【少林寺拳法】慶大少林寺拳法部初の女性主将!部員からの絶大な信頼を誇る高鹿綾華主将!

少林寺拳法

全日本学生大会(以下、全日)での経験、少林寺拳法部での4年間を振り返って、主将としてチームに抱く思い、12月4日と残り1週間に迫る早慶戦への意気込みなどを、高鹿綾華(文4・淑徳与野)主将に取材しました!

 

――全日本学生大会(以下、全日)では、女子総合2位。振り返っていかがですか?

総合2位という結果に対しては、悔しさの方が大きいです。元々部の目標としては総合優勝を目指してやってきて、総合優勝っていうのは今回私たちがもらった女子総合だけではなく男子含めての総合優勝なので、目標としていた部分、女子総合で、1位ではなく2位なのでめっちゃ悔しいです。結果としては悔しいのだけれども、大会の総合的な結果としては嬉しさも全然あって、私個人ではなくて後輩たちもいた時に、こうやって1位取ってくれているペアが2組いて、他にも結果に結びついたペアと結び付かなかったペアも結構いるんですけど、試合で全力を出し切るってことに練習の中でやってきたベストを出しきれたのは良かったなと思います。

――立合の強さっていうところをお伺いしたのですが、どのような準備に特に力を入れてこの大会に臨まれましたか?

準備は… 前提として立合は大会でもウェイトが演武に比べると小さめなので、出場メンバーも少なくて全体というよりは個人によるところが大きかったんだけど、立合に出ている人達は演武に出た上で立合もやっているから、演武と立合の両立、あとは怪我しないようにっていうのは気を付けてやったかな。立合に出ているメンバーに限らずですが、特に慶應は立合に今シーズン始まる前から練習に力を入れていたので、全体としては全日に向けて、立合は他の大学があまり力を入れてない分、慶應は力を入れていけばもっとコスパ良く狙えるんじゃないかなと。今年の初めから練習に力を入れています。

――試合で大切にしている姿勢や意識は

楽しむ。めっちゃ緊張するんだけど、その緊張は自分が目標としている順位が取れるかとか失敗しないかどうかとか色々考えて緊張しちゃうんだけれども、最後はひたすら楽しみたくて、練習してきたものを信じてひたすらやって楽しみたいと思ってやっています。練習もメリハリをつけてやりたいなと思っていて、楽しいのも大事だけど、その一方で技術の練習をしているときはピリッとした雰囲気でやりたいなと思っていて、演舞も通しの際は本番を想定してここで1組ずつ通すんですけど、本番で意識していることと被るんですが、練習は本番のようにやることで、逆に本番は練習でやったことを信じて、本番は練習のようにやりたいなと思っています。

ーー主将として4月からどんな気持ちを大切にして取り組んでこられましたか?

一番大きいのは、私が誰よりも練習して誰よりも成長して、その姿で部員を引っ張っていけたらなと思っています。自分自身全然上手いわけでもないし、早慶戦とかも出たことがなくて、技術面でも自信がないし、それ以外の部分でも圧倒的なリーダーシップがある訳でもないんですけど、皆を引っ張っていくというよりは皆と並走していけるような存在でありたいなと思います。主将として、笑顔・全力・感謝という3つを大事にしていて、笑顔は自分が辛い時でも笑顔でいることでチームを明るく盛り上げていきたいなということと、全力は全力で練習して成長することで引っ張っていきたいなと、自分が常に一番全力の存在でありたいなと思って、感謝は部はまだまだ発展途上で、私自身もまだまだ強い訳ではないので、皆にも部を支えてもらうために、常に感謝を忘れないっていうことです。この部に入ってくれて頑張り続けてくれている部員に対して感謝の気持ちを忘れずにやっていきたいなと思っています。

ーー主将という立場から、チームに抱いている思い

「好き!」という気持ちです(笑)私は少林寺拳法が好きというよりは、このチームや部員が好きということがモチベーションにつながっているので、主将をやりたいと思ったきっかけも大好きなチームに一番大きく貢献できる存在になりたいという思いだったので、「好き!」という思いですかね(笑)。全員大好きです(笑)。

ーー大学から始められたと思うんですが、少林寺拳法を始められたきっかけは?

→競技は何でも良くて、体育会を探していて何かに打ち込みたいなと思った時に、色々探していたからどこももう入部を締め切ってしまっていて、1年中受け付けてくれていたのが少林寺拳法だったっていうのが理由です。最終的に入部を決めたのは雰囲気ですね。すごい優しいというか、ねっとりした優しさではなくて、皆鏡を見ながら自主練に取り組んでいたりとか、先輩後輩で教え合ったりしているというか、それぞれの練習を邪魔しない仲の良さっていう部分に惹かれました。

ーー主将として最もやりがいを感じる部分について

→一番のやりがいは後輩たちの成長だなと思います。それは技術的な部分も大きいですけど、練習してそれが結果に結び付いているのもすごく嬉しくて、和田亮士郎(政2・同志社国際)もそれこそ1位を取って報告しに来てくれたのもめちゃめちゃ嬉しくて、何で私が泣くんだという感じで(笑)結果に結び付かなかったとしても、技術的に成長したと思える瞬間がすごく嬉しくて、技術的な部分以外も、人としてと言ったらすごく偉そうなんですけど、総合的な部分でも成長を実感するのが嬉しいなと思います。私自身も、主将をやらせてもらう前に比べたらこの経験ですごく成長できていると思います。例えば、些細なことでも「ほうれんそう」をまめにするとか、気付いたことを率先してやるとか、部に意見をくれるとか、後輩の成長が嬉しいです。

主将として全力でチームを引っ張り続ける

ーー今年を振り返って、最も印象に残っている出来事を教えて下さい

一番の1つは、和田が1位という結果が分かって、私のところに来てこっそり「1位取りました!」と教えてくれた時ですかね。その瞬間が直近の中でめっちゃ胸熱な瞬間でした。これだと和田びいきになりすぎですかね(笑)。

ーー4年間を振り返ってみて、いかがですか?

