いよいよ2日後に迫ったラグビー早慶戦は今年で100周年。慶應スポーツでは、慶大選手、監督へのインタビューを配信していきます。第7弾は、勢いに乗る黒黄のジャージを率いて戦う闘将・栗原徹監督です!
――自己紹介をお願いします
慶應蹴球部の監督を務めております栗原徹です。平成13年卒の慶應OBです。よろしくお願いいたします。
――最初4戦は大勝もあれば接戦になった試合もあったが、ここまでの戦いぶりを振り返って
目に見えない色々小さなアクシデントがその中にはあったので、その中でも4勝全部勝ってこれたということは非常によかったかと思います。
――チームの状態は?
春先からコロナとかも含めて活動は止まることがなくやって来れていますので、そういう意味ではチームワークや一体感を非常に高く保てているのかなと思っていますし、そこでしっかり勝利という結果もついてきているので、チームとしては少しずつ上向いてきているという印象を感じます。
――立教戦や青山学院戦で下級生を積極的に起用した意図は?
もちろん選ばれた選手は、試合に向けての練習の中で実力を示してポジションを獲ったので使っています。結果として若い選手たちが対抗戦を経験できたというのは将来への投資にもなりますので、チームとしてもこの状況はポジティブに捉えられると思います。
――筑波戦は交代ほぼなしのメンバーで挑んだ
常にその時に組めるベストメンバーを組んで戦っていますし、ここ4戦もその時のベストメンバーで挑んだので、早稲田戦や帝京戦も同じだと思います。
――今年のチームが今までと違うところや、今までと変わらず「慶大らしさ」を残しているところ
自分が見てきた限りでは、学生たちが主体的に色々なことにチャレンジしている代ではないかと感じています。チームのルールを変えたりだとか、SNSを使って応援してくれる人を増やしたりだとか、練習が終わった後に選手全員で握手するとか、肩を組んで終わった後にハイタッチするとか色々あるんですが、今までのチームだと「いいですか?」って聞いてきたり、それを聞かずにやらなかったりしていたのが、今年のチームはこちら側に忖度することなくやりたいことをやるといった形で、チームを良くするために必要なことはどんどん取り入れているという風に感じます。逆に「慶大らしさ」というところでは、ラグビーに対する姿勢はひたむきで真面目なので、実力というか試合の結果は毎年変わりますけど、ラグビーに対する姿勢は、慶大が一番大切にしなければならないので、しっかり取り組む姿勢をもってラグビーと向き合うことが重要ですし、今年のチームもそれを引き継いでくれていると感じます。
――今年のチームで重点的に指導しているポイントは?
ラグビーの面で言うと、自ら学ぶ意欲を強く持ちなさいと伝えています。ラグビーに対する姿勢というのは常に保っているんですけど、自分の中でもっと良くするためにもっとルールを深く理解して、「こういうプレーができるんじゃないか」とか、新しいものを作り上げるという探究心が少し低いように感じます。こちらが指示したことはできるんですけど、それ以上をこなせる選手がなかなか現れないので、自分でもっと考えてラグビーを学んでほしいということは伝えています。ラグビー以外の部分では、細かい部分に目を向けて大切にするよう伝えています。みんな大きな目標、大きな成果というのに目が行きがちですが、どんな大きな成果も小さな努力の積み重ねだと思って、小さなことを大切にしていこうという話を日頃からしています。
――早慶戦、そして早慶戦100周年記念に対する監督の思い
自分が現役の時に慶大ラグビー部が創部100周年を迎えまして、あまりその時はピンとこなかったんですけど、年を重ねていくと、早慶戦100周年という歴史には、100年分の色々な人の思いが詰まっているので、現在の位置に立てる学生たちは幸せだなと思います。彼らにとっては少し年数が過ぎてから実感することかと思いますが、本当に誇らしいことだと思っています。今までの先輩方に対するリスペクト、尊敬の念は非常に大きいですし、自分たちも時間が過ぎれば歴史になっているので、その一端を担えるような試合をしたいです。
――早慶戦、そして最終戦の帝京戦に対する意気込み
早稲田に対しても帝京に対してもウチは全くのチャレンジャーですので、しっかり準備して少しでも勝利の可能性を広げられるように、そして試合でチャンスを掴めるようにやっていきたいと思います。
――読者へのメッセージ
久々に有観客試合になって、声を出しての応援ができるか分からないですが、スタジアムにいると皆さんの応援が波のように伝わってきて、それが選手たちの勇気やエネルギーに繋がっています。ぜひ一生懸命チャレンジする慶大の選手たちの後押しをして頂ければと思いますし、彼らのチャレンジを一緒に楽しんで頂ければと思います!
――ありがとうございました!
(取材:東 九龍)