本戦5日目となった関東学生新進テニス選手権大会は準決勝が行われた。慶大勢は男子ダブルス2組、女子ダブルス1組が決勝進出を懸けて戦い、林航平(理3・名古屋)・有本響(総1・慶應)ペアが早大ペアを破り、勝ち進んだ。
2023年 関東学生新進テニス選手権大会
3月3日(金)@大宮けんぽグラウンド
・男子ダブルス
◎林航平・有本響(慶大) | 2{6-3、6-3}0 | 渡部裕貴 ・藤田大地(早大) |
序盤から持ち味である林のストロークと、有本のボレーが決まり、自分たちの流れをつかむと、リターンエースも決まり第1セットを奪う。第2セットも甘いボールを確実の前で処理して得点を重ねると林のサービスエースも決まって勝利を決めた。自分たちの形を発揮し、危なげなく勝ち切った林・有本ペアは、6日、早大選手と優勝を懸けて戦う。
赤西大樹・菅谷優作(慶大) | 0{6―7(0)、3-6}2 | ◎田中瑛大・ 吉野郁哉(早大) |
赤西大樹(経3・慶應)と菅谷優作(法1・慶應)も早大ペアとの対戦となった。第1セット序盤はお互いにサービスゲームをキープし合う展開が続く。そんな中先にブレイクしたのは慶大だった。ゲームカウント5-4とリードし、一気にこのセットを取り切りたいところだったが、相手にブレイクを許す。6-6とタイブレークに突入するが、タイブレークでは早大が終始主導権を握り、このセットを落とす。第2セットは慶大のミスもあり、早大ペースで進み惜しくも準決勝で姿を消すこととなった。
・女子ダブルス
馬渕麻実・西飛奈(慶大) | 0{5-7,4-6}2 | ◎星野遥香・石川和奏(東国大) |
女子勢で唯一準決勝まで残った馬渕麻実(環2・浜松聖星)・西飛奈(環1・白鵬女子)ペア。序盤からラリーが続き、西のクロスへの鋭いショットやボレー、馬渕の力強いサーブから得点するなど、持ち味を発揮する。両者一歩も譲らず、ゲームカウント5-5となるが、相手にブレイクを許すと、その次のゲームをキープされ、第1セットを失う。第2セットも各ゲームデュースまでもつれる接戦を繰り広げるも、相手のネットプレーや慶大のミスも重なりブレイクを許して3-4とされると、そのまま巻き返すことができず敗れた。
(記事、撮影:長沢美伸)
以下、選手コメント
赤西大樹選手
――今日の試合を振り返って
チャンスはあったのかなというのが正直な印象です。そのチャンスを取り切れなかったというのが今日の敗因だと思っていて、悔しいです。そこのチャンスをモノにできるかできないかが、早稲田の相手との差だと思って、相手はそういうチャンスを逃さず、しっかり取ってきた中でこっちは取り切れなかったので、最後の詰めの甘さ、あと1個取り切れるかどうかが、今日の勝敗を分けたのかなと思っています。
――今日の試合で良かったところは
僕と菅谷はこの大会で初めて組んで、そんなに練習ができていない中での試合でしたが、その中ではしっかりここまで勝ち残ることはできましたし、プレースタイルも良くなってきていて、ネットプレーは2人の形としてでき上ってきた部分はあると思います。今後組むかは分からないですが、お互いにこういうところを伸ばしていけたらと思っていて、ネットプレーは良いところだったと思います。
――今後の目標は
自分は最高学年で今年で終わりなので、ラスト悔いのないようにやり切りたいです。昨年インカレ(全日本学生テニス選手権大会)のダブルス本選に出たというだけなので、インカレの本選で勝つことをまず一つ目標にしていきたいです。
菅谷優作選手
――今日の試合を振り返って
ファーストセットは先に自分たちが相手のサービスゲームをブレイクして、5-4までいってあと一歩というところで自分たちのミスが出て、一気に流れを持っていかれたという印象があります。勝てるチャンスは何度もあったというのが正直な感想で、そこを取り切れなかったところが今回の(相手との)差だと思いました。
――初めて赤西選手と組んでみて
