【ホッケー(男子)】堅守と速攻の慶大集大成、早慶戦で有終の美 今季対ワセダ3連勝!/第98回早慶ホッケー定期戦

男子ホッケー

今秋3度目の対戦となった両校の戦いは、ついに早慶定期戦を迎えた。試合は開始3分、岡本遼一(経2・慶應)が電光石火の速さでゴールを決め、先制に成功する。その後も慶大が主導権を握ると、第3Q1分、坂上開道(経4・慶應)が相手キーパーとの一対一を制し、追加点を決める。ワセダも負けじと猛攻を見せると、6分に点を許し2-1に。迎えた第4Qは序盤からワセダに主導権を握られるも、守備陣が粘りを見せると13分、二宮怜(政1・慶應)がPCからフリックシュートを決め、これで勝負あり。3-1でこの代の活動を勝利で締めくくった。

 

第98回早慶ホッケー定期戦 

11/24(日) 15:15試合開始 @大井メインホッケー場

 

 

第1Q

第2Q

第3Q

第4Q

合計

慶大

3 

早大

 

♢スタメン♢

GK 豊岡敬人(政4・慶應志木

 

DF 二宮怜(政1・慶應)福島諒太(政4・慶應)、坂上開道(経4・慶應)、森村悠太郎(政2・慶應)

 

MF 岡部匠汰(経4・慶應志木)、南龍之介(政4・慶應志木)、 中川諒(経2・慶應)

 

FW 岡本遼一(経2・慶應)、前田海(経4・慶應)、北村玲(経4・慶應)

 

OBOG戦から高校戦、女子ホッケー部の戦いが終わり、早慶定期戦の大トリを務めるのは男子ホッケー部。今秋だけで3度目の顔合わせとなる両校の戦いは、過去2戦ともSO戦までもつれ込んだが共に慶大が勝利を挙げた。そして迎える早慶戦。慶大が3連勝を果たすのか、それともワセダが最後に意地を見せるのか。両校の熱い戦いを見届けようとスタンドには多くの観客が詰めかけた。

3連勝なるか

慶大のセンターパスにより試合が始まった。熱い戦いの幕開けにふさわしく、いきなりスコアが動く。分、右サイド高い位置でファウルを獲得した慶大は、シンプルにゴール前へのパスを選択。そのパスに反応した岡本が見事に合わせ、早速慶大が先制に成功した。これ以上ない入りを見せた慶大は、その後もボールを持ち有利な展開が続く。ワセダのスクープ(空中にボールをあげるプレー)を中心とした攻撃にうまく対処しながら、同時にフリーな選手を作らせない守備が光っていた。それでもワセダも負けていない。11分、ワセダがこの試合両チーム初めてとなるPCを獲得。一度は防ぐもこの流れから相手にかなり深い位置まで押し込まれてしまった慶大であったが、ここは粘り強い守備を見せ防ぎ切った。熱い展開となった1Q目は1ー0、慶大のリードのまま終わった。

拳をあげる岡本(左側)

2Q目も序盤から慶大がボールを持つ展開が続いた。良い流れの中3分、右サイドで相手のマークが緩くなったことを見逃さなかった森村悠太郎(政2・慶應)がサークル内へ打ち込む。するとそれを受けた岡本が粘り、最後は巧みにPCを獲得した。このチャンスを岡本自らシュートするも、ここは相手DFのブロックに遭ってしまう。その後も順調に試合を進めていた慶大だったが、分、立て続けに慶大選手人がグリーンカードによりそれぞれ分間の退場を受け、人少ない状態に。慶大はFWを含めた守備と賢い時間の使い方で、数的不利を感じさせなかったが、それでも分、追いつきたいワセダは右サイドからドリブルでサークルに侵入、ゴール前でシュートを放ってきた。これに対して二宮が決死のブロックと、PCすら与えない見事なクリアを見せてくれた。その後カウンターから前田海(経4・慶應)が相手のイエローカード(5分間の退場)を誘うと、それがきっかけで再び流れが慶大ペースに。2Q目はこのまま終了したが、追加点が生まれそうな勢いを感じさせる終盤であった。

