【連載】突撃!慶應体育会2022 vol.4 自動車部(後編)

自動車

後半となる今回は、小野徳馬主将のインタビューをお届けします。

出走前に入念な確認を行う小野主将(画像提供:慶應義塾大学自動車部)

 

―自動車部の活動について教えてください。

自動車部はその名の通り自動車を用いる部活で、年6回あるメインの大会を中心に、普段から練習や車の整備を行っています。メインの大会以外にも、5大学対抗定期戦(記者註:参加は慶應大、慶應高、早稲田、立教、青山学院)や早慶戦なども行っています。

―本日はそのメインの大会直後ということですが。

はい。6/19(日)に全関東学生ダートトライアル選手権大会が行われ、我々は準優勝という結果を収めました。大会は季節性のスポーツとは違って3月から12月まで満遍なくある感じです。実は大会の直前練習で車が転倒してしまいまして、今日の部活は修理の真っ最中です(笑)

優勝の早稲田大学にはあと一歩及ばなかったが、車の故障を乗り越え大健闘と言える結果であった

個人でも優秀な成績を残した後藤 正太郎(商3)選手

(画像提供:慶應義塾大学自動車部)

―メインとなる試合について、詳しく教えてください。

自動車部の競技は3つに分かれています。「ジムカーナ」「ダートトライアル」「フィギュア」です。この競技それぞれについて関東大会、全日本大会があるので、全部で年間6大会となります。また、これらの大会は競技が男女で分かれています。表彰も別枠で行われます。

 

―部としての年間を通した目標を教えてください。

メイン6大会ではこの賞状(画像)のように大会ごとの表彰があります。ただそれとは別に、年間の成績を総合して表彰される「全日本総合杯」というものがあり、これの獲得を目標にしています。

 

―今年の部のスローガンはなんですか。

今年のスローガンは「疾走」です。疾走という言葉には色々な意味があります。単純な車のスピードアップというのはもちろん、今年は部活全体で疾走感を持って取り組みたいということも含意しています。というのは、我々の自動車部は「フィギュア」という競技が特に強いのですが、この競技は皆さんの想像されるようなスポーツカーがスピードを出して走り回る競技ではなく、自動車学校のように運転技術がいかに正確か、を競うものになります。この競技では全日本でも5連覇中と負けなしなのですが、スピード勝負の残り2競技でもどうしても存在感を発揮したい現状を踏まえ、このスローガンを設定しました。

 

―普段の練習などはどのように行っていますか。

練習は日吉の自動車練習場、通称「イタリア半島」で行っています。平日は日吉で、休日は試合前であれば地方に遠征を行います。日吉での練習内容は主に運転練習と車の整備になります。また、練習日は朝8時に集合して重い備品の移動などを行ったり、MTの運転に慣れていない1年生への指導を行ったりしています。

場内には練習用の一般車が並ぶ

―自校のキャンパスに自動車練習場を構える大学は日本全体でも少ないと聞きました。

はい。コンクリート舗装で「ジムカーナ」競技の練習や、免許を持っていない部員の練習などをここで行えるのは他にない強みだと思います。

 

―部員構成はどのようになっていますか。

現在は男女比が9:1となっています。女子が少ないように見えますが、例年だと女子0人という代もあります。大会では女子団体の部も開催されるのですが、女子が2名いないとエントリーができません。そういう意味では、現在女子部員がいるのは貴重であると言えると思います。

 

―普段の練習で意識していることはありますか。

チーム全体で一緒に成長することを意識しています。いくら上手なドライバーがいても、車が整備されていなければ走ることはできません。チームの中で飛び抜けた才能を1人育てるのではなく、運転も整備もサポートも全員が一体となって技術の向上を目指すことで、より良い成績を出せるようになると思っています。また、今回の大会がそうでしたが、例えば試合直前に急なトラブルに襲われたとして、そこから挽回し力を発揮できるのもチーム力だと思っているので、そういうのにも対応できるようにしていきたいですね。

バックアップあってこその運転技術(画像提供:慶應義塾大学自動車部)

―記事を読んでいる方に自動車部の魅力の紹介と、メッセージをお願いします。

普段自動車というものには親しんでいると思いますし、日常から使っていると思います。我々はこの日常のツールを使って非日常的な体験を行い、また提供しています。僕はこのギャップがこの部活の魅力だと思っています。スピード感やそれに伴うスリルは公道では体験できないものです。また一般的な車よりも大音量を伴ってサーキットを駆け抜けていきます。この迫力は自動車部ならではのものです。また、免許を持たずに入部する部員が半分以上を占めるほど、大学でほぼ全員が横一線でスタートするスポーツですので、初心者やルールを知らない方でも気軽に見て楽しめると思います。ぜひ興味を持ってもらえたら嬉しいです!

―ありがとうございました!

 

関東ダートトライアルの勢いそのままに、次は7月末の全日本ダートトライアルに挑む自動車部。疾走というスローガンを掲げ、今日もチーム一丸となって練習に取り組む姿から目が離せない。

 

自動車部の次回大会

全日本学生ダートトライアル選手権大会

開催日程:2022年7月31日

開催場所:サンライズサーキット

栃木県那須塩原市高林259番地1

 

(取材・撮影:東 九龍)

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