【女子ラクロス】価値あるドロー“へ”/早大戦

 

初戦の日大戦に快勝して迎えた、秋の早慶戦。春の定期戦でも勝利を飾っている相手に、流れに乗っている慶大にとっては危なげなく勝ちをものにするかと思われた。しかし、結果は7-7のドロー。試合は、特に後半慶大が押しているように見えた。ただMF戸花主将(経4)が「最後の一点を取りきれなかった」と振り返るように、勝負どころで「詰めの甘さ」が出てしまった。

後1点が及ばなかった

後1点が及ばなかった

関東学生女子ラクロスリーグ1部 VS早大

2011/08/28(土)14:00ドロー@川崎球場

チーム 前半 後半 合計
慶大 5 2 7
早大 5 2 7
  

仕掛けに行くAT戸花主将

仕掛けに行くAT戸花主将

 試合は序盤から動く。大久保HCが「今日のゲームは序盤から1対1で打開する強さがあった」と評するように、1点目を戸花主将、2点目をMD谷山(経3)が立て続けに決め先制点を奪う。しかし1対1で仕掛けてくる早大に対して慶大ディフェンスが苦戦。速さのあるカウンターからディフェンスが揃っていない隙を突かれる。「ディフェンスの連携の甘さ」(DF波多野・文4)も出て3連続失点。試合は序盤からシーソーゲームの様相を呈してくる。その後もAT佐藤由佳副将(法3)が得点を決め同点にした矢先に、反則からのFSを決められ3-4とまたリードを奪われる。ここで流れを相手に渡すわけにはいかない慶大。カウンターから流れをつかむと、敵陣でプレーする時間が長くなるように。するとAT佐藤副将に対するデンジャラスチェックの反則が出てFSのチャンス。これを本人が落ち着いて決め4-4の同点。さらにAT戸花主将に対する反則が出て、またも良い位置でのFSのチャンス。これも勝ち越しのプレッシャーに動じることなくこのチャンスもモノにして5-4と早大相手に再びリードを奪う。アタックに関してはMD谷山(経3)などのグラウンドボールに対する反応も良く、このまま慶大の時間が続くかと思われた。しかし終了間際、相手に対するデンジャラスチェックからFSを与えてしまう。ここは序盤から好セーブを重ねてきたG中曽根(商3)にゴーリーセーブの期待がかかる。ただ、「前半悪い流れを断ち切れなかった」(中曽根)と1度はセーブするものこぼれ球を相手に押し込まれ5-5の同点に。ディフェンスに一抹の不安を残して前半を終えた。

好調だったAT佐藤副将

後半どちらが先に点を取るか。勝敗に直結する大事な1点を取ったのは早大だった。相手AT中村に裏を取られるとそこにパスを通され、そのままシュートを許してしまう。その後、慶大もDF波多野のインターセプトやAT戸花主将へのデンジャラスチェックの反則などで攻撃のチャンスは巡ってくる。しかし、前半好調だったAT陣が最後決め切れず反撃の狼煙をあげることができない。すると、早大にクリース裏からボールを回され、最後はゴール前で押しこまれる形でシュートを許して失点。苦しい時間に2点ビハインドを背負ってしまう。ここで万事休すか―そう思われたが、慶大はこの試合、「1対1で打開する強さ」(大久保HC)があった。MD出原(政2)からMD谷山へのゴール前のパスが通り、その後相手ディフェンス陣を華麗に抜き去りシュート。これが決まり6-7の1点差。その1分後、早大の反則からMD廣野(政1)がボールを繋ぐと最後はAT戸花主将へパス。このチャンスを落ち着いて決めて7-7の同点。さあ後は勝ち越すのみ。しかしその1点が遠い。敵陣でのプレーは続くもののなかなかシュートにつながる決定的な攻め手に欠いてしまう。そして試合終了間際、最後のチャンスが訪れる。中盤で反則をもらったAT戸花主将が1人で抜けだして相手DF陣の中へ。個人技で1人2人とかわし相手Gと1対1。これを決めれば勝ち。だが放たれたシュートは無情にもGのクロスの中へ―勝利の女神は結局両校どちらにも微笑まなかった。

