セルビアで行われているレスリング世界選手権。大会4日目となる9月13日、女子62kg決勝に尾﨑野乃香(環2・帝京)が出場した。前日に行われた準決勝では昨年の世界選手権で敗れた宿敵を撃破。決勝では試合開始直後から積極的な攻撃を仕掛けるとテクニカルフォールで圧倒的な勝利をあげ、世界選手権初優勝に輝いた。
前回大会3位の尾﨑は2回戦から登場し、フォールで危なげなく勝利。続く3回戦でもテクニカルフォール勝ちをし、迎えた準決勝。昨年の初戦で敗れたキルギスのティニベコワと対戦した。序盤は相手にリードを許す展開となるも、着実に得点を重ねた尾﨑が11−5で勝利した。
決勝戦の相手は昨年2位のカイラ・コリン・ミラクル(米国)。序盤から積極的に攻撃を仕掛けると、開始1分で6点を獲得し勢いに乗る。その後も相手に隙を与えず立て続けに得点し、試合開始から2分27秒でテクニカルフォール。決勝でもその強さを証明し快勝した尾﨑は世界選手権初優勝を飾った。
初戦の舞台で悔し涙を流し、リベンジを誓った昨年の世界選手権から1年。2回戦から決勝まで圧倒的な強さを見せ、悲願の優勝を果たした。しかし、女子62kg級は日本国内でも熾烈な争いが繰り広げられている。世界選手権Vを果たし、今季ここまで負けなしの尾﨑だがパリ五輪に向けて気を抜くことはできない。五輪までの残り1年、この勢いのまま負けなしで駆け抜けてほしい。
(記事:船田萌恵)
——以下、試合後の尾﨑選手のコメント
世界選手権62kg級で優勝することが出来ました。昨年の屈辱を晴らし、勝てたことは自分の自信になりました。
慶應義塾大学レスリング部の歴史で、世界選手権優勝者が未だにいない中で、今回優勝することが出来たことは本当に嬉しく思います。
これから、オリンピックに向かっての戦いが本格的に始まってきます。ここで気を緩めずに勝ち続けられるように頑張ります。
これからも応援のほどよろしくお願い致します。