先週の延期試合を挟み迎えた日大戦。ホームでの試合にかける熱量は一段と高く、試合前のアップにもいつも以上に力が入る。第1セット、両者譲らぬ展開が続くも複数のサービスエースで均衡を破るとそのまま逃げ切り、初勝利に向けて順調な滑り出しを見せる。第2セットも自分たちのペースを作り、さらに守備力の高さを見せつけるもセット後半に一気に畳みかけられ惜しくもこのセットを落としてしまう。第3セットは気迫あるプレーでボールを追い続け辛勝するも第4セットは中盤に大きく点差を広げられ大差での失セットとなり勝負は最終セットにまでもつれ込んだ。大歓声の中始まった最終セットでは後半のサービスエースが突破口となり、フルセットにまで及ぶ激闘の末に見事初白星を収めた。
2023年9月30日(土)
秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦
第4戦 慶大×日大
@日吉記念館
得点 | ||
慶大 | セット | 日大 |
25 | 1 | 23 |
20 | 2 | 25 |
25 | 3 | 23 |
18 | 4 | 25 |
17 | 5 | 15 |
出場選手(サーブ順) | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
S | 15 | 久保田健介(商2・慶應湘南藤沢) |
OH | 1 | 島田航希(経4・慶應) |
MB | 8 | 芳賀祐介(環3・札幌北) |
OP | 3 | 渡邊大昭(商3・慶應) |
OH | 6 | 山口快人(経1・慶應) |
OP | 2 | 松本喜輝(環4・九州産業) |
L | 7 | 山元康生(法2・慶應) |
途中出場 |
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OH | 25 | 野口真幸(商1・慶應) |
OH | 11 | 入来晃徳(環2・佐世保南) |
S | 10 | 大槻晟己(総4・清風) |
MB | 9 | 松山鼓太郎(商1・慶應) |
第1セット、序盤は両者譲らず同点が続いたが中盤で慶大が流れを引き寄せる。きっかけになったのは渡邊大昭(商3・慶應)の強烈なスパイクだ。冷静に相手コートのライト側を射抜き5―5とするとその後には島田航希(経4・慶應)がサービスエース。松本喜輝(環4・九州産業)もブロックを決めた直後にサービスエースでも点を奪い10―7としてチームは一気に勢いに乗った。短い間隔で相手のタイムアウトを2回挟むも慶大の勢いは収まらず、またしても島田がサービスエースを見せる。終盤に相手も力強い攻撃で追い上げを見せるも、今度は山口快人(経1・慶應)がサーブレシーブでボールを紡ぐとともにレフトからのスパイクも決めるなど攻守で活躍。最後は松本が鋭いスパイクで相手ブロックをはじき25―23ではじめの1セットを勝ち取った。
第2セット、島田が粘り強くスパイクを放ち続け先制に成功するとその後は3連続得点でまたも幸先良いスタートを切る。渡邊のスパイクも決まり7―5としてセット前半はリードを保つ。このセットで特に目立ったのが慶大の守備力の高さだった。松本のスパイクがブロックされても渡邊がすかさずフォローに入り、相手の鋭いスパイクも島田のディグでボールを紡ぐ。セット中盤は両者並び今度はリベロ・山元康生(法2・慶應)が魅せる。相手の素早いスパイクを前にしても気迫あるプレーでボールを上げ続ける。島田の連続サービスエースもあり18―17と一歩前に出た場面でコートに入来晃徳(環2・佐世保南)・大槻晟己(総4・清風)が入る。ここから1点ずつ着実に積み重ねたいとこだったが、ここで相手が一気に畳みかけた。入来のスパイクをブロックで阻むとその後はバックアタックを決める。松本もブロックアウトを奪い応戦するもあと一歩及ばず惜しくも20―25でこのセットを落とした。
迎えた第3セット、序盤から一方が1点を追加するともう一方もすぐに1点を返すという大接戦が繰り広げられる。5―5から、島田と松本のスパイクやブロックで相手を崩し、大きな3連続得点を奪う。その後も長いラリーの中で、島田のスパイクが次々に決まり、リードを維持してゲームを展開する。しかし相手の緩急あるボールコントロールでノータッチエースを奪われるなど、一時は4点差までリードを広げるも終盤で20―20の同点に追いつかれる。それでも、渡邊が相手コートの空いたスペースにボールを落とし21点目を追加すると、最後は松本の力強いブロックと島田のスパイクでこのセットを勝ち取る。