今まで組んでなかったのですごく新鮮な中でできて、いつもと違って良かったです。また、2人ともネットプレーが得意で、しっかり自分たちの形を作ってもポイントが取れたということは、今後も自信にしていいかなと思います。
――今後の目標は
春にインカレの予選があるので、そこはしっかりクリアして、インカレに出るだけでなく上位を目指していきたいです。本当の勝負は夏のインカレと団体で言えばリーグ戦、王座(全日本大学対抗テニス王座決定試合)だと思うので、そこまでしっかり個人も団体も優勝を目指して自分のできることを日一つ一つやっていけたらと思います。
林航平選手、有本響選手
――今日の試合を振り返って
有本:昨日に引き続き自分たちの形でポイントを取れる展開が多かったので、すごく次につながるいい試合だったと思います。
林:有本が言ったように、自分たちの形になる時間が多かったので、いい試合ができたのかなと思います。
――今日の試合でもネットプレーで点を取る、強みはどんなところか
林:自分が後ろで作って、有本が前で動いて決め切るというところが強みです。
有本:そうですね。
――決勝までにすること
林:次の相手は前で詰めてネットプレーを多めにやってくるので、そこの対策をしっかりやって挑めればと思います。
――決勝の意気込みは
有本:自分の武器でここまで来たので、その自分の形をしっかり崩さないで、最後まで優勝に向かって突っ走りたいと思います。
林:ここまできたら優勝したいというのと、本番はリーグ、王座だと思っているのでそこにつながるような試合ができたらいいなと思います。
馬渕麻実選手、西飛奈選手
――今日の試合を振り返って
馬渕:私たちは練習では先輩たちのペアに結構簡単に負けてしまうことが多く、この大会が始まってから粘り強いラリーや、自分たちの武器、私だったらサーブとストローク、西だったらボレーを生かした攻撃的で積極的なプレーをしていこうという意識でやっていました。この大会の中で一試合一試合重ねていくことで成長してきて、今日の試合は結果的に負けてしまっていたのですが、ファーストセットの4-6で落としそうなところを凌いで5-5に持っていくことができたり、セカンドセットも相手のボレーに惑わされずに長いラリーをして自分たちの良さを生かすことができたりしたので、次につながるいい内容の試合だったと思います。
西:負けてしまったのですが、自分たちがすごく悪いというのではなく、いいところも出せていたし、最後の最後に自分たちの良さどれだけ信じられるかがすごく大事だと思いました。前で動いてくる相手だったのですが、それに対いて惑わされずにどれだけ自信を持って強気に行けるかというところだった思うので、悔しいですけど次につなげられたかなと思います。
――試合中声を掛けるシーンも
馬渕:(西は)あまり口数の多いタイプの子ではないので、自分は明るさは持ち味だと思っていて、ダブルスは勢いや積極性、相手に見せるオーラが大切だと思っていたので、ペアを盛り上げようとしていました。彼女にも結構苦しい時に一番言ってほしい言葉、「大丈夫だからここから頑張っていこう」という前向きな言葉を掛けていただいたので、私の声掛けだけでなく、彼女も意識してくれていたので、組みやすかったです。
西:私は結構うまくいかない時やポイントを取られたときなど自分が納得いかない形だと気持ちが落ちやすいですが、その時に声を掛けてくれるので、次に切り替えることもできますし、すごく助かります。
――今後の目標
馬渕:すぐ4月にインカレにつながる大きい試合があるので、そこで今回(今大会)シングルスは1Rで負けてしまったので、(インカレでは)シングルでもっと勝ち上がれようにするのと、ダブルスは西と組むか分からないですが、西と組んだら今回の結果は悔しい結果になってしまったので、次こそは優勝という形で締められるように頑張っていきたいです。
西:この大会は自分のテニス的にはすごくいい形だったので、だからこそもっと上に行きたかったという気持ちもあります。また4月から始まるので、次はしっかり勝ち切れるように頑張りたいと思います。