【アイスホッケー】序盤リードも後半に早大の猛追 宿敵に悔しい逆転負け/2025年秩父宮杯第72回関東大学アイスホッケー選手権大会順位決定戦 対早稲田大学

アイスホッケー

二週間後に控える早慶戦に向け、弾みをつけたい慶大は、第1ピリオドでDF・有馬龍太(経4・武修館)のゴールにより先制。第2ピリオドでもFW・栖原大河(経3・慶應)がパワープレーで追加点を挙げる。しかし、終盤には早大に連続得点を許し、2-2の同点で最終ピリオドへ突入。第3ピリオドでは早大選手の勢いに押される中、FW・村上太一(ス1・白樺学園)に逆転ゴールを決められる。さらに追加点を奪われ、反撃を試みるも得点には至らず。最終スコアは2-4。慶大は粘り強く戦ったものの、悔しい黒星を喫した。

 

2025年5月31日(土)17:30試合開始 @東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ

 

 

1P

2P

3P

TOTAL

慶應義塾大学

1(6)

1(11)

0(6)

2(23)

早稲田大学

0(14)

2(19)

2(15)

4(48)

※()内はシュート数

 

【メンバー】

慶應義塾大学

1. 勝見、倉田、三田、茨城、有馬

2. 小島(壯)、芝田、立島、古舘、土井

3. 石村、小島(佑)、栖原、仁王、久恒

4. 郷、木原、生原、沖野、大塚

GK:多田 控え:秋田

 

【得点者】

【1P 】

8分44秒 慶大 有馬龍太(アシスト:小島壯太、芝田光希)

 

【2P 】

5分3秒 慶大 栖原大河(アシスト:有馬龍太、茨城康瑛)

8分31秒 早大  清水朝陽(アシスト:杉本大洋、高見澤英翔)

18分57秒 早大 飯塚創哉(アシスト:笹沼葵)

 

【3P 】

10分15秒 早大 村上太一(アシスト:笹沼葵、飯塚創哉)

12分44秒 早大 笹沼葵(アシスト:岩村晴翔)

 

二週間後に控える早慶戦へ弾みをつけたい慶大。試合開始直後、今大会初ゴールを決めているFW・小島壯太(経1・慶應)がいきなり鋭いシュートを放つ。しかし、惜しくもゴールとはならず。 対する早大は実力派FW陣がスピードに乗って攻撃を展開するが、慶大の守備陣が体を張ったチェックで応戦。ゴール前への侵入を許さず、緊迫した攻防が続く。そして迎えたワンチャンス。8分44秒、 素早いパスに反応したDF・有馬龍太(経4・武修館)がゴール左上へ鋭い一撃を突き刺す。 

先制点を挙げた有馬のゴール

宿敵・早大からの先制点に、氷上では選手たちが喜びを爆発させ、抱き合う姿が見られた。第1ピリオドは、両チームとも決定機の少ない展開となったが、慶大はわずかな好機を見逃さず得点につなげた。価値ある1点を守り切り、1-0とリードを奪ってこのピリオドを終える。

リードを守りつつ、さらなる追加点を狙う第2ピリオド。そんな中、チームに絶好のチャンスが訪れる。パワープレー残り1秒となった5分3秒にFW・栖原大河(経3・慶應)がゴール前の混戦を押し切り、執念の追加点をねじ込んだ。

喜びあう慶大選手たち

その後のキルプレーでは相手の数的優位のなか、多田がゴールを死守する。早大は素早いパス回しから次々とシュートを放ってくるが、多田が好セーブを連発。しかし8分31秒、早大の主将であるFW・清水朝陽(社4・武修館)に鋭い一撃を叩き込まれ、ついに失点を喫する。

好セーブを見せた多田

終盤にかけては早大の猛攻が続く。多田が幾度となくセーブを重ねるも、前に出た一瞬の隙を突かれ、18分57秒、FW・飯塚創哉(教2・早実)に同点ゴールを許してしまう。2-2の同点で勝負の第3ピリオドを迎える。

