秋季リーグでの戦いも残り2週。昨秋勝ち取った1部リーグに残留するためにも大切な一戦に臨んだ慶大。第1セットは両者競り合う展開が続いたが先に20点台に乗せられた相手に逃げ切られ先制される。第2セットは相手を追う展開がつづいたが終盤でサービスエースを契機に逆転に成功し勢いそのままに奪取。つづく第3セットは序盤のリードを最後まで縮め切れず、第4セットもセット前半に点差をつけられると後半は相手が独走。手痛い敗戦とはなったが見事な逆転で1セットを奪い、パッションあふれるプレーを見せることができた今試合。この勢いのまま次戦での勝利を誓う。
2023年10月14日(土)
秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦
第7戦 慶大×専修大
@日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 専修大 |
21 | 1 | 25 |
26 | 2 | 24 |
17 | 3 | 25 |
16 | 4 | 25 |
第1セット、先制を許すも渡邊のスパイクですぐさま追いつくとそこからシーソーゲームが続く。ゲームが動いたのは8―8の場面、相手がサーブ・スパイクで立て続けに得点し8―11とするとここで慶大のタイムアウトを挟む。しかしここでそのまま逃げ切られる慶大ではなかった。タイムアウト直後に松本喜輝(環4・九州産業)が相手の2枚ブロックをはねのけるスパイクを決めると山口快人(経1・慶應)のフェイントで連続得点。島田航希(経4・慶應)の好サーブも重なり見事13ー12と一歩リードすることに成功した。セット中盤、山元康生(法2・慶應)が相手の鋭いスパイクをつないで両者拮抗(きっこう)した展開がつづく。ただここで相手がわずかに上回った。両者点を取り合う展開の中で18―20と相手に先に20点台に乗せられると、その後も慶應は連続得点を奪うことができず惜しくも21ー25で最初のセットを落とした。
並びたい第2セット、コートの中の選手も掛け声で士気を高め合う。序盤に芳賀祐介(環3・札幌北)・渡邊大昭(商3・慶應)がスパイクで点を奪うも相手のセンターアタックが決まり2―5とリードを許す。ここで山口がストレートへのスパイク、サービスエースを決めて山元もディグで慶大の連続得点に貢献し見事な追い上げを見せるも直後に相手も3連続得点で6ー8に。両者高い攻撃力を武器に点を奪い合う展開が続き11―14と相手が先をいく。セット後半、追う展開の中で松本・渡邊の力強いスパイクが相手コートに突き刺さり15-17と2点差にまで点差を縮める。その後はサイドアウトの応酬となり21ー23まで2点差を縮められなかったが、松本のサービスエースが突破口となった。これで23―23と並び相手にタイムアウトを取らせる。直後の点は取られ再びリードされるも芳賀のスパイクでブロックアウトを取るとそこから山口も気迫あるプレーで連続得点し25―24と逆転する。最後は渡邊が相手コートの空いているスペースを狙った正確なスパイクが決まり見事逆転勝利を収めた。
第2セットを大逆転で勝ち取り、1―1で迎えた第3セット。試合の流れを左右する重要なセットだが、思うように得点を重ねることができない。2−2から、専修大の強烈なサーブやスパイクで5連続得点を奪われ、一気にリードを広げられてしまう。その後も、相手の猛攻で慶大レシーブやブロックが弾かれてしまい、一時は10点を追う展開に。それでも、芳賀のスパイクなどで得点を少しずつ重ねていく。だが、一度ひらいた点差は大きく、17―25で第3セットを奪われる。
絶対に譲れない第4セット、相手の強烈なサーブが決まり、さらにラリー戦の末の失点も重なり慶大は立ち上がりで5連続失点を喫する。直後、山口のスパイクで得点を奪うと、慶大は徐々に勢いづき接戦を繰り広げていく。しかし、8―8の場面で相手にリードを許すと、3点差以内を維持しながらも追いつくことができなくなってしまう。そして、15―16からは完全に相手のペースとなり、その後慶大が奪うことができたのはわずか1点。16―25で第4セットを落とし、専修大に1−3で敗れた。
(取材:長掛真依、五関優太)
以下、選手コメント
星谷健太朗監督
――今日の試合を振り返っていかがですか
