【野球】エースの粘りとバックの堅守で首位明大に先勝 明大①

完封勝利で3勝目をマークした竹内大

10月1日(土) 慶大-明大 1回戦

前のカードで法大から勝ち点を落とし、春秋連覇へ黄信号が灯って迎えた首位明大との1回戦。負けられないこの試合、慶大は山﨑錬(商3)の適時打などで明大・野村から2点を奪い、投げては先発の竹内大(環3)が8安打を許しながらもバックの堅い守りと粘りの投球で、明大打線を完封。慶大が、優勝戦線に踏みとどまる上で非常に価値ある一勝を挙げた。

   
明大
慶大
慶大:○竹内大―阿加多

明大:●野村―川辺

慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[8] 辰巳(文3・郡山)
[4] 金田(政4・土佐)
[5] 山崎錬(商3・慶應)
[9] 伊藤(環4・中京大中京)
[3] 伊場(政4・慶應)
  [3] 神田(経4・慶應志木)
[2] 阿加多(法3・慶應)
[7] 宮本真(政4・慶應)
[6] 福富(商3・慶應)
[1] 竹内大(環3・中京大中京)
慶大・竹内大、明大・野村の両エースの投げ合いとなったこの試合。さすがに熟練の両投手、初回はお互いに3者凡退に抑え、落ち着いた立ち上がりを見せる。

猛打賞を記録した阿加多

2回は両チームともに得点圏の好機を逃し、どちらが主導権を握るかが注目された3回。ここで先制点を挙げたのは慶大だった。この回先頭のラストバッター竹内大が中堅へ安打を放つと、辰巳(文3)がきっちり送り、1死二塁。その後金田(政4)が倒れ2死二塁となるも、迎えた好調の3番・山﨑錬が左中間へ適時二塁打。中軸の一打で慶大が待望の先制点を挙げる。さらに続く4回も慶大は阿加多(法3)の三塁打と相手の失策で得点。リーグ通算27勝の明大・野村から序盤で2点をもぎ取り、試合の主導権を握る。

一方の竹内大は3回以降も毎回のように走者を出しながらも、粘りの投球を披露。福富(商3)、伊場(政4)らバックの再三の好守に助けられながらも、明大打線に決定的な一打を許さず、得点を与えない。しかし野村も5回以降は慶大打線に対して安打こそ許すものの、追加点を与えず、2-0の緊迫した展開のまま試合は最終回へ突入する。

リーグ2位となる6打点目を挙げた山﨑錬

そうして迎えた9回表、完封勝利目前の竹内大はこの日最大のピンチを迎える。先頭の中嶋こそ、福富のこの日3回目となるファインプレーでアウトに取るものの、続く阿部寿、川辺に連打を浴び、1死一、三塁。長打が出たら同点、一発出たら逆転という局面を迎える。しかしこの日の竹内大は最後まで崩れなかった。代打・小川を渾身の投球で3球三振に打ち取ると、さらに続く代打・柴田悠を二塁へのゴロに打ち取り試合終了。粘りぬいた竹内大が、昨春の無安打無得点試合を達成した東大戦以来となる完封勝利を挙げた。

負けたら優勝が大きく遠のくこの試合で、慶大は福富の献身的な守備や伊場の激走を始め、随所に勝利への執着心が感じるプレーを連発。また、エース竹内大が3季ぶりとなる完封勝利を挙げるなど、今後に繋がる好ゲームとなった。しかし、それでも気がかりなのが打線だ。法大との3戦でわずかに4得点しか挙げられなかった打線は、今日も勝ちこそしたものの9安打でわずか2得点。相手が野村であることを差し引いても、繋がりに欠ける感は否めない。春秋連覇へ、今「守り」は非常に充実している。あとは打線の爆発を待つばかりだ。

By Kenji Okamoto

選手のコメント

竹内大

(今日の試合を振り返って)とにかく勝てて良かった。(立ち上がりから意識したことは)今日は相手が野村さんだったので、とにかく点を先に与えないようにと。(今日のピッチングの良い点と反省点は)良かったのはまず0点に抑えられたこと、ピンチになっても粘り強く投げられたこと。逆にフォアボールを二つ出したのでそこは反省点。(9回を投げきり116球、疲れはあったか)特にないです。(9回のピンチで監督に声をかけられたが何と言われたのか)しっかり時間をかけてなげろと、1点は取られても良いからと言われた。(春に落としたこの初戦に勝てたのは大きいのでは)ずっと初戦勝ててなかったので、すごく大きいと思う。(次に向けて)とにかく勝つしかない。

阿加多

(今日の試合を振り返って)勝てて良かった。(野村の印象は)変化球でもストレートでもストライクがとれて低めにきまっていた。甘い球を叩いて打つことを意識した。(3安打猛打賞の活躍だったが)追い込まれてからは逆方向に打つことを意識した。つまってもいいと思って打ったのがヒットになった。(リード面では相手を完封したが意識したことは)大助の調子が良くて変化球でもストライクをとれたので自分は何もすることはなかった。

山﨑錬

(今日は2-0というスコアでの勝利だったが)会心のゲーム。(先制点が欲しい場面で先制タイムリーを放ったが)あの場面は野村なので、全然チャンスが来ないっていうのはわかっていたので、そこで一本打てたっていうのは大きいし、集中力がすごく高まった。(好投手である野村投手の対策は)甘い球が来たら何でも振っていく。ファーストストライクからどんどんいくこと。(先週は法大相手に惜しくも勝ち点を落としたが、チームとして切り替えはできたか)なかなかやっぱり切り替えといっても一勝しないことには変わっていかないが、この一勝っていうのはすごく大きかったと思う。自然とこういうのでのっていけると思う。やっぱり気持ちで切り替え切り替えって言うよりも、この一勝が自然と切り替えにつながっていいと思う。(明日への意気込みは)春は一勝してから連敗だったので、ここでもう一回気を引き締めて、チャレンジャーの気持ちで、チャレンジャー精神を持って次の試合を戦いたいと思う。

福富

(今日は守備で大活躍だったが、試合を振り返ってみて)チャンスで回ってきたのに打てなかったので、ならば守備で活躍しようかなというつもりだった。(法大戦で勝ち点を落としての明大戦だったが、意気込みは)いつも一戦目は野村さんにやられているので、野村さんから一勝することが出来れば勝ち点につながる確率も高くなる。今日の試合は全力で一勝を取りに行こうという気持ちだった。(野村を攻略するにあたって意識したことは)なるべく早めから行こうと思っていたが、すごくいいところに決まっていたので打てなかった。(明日の試合に向けて)明日も全力で行って、2連勝したら大きいので、勝ち点を取りたいと思う。

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