去年から早慶戦は最後まで4年生が部を引っ張っていってという感じなんですけど、一昨年までは早慶戦から代替わりだったんですよ。だからその当時の3年生が部を引っ張ってやっていくという形だったんですね。私が1年生の時に代替わりして主将に就任した当時の3年生の方がいて、その人が引っ張る早慶戦とその人が出ている早慶戦がすごく印象に残っていて、その人の影響が大きいです。その人の影響でリーダーシップを取って主将になりたいなと思うようになったというか、その人は盛り上げるのもうまかったし、早慶戦も結局負けはしたんだけど、最後までめっちゃ諦めずに果敢に点数をとりにいく姿勢が本当にかっこいいなと思って、自分もそういう人になりたいなと思いました。競技からは外れてしまうんですけど、私は少し遅れて入部したので、他の同期とはずれているんですけど、私が主将になる前、ただの3年生の平部員だった時に、当時の新主将が私のところに来てくれて、握手して「入部してくれてありがとう」と目を見て言ってくれたのが、めっちゃ感動して、すごい心掴まれました。それを経て、全体もそうだけど1人1人を大事にしていける先輩になりたいなと思いました。

ーー少林寺拳法の4年間を通じて、得られたものには何を挙げられますか?

2つあって、貴重な経験と仲間かなと思います。体育会ってバカになれる最後のチャンスだなと思っていて、1つの競技のことだけを考えて大変な練習を続けたりとか、きつい練習も皆で声出しながら盛り上げてやるっていう経験は社会人になったらもう二度とないのかなと思っていて、その練習の過程もそうだし、その練習を経て結果が出る出ないっていうところを目指して頑張るのもそうですし、その練習の経験を仲間とすることで、悔しいことも嬉しいことも共有してこの後の人生でもずっとつながれる仲間が手に入れられたのかなと思います。

ーー少林寺拳法はマイナー競技だと思いますが、どんな思いを抱かれてますか?

普及したいとかそんなに思っていなくて(笑)、マイナーだし発展して欲しいとかはあまり思わないけど(笑)、マイナーだからこそ少林寺拳法は素敵な人たちをつなげてくれる競技なのかなと感じます。逆に野球などの部活だと部員数が多かったりするので、もちろん新入生も集まるし強みももちろんあるとは思うけど、逆に少林寺拳法部はこの少なさだからこそ団結できる部分もあるのかなとも思うし、マイナー競技故に大学から始める人が圧倒的に多いので、それまでの経験を問わず、努力次第で日本一を目指せるので、大学から始めるのにぴったりな競技だなと思います。なのでこのままでいてほしいと思います。

ーーこれまで経験してきたスポーツなどが、今の少林寺拳法に活かせている部分はありますか?

競技性は全く活かせてないんですけど、中学高校とバドミントンをやっていて、中学の時のバドミントン部がすごく厳しくて、剣道と体育館を半々で使ってたんですけど剣道部が「面々」と言ってたらコーチの声とかが全然聞こえなくて、それで集合が遅れると理不尽に体育館を20周させられたりしていて。なので結局バドミントンを好きになれなかったし、バドミントンが少林寺に活きてもいないけど、体力と理不尽に耐える力は育めたかなと思います。私=雑草魂ですね!

ーー早慶戦における注目している選手はどなたを挙げられますか?

全員注目なんですが、少林寺の早慶戦は新人戦と本戦に分かれていて、新人戦は1、2年生が出場して、本戦には全学年から6名出場するんですけど、男女半々くらいで、早慶戦の結果には本戦の結果しか反映されないんですが、部の目標としては新人戦も本戦も両方に勝って、早稲田より勝ち数を増やして早慶戦自体も優勝したいと思っているので、出場メンバーはまだ決まっていないんですが、本戦に出るメンバーは全員強いので、全日でも女子3人入賞したメンバーが注目ですし、女子がこんなに強い代って今までなかったので、女子は注目ですね。

早慶戦での大将戦でも果敢に最後まで戦い抜く覚悟

ーー早慶戦に懸ける思いや意気込みをお願いします

まずは絶対完全優勝したいです。籾美吹(社4)さんにトロフィーを持たせたくないっていうので、籾さんも早稲田の初の女子主将で、全日で女子の総合優勝を取られてしまって。最初1位で慶應が呼ばれていたのに、訂正しますと言って早稲田が呼ばれて慶應が2位になってしまって、死ぬほど悔しい思いをしたので、絶対早稲田のあの主将にはトロフィーは持たせたくないです(笑)。相手の主将は私は大リスペクトしている憧れの選手で、演武も立合もどっちも強くて、全日では演舞も立合もどっちも優勝していて、トロフィーも賞状も抱えきれないぐらいすごい人で、女子総合も取られて悔しいです。早慶戦では早稲田に勝てるチャンスがあるので、女子総合持っていった早稲田に勝てば、女子総合1位を取ったようなものなので、絶対に勝ちたいです。私個人で言うと、私は大将戦で籾さんとやるけど、彼女は演舞も立合も最強なので勝ち目は一切なくて、絶対負けるって分かってるけど、死ぬ気でやろうと思っていて、その試合の私の役割としては、絶対に1点はもぎ取る、盛り上がる試合をしたいなと。逃げてばかりの試合ではなくて、1点でも果敢にもぎ取る、見ていて応援したくなる、応援してもらえるような試合をしたいなと思っています。

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

(取材:佐藤光)

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