【バレーボール】春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第6戦vs早稲田大

バレー戦評

リーグの折り返し地点となる第6戦、相手は開幕5連勝中の早大。5戦中4戦を3―0で下し圧倒的な強さを誇っている。慶大は相手の高いブロックに苦しむも徐々に相手のプレースタイルに順応していき、第1セットは落としたものの第2セットはサイドアウトを中心にポイントを重ねて接戦に持ち込む。しかし相手が力強いスパイク・サーブを立て続けに入れてくる中であと一歩追いつくことができず22―25で惜しくもこのセットも譲ると、そのまま第3セットも押し切られ0―3で敗戦した。

2023年5月6日(土)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第6戦 慶大×早大

@東海大学湘南校舎総合体育館

 

得点

慶大

セット

早大

18

25

22

25

13

25

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

MB

芳賀祐介(環3・札幌北)

OH

島田航希(経4・慶應)

OP

渡邊大昭(商3・慶應)

OP

松本喜輝(環4・九州産業)

OH

山口快人(経1・慶應)

S

10

大槻晟己(総4・清風)

L

山元康生(法2・慶應)

途中出場

 

 

MB

松山鼓太郎(商1・慶應)

 

終盤には芳賀・山口らがブロックで活躍した

第1セット、序盤から早大のブロックを前に難しい戦いを強いられる。2メートル級のブロックがネット前で慶大にプレッシャーを与え、スパイクだけでなく積極的に仕掛けたフェイントもなかなか決まらない。この間にも相手のテンポの早い攻撃によって点差は開いていき、2―8のタイミングで慶大のタイムアウトを挟むが、その後も相手のスパイクに慶大のブロックがつけないポイントが続く。ただセット中盤は慶大も素早いスパイクで反撃。終盤には渡邊大昭(商3・慶應)、芳賀祐介(環3・札幌北)、山口快人(経1・慶應)が3枚ブロックを決めるなど相手の攻撃にも順応していき、さらにエンドラインぎりぎりのアウトボールを見極めるなど徐々に勢いをつけてきた慶大だったが、序盤につけられた点差を埋めきれないままこのセットを終えた。

 

スパイク以外にも安定したレシーブ(ディグ)でチームに貢献した島田主将

第2セット冒頭、島田が相手の3枚ブロックの配置を冷静に見極めてサイドアウトで先制に成功する。するとここから慶大はサイドアウトを中心に得点を重ねていく。また守備面でも山元康生(法2・慶應)・山口快人(経1・慶應)の好レシーブが続き慶大が1点先を行く展開となる。ただリーグ暫定王者も簡単には引き下がらない。鋭いスパイクを連発して中盤には10―12と早大が一歩リードする展開に。ここで流れを引き止めたのが松本喜輝(環4・九州産業)だ。相手の2枚ブロックの真横を通したスパイクで点を奪うとその後にはバックアタックを決める。ただ1点の差をなかなか埋めることができず、21―22で早大のタイムアウトを挟むとここから相手が一気に反撃。相手の主将が強烈なスパイクを2度コートに打ち込み、慶大はどちらも拾うことができなかった。接戦となった第2セットだが22―25で惜敗した。

 

渡邊は持ち前のサーブに加えてスパイク・ブロックと幅広い活躍を見せた

第3セット、序盤は相手の好サーブが続いた。エンドラインいっぱいのサーブを打ち込まれこれを見落とすと直後にはコート内をよく狙いすましたサーブで崩される。0―3のタイミングでタイムアウトを挟みこのまま引き離されるのを防ぎたいが、その後も島田・松本・大槻晟己(総4・清風)の3枚ブロックを逆に利用されて2回サイドアウトを取られるなど厳しい展開が続く。再び慶大のタイムアウトを挟んだ後には、攻撃面では松本の相手ブロックを利用した正確なスパイクや渡邊のダイレクト、守備面では山口の1枚ブロックや山元のサーブレシーブなどで好プレーが前のセット同様に見られるも、慶大のサーブミスもあり点差は10―20とついにダブルスコアに。終盤には芳賀が速攻を決めて練習の成果を発揮するも相手の勢いを止めることはできず、13―25で敗戦した。

 

(記事:五関優太、写真:宇田川志乃、岡里佳、佐々木愛子)