価値ある引き分けなのか。勝ち切れなかった試合だったのか。勝っていたら、「勝ち点で抜けて後1敗できるといった油断」(大久保HC)が生まれていたかもしれない。ただ選手たちからしたら負けていい試合・勝たなくてもいい試合なんて当然、無いはずだ。今できることはこの引き分けを糧にして次に繋げること。連携の甘さが見られたディフェンスは修正を、個の強さが見られたオフェンスはさらなる飛躍を。FINAL4進出へ向けて「残り3試合全部勝たなきゃいけない」(大久保HC)。

By Kazuhiro Takai

大久保HC

正直、ここ1週間の練習や選手の状態が悪かったし、1試合目大勝してすこし浮ついた感じがあった。当然練習では締め直していたんですけど、今日の試合は5試合の中でも1番悪い内容のゲームになるだろうとはわかっていた。厳しい展開の中一人一人がどれだけ頑張れるかが今日のゲームのポイントになるとは思ってました。(引き分けという結果について)引き分けということで、後1点リードしていればというので結果には満足していない。相手に流れを持っていかれてワンサイドの展開になりがちなゲームなんですけど、個々の力で打開してここまで持ってこれた。経験の浅い1,2年生もいますし、そういうチームの割にはよくできた内容かなと思います。(早大相手に対策していた点は)1対1の突破が多いのでそれに対する対処だったんですが、出来は100点満点でいっても一桁の点数ぐらいの内容ですね。前半の5失点が多すぎる。無駄な失点が多すぎましたね(後半は失点も減ったが試合の中で変えていた部分は)向こうに少しミスが増えだしたということだと思うんですけど、実際にシュートを打たれているのは(試合を通じて)一桁なんですよね。それで7失点なので崩され方の内容が悪すぎる。こっちは20本近く打っての7点なので。本当は結果として負けてはいけないゲームだと思います。(ディフェンスさえ揃えば相手も簡単に攻撃できないように見えたが)そうですね。プレッシャーを掛けてくる部分とウチが抑えている部分の連携が上手くいかなくてその間で結構やられていた。一応後半は修正したんですが。(オフェンスに関して)経験が浅い選手が多く、4年生がレギュラー2人ですし2、1年生が主力になっている部分がある。ゲームになった時に個の強さが足りてないなという部分がここまであったので、今日のゲームは1対1で打開する強さがゲーム序盤からあったのは収穫だと思います。自信にもなったと思いますし。(ただオフェンスに関して特定の選手にボールが集まっているように思えたが)ウチの場合だと戸花(主将)がポイントゲッター。そこがベタマークされてボールが入らないようにされていた。その周辺で攻撃する選手、佐藤由佳とか谷山とか出原、廣野という選手がどれだけ崩すかが鍵だった。結果前半5点絡めたのは大きかったと思います。(反則について)ゾーンディフェンスなのでゴール前での3秒ルールとの戦いにはなると思うんですが、もう少し修正していかないと。FSにはなっていないからいいんですけど、ちょっと直せる部分はあるかなと思います。(今後のリーグ戦の展望)このリーグもどこが1位、2位になるかは予想がつかないリーグなので1戦必勝かなと。今回勝ち点1取れているので、残り3試合全部勝たなきゃいけないということに変わりはないと思う。勝ち点で抜けて後1敗できるといった油断が無い方がいいのかなと思います。次は良いゲーム出来ると思います。

戸花主将

引き分けという結果で、最後の一点を取りきれないというところは、今日までの詰めの甘さの結果なのかなと思います。(意識したこと)一人一人がゴールに向かうという点は意識しました。(今日の試合の出来について)得点した7点についてはよくできていたが、失点した7点についてはあまりできていなかったのかなと思います。(反則について)反則については、審判の傾向に対応できなかった結果だと思うので、次からはしっかり対応していきたいです。(パスミスが多く見られたが)技術的なミスというよりも、相手よりも攻撃意識が高い状態でプレーしないとか、相手のディフェンスをよけるような、マイナスのプレーをしたときにミスという結果になってしまったので、技術的な面というよりも強さという面を改善していきたいです。(チームのまとまりについて)下級生もたくさん試合に出ていて、四年生だけで戦っているというよりも、チーム全員で戦うことができているなと思っています。(次の試合に向けて)絶対に勝ちます!

