春季リーグ戦も早いもので折り返し。2勝3敗で迎えた後半戦・初戦の相手は強豪の東海大。序盤からチームの雰囲気も良好で試合が進み、途中7点差をつけ大量リードを奪うことに成功。そのまま取り切れるかと思われたセットであったが、東海大の完成度の高いバレーの前に惜しくも第2セットを落とす。終盤、流れをつかんだ相手の勢いを止めることはできず、大きく突き放されストレート負けを喫した。悔しさがつのる試合となったが、一戦一戦着実に慶大バレー部は前進をしている。進化し続ける彼らから今後も目が離せない。
2022年5月15(日)
春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦
第6戦 慶大×東海大
得点 | ||
慶大 | セット | 東海大 |
20 | 1 | 25 |
20 | 2 | 25 |
15 | 3 | 25 |
出場選手(サーブ順) | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
OH | 6 | 島田航希(経3・慶應) |
MB | 8 | 芳賀祐介(環2・札幌北) |
OP | 2 | 松本喜輝(環3・九州産業) |
OH | 3 | 渡邊大昭(商2・慶應) |
MB | 9 | 降小雨(商4・慶應) |
S | 1 | 高倉真古都(商4・慶應) |
L | 7 | 山元康生(法1・慶應) |
途中出場 |
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OH | 12 | 内田克弥(環2・松江工業) |
MB | 27 | 下田悠生(経4・慶應湘南藤沢) |
L | 25 | 樋口太樹(経4・慶應) |
OH | 18 | 安達龍一(環4・洲本) |
S | 10 | 大槻晟己(総3・清風) |
第1セットの幕開けは、島田航希(経3・慶應)のサイドラインぎりぎりに落ちる華麗なサービスエースだった。このままスタートダッシュを決めたい慶大は、渡邊大昭(商2・慶應)がブロッカーのいないストレートを狙ったスパイクを決め4-3とし、順調な滑り出しを見せる。ディグが乱れ、コートに落ちるかと思われたボールを高倉真古都(商4・慶應)がフライングレシーブでつなぐと、返ってきたボールに対しすぐさま体勢を立て直し、走りながらバックトスをあげ、それを渡邊が相手ブロックを利用したスパイクで決め切った。粘り強く長いラリーを制し、7-8と序盤は両者譲らない展開が続く。相手のサービスエースが決まり、8-13と点差を離されたところで消毒タイムアウト。タイムアウト明けの大事な場面、松本喜輝(環3・九州産業)のスパイクや相手のミスにより3連続ポイントを奪い、11-13とする。
ここから追い上げていきたい慶大は、高倉の巧みなトスワークで相手ブロッカーを翻弄し、島田がスパイクを決め14-17とするも、なかなか点差は縮まらない。そこで慶大は、レシーブ力に定評のある内田克弥(環2・松江工業)を投入。よく拾い粘り強さを見せるも、相手のクイック攻撃に対応できず15-20とまた差を広げられてしまう。踏ん張りたい場面、サーブレシーブが乱れるもネット際で押し負けることなくボールをつなぎ、最後は高倉と芳賀祐介(環2・札幌北)の2人で相手スパイカーを仕留め16-20。終盤、勝負をかけたい慶大は下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)を投入すると、直後、下田がサービスエースを決め、20-23と盛り上がりをみせる。しかし、フェイントを拾えず、こちらのスパイクにもミスが出たことで20-25とこのセットを落とすも、次につながるセットとなった。
切り替えたい第2セット。相手のフェイント攻撃を高倉が見事に上げ、山元康生(法1・慶應)の二段トスを島田が決め切り先制点を奪うと、今度は渡邊が相手の意表を突くフェイントで得点し、幸先良いスタートを切った。その後も松本がブロックの上から高さのあるスパイクを打ち込み、3連続得点をあげ7―2となったところで相手がたまらずタイムアウトを要求。タイムアウト後も降小雨(商4・慶應)のクイック攻撃が決まり、ネット際で松本がダイレクトを打ち込み得点すると12―5と大量リードを奪い、優位に試合を進めていく。しかし、相手の力強いスパイクを拾えず、また相手もこちらの攻撃にだんだんと対応し始め、松本や渡邊のスパイクがブロックに捕まるようになり、思うように攻撃が決まらない。タイムアウト後も相手の勢いを止めることができず、18―18と追い付かれてしまう。終盤、先に20点台に到達したのは東海大で、ディグでミスが続き、最後は相手のクイック攻撃を拾いきれず20-25でこのセットを落とす。
後がない第3セット。序盤から相手の鋭いスパイクが炸裂し0-3とリードを奪われた慶大だったが、渡邊のスパイクが決まり、そのまま渡邊のサーブで相手を崩しミスを誘うと、4-5と点差を縮めることに成功。しかし中盤、相手の強烈なスパイクにこちらのブロックがはじかれ、なかなかボールをつなぐことができず7-12と苦しい展開に。コートサイドから仲間が見守る中、降と渡邊のブロックが相手の攻撃を封じ込めブロックポイントを奪い、その後島田からの二段トスを渡邊が決め、連続得点をあげるとチームは一番の盛り上がりを見せた。また、途中出場のセッター大槻晟己(総3・清風)とMB陣の連携のとれた攻撃で点を重ねるも、相手も簡単にはボールを落としてはくれず、このセットも先に相手に20点台に乗せられてしまう。終盤、相手の勢いを止めることができないまま、こちらの攻撃もなかなか決まらず点差をひっくり返すことはできなかった。15―25と大差で第3セットを落とし、ストレート負けを喫した。