何としても逆転したい第3ピリオド。パワープレーではFW・三田輝明(経3・慶應)からゴール前に構えるFW・立島健大(政4・慶應)に良いパスが通るも得点には繋がらず。早大選手のスピードに押されるように、慶大の動きには疲れが見え始める。度重なるピンチも何とか守り抜いていたが、10分15秒、早大のルーキー、FW・村上太一(ス1・白樺学園)に逆転ゴールを決められてしまう。逆転で勢いづいた早大。さらに縦パスから攻撃に展開され、12分44秒、FW・笹沼葵(教3・早実)に追加点を奪われる。点差を広げられた慶大は立島がキーパーの肩口を狙うが、惜しくも決まらず。反撃の糸口を掴めないまま試合終了のブザーが鳴った。最終スコアは2-4。勝利まであと一歩及ばなかった。

序盤の勢いを最後まで保つことができず、敗戦となった慶大は秩父宮杯を10位で終えた。結果こそ振るわなかったが、多くの1年生が出場し貴重な試合経験を積むことができた点は大きな収穫だろう。チームには明るい兆しも見えた大会だった。次戦は伝統の早慶戦。前回の冬季早慶戦では52年ぶりの勝利を収めたが、依然として強敵であることに変わりはない。泥臭く守り、ワンチャンスをものにする慶應らしいアイスホッケーで連覇を掴みたい。

 

【次戦予定】

2025年6月14日(土)第70回早慶アイスホッケー春季定期戦 17:00試合開始 

KOSÉ新横浜スケートセンター

 

(記事:檜森海希、取材:吹山航生、冨髙吉典)

 

【選手インタビュー】

勝見斗軌(法4・Ontario Hockey Academy)選手

──今大会はAマークをつけて挑みましたが、これまでと何か心境の変化はありましたか

Aマークとして、また4年生としてという意味でもこれまで以上に責任のある立場になりました。プレー面でもプレー面以外でもしっかりと自分の役割を果たさなければいけないと感じています。そういった意味で今日の試合、以前の試合でも結果として表すことができなかったので、悔しい思いはあります。

 

──今大会で得た成果はありますか

新しく1年生が入ってきて、春合宿もやっては来たんですけど、そこではしっかりと連携など詰め切れていなかったので、それをしっかり詰め切れる良い機会になったと思います。特に今日の試合に関しては相手の特徴をつかむなど、二週間後の春の早慶戦につながる大きな収穫はあったかなと思います。

 

──今までの対戦相手との違いはありましたか

一番はスピード感が違いました。特に第1ピリオドに関してはフォアチェック(前線から相手にプレッシャーをかけること)が効いて相手からパックを奪ってシュートにつなぐことができました。反対に、第2・3ピリオドは相手のスピードが段々上がってきたうえに、こちらも失速してしまってあまり(フォアチェックを)できなかったのでそこはうちの強みとしてもっと磨いていかなければならないなというのは感じています。

 

──後半は攻め込まれる場面も多かったと思いますがどのように捉えていますか

単純に弊部の問題点として「体力のなさ」があります。いつも陸上でトレーニングはしているんですけど、その追い込みが足りないことや1年生が入ってきて全体として良い雰囲気で練習ができていない部分があるのでそういった部分が課題かなと感じています。反対に相手の面に関して、早稲田は先週試合をしていなかった分、後半になるにつれて試合勘が戻ってきたのかなというのはプレーしていて感じました。早稲田はスピードが他のチーム以上にあるのでそこについていくために今までよりスタミナが求められるという印象です。

 

──早慶戦までの課題

課題は体力的な部分がまだ足りないことです。二週間という短い中で、体力を上げつつ疲れをためないというのはすごく難しいとは思うんですけど、そこに力を入れてやっていきたいなと思っています。

