判断ができないといけないし、それがうまくいったときは楽しいなと思います。ちなみに豪君はリードブロックのプロフェッショナルなんで(笑)自分はブロック嫌いなので。

村山 おい(笑)自分は逆にコミットブロックで来られたときの、自分のスパイクとの駆け引きみたいなのがミドルをやっていて一番面白いなと思います。相手のブロックの付き方や手の出し方や枚数によって、打つところとか打つ角度とか変わってくるので、そういうところが面白いですね。

樫村 豪君がいつもやっているのは、内側から入ってくるからコミットブロックで飛ぼうと思ったのに、外側に流れてまっすぐ真下に打つみたいな。まじで読めない(笑)ジャンプをする方向と打ってくる方向が違うんですよ。

村山 自分は感覚でやっているから分からない。

樫村 周辺視野とかで見て、やっているんじゃないですか。

村山 一応ブロックとディグは見てから打つようにしています。

 

早稲田スポーツ提供

――ミドルとして見てほしいプレーはありますか

村山 自分はブロックやスパイクがメインなんですけど、ミドルだからトスやディグができないじゃなくて。ミドルがやるべきところじゃないところも見てほしいなと思います。

樫村 ある意味、ミドルって目立たないポジションなので、いかに周りにつなげられるかだから、クイックで囮に入ったりブロックでも貪欲についたりとか。チームを陰ながら支える立場なので、そういうところに注目してもらえると嬉しいです。

 

――村山さんはジェイテクトに、樫村さんはサントリーサンバーズに入団されますが、プロに進んでも対戦したいですか

樫村 対戦できたらしたいですね(笑)

村山 お互いコートに入って戦えたらいいなと思います。

樫村 顔見たらニヤニヤしちゃう(笑)

 

――今年は新型コロナウイルスの影響でいろんな大会が中止になりました。それぞれのチームの雰囲気はどんな感じでしたか

樫村 うちは多少なりとも現実として大会中止とか練習できないとかがあったので、そういう事実がある以上、士気やモチベーションが下がってしまうということは実際あったし、僕もなんで最後の代にと思うことはありました。でも今年からメンタルトレーニングを始めて、どの状況でも目標だけじゃなくて目的の部分を大事にするようにという話をされて、大会で僕たちだったら1部に上がりたいという目標が叶わなくなったときに、何でバレーボールをしているかというところまで落とし込んで考えて、それを原動力にやっていたので、ちょっとは下がりましたが、わりと保てていたなと思います。

 

――ではチーム全体としては落ち込むことはなかったのですか

樫村 練習中ではそういう姿は見なかったですね。一人一人思いは違うので、僕のいないところで落ち込んでいたのかもしれませんが。基本的には落ち込んでいる人はいなかったと思います。

 

――村山さんはいかがですか

村山 早稲田は試合がなくなったときに試合がしたいという思いがあったので、そう言っている選手もたくさんいて。一人一人思うことはあったと思いますが、自分たちの最終目標は全日本インカレで優勝することなので、そこを達成するために今自分たちは何をすべきかというのを、全体でミーティングして話し合うこともありました。もちろんモチベーションが下がることもありましたが、全員が全日本インカレ優勝への思いが強かったので、今こうして頑張ってやれているのかなと思います。

 

――副将として何かチームに声をかけたりはしましたか

村山 先が見えない中でやっているので、試合があると信じて練習しようといっていました。

樫村 似たような感じですね。頑張ろうということを言っていました。

 

今年は副将としてチームを支える

――昨年の早慶戦はフルセットまでいきましたが、振り返っていかがですか

村山 自分は1セット目の途中で足を捻って試合に出られなくなったので、けがをしたイメージしかないです(笑)

樫村 早慶戦ってやっぱり毎年異質だなと感じるんですけど。自分の知らない学生が応援しに来たりとか、大歓声でとか。思い出に残るような試合だなと思います。

 

――やはりお互い因縁の相手という感じでしょうか

村山 因縁ですよ。やっぱり。慶應は早稲田に対して負けたくないという気持ちをすごく感じます。

樫村 特別な空間で伝統があるといつもとは違う意識になると思います。より身が引き締まるというか、勝ちたいという気持ちになります。

 

――早慶戦でのキーマンになりそうな選手は

樫村 豪君、自分だよね(笑)

村山 なわけ(笑)一番言わんわ(笑)。自分以外みんな強いけどな。自チームだったら1年の水町(水町泰杜=早大1年・鎮西)がキーになると思います。彼自身高校のときからいろいろ経験してきてすごい選手なんですけど、高さやパワーが変わってきたと思うし対応力がある選手だと思うので、どれだけ攻守で活躍できるかがカギになると思います。1年生なんですけど、頼りになるので一番キーになると思います。慶應は樫村選手ですね。今の慶應、かっしーと捺暉、祝太郎(吉田祝太郎主将=政4・慶應)しか分からないから。

樫村 1年生のオポジットの子ですね。慶應のオポって毎年安心して見られない部分があったんですけど、安定感のあるオポジットが入ってきたので、1年生の爆発力に期待したいなと思います。早稲田は全員怖すぎて(笑)。完成度が高いイメージがあります。

 

――最後の早慶戦、そして現役最後の試合に向けて一言お願いします

村山 1年1年経験をしてきたので、今回が最後になるので、自分たちが持っている力を慶應相手に全部出して最後良い形で終われるようにしたいと思います。

樫村 毎年特別な試合だと思っているんですけど、今年は全カレの後にある試合ということで。今までとは違う形式だし最後の試合という位置づけになるので、今まで勝てていない分、当たって砕けるくらいの勢いで勝ちを目指して頑張りたいと思います。

 

――ありがとうございました!

 

(取材:早稲田スポーツ新聞会 西山綾乃/慶應スポーツ新聞会 持丸嘉昭)

 

 

◇プロフィール◇

 村山豪 (むらやま・ごう)

1998年7月30日生まれ/早稲田大学スポーツ科学部4年/駿台学園高/身長191センチ/最高到達点338センチ/副将・MB/背番号2

 

樫村大仁(かしむら・ひろひと)

1999年1月15日生まれ/慶應義塾大学環境情報学部4年/茨城高専/身長196センチ/最高到達点340センチ/副将・MB/背番号19

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