春季リーグBプールを0勝3敗(4位)で終え、今季いまだ勝利のない慶大は、法大(Aプール3位)との5-8位決定予選に臨んだ。慶大は第1QにPCから先制を許し追いかける試合展開に。しかし第2Q、小川隼弥(経4・慶應)がPCから得点を奪い同点に追いつくと、小林翼(経4・慶應志木)が華麗なジャンピングシュートで勝ち越しゴールを奪い試合をひっくり返す。その後、一時は同点に追いつかれたものの、再び小林がフィールドゴールを決め勝ち越しに成功。法大との打ち合いを3-2で制し、早大が待ち構える5位決定戦へと駒を進めた。
令和5年関東学生ホッケー春季リーグ
5/20(土) 11:20試合開始 @慶應日吉グラウンド
| 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 2 | 1 | 0 | 3 |
法大 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 |
スタメン
GK 澁谷友輝(経4・慶應)
DF 小川隼弥(経4・慶應)、竹之内慧(経4・慶應志木)、福島諒太(政3・慶應)、坂上開道(経3・慶應)
MF 安倍優志(経4・慶應)新井渓太(経4・慶應志木)、南龍之介(法3・慶應志木)
FW 齋木壮之介(経4・慶應)、小林翼(経4・慶應志木)、中川諒(経1・慶應)
春季リーグBプールを0勝3敗(4位)で終え、今季いまだ勝利のない慶大は、法大(Aプール3位)との5-8位順位決定予選に臨んだ。この試合に敗戦となると、7位決定戦、さらには1部2部入れ替え戦へと進むことになるため、なんとしても勝利が欲しいところ。試合は一進一退の攻防が繰り広げられた。
第1Qは序盤から法大がギア全開で攻撃を仕掛ける。慶大は左右のサイドからサークル付近へ度々侵入を許すと2分、早々にPCを与えてしまう。するとこのPCを決められ、グループリーグ戦同様に追いかける試合展開となる。早い時間帯で追いつきたい慶大は小川が最終ラインから再三サークル付近へ高精度のパスを送るも、法大DF陣に阻まれシュートまで運ぶことはできず。慶大はこのチャンスを生かしきれずにいると9分、再び法大の猛攻に合う。サークル内に侵入されシュートを放たれるも、ここは守護神・澁谷友輝(経4・慶應)が気迫のセーブで追加点を与えない。その後は慶大の攻撃の時間が長くなるも、パスコースを読まれるなどFW陣までボールを運ぶことはできず得点を奪えない。第1Qは0-1と1点ビハインドで終える。慶大ベンチからは「縦のつながりが薄い」との声が上がり、攻守において第2Q以降での修正ポイントとなった。
1点ビハインドで迎えた第2Q、慶大は序盤から相手陣内でプレーする時間が続くも、法大DF陣の完璧な守備を前にシュートすら放つことができず。さらに5分、竹之内慧(経4・慶應志木)が高い位置でのパスカットでボールを奪取。その後FW中川諒(経1・慶應)までボールが渡り同点のチャンスを迎えるも、シュートでプレーを終えることができない。慶大は多くのチャンスを決め切れずにいると8分、法大にPCを献上。しかしここは慶大DF陣が粘り強く守り切り、ピンチをしのぐ。なんとかDF陣の堅守に応えたいFW陣は9分、この試合初のPCを獲得する。するとこのPCを小川がきっちりと決めきり同点ゴールを奪う。このまま勢いに乗りたい慶大は13分、相手サークル内へ侵入すると高くバウンドしたこぼれ球に小林が反応。タイミングを上手く合わせ強烈なジャンピングシュートで相手ゴールネットを揺らし、待望の勝ち越しゴールを奪った。この芸術的なゴールに慶大ベンチのみならず、観客からも大きな歓声が上がった。第2Q終了間際に勝ち越しゴールを奪った慶大は、2-1と今季初めて相手をリードする試合展開に。
エンドが変わった第3Qは攻守が激しく入れ替わる試合展開となる。このQまずチャンスを作ったのは法大。2分、ゴール左から鋭いシュートを放つもこれは枠外へ。続いて5分、今度は慶大が自陣からのロングパスをきっかけにチャンスを作る。右サイドを竹之内が駆け上がり、サークル内の新井渓太(経4・慶應志木)へとパスを送る。この絶好のチャンスに新井がスティックを振りぬくもののシュートは惜しくも枠外へ。その後も互いにチャンスを作りあう中10分、法大がこの試合3本目のPCを獲得。これを冷静に慶大ゴールへ流し込み、試合は再び振り出しに。一進一退の攻防が続く中13分、法大の選手が退場となり慶大にとって数的優位な時間が生まれる。このチャンスを生かしたい慶大は14分、相手陣内へ人数をかけ侵入。そのままサークル内へボールを運ぶと小林が角度のない場所からシュートを放つ。この強烈なシュートが相手ゴールのサイドネットに突き刺さり、慶大が再び勝ち越しに成功。小林の2得点の活躍にベンチはお祭り騒ぎとなった。そのまま第3Qを3-2で終了し、試合は運命の第4Qへ。
慶大が1点リードで迎えた第4Q。ここは法大が維持を見せ猛攻を仕掛ける。慶大にとっては守備の時間が長くなる苦しい時間となった。第4Q終盤には立て続けにPCを献上し、同点ゴールを迫られるもGK澁谷が安定のセーブを披露。その後も法大の攻撃を耐えしのぎ、慶大が打ち合いを制した。春季リーグ戦4戦目で待望の今季初勝利となった。
小林が決勝ゴールを含む2得点の大活躍。グループリーグ戦に比べてパスのつながり、シュートへの高い意識が感じられる試合となった。また、GK澁谷が1対1の強さを見せるなど幾度となく慶大ゴールを守ったことも勝利の要因として挙げられるだろう。慶大は法大との5-8位決定予選を制し、5位決定戦へと駒を進めた。5位決定戦の相手は宿敵・ワセダとなる。グループリーグ戦では0-3と完敗を喫している。また、5位決定戦までは約1か月と期間が空くため、この試合で浮き彫りになった課題を改善する機会がある。この期間を有意義に使い、春季リーグ戦を勝利で終えてほしい。
(取材:小椋早莉、金子拓登)
次戦 春季リーグ5位決定戦 6/18(日) 11:50~ vs早大 @大井メイン
以下、コメント
FW 小林翼(経4・慶應志木)選手
——どんな思いで試合に臨みましたか。
チームの暫定目標である5位獲得、そして早稲田へのリベンジをするためにも「絶対に勝つ」それだけを考えてフィールドに立ちました。また、今回の試合では本職のMFではなくFWとして出場したこともあり、自分のやるべきことをいつも以上に整理して試合に臨みました。
——2ゴールの活躍でしたが、試合全体を振り返っていかがですか。
率直に勝てたことが非常に嬉しいです。自分を含め、チームの一人一人がやるべきことを試合全体を通してピッチ上で表現できたことが勝利に繋がったと思います。
——次戦まで日程が空きますが、どんな練習をしていきたいですか。
法政戦では勝利はできたものの、我々が目指すべきホッケーのクオリティーはまだまだ上にあると考えています。そのため、チームとして特にスコアリングの強化を行い、攻撃力の向上を図りたいと考えています。
——次戦、5位決定戦への意気込みをお願いします。
先日の早稲田戦では完敗したので、次戦では完勝します。