関東大学ラグビーの第2戦。第1戦を北海道で戦った慶大が関東に戻ってきた。立大を相手に序盤は拮抗する場面が続き一時は逆転されたが、後半に息を吹き返し怒涛の攻勢を仕掛け再逆転。終わってみれば36−7のスコアで快勝し、慶大は幸先のいい開幕2連勝となった。
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9/11 関東大学ラグビー対抗戦 第2戦 @秋葉台公園球技場 12:30キックオフ
慶應義塾大学 | 立教大学 | |
前半 | 5 | 7 |
後半 | 31 | 0 |
計 | 36 | 7 |
開幕戦を北海道の月寒で迎え、日体大相手に快勝した勢いそのままに、慶大の黄色と黒色のジャージが関東に帰ってきた。今日の相手は立教大学。会場の秋葉台公園球技場は慶應義塾藤沢キャンパスの目と鼻の先。ホームともいえるこの地で勝利を掴むべく、慶大フィフティーンは試合に臨んだ。
前半は両者ともに慎重な攻めが続く。慶大は敵陣に攻め込む姿勢を見せるも、反則を多く出してしまいなかなか前に進むことができない。6分には相手陣内で左右に大きく展開しトライを狙うも、あと一歩がなかなか踏み出せず得点を奪えずにいた。25分には一瞬の隙を突かれ立大選手に独走態勢を許すが、慶大ディフェンスはここをなんとかライン際で食い止め、なんとか先制を防ぐことができた。ここまで0−0の膠着状態のまま試合は続いたが、それを破ったのは副将・佐々木隼(総4・桐蔭学園)だった。31分に左サイドから一気に突っ込み先制のトライ。キックは惜しくもゴールを掠めたが、それでも5点を奪った。
このまま前半を逃げ切りたい慶大であったが、立教も負けてはいない。前半終了間際に立大・太田(観3・立教新座)が同点に追いつくトライをあげると、キックも成功させ逆転。ここで前半は終了し、5−7と2点ビハインドで後半を迎えることになった。
ハーフタイム、慶大応援席からは「締まっていない」「いつもの覇気を出しきれていないのではないか」という声が漏れ聞こえる。そんな中、あるOBは「後半は中楠が出れば試合の雰囲気はガラッと変わる」と口にした。中楠一期(総4・國學院久我山)は今季の春、怪我で悔しい思いをしてきただけに最後の秋にかける思いがすこぶる強い選手。復活を果たした今季はこの試合からの登録で、活躍を見せられるかが期待されていた。
後半に入ると、前半とは全く違う慶大が立大に襲いかかった。まず5分には主将の今野勇久(総4・桐蔭学園)がモールからトライを決め再逆転に成功。キックも決め5点差とすると、23分には永山淳(総3・國學院久我山)がペナルティーゴールで3点を追加。勢いに乗る慶大は27分、いよいよ中楠を投入。するとその直後、シュモック オライオン(環3・Mount Albert Grammar School)が猛チャージを見せ一気に敵陣に斬り込む。この攻撃フェーズでボールを受けた中楠が抜け出して執念のトライを決める。ラグビーに飢えていた中楠の姿を象徴する大きなワンプレーとなった。
これで22-7と15点の差が開いたが、まだ慶大は攻撃の手を緩めない。直後のプレーでは立大に主導権を握らせることすらせず、最後は佐々木が華麗に立大守備陣を抜き去り今日2トライ目。これで29-7とし、試合を決定づけた。終了間際の43分には永山もゴールラインの真ん中を破るトライを見せると、自らの足で今日4本目のゴール成功。ボールを持っても蹴っても遺憾無く実力を発揮した。最後は立大も果敢に攻めるものの、慶大は決して流れを渡すことはなくノーサイドの笛が響いた。
試合結果は36−7。慶大は開幕2連勝を飾った。また、MVPに当たるプレイヤーオブザマッチには慶大から2トライをあげた佐々木が選出された。
低空飛行のスコアで守備力が試された前半から一転、後半で持ち前の高い攻撃力を見せつけ立大を圧倒した慶大。どちらが欠けても今日の勝利は覚束なかったといえる。また主将の今野は途中に出血による交代が2度ありながらも闘い続けた。慶大の諦めず緩まず突き進む姿勢は特に素晴らしいものであり、次戦以降にも持ち越されることが多いに期待される。次戦、青山学院大との対戦は10月2日と間隔が開くが、この流れを忘れることなく開幕3連勝を掴み取る姿を、慶大全体が熱望している。(記事・写真:東 九龍)
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ラグビー記事の更新が最近なく、多くのご意見を頂戴いたしました。誠に申し訳ございません。
さて、ラグビー班では10月初頭より、11月の早慶戦に向け「ラグビー特集記事」を順次公開する予定です。対抗戦がある週の試合速報はもちろん、選手・監督インタビューや練習の裏側に迫った記事、さらにはあの選手のかつての姿など、皆様にお楽しみいただける記事を準備しておりますので、今しばらくお待ちください。
今年も慶大ラグビーを読者の皆様と盛り上げて参りたいと思っております。よろしくお願いします!