 

──今試合を踏まえて早慶戦に生かしたいこと

フォアチェックなど相手に効いていた部分もあったと思いますし、ブレイクアウト(守備から攻撃に展開する流れ)であったり作戦面でこちらで用意したものがある程度通用することがわかったので、それをこの二週間詰めていきたいなと思っています。

 

立島健大(政4・慶應)選手

──今大会はAマークをつけて挑んだ大会でしたが、これまでと何か心境の変化はありましたか

これまで試合に出場させていただいている中で、アシストに徹するというか先輩に頼る部分が多かったです。パワープレーやキルプレーのスペシャルプレーといわれるプレーにも出させていただいているけど、すぐに交代することもありました。(Aマークをつけて)頼るプレーができなくなってしまったので、責任感や「自分がどうにかする」という気持ちをより強く感じた期間でした。

 

──今大会で得た成果はありますか

自分は主将の有馬とは全く違うリーダー像だと感じています。有馬は日本一を経験している強いリーダーですが、自分は慶應義塾高校出身で下から底上げをするリーダーなのかなと思っています。春に多くの慶應義塾高校出身の1年生が入ってきてから積極的に話しかけたり、彼らがチームの輪にとけこめるような工夫をしています。彼らがだんだんとチームにとけこむことができるようになったのも自分がリーダーとして得られた成果なのかなと思っています。

 

──今までとの対戦相手との違いはありましたか

自分は2セット目で相手の2セット目とマッチアップすることが多かったです。相手の2セット目は日本代表を多く有するようなセットで守備する時間が多くなったなと思っています。先週の神奈川大学戦では攻めにフォーカスを充てる必要がありましたが、今回は守りからワンチャンスを狙ってシュートを決めるかが求められました。フォワードながらも守りに関して意識することが多かったです。

 

──早慶戦に向けての意気込み

今日は負けてしまったんですけど、冬には52年ぶりの勝利ができました。自分がAマークをつけて迎える初めての早慶戦ではあるので、個人としても部としてもより一層気を引き締めて試合に挑んでいきたいと思いますので、ぜひ勝ちたいなと思っています。

 

小島佑太(法4・慶應)選手

──主務として挑んだ今大会でしたが、これまでとの変化はありましたか

幹部としてチームを引っ張って行くという意識を持ちながら挑んだ大会でした。去年より責任感は重くなったのかなと思っています。ただ最後はなかなか思うようにいかなかったのでそこは心残りです。

 

──今大会得た成果はありますか

初戦の立教戦では嫌な負け方をしましたが、そこからチームとして四週間かけて立て直していって、最後の早稲田戦に関しては第1ピリオドに良い試合ができてステップアップできた部分はありました。ここは秋シーズンに向けて得られた成果かなと思います。

 

──先制点を決めるなど良い流れだったが後半は相手のスピードもあがり、攻め込まれるシーンも増えているように見受けられました。対戦していて何か変化はありましたか

自分自身、第1ピリオドが終わった時点で足がガクガクでした。第2ピリオドの最初は頑張れたんですけど、第2ピリオド後半から第3ピリオドは全員足が止まってしまって、それが結果に表れてしまいました。二週間後の早慶戦に向けては陸上で追い込んで、全員スタミナをつけて60分間走り切れるようにしたいと思います。

 

──陸上トレーニングは具体的に何をしていますか

基本的にトレーナーが考えたメニューをします。強度が高い時であれば、5キロ走、1-2キロ走や坂ダッシュ、筋力系のステーションドリルを週2回ほどやっています。

 

──早慶戦に向けて意気込み

個人としては残り2回の早慶戦ですし、チームとしても今年1月の早慶戦で勝利して春勝てば「連覇」できるので、そこに対しては気合が入っていると思います。秩父宮杯が良くなかった分、しっかり勝って良い形で終われるように頑張りたいなと思います。

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