 

以下、コメント

 

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

今日も試合できて良かったなと思うのですが、やっぱり盤石な早稲田さん相手になかなか歯が立たなかった場面が多く結果として不甲斐ないなと思いますし、前提のところで見ていただいている人もたくさんいる中で力を十分出しきれたかというと恐らくそうでなかったと思うのでそこは我々の弱さだったと思います。逆に早稲田さんは相手に関係なく自分たちのプレーをやられていたのでそれはやっぱり素晴らしいなと思いました。

 

――春季リーグ5戦中4戦をストレート勝ちしている早大相手に第2セットはかなり競った展開になりましたが、そのセットについてはいかがですか

だんだんとこっちがどういう風にサイドアウトを切っていったらいいかという部分でトス回しがま上手くはまっていった部分と、逆に相手がコンビミスしたボールに対してそれを落とさずにトランジションの展開に持っていける回数が増えたこと自体は良かったかなと思います。ただやっぱりその最後1点を取らなきゃいけないという時に相手の良いサーブからブレイクを取られてしまうという形で向こうの強みを発揮されて力負けしたというので、良い展開まではいけたのですがやっぱり実力としての大きな差が、結果的に第2セットは競ったもののストレート負けというところかなと思っています。

 

――今日の試合を踏まえて、早慶定期戦までに伸ばしたい点はありますか

まず攻撃ですね。向こうがあれだけブロックが高く、その高いブロックを利用したフロアディフェンスというのがしっかり連携が取れているのでそこをかいくぐるための攻撃、ディフェンスさせないような打ち方であったり、はたまた打たないでもう1回自分たちの自由度の高い展開に持っていくリバウンドだったり、ということをできるようにしていきたいです。あとは我々の元々の強みでもありますがサーブについても今のバレーはそこが軸になってくるので、そこは引き続き強化をして早稲田さんがまだ調子上がらない時に逆にこっちがサーブで押し込んでいって、良い展開に持ち込むというような戦い方ができればいいなと思っています。

 

――春季リーグ前半戦の総括

1勝したというところで望んでいた結果ではないだろうし、良い戦いができていたかというと、傍から見たらフルセットでという場面もあったしと思うかもしれませんが、内容を見るとやっぱり実力の差による最後の失点というのがあるので、我々のポテンシャルという意味ではまだまだ発揮しきれてないなと思います。逆に言うとそこの伸びしろをしっかりと生かして後半戦まだまだあるのでやり切りたいなと思っています。

 

――次戦に向けて

明日は明治大学さんということで本当にディフェンシブなチーム、我々が苦手とするつなぎのプレーがどれだけ苦手としてならずに平均点を取れるか、というところにかかってくると思うのでそこを拾い負けしないように、強みではないですが拾い負けしないでこっちの攻撃力を生かせるような展開にして、明治さんにぶつかっていけたらなと思います。

 

島田航希主将(経4・慶應)

――今日の試合を振り返って

1セット目は序盤ちょっと自分たちが固さがあって点数が離れてしまうという感じだったのですが、徐々に中盤から自分たちのバレーをいつも通りできるようになって2セット目もそのままいって競ることができました。ただ3セット目の序盤からまたいかれてしまって、早稲田は多分今関東で一番強くて自力の差が出たのかなと思いますが、勝てないというのはないかなと思いました。

 

――春季リーグ前半戦の総括

開幕戦の中大戦で結構良い試合ができて良いスタートが切れたと思ったのですが、その後専修・日体大に負けてしまって、前半で1勝できたというのはすごい大きいと思うので今後残り後半戦、このリーグの下位チームと当たっていくのでそこはやはり1勝でも多く取って1部リーグ残留というのをできるようにしたいと思います。

 

――監督からサーブ・サーブレシーブが鍵になっていくと伺いましたが、その点については

(サーブは)一番初めのプレーで、こっちの得点だったらサーブから始まるし相手の得点だったらサーブレシーブから始まるので、サーブは個人プレーみたいなところもあってうちは別にレシーブが良いチームじゃないと思うので、サーブでいかに崩して相手の2段トスに持ち込むかというところだと思います。このチームでサーブレシーブもAパス返れば結構決定率みんな高いと思うのでサーブレシーブ大事だと思います。

