慶大の体育会を深掘りしていく新企画、「What is ○○部?」。1つ目の体育会は器械体操部!1902年創部であり、日本の器械体操で最も長い歴史を持つ部だ。今回ケイスポは日吉にある蝮谷体育館にて器械体操部の練習を取材し、練習の雰囲気や部としての活動理念まで様々なテーマを通して彼らの姿に迫った。
慶應義塾體育會器械体操部は、器械体操部門とトランポリン部門の2つに分かれ、部員たちはそれぞれの特性を活かして活動している。部としての大きな目標は、毎年8月から9月に行われる大学生最大の大会「全日本インカレ」に向けて最高のパフォーマンスを発揮することだ。この大会をはじめ、定期的に行われる試合に向けて、新技への挑戦や演技構成の工夫、総合点数の向上など、個別の目標設定を重視した練習が行われている。
アットホームな練習環境と部員同士の絆
練習中の雰囲気は非常にアットホームだ。学生同士、またはコーチとの教え合いが活発で、気軽に質問できる環境が整っている。新入生もすぐに溶け込める温かい空気があり、競技技術だけでなく、勉強相談や雑談を通じて部員同士の交流が深まる場となっている。練習外でも部員同士の仲の良さは変わらず、大会や練習後には同期や競技別のメンバーで遊びに行くなど、充実した学生生活を送っている。
多様なバックグラウンドを持つ部員たち
多様なバックグラウンドを持つ部員が集まっていることも器械体操部の魅力の1つ。幼少期から体操を始めた者もいれば、高校生、中学生、さらには大学から競技を始めた者も在籍している。また、国家資格の勉強と競技の両立を図る選手もおり、全くの初心者から経験豊富な選手まで、互いに切磋琢磨しながら成長している。
OB/OGとの交流
120年以上の歴史を誇る器械体操部にとって、OB/OGの存在は欠かせない。今年の12月に行われた部内戦では、トランポリン部門にOB/OGが現役選手として試合に出場し、学生と変わらない親しみやすい雰囲気で接してくれたという。練習中のアドバイスのみならず、逆に学生に質問をしてくれることもあり、両者の関係は非常に良好。主将の立花さんは「縦の繋がりが器械体操部の強み。この関係を今後も受け継いでいきたい」と語る。
高校生との協力体制
慶應義塾高校、慶應女子高校、そしてSFCの器械体操部と連携し、高校生と大学生が一緒に練習する機会も多い。同じメニューに取り組んだり、練習後に一緒に帰ったりすることで、境目を感じさせない一体感が生まれている。高校生たちは、大学生から競技だけでなく、多くの刺激や学びを得る貴重な仲間として存在している。
“日本一の体操部”を目指して
慶應器械体操部は“日本一の体操部”という長期ビジョンを掲げている。この目標には、競技力と人間力の両面で卓越した存在になるという思いが込められている。また、毎年代替わりの際には中期目標が設定される。今年の中期目標は“Crew”。この言葉には、1つの船に乗り込み、異なる役割を持ちながらも1つの方向を目指す仲間としての思いが込められている。立花主将は「慶應器械体操部という大きな船に乗り込んだ部員が、みんなで1つの目標に向かう。この理念を胸に活動していきたい」と意気込む。
来年への抱負
上記の意気ごみの通り、器械体操部門/トランポリン部門それぞれが異なる目標を設定しつつも、部員たち全員が1つの方向に向かうことが最も大切にされている。また、体操部での経験が卒業後の新たな世界で活きるよう、部員一人ひとりの未来を見据えた活動を目指している。「慶應義塾體育會器械体操部」という船に乗り合わせた“Crew”たちが織りなす挑戦は、これからも輝きを増し続けるだろう。
最後までご覧いただきありがとうございました。後編では器械体操部・立花主将のインタビューを掲載しています。こちらもぜひご覧ください!
【What is ○○部?】主将インタビュー・立花陽空/File.1 器械体操部(後編) | KEIO SPORTS PRESS
(取材:竹腰環)