波多野

 
(今日の試合を振り返って)全体としては連携ミスとかで失点して、ばたばたしたところがあったけど、後半あきらめずに追いつけてよかったです。個人的には、最初から出られなくて悔しかったです。次はもっと力強いプレーがしたいです。(今後の課題はこの試合で見つけられたか)前々からの課題なんですが、ブレイク対応からヘッドになる流れの中でのディフェンスの連携がまだまだ甘いので、つぎからはしっかりやりたいです。(この試合はどんなことを意識して臨んだか)あいてのキーマンがはっきりしていてワンワンのつよいチームだってわかっていたのでそれを意識してやってました。(ディフェンスに関して心がけていたこと)ブレイク対応はずっと練習してたので、キーマンに良い形でボールを入れさせないようにしていました。(マークしていた選手とその出来)72と86でした。その二人でしてやられたわけでもないので、まあまあだったと思います。(インターセプトがよくできていたが、その出来は)前でのパス回しをさせて、相手に迷わせるっていうプレッシャーはかけられていたかなと思います。(次の試合の意気込み)体育大も速さがあって強いチームなので、しっかり自分たちのやることをやり通して勝ちたいと思います。

中曽根

(今日の試合を振り返って)私の目標は、最初のシュートを防ぐってことだったんですけど、それが出来ずに前半悪い流れを断ち切れなかったんですが、後半持ち直せて気持ちを切り替えることができたのは、個人的に良かったです。チーム全体としては、2点ビハインドから同点まで持っていけるというチーム力は、前の試合よりもついたのかなと思います。(前節の大勝から、どのようなことを意識したか)前の試合がすごい点差で勝っていたので、チーム的にもふわっとした感じもあって、そこを引き締めていかなければいけないと思っていて、相手が早稲田だからということではなくて、引き締めた気持ちで臨みました。(守備全体として心がけたこと)早稲田は1対1でどんどん来るチームなので、キーマンを基準として、キーマンの1対1を止めてそこからボールを奪っていくという気持ちで臨みました。(後半失点が抑えられたが改善したこと)まず、自分としてはもう一回試合のはじめと同じ気持ちで、後半のはじめもシュートをしっかり止めるという自分の役割をしっかりやっていこうと思いました。ディフェンスとしても、キーマンに何枚も人を使ってしまって、ほかの人にやられてしまったので、キーマンには一人で当たって1人1人にしっかりついてディフェンスを立て直していこうと思いました。(5月の対戦と比べて、早稲田の印象はどうか)早稲田のキーマンの72番の選手が前回では出ていなくて、怪我から復帰して私たちもその選手を中心にしてでフェンスを考えていたんですけど、そこに対しての対応がもう少しできたのかなと思います。(ゴーリーというポジションから見た、現在のチームの雰囲気は)最初の試合で大勝することが出来て、気持ちが少し楽になって、今日の試合は負けるような要因もあったりしたんですが、最後までゴールに向かうという姿勢をチーム全体として見ることが出来て、個々の強いプレーが見れて、下から見ていて全員がゴールに向かおうという気持ちが見れました。いい感じでいけているかなと思います。(次の試合に向けて)次は東女体戦なので、体育大なので1対1とかすごく強くゴールに向かっていくプレーが見られると思うので、しっかりディフェンス1人1人が強く当たっていって、最後しっかりとセーブして攻撃につなげていきたいと思います。

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