いよいよ開幕する全日本大学テニス王座決定試合(王座)。昨年準優勝の慶大男子は関東大学リーグ戦で46年ぶりに優勝し、1位で王座進出を決定させた。悲願の全国制覇に向け、選手・コーチ・監督にお話を伺った。
第2弾は単複で出場しチームの勝利に大きく貢献している下村亮太朗(法3・慶應)(写真左)と高木翼(総3・関西)。下級生の時から主力として活躍する2人にリーグ戦を振り返っていただき、王座への意気込みを伺った。2人がそれぞれ思うお互いの印象にも注目。
――他己紹介お願いします
高木:どういう感じですか、テニスですか?
――私生活でも何でも構いません!
高木・下村:(笑)
高木:(下村は)飲み会になるとすぐ帰る。自分は全然お酒飲まないタイプです。テニスの面だと、サーブとバックハンドは結構できる。フォアはちょっとあれかな(笑)。
下村:性格とかないの
高木:性格……根は結構悪い奴なんですけど(笑)、取り繕うタイプなので、すごいうまいなと思います。
下村:(高木は)練習絶対しないです。絶対自主練とかしないタイプで、身体能力が高いからそれはすごいなと思います。あとは真面目ぶってる感じです(笑)。
高木:悪口の言い合い?(笑)
一同:(笑)
下村:あとは人に興味ない。だからあんまり遊びとか誘ったりしないし……
――オフの日は何されていますか
高木:遊びに行ったり……
下村:1年の時結構遊びに行ってたくない?
高木:行ってた。
下村:3年になってからは減ったな。でも結構2人で遊んでいましたよ。オフの日に2人でラーメン食べに行ってたりしてました。
――部員同士はみんなで過ごすことが多いですか
下村:昨日は2・3・4年生でバーベキュー行きました。飲みに行ったりもするし。
――上下関係は
下村:練習中とかコート上ではあるけどプライベートだったら全然タメ語だったり。
――それぞれの後輩からの印象はどうだと思います
下村:(高木は)関わりやすいタイプではないのかも。
高木:(下村は)ちょっと怖い……言う時は結構言うから。
下村:あんまりしゃべらないからね。部室とか。
――テニスの話に入りますね。インカレからの1カ月間どうでしたか
高木:春関からずっと試合があって、体力面というかずっと調子を維持するのが難しいなと思いました。リーグ戦の中でも1戦目2戦目で調子が悪くなることもあったので、全部通して調子をピークに持って行くことがなかなか難しかったです。
下村:インカレから本格的に始まってリーグでも悔しい思いをすることもあって、しんどい期間だったというのはあります。法政戦だったり多少はリーグでも貢献できたので、最後王座でしっかり勝ち切りたいです。勝つためにチーム一体で動いている感じです。
――リーグ戦で昨年との違いは
高木:昨年はダブルスだけで出て、今年は単複で出ることが多く、その分メンタル的にも2本任せられるというプレッシャーは上がりました。
下村:昨年全勝して2年生でプレッシャーもなかったですが、昨年の結果とか上級生になってプレッシャーを抱えることが多く、現にプレーも悪かったりして団体戦への向き合い方は変わりました。やりづらくなったかなと思います。
――それに対する自身の捉え方は
下村:試合をやっていて、ネガティブで自信がない状態でやっても何もいいことがないなと改めて感じたので、根拠のない自信とかなるべく持つようにして、それこそ自己暗示や頼れる4年生に頼ってやって、いい精神状態でプレーできるようにしたいです。
――シングルスでも出場するようになって大きく変わったことは
高木:ダブルスだけだった時はその1試合に全部集中して出し切るというつもりでやっていました。シングルスもあるとことを考えるとダブルスだけにかけられなく、シングルスの分の体力も残しておかないといけないと頭のどこかで思っているので、その駆け引き、プレッシャーをかける部分と抜く部分が難しかったです。今回でだいぶつかめたかなと思います。
――リーグ戦の結果を振り返って
高木:7勝1敗で、負けた試合もファイナル9-5から負けしまって、全体的にいいプレーをできたと思います。下位で出たということもありますが、しっかり貢献できたと思います。
――シングルスに出ない試合も
下村:最初の方は体が疲れていて、出ないこともありましたが、最後の早慶戦に出なかったことは一種の監督からのメッセージだと真摯に受け止めてやっていくしかないなと。もちろんくるものありましたけど、勝負の世界だから仕方ないことだし、王座はどうなるかわかりませんが常に最善の準備を続けるしかないなと思います。