このPCは決まらず

ワセダのキックオフで始まった後半は、開始早々から試合が動く。相手のパスをカットすると、森村がフィールド左側を駆け上がり、相手ディフェンスがついていなかった坂上にパス。坂上は相手GKとの一対一を冷静に制すと、浮かせてシュート。ボールは体を張って止めようとしたキーパーの頭上を越し、ゴールネットに吸い込まれた。2ー0と大きな追加点を得た慶大だが、これ以上離されたくないワセダも意地を見せる。6分、サークルライン内に侵入され、GK豊岡敬人(政4・慶應志木南龍之介(政4・慶應志木)が体を張って止めるもPCに。最初のシュートは豊岡が足で止めるも、リバウンドを押し込まれ1ー2。それでもその後は慶大がボールを回し続けるも、なかなかゴールまでは繋がらず1ー2のまま、試合は最後の15分間に突入する。

坂上(中央・右)に駆け寄る

最終Qを2ー1と有利な戦況で迎え、最後までリードを死守したい慶大だが、簡単にはさせてくれない。2分、リスタートから巻き返しを図ったワセダにそのままPCを許すも、ボールは左サイドバーにあたり、慶大は間一髪で同点を逃れた。両校の激しい攻防が続く中分、前田が相手サークルにボールを運ぶが惜しくもゴールならず。その後はワセダが挽回のチャンスを狙うも、慶大は隙を与えないパスを続け、ボールを譲らない強い意志を垣間見た。11分、相手にサークル内へ侵入を許すが、鉄壁のディフェンスで最後まで得点を凌ぐと12分、慶大がPCを獲得。一瞬の隙も逃すまいと、二宮が放った鋭いシュートはゴール中央へ。慶大の勝利が確実となり、会場は歓声に包まれた。14分、ワセダは最後の力で慶大のサークル内にボールを運ぶも、慶大の粘り強いディフェンスに適わずここでホイッスル。3ー1で慶大は今季ワセダに3連勝を飾った。

ワセダのシュートはサイドバーに

勝利を決定づけた

終了後、喜びを分かち合う部員ら

60分間ゴールを守り切った豊岡に駆け寄る

過去2戦はワセダに先制を許し、最後まで追いかける立場であった慶大。今試合は初めて先制し、立場が逆転した。序盤からボールを保持し、相手の一瞬の隙をついた慶大の攻撃には思わず声をあげてしまうほどであった。その後も相手の強いプレッシャーに負けずに堅守を見せると、終了間際には相手の心を折る追加点まで決め、慶大が終始ワセダを圧倒していた。

昨年度こそ両校優勝で終わったが、これで早慶戦は2018年から負けていない。二宮を中心とした新戦力も、着実にリーグ戦で力をつけてきた。来年度もワセダに勝利し、「早慶戦〇〇戦負けなし」の記録をどんどん更新してほしい。

優勝杯を受け取る主将・前田

▽筆者コメント

第98回早慶ホッケー定期戦にて、2024年度慶應義塾大学体育会男子ホッケー部はすべての公式戦を戦い終えました!

男子ホッケー部の皆様、1年間の取材に協力していただきありがとうございました。そして本当にお疲れ様でした!また、1年間記事をお読みいただいた皆様、ありがとうございました!

何より4年生の方々、4年間お疲れ様でした!

 

♢選手コメント♢

主将・前田海(経4•慶應)選手

序盤からアクセル全開だった前田

ーどのような思いで最後の早慶戦に臨みましたか?

最後の早慶戦は人生のライフイベントの中でも大きいものと監督やコーチ陣から聞いていたので、特に気合いを入れていました。また自分がホッケー部に在籍していた過去3年間でも負けた経験が無かったので、それを途絶えさせるわけにはいかないプレッシャーもありました。そういった心境の中で早稲田に絶対に勝つ、負ける訳がないという思いで試合に臨みました。

 

ー後半はワセダの猛攻を受けました。どんな心境でしたか?

後半に早稲田の追い上げはありましたが、今の慶應のディフェンスだったら安心して後ろを任せられると思っていました。フォワードである自分は攻めに集中していれば必ず結果がついてくると信じていました。

 

ー主将として今年度はどんな1年間でしたか?

