2025年4月1日、日吉記念館では慶應義塾大学入学式が開催された。蹴球部には今年も期待のルーキーが多数入部。ケイスポラグビー班では、その中から2人の選手にフォーカスして取材させていただきました!今回は、ラグビーのプレーを続けながら、慶大に一般受験で合格した山﨑太雅(商1・県立浦和)のお話をお届けします。異色の経歴をもつ彼が何を語ってくれたのか。ぜひご覧ください!
ーーまずは自己紹介をお願いします!
浦和高校から来ました山﨑太雅です。学部は商学部です。小1から中3までバスケをしててそこからラグビーを始めました。
ーー慶應へ一般受験で進学を決めた理由を教えてください
最初は筑波大学を第一志望にしていたんですけど、おととしのOB戦の時に同じ高校の先輩である山際さん(山際毅雅・令7卒)から声をかけてもらって、そこからご飯に連れて行ってもらったり、(慶大の)青貫監督からも声をかけてもらう中で、慶應のラグビーに惹かれました。
もともと経済や商に興味があったのもそうですし、一瞬SFCのAOも考えていたんですけど、見たら出願の期間が終わっていて一般しかないなと思いました(笑)。
ーー実際に慶應の練習に参加してみて高校の時との違いは感じますか?
一番はメニューの間の無駄な時間がないことです。高校の時はメニューの間に友達と話すことがあったのですが、慶應の蹴球部は無駄なくテキパキ効率的に進めていく印象があります。
ーー練習のハードさにも違いはありますか?
今(取材は3月中旬)1年生は別メニューなのでそんなに感じないですけど、先輩の練習を見ているとコンタクトのレベルなどは全然違うなと強く感じます。

慶大蹴球部の練習に参加する山﨑
ーー今回同じく取材した草薙拓海選手の印象は
会うまでは、僕が受験勉強している間に彼は桐蔭学園で花園(全国大会)で優勝していて、雲の上の存在だと思っていたんですけど、実際会ってみると結構ニコニコしていて話しやすいなと感じます(笑)。
ーー高校3年間を振り返っていかがですか?
めちゃくちゃ最高の3年間だったと思います。男子校というのもあったんですけど男だけで行事を楽しみ、切磋琢磨しあいながら何事も本気でやりきれたので、色々な面で成長できたなと思います。
ーー高校でラグビーを始めたきっかけは
中学までやっていたバスケは高校になると中学でうまかった人たちが推薦で同じ高校に集まったりして、なかなか弱いチームがうまい選手を集めているチームに勝つことは難しいですが、ラグビーでは2019年に浦高が私立高校を倒して花園に出場していて、それと同じように強豪を倒したいなと思いました。それを見て、僕も下剋上してやりたいなと思ってラグビーを始めました。

バスケからラグビーに転向した経緯を語る
ーー日本代表候補に選出された当時の心境、またその経験から得たことは何かありますか?
心境は驚きですね。まさか選ばれるとは思ってもいなかったですし、本当にびっくりという感じです。学んだことは一人一人の勝ちに行く姿勢です。例えば、練習間でコミュニケーションをとるときに、学校の部活では黙り込む時間があったんですけど、代表候補の合宿ではいろんな人がどんどん話していて全然途切れなかったです。そういう主体性の大切さを感じました。あとはパスなど基礎のレベルが非常に高かったです。高校でやっている時と全然異なり、改めてすごいなと思いました。
ーー花園予選で慶應志木相手に敗戦したときの心境は
ショックでした。ずっと準備してきましたし、まさか負けるとは思わなかったです。終わった直後は何が起きたのか全然わからなくて実感がわかなかったです。時間が経てば経つほど「あの時こうしておけば良かったな」ということが出てきました。もう忘れたいです。

黒黄ジャージへの想いを語る
ーー実際その敗戦相手と同じユニフォームを着ることになるがどういう気持ちですか?
敗戦直後は「慶應ちょっと嫌だな」と思っていたんですけど、今は僕らを倒したチームの選手と一緒に試合できるのは心強いかなと思います。
ーーバスケとラグビーの生活面での違いを教えてください
体の疲労はレベルが違います。バスケをやっていた時はウエイトトレーニングは全然やっていなかったです。練習の負担に加えてウエイトトレーニングで自分を追い込まないといけないですし、きつい部分は多いですけどその分やりがいというか「自分が強くなれている」と感じられる部分も多いので楽しいです!
ーー大学ではどんなことに力を入れたいですか?
まずは早く体を大きくしたいです。もっと自分のプレーを良くして試合に出場したいです。その中でも勉強も疎かにしてはいけないと思っていて、両立させながら頑張っていきたいです。
ーー憧れの選手はいますか?
次、社会人になる中矢健太さん(令7卒)です。去年の対抗戦を見ていて、慶應がピンチの場面で何回もジャッカルしてチームを救っている姿を見てディフェンスでチームを救えるプレイヤーになりたいなと思いました。

憧れの選手から、理想を追求する
ーー練習参加してこの先輩すごいなと思った人は
まだ3回しか参加してないので個人はわからないですけど、フォワードのモールの強度は言葉を失うくらいすごいなと思います。
ーー高校の先輩である山際さんとのご飯でどういう話をしたのですか?
慶應の良さをすごく教えてくれたり、高校の思い出などです。たわいもない話も楽しかったです。
ーー今後自分に期待してもらいたいところを教えてください!
まずはラインアウトを高校でも武器にしてきたので、頑張りたいと思っています。大学に入ると、自分の身長は高校ほどアドバンテージにならないと思うんですけど、いろいろ工夫しながらアタックでもディフェンスの存在感を発揮できればなと思います。
ディフェンスも頑張りたいと思っています。浦和高校も慶應と似ていてディフェンスとモールがメインのチームなので、通じるものがあるので高校時代学んだことを慶應でも発揮できるように頑張ります。
ーー早慶戦で戦いたいと思う選手は
特に個人はいないんですけど、父親が早稲田出身で、ラグビーの早慶戦は昔からよく見ていて中学まで早稲田を応援していました(笑)。早慶戦は特別な舞台なので早稲田を倒したいと思います!
ーー最後に目標を教えてください!
一番の目標は早慶戦にスタメンで出場することです。浦和高校のラグビー部で大学までラグビーを続ける人が多くなくて、友達や友達の親御さん、山際さんなど色々な方が応援してくれていると感じるので、その思いに応えられるように謙虚にひたむきに努力し続けたいなと思います。
ーー貴重なお話をありがとうございました!

慶應の「K」と浦高の「U」のポーズをいただきました!
(取材:愛宕百華、島森沙奈美・記事:檜森海希)