アメリカンフットボール部UNICORNSは、11/23(土)に開幕する全日本選手権大会へ出場が決定しています。そこでこれに合わせ、アメフト部員の皆さんにインタビューを行いました。
第6弾は、2015年からここまでチームを率いてきたUNICORNS監督・前田晃さんです!
ーー全国出場決定おめでとうございます。率直なお気持ちを
ありがとうございます。このチームが始まって以来ずっと「甲子園ボウル」に出場することを目標にやってきました。3位という結果ですが、全日本選手権に出られたというのはまず1つハードルを突破し、「甲子園ボウル」へと進む挑戦権を得ました。そういう意味では、満足はいきませんけれども、十分ではある結果だったと思います。
ーー秋シーズンの振り返り。点数をつけるとしたら何点?
秋振り返ってみると、東大戦が一つの大きなキーかと思っていて。結果的には負けてしまったんですけど、ご存知の通りあそこで勝てば3位は決まっていたわけですが、負けてしまって。ただ、最終節まで持ち越してしまったというのは結果論で言うと良かったかなと思っています。それは、実はあのまま勝ってしまったら、このチームはもう成長しないんじゃないかという気がしていたからで、少し心配していました。しかしあの敗戦を糧にして、チームがもう一度成長するための意識がしっかりと芽生えたと思っています。なので、同じ3位で出るにしても今回の勝ち星を積み重ねて最終戦まで行く過程は結果論ですが良かったと思います。
点数をつけるとしたら70点くらいかなと思っています。上位校、強豪校とやった時に、自分たちが準備してきたものを出し切れないんですよね。そこがやっぱりちょっと勝ち切れない原因でもあります。強いところに対してでも自分たちが準備したものが出し切れないと、当然勝てませんので。そこはまだまだ成長途上かなと思います。
ーー今年のチームが始動した時のチームとしてのポイント、どういうチームになるように指導を始めたか
前々からですけど、まず第4Qまで走り切るスタミナをちゃんとつけたチームにすることが一つ。そしてブロック・ヒット・タックルという1対1の勝負のところで勝ち切れる選手がフィールドに出ていること。これをやってきました。そこについてはやっぱり、特に今年は春からずっと活動を続けられましたので、ある程度積み上げることができたと思います。
ーー春シーズンの関学戦、ここが今回もキーになると思う。王者相手に決して引けを取らないゲームに映るが、実際のところはどうか。
やはりラインが大きいんですよね、関西は。関東のラインはスピードがある子が多いですが、関西はそもそもサイズが大きくてパワーがあるっていうラインがズラッと並びます。そこはオフェンスもディフェンスも差を感じているんですよ。そこにどれだけ対応できるかがポイントになるとは思います。
ーー夏合宿、特に強化すべきだったポイント、その結果
夏合宿も久しぶりにやったのですが、1年生で試合に出られそうな子を合宿で発掘できたのは良かったと思います。今年はすごくいっぱい1年生が入ってくれて、夏の時点で芽が出たという子が結構多かったので、彼らを戦力として発掘できたのは大きいと思います。
ーー田中玄樹くん、海老谷くんとかですよね。
そうですそうです。あの二人は特に。
ーー明立相手に2度のアップセットと言われたことに関しては、何かあるか。
アップセットとかは特に気にはしてないんですが、やっぱりどのチームにもしている準備を、出せたかどうかで勝敗って決まりますからね。負けた試合は準備したものがうまく出せないとか、あるいは例えば早稲田に関しては天候にやられた部分もあったりしましたから、そういうのも含めて準備したものを出せるか、だと思いますね。明治も立教も順位的には上位校ではありましたが、勝てる可能性がちゃんとあるような準備をしていました。そういう意味ではアップセットのところが特別か、と言われれば結果論だと思います。そういう意味では、東大に負けた時の方が勉強になったかなと。チームとして。アップセットでチームが上昇したというより、東大に負けて自分たちを顧みて、もう1回成長軌道に乗ったという方が星取の関係で言うと、良かったと思います。
ーー東大戦は彼らのトリプルオプションにだいぶ苦しめられた
彼らの勝ちパターンって、彼らがやってることを信じて迷わずやってくるということだと思うんですよ。選手が言った「気持ちで負けた」というのはまさにそういうことだと思います。彼らには「オプションのダイブプレーしかない、でも3ヤード進むんだ。作戦がバレてても進むんだ」という割り切りが彼らの気持ちの強さになって、我々に対して圧がかかって、気持ちでで負ける、っていう。多分そういうことかと。彼らの、自分たちのやってきたことを信じ切ってやり切ってしまうところはよく学べたと思います。
ーーあとがなくなった中央戦
一番は、焦らず我々がリードを保ったままゲームを終えられたのが大きいです。それは立教もそうでした。あの時も立教のオフェンスにはだいぶ苦しみました。29番の子が止められなくて、ヤード的には負けていたけど、でも勝った。その経験が生きていて、中央戦も13番の松岡くんにボコボコにやられていて、ヤードも相手の方が圧倒的に出ています。でもこちらはバタつくことなく、反則も0なんですよね。焦らず、自分たちのことをちゃんとやり切っていれば、点数を上回ってさえいれば負けないという気持ちがちゃんとチームにありました。見た目はバタついてるようには見えたと思いますが、うまく最後まで行けたということだと思います。
ーー関学戦でチーム全体として期待すること。正真正銘のアップセットはあるか
まず我々が勝ち筋を見出すとすれば、向こうのエースRBをまず止めることと、タッチダウンをぽこぽこ取られるとしんどいので、3点に抑える。仮にエースRBに走られてしまっても、タッチダウンをされないで3点で終わらせる、という。そのレベル感でディフェンスが安定してもらうのが一つ。あとは、関学さんって穴はないんですけど、キッキングでは勝機があるんじゃないかと思っているので、関学さんのとうちのキッキングの戦いで、どっかで勝てる領域を見つけたい。オフェンスはお分かりの通りパスがどれだけ通るか次第ですね。今言った3つがうまく噛み合えば。かつ、僅差で競り合う状況になれれば勝機はあるのかなと。春と秋の関学は全く違うものなのですが、とはいえやっぱり春関学戦をやっているのはいい経験です。初めてやるよりは遥かに心の余裕があると思いますから、そこも春にいっぱい試合やってきた経験値ということでいえば、秋の全日本に向けたいい準備が役に立っていると思います。
ーー読者へのメッセージ
次の試合は神戸の会場の試合になります。来れる方はぜひ来ていただきたいですし、来れない方もネット配信がございますので、是非試合を見て、応援して欲しいなと思っています。準決勝に駒を進めて東京に戻ってきたいと思いますので、ご声援のほどよろしくお願いします!
※画像にUNICORNSのロゴが入っているものは慶應義塾大学アメリカンフットボール部より提供いただきました。
(記事:東 九龍)