主将として慣れない役割や、中々ついてこない結果に頭を抱える事が何度もありました。正直最初の方はホッケーを楽しめておりませんでした。ただ、経験を積んでいく中でやるべき事が明確になり、また、去年の代の主将にアドバイスをもらったことによって気持ちの持ちようが大きく変わりました。支えてくれた同期や後輩たちにも感謝です。

 

ー4年間を振り返って

本当にあっというまでした。入部して先輩達に怯えながら練習していたのが昨日のことのように感じます。4年間を振り返って、やっぱりこの4年間はかけがえのない宝物だと思います。色々な面で自分を成長させてくれましたし、皆んなで同じ方向にむかってひたむきに走り続けるのがこんなに楽しいことだとは思っていませんでした。もちろん楽しくない時間の方が圧倒的に長いですが、振り返ると全部goodな思い出です。

 

ー後輩たちにメッセージお願いします!

下級生の多いチームになって、悩むことばかりになると思います。偉そうな事を言いますが。どんな時も自分たちがやってる事を信じて突き進むことが大切だと思います。だからとにかく試行錯誤を繰り返して、失敗も成功も全部味方につけられれば、結果は必然的について来ると思います。頑張って!

 

坂上開道(経4・慶應)選手

大きな追加点をもたらした坂上(左・5番)

ーどのような思いで最後の早慶戦に臨みましたか?

早慶戦という大舞台かつこのチームで挑む最後の試合ということもあり、「絶対に勝ってやる」という思いで試合に臨みました。

 

ー相手キーパーとの一対一を制して決めた1点でした。その時の心境を教えてください

ボールが前に流れていたので体制を崩しながらのシュートになりましたが、狙ったコースに浮かせることができて良かったです。点差をつけてチームを勢い付けるゴールになったと思います。

 

ー4年間を振り返って

先輩、後輩、そして同期に恵まれた4年間でした。もう慶應ホッケー部の一員として一緒にプレーできないと思うと寂しいですが、一生大事にできる仲間ができたと思います。

 

ー後輩たちにメッセージお願いします!

シーズンを通して下級生の活躍なくしてはチームでここまでの成績は残せなかったと思うので、まずは後輩たちには感謝をしたいです。ただリーグ戦やインカレでは望む結果は得られなかったので、来年以降は結果を残せるよう頑張ってほしいと思います。

 

岡本遼一(経2・慶應)選手

今日もゴールを決め絶好調の岡本

ーどのような思いで早慶戦に臨みましたか?

4年生との最後の試合ということで悔いのないよう全てを出しきろうとプレーしました。

 

ー2 年目となる早慶戦、いかがでしたか?

毎試合緊張で震えてるのですが、今年の早慶戦はいつもより多くの声援もありとにかく緊張してました。しかし、コーチのアドバイスで思いっきりプレーをしたら気づけば緊張はなくなり全力でプレーすることが出来ました。

 

ー昨年度に続き、今年度もゴールを決めました。率直な感想を教えてください!

とにかく嬉しかったです。今年は去年と比べてあまり得点することが出来ずチームに貢献出来ませんでしたが、今年最後の試合で得点し無事勝利することが出来て良かったです。

 

二宮怜(政1・慶應)選手

U21男子ジュニア日本代表候補の二宮

ーどんな思いで初めての早慶戦に臨みましたか?

早慶戦という特別な舞台、最後4年生と必ず勝つという強い気持ちとともに、プレーを楽しむ気持ちも忘れず臨みました。

 

ー早慶戦を振り返っていかがでしたか?

1年間の集大成として相応しい試合ができて満足しています。個人的にも春からの成長を感じることができて良かったです。

 

ー最終Q終盤、ワセダを突き放す最高のタイミングでシュートを決められました。その時の心境を教えてください

早慶戦の試合終盤というとても良いシチュエーションで打つ前からとてもわくわくしていました。これまででトップレベルに良いフリックシュートが打てて最高に嬉しかったです。

 

(記事、撮影:久保田敦也、岡本璃央岡里佳)

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