――早大にも勝ち、46年ぶりの関東1位で王座に進出
高木:早稲田は2年前も相手のオーダーミスもありましたが勝って、(今春の)早慶戦でも勝って、今回特別に「早慶戦に勝ったから」「46年ぶり」という実感はないです。
下村:本当にチームのメンバーを見ても優勝して当たり前だと思うので、優勝してすごくうれしいということはなく、とりあえず良かったです。王座につながったし、全員このリーグ優勝に対して喜んでいるのではなく、王座に向けてすでに動いているという感じです。
――春の早慶戦はダブルス組んでいました
高木:インカレからは時間もなかったし組み慣れているペアで行こうとなりました。
――お互いのプレイヤーとしての特徴は
高木:(下村は)一目で分かるかっこよさ、カリスマ性があります。1年の王座の時はコロナでメンバーしか行けませんでしたが、自分はメンバーでしたがボーラーをやっていて、その時に足をつりながら勝っていて感動しました。
下村:(高木は)前回の早慶戦の山口(柚希)戦を見ていて、爆発力はすさまじいと思っていて……リターンとか見ていてプレッシャー感じているのかなって。いい意味で何も考えていないというか(笑)。自分もインカレで対戦した時に翼のリターンで全部やられて負けてしまったので、ここぞという時での爆発力、物おじしないメンタルの強さはすごいなと思います。
――お互いに相手に勝っていると思う技術は何だと思いますか
高木:フォアは絶対(下村に)勝っているもんな(笑)。ボールを追いかける能力は勝っていると思います。
下村:技術的なことだと……
高木:精神的なことだったら?
下村:全部勝っているよ(笑)。サーブとバックになっちゃうな。
高木:メンタルは強い?
下村:メンタルはお前の方が強い
高木:俺もお前の方が強いと思う
一同:(笑)
高木:僕は下位ばっかりで出ているので、最初の方に試合が終わることが多いから……昨年下位で出ている俺で判断したの?
下村:それも(逆に)昨年の俺が下位で出ている時ので判断したの?
高木:法政戦とか……ファイナル0-3とかすごい焦るんですよ。僕だったら。でも全然(下村は)行ける感じだったので。
――リーグ戦終わったからの過ごし方は
高木:普段とはそんなに変わらず、リーグでダメだったところや、王座のコートは(球足が)遅いところなので、そこでどうやって戦うかを意識しながら練習しています。
下村:ピリピリはし始めていますが、何か特別なことはせずにいつも通り、リーグ優勝した時と同じような準備を心掛けています。リーグ終わってオフもあり少しだらけてしまった時期もあったのですが、1週間くらいでしっかりチームとして雰囲気を上げて動ければなと思います。
――王座とリーグ戦の一番の違いは
高木:日本一が決まるか決まらないかは絶対的に違います。リーグもプレッシャーはかかるのですが、王座のプレッシャーは半端ないものだし、そこで4年生が引退なので全てを懸けるので、別物くらい違います。
下村:緊張した?
高木:緊張した
下村:王座は遠征だから楽しくない?「試合」っぽいじゃん、遠くまで行って違う地区の人とやって‥‥
高木:逆に気合入るし。
下村:リーグ戦とかよりはやりやすい。
下村:昨年までの王座だったら早稲田がだいぶ強かったからノンプレッシャーでできていたところはありますが、今年は昨年ほどノンプレッシャーで戦えないと思うし、受け止める側になるのかなという怖さはあります。
――急成長の日大の印象は
下村:若い。自分より年下の強い子がどんどん入っていて闘争力もあがっているだろうし、人数も多く応援にも勢いもあるので、勢いに乗らせた時の怖さはあります。
高木:ノリで来られた時に、こっちが引いてしまったら怖いです。
――王座で注目してほしいプレーは
下村:サーブ(打って)から前に行ったり、ダイナミックなプレーです。物おじせずに闘志むき出しにして戦っていく姿です。
高木:フォアハンドと走れる能力を生かした守りです。両極端ではあるのですが、そこに注目してもらいたいです。
――王座に向けて意気込みをお願いします!
高木:優勝します!
下村:藤原さん(=智也、環4・東山)の代だけどうちらの代から3人おそらく出るので、俺らの代で王座優勝するぞということで。
高木:(3年3人で)5本取れる。
下村:チーム3年生で頑張るので注目してほしいです!
ーーありがとうございました。頑張ってください!
(取材:長沢美伸)