関学大との学生日本一を決める一戦に臨んだ慶大は、前半で秋山美里(環1・日大高)のシュートなどでリードを奪うと、後半、相手に攻め込まれる場面もあったが平井友香子(総4・同志社)の3得点の活躍もあり、11-6で勝利。攻撃的なラクロスで全国制覇を成し遂げ、全日本選手権大会への切符を手にした。
第13回ラクロス全日本大学選手権大会FINAL vs関学大
11月27日(日)@駒沢オリンピック総合公園運動場陸上競技場
♢得点♢
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 3 | 2 | 3 | 3 | 11 |
関学大 | 0 | 1 | 2 | 3 | 6 |
慶大得点者 | 川久保、秋山美(2) | 秋山雅、山根 | 平井(2)、西股 | 平井、秋山美、矢代 | ― |
♢スタメン♢
G #51 藤田瑠奈
DF #60 矢島玲
DF #10 藤澤理彩
DF #68 中田晴奈
MD #49 橋本小夏
MD #33 山本真菜美
MD#88 川久保博子
AT #71 平井友香子
AT #3 秋山美里
AT #74 秋山雅望
全日本大学選手権大会(全学)準々決勝、準決勝でも大差で勝利し、ここまで予選リーグから無傷の10連勝で勝ち上がってきた慶大は、秋晴れの駒沢で関西地区1位の関学大と対戦した。
慶大は第1Q、主将を務める川久保博子(理4・慶應女子)がボールを運びファウルをもらうとフリーシュートを決めて幸先良く先制に成功する。さらにその直後、秋山美がゴール裏でパスをもらうと、そのまままくってシュートを決めた。連続ゴールで勢いに乗り、第1Qは慶大ペースで試合が進む。平井や山本真菜美(総4・同志社)がフリーシュートを獲得するなど攻撃を続けた。相手シュートにもディフェンス陣が対応し無得点に抑える。慶大はさらに秋山美が今試合2得点目となるシュートを決め、3-0と試合の主導権を握った。
続く第2Qでも山本が起点となり、秋山雅望(環3・桐蔭学園)が決めて4-0と突き放す。慶大は一度ボールを奪われても、積極的に相手に詰め寄りすぐに奪い返し、関学大に攻撃をさせない。すると、山根里華(環2・慶應湘南藤沢)がフリーシュートを決めて5点目が入る。さらに秋山美が相手のパスをカットしチャンスを作ると、秋山雅らが立て続けにシュートを放ったが、ここは惜しくも得点ならず。終盤に1点を返されたもの、慶大ペースのまま前半を終えた。
後半も最初に得点を奪ったのは慶大だった。相手攻撃を凌ぐと、川久保から平井への速攻が決まった。後半に入り、関学大も持ち味を発揮してくる。得意にグラウンドボールから慶大は失点を許してしまう。しかし取られたら取り返すのが慶大。平井が相手を華麗にかわしてシュートを決めると、西股莉々子(法4・慶應女子)も決めてリードを広げた。終了間際に失点したが、5点リードで最終第4Qへ臨んだ。
最終第4Q、平井が相手のパスミスからボールを奪うと、冷静にゴールを決めて6点差とする。さらに秋山美がフリーシュートを獲得すると、パスを受けた秋山雅が追加点を奪う。その後素早く攻守が切り替わる展開になると、相手に決められてしまう。しかし慶大も矢代菜奈子(環3・同志社)が決めてすぐに奪い返す。この勢いのまま逃げ切りたいところであったが、終盤は関学大の猛攻を受ける。ドローから速攻で失点すると、その後も再びドローを奪われ連続失点。それでも関学大の強力な攻撃を耐え、11-6で試合終了のホイッスル。ピッチ中央には選手が集まり、歓喜に包まれた。
次戦は12月18日(日)。超攻撃なラクロスで大学チャンピオンに登り詰めた慶大は、社会人への挑戦権を手に入れた。圧倒的な実力を誇る慶大は、全大学生の思いを背負って、社会人をも打ち破ってくれるに違いない。
(記事、撮影:長沢美伸)
♢選手コメント♢
主将・川久保博子選手
――優勝した時のお気持ちは
全勝優勝を目標にやってきたので、準リーグ、Vリーグに続き日本一を獲ることができて非常にうれしかったです。
――攻撃的なラクロスをどのように作り上げたのか
攻撃的なラクロスのもとには「手数の多いアタック」という目標があり、そのためにチーム一人一人の強みを生かしたプレーを作る必要がありました。その強みを生かすようなゲームメイクを心掛けていました。また、関東の決勝から毎週試合があったので、コンディションがきつい部分もあったのですが、トレーナーさんをはじめ、学生スタッフなどがコンディション面のコントロールをしてくださったので、感謝しています。
――今日の試合で良かったところは
チームとして良かった点はしつこく粘り強く目の前のボールに集中して戦えたことだと思います。関学の強い接点やグラボの強さに劣勢になることも予想されたのですが、そこに対して一人一人が強く向かえたことが今日の勝因だと思います。
――全日本選手権大会で社会人と対戦
待ちに待った舞台で、そこを目指してやってきたので、2017年に真の日本一を獲ったときに続き、私たちの代でも獲れるように頑張りたいと思います!
最優秀選手賞・秋山美里選手
――今のお気持ちは
うれしいです!!
――最優秀選手賞に輝く
実感はないです。名前を言われたときにとてもびっくりしました。
――今日の攻撃で良かったところは
いつでもシュートを狙ってできたことが良かったと思います。
――予選リーグから活躍を続ける
点を取るという気持ちを毎試合持って臨んでいることです。
――全日本選手権大会に向けて
全日でも攻撃的なラクロスで点を奪って優勝を目指したいと思います。
大久保宜浩HC
――今日を振り返って
色々順調にここまで来たのですが、最後に主力が本調子でなかったのと、関学大が予想以上に力を上げてきていたので、苦しむのではと予想しつつのゲーム入りでしたが、いい形で試合に入れて良かったです。
――今日の試合でも11得点で勝利
最低下でも2桁は行きたいと思っていましたし、2桁行けば絶対に勝てると思っていました。関学は攻撃力があるので、点数は6点くらい取られると思っていました。本来なら15点くらい取れるチャンスはあって、シュートミスしたりしてしまいましが、出足で5点取れたのは良かったです。
――予選リーグから攻撃的ラクロスで勝ち上がる。どのような指導を
ラクロスは点を取って勝つスポーツで守って勝つスポーツではないので、苦しい時に点を取れないとトーナメントで残れないです。秘訣は練習の9割以上オフェンス練習をしていることです。
――うまくいっている攻撃パターンは
この人がゴールを決めるというのはなく、5人くらいの主力選手がボールを動かしながら、それに絡む選手も誰でも点を取れるようなオフェンスを作り上げてきたのが、点を取れた理由だと思います。来年以降もそういったオフェンスができればよいと思います。
――全日本選手権大会で社会人と対戦
正直勝算は低いです。クラブは経験もフィジカルもスキルも全て学生を上回っているので。他のスポーツでもそうですが、社会人に学生が勝つというのは基本的には難しいことなので、攻撃的なラクロスでチャレンジして、その結果面白い試合になればよいと思いますし、点をたくさん取れるような試合ができれば見ている人にも楽しんでもらえると思います。