関東大学春季交流大会の第2節、慶大は東洋大と対戦し、技術と戦略の面で圧倒的な力を発揮した。慶大はこの試合で10トライを記録し、最終スコア62−17で大勝利を収めた。特に注目すべきは1年生の小野澤謙真(環1・静岡聖光学院)の活躍である。彼はデビュー戦でハットトリックを達成し、合計17得点を挙げる大活躍を見せた。この試合での彼のパフォーマンスは、慶大の将来に大きな期待を抱かせるものであった。
試合の序盤から慶大は絶大な攻撃力を見せつけ、相手を圧倒した。東洋大も健闘したものの、慶大の鉄壁の守備と精度の高いパスワークにより、次第に押されていった。前半は慶大のリードで終了し、後半に入ってもその勢いは止まらなかった。特に小野澤は試合の流れを完全に支配し、華麗なトライを次々と決めた。
この勝利は、シーズン中のさらなる成功への確固たるステップとなった。慶大は今後の試合に向けて自信を深め、チーム全体の士気も大いに高まった。特に小野澤のパフォーマンスは、今後の活躍が非常に楽しみであり、ファンや関係者からの期待も一層高まっている。
2024年5月12日(日)関東大学春季交流大会 対東洋大学 @東洋大学グラウンド
○慶大 62{38―7、24―10}17 東洋大●
関東大学春季交流大会Bグループ 第2節 | ||||
慶應義塾大学 | 2024/5/12(日)12:00 K.O. @東洋大 | 東洋大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
6 | 4 | トライ(T) | 1 | 2 |
4 | 2 | コンバージョン(G) | 1 | 0 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
38 | 24 | 計 | 7 | 10 |
62 | 合計 | 17 | ||
前半5分 中山(T) 前半7分 今野(G) 前半11分 中山(T) 前半12分 今野(G) 前半15分 渡邉(T) 前半16分 今野(G) 前半18分 小野澤(T) 前半33分 石垣(T) 前半38分 小野澤(T) 前半39分 小野澤(G) 後半11分 石垣(T) 後半14分 小野澤(T) 後半36分 冨永(T) 後半37分 勝又(G) 後半43分 村田(T) 後半44分 勝又(G) | 得点者 | 前半31分 ボンド(T) 前半31分 天羽(G) 後半3分 小泉(T) 後半28分 植田(T) |
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学年学部 | 出身校 |
1 | 成田 薫 | 181/104 | 経4 | 慶應 |
2 | 中山 大暉 | 176/103 | 環4 | 桐蔭学園 |
3 | 吉村 隆志 | 177/108 | 環4 | 本郷 |
4 | 浅井 勇暉 | 188/107 | 総4 | 仙台 |
5 | 長瀬 穣一郎 | 187/104 | 政4 | 山形南 |
6 | 矢﨑 隼太 | 184/94 | 政3 | 県立千葉 |
7 | 田沼 英哲 | 176/95 | 総4 | 國學院大学久我山 |
8 | 冨永 万作 | 188/105 | 商4 | 仙台第三 |
9 | 小城 大和 | 168/72 | 商4 | 北嶺 |
10 | 大川 竜輝 | 172/85 | 理3 | 慶應 |
11 | 石垣 慎之介 | 175/80 | 政3 | 慶應志木 |
12 | 今野 椋平 | 183/88 | 環3 | 桐蔭学園 |
13 | 山本 大悟 | 174/84 | 環3 | 常翔学園 |
14 | 渡邉 匠 | 170/82 | 商4 | 川越東 |
15 | 小野澤 謙真 | 180/85 | 環1 | 静岡聖光学院 |
東洋大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学年学部 | 出身校 |
1 | 笠巻 晴太 | 177/111 | 4 | 北越 |
2 | 小泉 柊人 | 171/96 | 3 | 目黒学院 |
3 | 石川 槙人 | 184/115 | 4 | 日本航空石川 |
4 | マタリキ・チャニングス | 195/23 | 4 | Hastings boys |
5 | ジョーン・ウーストハイゼン | 212/130 | 3 | Helpmekaar college |
6 | 山岡 快翔 | 2 | ||
7 | 森山海宇オスティン | 183/102 | 3 | 目黒学院 |
8 | ステファン・ヴァハフォラウ | 189/95 | 3 | 札幌山の手 |
9 | 生田 旭 | 1 | ||
10 | 池渕 紅志郎 | 1 | ||
11 | 平田 魁生 | 179/82 | 3 | 川越東 |
12 | 天羽 進亮 | 174/75 | 3 | 城東 |
13 | 浅尾 至音 | 2 | ||
14 | ボンド 洋平 | 182/86 | 4 | 東海大相模 |
15 | 佐藤 航大 | 174/72 | 4 | 北越 |
一部情報不明