(記事・写真:岩切晴菜、田中瑠莉佳)
以下、コメント
星谷健太朗監督
――今日の試合を振り返って
まずは東海大学さんに勝利おめでとうございますというのと、今日も素晴らしい会場でやらせてもらえたというのを嬉しく思います。
――第2セットでは大量リードする場面もありました
そうですね、上手くいく瞬間も多くてよかったんですけれども、サイドアウトが途中から切れなくなって、パスが返ってるけど決まらないということは実力不足なのかなと。まずは焦らずやるべきことをやれたら結果も違ったんじゃないかなと思います。
――来週に向けて
来週は来週でまた新しい気持ちで、勝ち星的にはなかなか難しい状況ではありますけれども、やっぱりここで戦わせてもらってるっていうことに感謝の気持ちを持って、全力で戦って、みんなも最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしていきたいなと思います。
高倉真古都主将(商4・慶應)
――今日の試合を振り返って
悔しいです。悔しい、の一言に尽きます。
――途中大きくリードした場面もありましたが
7点差あったと思うんですけど、どうして巻き返されちゃうんだろうというところをいつも終わった後に思います。単純に1点ずつとっていけば取れるセットなのに勝てないというのが今の慶應の弱い部分なのかなと思います。
――その弱い部分を改善するためにどうしていきたいですか
試合後、平日の練習を意識高くやろうというのを話していました。最近、練習のための練習になってしまっていることが多いなというのを感じていて。今日の試合に限って言えば、先行していた試合で、ただただ1点を取りに行くという練習がそもそもできていない、点数を意識して練習できていないというのがあると思います。得点差が開いたから勝てるという認識が少なくとも今日はあったのかなと思うので、そのへんを平日の練習で詰めていかないといけないなと思います。
――来週に向けて
今日浮き彫りになった課題、それこそ勝てるゲームを取れなかったというところと先行するゲームが取れないというこの2つを練習で意識してやるって感じですかね。口で言うのは簡単なんですけど、僕らの代もそうですし、1~3年生までをちゃんとモチベーション高く練習に向き合わるというところも頑張っていきたいです。
降小雨副将(商4・慶應)
――今日の試合を振り返って
悔しい、の一言に尽きるのかなって思っています。全てにおいて東海大学さんの方が上だったのかなと思いますし、その中で通用することもあったと思うんですけど、やっぱり自分たちより相手の方が上回っていたし、自分たちがやりたいことを向こうが100%に近い完成度でやってきた、それを目の当たりにして、悔しいというかまだまだ足りないなという思いに尽きると思います。
――チームの雰囲気づくりで心がけていたことはありますか?
1部ではやっぱり楽に勝てないので、苦しい場面が続くってなったときに、下級生たちが今日は明るく元気にやってくれたんですけど、闘志というかファイティング精神のようなものは、プレーが上手くいかなくても気持ちが折れたら勝てないので、そういう部分を保ってもらえるような声掛けは意識しています。
――来週に向けて
勝ちます、とは言えないんですけど、そろそろみんなも勝ちたいと思いますし、負けが重なると入れ替え戦も見えてくるので、入れ替え戦を回避するというわけではないですけど、やっぱり日本大学さんに対して自分たちの高さのあるバレーを見せて、勝ち星をあげられたらなと思います。
大槻晟己副将(総3・清風)
――今日の試合を振り返って
急に(試合に)出されたっていうのはあったんですけど、自分が出したいと思っている部分が思うように出せたので、クイック攻撃を通せた部分とかはよかったかなと思いますね。チーム全体としては、まだまだ詰めていくところがありますし、自分の副将としての仕事もまだまだできてない部分もあるので、この後のリーグに向けて改善していけたらなと思います。
――降副将とのクイック攻撃がよく決まっていましたが、練習からよく合わせていましたか?
降さんはAチームとして出ている真古都さんのトスだけじゃなくて、僕のトスも練習からよく打ってくれるので、試合中も自信を持って上げられるというか、降さんの気遣いというか、ありがたい部分はありますね。
――突然の出場で緊張はしましたか?
急に言われすぎて緊張する暇もなかったというか、入ってからちょっと緊張したけど、ちょうどいいタイミングで消毒のタイムアウトになったので、そこで平常心になれた感じでした。
――来週に向けて
今ずっと惜しい試合というか、取りきれない試合が続いているので、そこのあと20%というか、詰めきる部分を詰めて、自分もしっかりプレーしながら、周りからも指摘しながらチームを良い方向に導けたらなと思います。
松本喜輝(環3・九州産業)
――今日の試合を振り返って
やっぱり2セット目だったり、自分たちが勝っている場面でひっくり返される展開が多いので、それは自分たちの最後の地力の差や気持ちの面だと思うので、そういったところをみんなで一致団結してやっていきたいと思います。
――トスを呼ぶ意識などは
今日はあまり厳しい場面で上がってこなかったのもあるんですけど、例えばさっきも言ったんですけど2セット目だったり、ブレイクされている時に自分が決め切るというところで、もう少し呼べたらいいなと思いました。
――リードをひっくり返されてしまうという課題を来週に向けてどう調整していきますか
自分たちのミスが大きな原因になってくると思うので、自分たちのやることをしっかり見直して、ひとつひとつのプレーに取り組んでいきたいと思います。