やっと大槻が万全ではないながら戻ってきた布陣での試合を迎えられ、それについては喜ばしかったなと思います。ですが専修大学という素晴らしいチーム相手に思うような結果を出せなかったというのは非常に残念だったなと思います。
――思い通りにいかなかった面は
向こうのビッグサーバー甲斐兄弟に対して連続でブレークを簡単に許してしまった。それから向こうの甲斐優斗選手の攻撃に対して仕方ないところと拾うべきボールというというところの割り切りがうまくいかなかったなと思います。
――見事な追い上げで第2セットは取り切りましたが、僅差で勝利した後の第3セット・第4セットの立ち上がりの部分はどうでしたか
先ほども言ったビッグサーバーのところで、第3セットについては、序盤で甲斐孝太郎選手に連続ブレイクを簡単に許してしまった、簡単にエースを取られてしまったというところから流れとか自信を取り戻すことなくズルズルといってしまったというのが3セット目かなと思います。
4セット目については序盤のところで、ビッグサーバー・甲斐優斗選手にやられた部分はありましたが、その後にサイドアウトを積み重ねて甲斐孝太郎選手のサーブについては1本で抑えたりとか、そういうところで途中までは良い戦い方ができたかなと思います。
――明日も特に重要な一戦だと思います。明日に向けて一言お願いします
状況が良くないがために要らないストレスというか、考えても仕方ないものに対して不安を抱いて自信を失っている部分がありますが、そこを1回忘れてもう少し新鮮な気持ちで自分たちの力が最大限出せるような、その上で勝った負けたというところに向かっていけるように準備をしてまた力を出し切れるように頑張りたいなと思います。
島田航希主将
――今日の試合を振り返って
1セット取れたというのはすごく大きかったのですが、最後3・4セットで返され、負けてしまったので、やっぱり悔しい気持ちがあります。
――入替戦など、最終成績に関わる大事な試合でしたがどのような思いで
入れ替え戦というのは意識しつつ、相手関係なく自分たちで練習してきたことを出すだけなので、いつも通りという思いで臨みました。
――日本代表(=甲斐優斗)など強い選手がいる中でどのような作戦を
日本代表なので、彼に決められることは割り切ってやろうというふうに決めていて、逆に他の選手にトスが上がった時に、いかにブロックで仕留められたり、レシーブで切り返すのかというところを話していました。
――明日に向けて
明日も負けられない試合なので、気持ちを切り替えて、全員で勝ちに行きたいと思います。
大槻晟己副将
――今日の試合を振り返って
すごい久しぶりの公式戦だったのですが、怪我して1か月ぐらい、戻る頃にはこういうプレーができるようになっていたいとか、こういう風に戻っていきたいというところは、個人レベルでいくとそこそこ良いとこまではいけたんじゃないかなと思います。逆にチーム全体としてはやっぱり分かってたことにやられたというか、甲斐兄弟が強くてというのを分かってるのですがなかなかそれが止めきれなかったという力不足の部分は感じましたね。
――ご自身が想定したレベルで、今日の良かった面はどこですか
結構サイドのトスを伸ばしきってスパイカーのポテンシャルを引き出してあげるという部分です。大昭(渡邊、商3)にちゃんとストレートを打たしてあげる、喜輝に高い打点で打たしてあげる、あとはアウトサイドに入ってる航希(島田、経4)と快人(山口、経1)のパイプとかレフト側の攻撃を試合をしっかり通していくというところはできたのではゃないかなと思っています。
――けがをした期間、副将としてもいちセッターとしても何かもどかしい思いはありましたか
やっぱりもどかしい部分はあって、やっぱりセッターの久保田に限らずそこは俺ならこうしたなという部分があったりとか、俺がプレーで勝ちに貢献したいという部分がやっぱり僕がスタメンじゃない7試合ぐらいで結構感じたのでそこはやっぱりもどかしかったし悔しかったですね。
――明日に向けて
今日も内容自体はすごい悪いというわけではなかったと思うので、しっかり自分たちを信じて勝ち星を全力で取りに行きちあです。他のことはとりあえず捨ててうまくいかないプレーはもうそれで受け入れて、とにかく自分たちの全てを出し切るという姿勢で勝ちにいきたいと思います。