ここで勝利を決めたい第4セット。このセットは島田のノータッチエースから始まる。第3セットと同様、5―5からこのセットの命運が別れる。今度は相手のスパイクが立て続けに決まり、徐々にリードを広げられてしまう。主導権を握られながらも、渡邊のスパイクや、山口のブロックなどで得点を重ねていく。17―24の場面では、松本がスパイクでノータッチエース。相手のセットポイントでも堂々のプレーをみせる。だが、6点に広げられた点差を覆すことはできず、18―25で第4セットを譲り、フルセットへ。
運命の第5セット、島田のスパイクで大事な1ポイント目を取ると今度は山口が一枚ブロックを決めて3―1とする。早速慶大が優位に立ったと思われたが相手も簡単には引き下がらなかった。打ち込まれる強烈なスパイクに慶大は山元をはじめとして手を伸ばすがなかなかボールをつなぐことができない。それでもボールに食らいつきセット前半までは同点の展開が続くが、中盤に試合が動く。クイックを決められ7―8でチェンジコートをすると連続得点を許し、ここからは慶大が2点差を追いかける厳しい展開が続いた。この展開を打ち破ったのが松本だった。エースと言われるゆえんのスパイクでボールを相手ブロックに吸い込ませると直後にはサービスエースを決め、13―13と並ぶ。ここからの松本の勢いは誰にも止められなかった。16―15の場面でコートに入った野口真幸(商1・慶應)が好サーブで相手を崩すと返ってきたボールで松本がブロックアウトで最後の1点を奪取。大接戦の末に見事17―15で勝利した。
(取材:長掛真依、五関優太)
以下、選手コメント
島田航希主将
――勝利おめでとうございます。今日の試合を振り返っていかがですか
1勝ということで、今日は序盤からチームが一つになって絶対勝つぞという気持ちを前面に出すことができた試合かなと思っています。試合内容も良かったですし、自分たちのできる実力の1番上を出せたのかなと思います。
――第1セット序盤も、その第1セットを勝ち取った点でも良いスタートダッシュが切れたと思います。スタートダッシュ切れた要因は
全員序盤のサーブが良くてサービスエースも出てたりして、サーブが良かったと思います。
――島田選手ご自身もサービスエースを何本も取っていましたが、これまでの試合と意識に変化は
これまでよりかは攻めるという気持ちは出てて、正直言ってしまうとやっぱり(ホームである)この会場が打ちやすかったというのはありますね。
――明日の試合に向けて一言
明日の東海大学はすごい強いので苦しい戦いになると思うんですけど、今日みたいにチームワークとか 一つになって勝つという気持ちが前面に出れば勝てなくもないんじゃないかなと思うので頑張りたいと思います。
松本喜輝選手
――今日の試合を振り返っていかがですか
もう前日から全員が一つになって勝ちにいこうという気持ちで、それが現れた結果ああいったゲームをすることができたのかなと思います。
――中盤も最終セットも追い詰められた場面で松本選手が点を取り切る姿が印象的でした。強気でいけた要因は
ほんとにもう「自分が決めるしかない」という気持ちを持って、自分が決められなかったら負けるぐらいの気持ちでやったのが結果的に最後のブロックアウトなどに繋がったのかなと思います。
――サーブでも活躍されてましたがこれまでの試合と意識に変化はありますか
そうですね、いつも練習してる会場だったということで普段よりも打ちやすい環境だったので、自分はいわゆるビッグサーバーと言われてるので、なるべく相手を乱すように意識しながらサーブを打ちました。
――明日の試合に向けて一言
こういった試合の後はやっぱりどうして抜けちゃったりするんですけど、ここ一つ切り替えて全員でもう1度一つになって勝ちにいきたいなと思います。
山元康生選手
――今日の試合を振り返っていかがですか
リーグ戦中ずっと負けてたのでやっぱり1個勝ちたかったし1個でも多くセットを取るという気持ちでもうみんなで一丸となっていけた結果だったので、もう勝ったのが全てだと思うのですごいよかったです。
――サーブレシーブとディグで大活躍でしたが、ご自身の評価は
今、克弥(内田、環3)さんとスタメンを争ってるんですけど、自分には自分の良さがあって克弥さんには克弥さんの良さがあると思います。自分にできることというので1個1個自主練とか練習中に重ねていった結果で、もう2人で切磋琢磨しながらどっちが出てもできるよねという状態にしたいです。サーブレシーブ・ディグはその日の調子次第だったので、今日はすごい調子よくて結果勝てたのでほんとによかったです。
――練習の成果をそのまま出せましたか
そうですね、やればやるだけできるようにはなると思うのでそこはもう継続してやっていきます。
――明日の試合に向けて一言
去年とかもフルセットやって翌日にあっさり負けちゃうとか、やっぱり気持ちが切れて負けちゃうというのがあったので、1戦1戦どの相手でも勝てれば大きいので、もうとにかく勝ちにいく。土日やったらオフがあるので、明日も死ぬ気で戦いにいきます。