慶應義塾大学 |
| 東洋大学 |
102.5kg | FW平均体重 | |
820kg | FW合計体重 | |
182.1cm | FW平均身長 |
試合の開始から、慶大は強い意志を持ってフィールドに立ち、その姿勢が試合の初動から結果に結びついた。特に前半5分には、中山大暉(環4・桐蔭学園)がラインアウトからモールを形成し、そのままインゴールまで押し込み先制トライを決めた。この先制点がチームに勢いをもたらし、その後も攻撃の手を緩めることなく、前半だけで6トライを重ねる猛攻を見せた。
慶大は敵陣深くでの攻撃を繰り広げ、スクラムでも圧力をかけ続けた。特にフォワード陣の力強いプレーが目立ち、相手の防御を次々と突破していった。バックスの選手たちも、素早いパス回しと巧みなランで相手のディフェンスをかき乱し、多彩な攻撃パターンを展開した。その結果、前半終了時には38-7という大きなリードを築き上げた。
また、守備も非常に堅固であり、東洋大に得点機会をほとんど与えなかった。相手が攻撃を試みても、迅速なタックルと組織的な守備でこれを阻止し、試合の主導権を完全に握っていた。このような攻守にわたる圧倒的なパフォーマンスが、前半終了時の大差につながった。
後半に入っても、慶大の勢いは全く衰えることがなかった。特に注目されたのは、井吹勇吾(環1・桐蔭学園)の活躍である。井吹選手は後半8分に交代で出場し、そのフレッシュなエネルギーでチームに新たな活力をもたらした。中山主将と同じ高校出身で後輩に当たる彼はU20日本代表候補としてのポテンシャルを示し、ピッチ上でのプレゼンスを存分に発揮した。彼の登場により、慶大の攻撃はさらに勢いを増し、相手チームを圧倒する展開が続いた。
今回の試合、なんと言っても注目すべきは小野澤である。小野澤のデビュー戦は、単なる新人の登場以上のものだった。彼は前半19分に見事なインターセプトでトライを決め、その後も安定したパフォーマンスでさらに2トライを追加、合計17得点を挙げる活躍を見せた。天性のランニングスキルと瞬間的な判断力で、今後の大学ラグビー界で注目される選手となること間違いないだろう。
この勝利で、慶大は春季大会での連勝を飾り、次戦に向けての自信を深めた。中山主将は「自分たちのラグビーに自信がついた」とコメントし、次なる目標である全国選手権ベスト4進出への意気込みを新たにしている。攻守にわたるこの勝利は、チーム全体の成長と共に、若手選手の台頭が今後の慶大をさらに強化することを約束するものだった。
(記事・写真:宇田川志乃)
ーーー以下、インタビューーーー
中山主将
ーー今日の試合を振り返って
そうですね、東洋さんに対して、 前回の早稲田戦でできなかった部分、もう1個攻めるよっていうところをしっかり体現できて、アタックディフェンスが前に出るっていうのはすごく良かったのが、 それが結果に繋がったかなと思います。
ーー2トライ決めていたことについては
そうですね。1本目はもうほんとにフォワードのみんなが頑張ってくれて、ボールで押し込めたっていうところと、2つ目はやっぱりバックスのいい アタックからしっかりサポートついてもらえたので、やっぱりチームのトライというか、個人というよりチームがいい形でボールを繋いでくれたっていう風なトライです。
ーー今日は1年生のメンバーも出場していた
そうですね。1年生でもすごく経験のあるというか、世界で戦ってきた2人なので、そこのところは信頼ありますし、やっぱり練習とか見てても先輩に物怖じせずいいプレーをしてたので、そこに対しては全然 抵抗もなくチャレンジするっていうところだったので、特に考えというよりは、しっかりやってくれるだろうって期待の方が強かったです。
ーー次戦に向けて意気込みを
今日また自分たちのラグビーに自信がついて、また1つ成長できたと思うので、自分たちのもう1個強みであるディフェンスのところを磨きをかけて、しっかり次の試合できるように頑張りたいと思います。
小野澤選手
ーー今日の試合を振り返って
そうですね。やっぱまずデビューできたことがすごい嬉しくて、先輩たちも背中押してくれて、 自由にプレイできたかなと思います。
ーー大学ラグビーデビューして、そしてフル出場で、トライも決めてという結果だったが
自分のその得意なプレーはランニングだったんで、 自分だけじゃないですけど、3トライとれて、 自分の得意な部分を出せたので、この先この結果満足しないで積み重ねていって、もっと強い相手だったり、接戦になった時に取り切れる力つけて行きたいです。
ーー今日デビュー戦を通して何か新たな課題は見つかったか
ディフェンスのポジショニングの部分が、 やっぱまだ大学生のスピードになりきれてないとこがあってしんどかったりする部分なので、そのタフさと スピードと、あとは頭のところっていうのをもっと上げていって、接戦になった時に勝負できるような体と頭を作っていきたいです。
ーー次戦出場の試合に向けて意気込みを
機会がちゃんとあったら またトライっていう形で、まず結果を残すことと、今回課題だったディフェンスの部分をしっかり修正して、来週また試合があるので頑張りたいです。