 

――次戦に向けて

明日は明治との試合で結構自分たちの中では少し勝てる自信があるので、しっかり切り替えて勝って1勝できるように頑張りたいと思います。

 

大槻晟己副将(総4・清風)

――今日の試合を振り返って

(早大は)結構やっぱり強くて、今までで一番ブロックのプレッシャーというかどこ上げるかなと考える時に「どうしようかな」と悩んでしまう場面が多かった試合でした。

 

――この試合で良かった部分を教えてください

攻撃だとやっぱり通っている攻撃があったり喜輝(=松本)だったりとか大昭(=渡邊)、あと芳賀のクイックとかもちゃんと打てる時は早稲田相手でも決まっているというところはまず良かったです。あとはブロックがかなり強くて高い相手に対してもちゃんと揃えてブロックポイント奪えた場面があったのでそこは引き続き高めていきたいです。

 

――バックアタックや速攻などコートを広く使ったトスワークが印象的でしたが、その点についてご自身の手応えは

結構まず早稲田の対策をする時に、クイックとか一辺倒だとどんどん止められるので立体的に使いつつサイドも広げる、というとこがあったので、1週間結構それをテーマにしてきたという意味ではそれを外から見て感じてもらえたのならば良かったのかなと思います。

 

――今日の試合を踏まえて.早期定期戦に向けて一言お願いします

今日のリベンジを果たすというところで、まずは1セットを取ってそこを足がかりにして勝利までいくというのを早慶戦でやっていきたいなと思います。

 

――春季リーグ後半戦と次戦に向けて

後半戦という点では順位が近いチームとの戦いがこれから増えていくので、1つ1つ大切にしながら、ちゃんと相手を分析して自分たちのプレーを全力でぶつけるという状況を作っていきたいと考えています。明治に関しては個人的なところだと高校の同期がいたりとか、そういうところで絶対勝ちたいなと思いますし、あとは順位のことを考えても明治大学には勝たないとその後がかなり苦しくなるか、それとも少し余裕がある状態で戦っていけるのかというところの別れ道になるので、明日はしっかり逃さずに戦いたいと思います。

 

松本喜輝選手(環4・九州産業)

――今日の試合を振り返って

入りから結構自分たちが押されてる部分があったので、もっとそこを勢いで押していく必要があったのかなと思いました。

 

――バックアタックが多く決まっていましたが、ご自身の調子はいかがでしたか

調子は良かったんですけどフロントではマークされることが多くて、あまり攻撃が通ってない印象だったんで、しっかり距離があって打ちやすいバックアタックの方が決まったのかなと思います。

 

――春季リーグ後半戦に向けて個人として伸ばしたいところは

やっぱりミドルブロッカーに転向したこともあるので、今まで以上にリードブロックを徹底してブロックの強化をしていきたいかなと思っています。

 

――次戦に向けて

明日は明治大学さんと試合をさせていただくということで、最初から今日と違って勝ちに行く姿勢をどんどん見せて、勢いで勝ちに行きたいなと思います。

 

渡邊大昭選手(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って

やっぱり早稲田大学さんという関東1部リーグの王者と戦えるという意味で、今自分がどれぐらいの実力でどういう攻撃だったりプレーが通用するのかなというのが分かったのですが、やっぱりまだまだだなというのが印象的で。でも逆に通用した部分もあってすごい収穫のある試合だったのかなと思っています。

――その通用した部分というのは?

バックアタックであったりライトの早い攻撃、レフト・ライト並行だったりというのは、通用していた部分があるのかな。後半戦に向けて磨いていた部分だったのでそこが通用して良かったです。

 

――早慶定期戦に向けて

スタッフの方々だったりOBの方々が長い時間かけて準備してくださっていますし、伝統ある一戦なのでやっぱり本気で向かっていきたいです。また自分の実力が上がっていかないと戦っていけないのかなと思うので、そういう意味では楽しみな部分もありますし、しっかり戦っていかなければいけないなと思います。

 

――次戦に向けて

チームの雰囲気があまり良くないので、明日は明日の風が吹くということで、しっかり美味しいご飯を食べてよく寝てまた明日に備えて、皆で団結して戦っていこうかなと思っています。

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