【庭球(男子)】菅谷優作が単複優勝で単・初タイトル! 主将副将ペアが最後の春関で躍動/2025年関東学生テニストーナメント大会(春関)

庭球男子

ついに最終日を迎えた、春関2025。慶大からは、男子シングルスでは主将・菅谷優作(法4・慶應)が、男子ダブルスは菅谷優作(主将)・有本響(副将/総4・慶應)ペアが決勝に駒を進めた。シングルス決勝は、菅谷の1セットダウンからスタート。それでも、6ー1、6ー4で筑波大・髙妻蘭丸(体育専門学群3年・大分舞鶴)を下し、初のシングルスタイトルを獲得。ダブルス決勝のカードは、春関の大トリに相応しい早慶戦。両者の意地がぶつかり合い第1セットから6ー6タイブレークに突入。4度のデュースの末に、慶大の有本・菅谷ペアがこのセットを勝ち取る。続く第2セットは、3ー5の1セットダウンから慶大ペアが勝負強さをみせてイーブンに戻すと、またもタイブレークを制した有本・菅谷ペアが春関優勝。8日間に及ぶ春関本戦において、菅谷は春関無敗で圧巻の「単複優勝」を成し遂げ、シングルスで悔し涙を呑んだ有本もダブルスで意地をみせた。

2025春季学生テニストーナメント 決勝

5月5日(月)@有明テニスの森ショーコート

♢試合結果♢

シングルス決勝

優勝:菅谷優作(慶大) 

菅谷優作(法4・慶應)

 〇2{5ー7、6ー1、6ー4}1●         

髙妻蘭丸(筑波大)

※シングルス:ベストオブ3タイブレークセットマッチ

 

ダブルス決勝

優勝:有本響・菅谷優作(慶大)

有本響(総4・慶應)・菅谷優作(法4・慶應)

〇2{7ー6(9)、7ー6(5)}0●    

藤田大地・森田皐介(早大)

※ダブルス:ベストオブ3タイブレークセットマッチノーアドファイナル10ポイントタイブレーク(ノンアドバンテージ/最終第3セットは10ポイントタイブレーク制) 

 

※以下、試合終了順に掲載

♢シングルス♢

菅谷優作(法4・慶應)

〇3{5ー7、6ー1、6ー4}1●

髙妻蘭丸(筑波大)

男子シングルス決勝は、菅谷のサービスゲームでスタート。持ち前の強烈なサーブで幸先の良い立ち上がりを見せると、最後はサービスエースで締めくくり1ー0。しかし、第3ゲームでは攻めたショットでのミスが続き、早くも1ブレイクダウン。それでもゲームカウント2ー3から、フォアハンドのダウンザラインのウィナーや完璧なドロップショットでブレイクバック。3ー3のイーブンとするも、直後に再びブレイクを許し菅谷の1ブレイクダウンに。進一退のゲームを繰り広げるが、5ー7で第1セットを落とす。

フォアハンドを打つ菅谷

続く第2セットは、菅谷がサーブでノータッチエースを連発し1ー0。そして、この試合の流れを作ったのは第2ゲーム。相手の強打に対して、スライスやスピンをうまく使い分けてくらいつき、ミスを誘う。3度目のデュースで相手のダブルフォルトによりアドバンテージを握ると、バックサイドの深いところをつく強烈なショットで相手を圧倒。良い形で1ブレイクアップし、流れを手繰り寄せる。所々で髙妻のフォアハンドが炸裂するも菅谷はスピンで応戦し、甘く浮いた球をドライブボレーで相手コートに叩き込む。両者ともに連戦の疲れも垣間見えるが、菅谷は強烈なサーブを軸に、ストロークではスピードとスピン量をうまく使い分けて試合をリード。6ー1で第2セットを勝ち取る。

菅谷のサービスエースは圧巻

関東一を決める第3セットは、髙妻のキープで幕を開ける。続く菅谷のサービスゲームでは相手に2度のブレイクポイントを握られるが、要所でサービスエースを決めるなど勝負強さをみせブレイクを許さない。そして5度のデュースの末に、菅谷がキープに成功する。さらに、2ー2で迎えた第5ゲームでは菅谷のバックハンドが冴え渡り、ラブゲームでブレイクに成功。3ー2で、菅谷が一歩前に出る。互いにキープを続け、セットカウントは5ー4。菅谷は強烈なサーブで相手をフォアサイドに走らせると、バックハンドでクロスをつき15ー0。さらにサーブで相手のアウトを誘い30ー0とすると、今度は浅くなったレシーブをフォアサイドに叩き込み、菅谷のチャンピオンシップポイント。最後は、外に逃げるサーブで相手のフォアサイドを空けると、フォアハンドのノータッチエースが決まりゲームセット。菅谷は帽子を投げると、応援に駆けつけた仲間に向かって歓喜の雄叫び。髙妻とも、笑顔で健闘を称え合った。菅谷はセットカウント2ー1(5ー7、6ー1、6ー4)で春関を制し、初のシングルスタイトルを獲得した。

優勝の瞬間

笑顔で健闘を称え合う

♢ダブルス♢

有本響(総4・慶應)・菅谷優作(法4・慶應)

〇3{1ー6、6ー0、12ー10}0 ●     

藤田大地・森田皐介(早大)

男子ダブルス決勝のカードは、春関の大トリに相応しい早慶戦。第1シードの菅谷優作・有本響の慶大主将・副将ペアと、早大主将の藤田大地(スポ4・相生学院)・森田皐介(スポ3・柳川)ペアが激突した。第1セット序盤から両者の意地がぶつかり合い、サーブアンドボレーでキープを重ねる。試合が動いたのは第5ゲーム。0ー30から、有本と菅谷がレシーブでスーパーショットを連発。3連続ポイントで40ー30とすると、最後は有本がバックハンドでストレートを抜きブレイクに成功する。しかし、4ー3で迎えた有本のサービスゲームでは、前に上がり2人で「壁」を作る有本・菅谷ペアのプレースタイルに早大が適応。有本の足元や菅谷の手元をつく精度の高いショットに慶大のミスが重なり、ブレイクバックを許す。

ボレーを沈める菅谷

その後は両者譲らず、試合は6ー6タイブレークに突入。有本のボレーや菅谷のフォアハンドで4ー1とリードを広げるが、早大ペアもコントロールショットで対抗し4連続ポイント。4ー5と一気に逆転されるが、互いにキープを続け試合は拮抗する。1プレー1プレーに会場が湧く中、菅谷のサーブから有本がスマッシュを決め10ー9とすると、直後に有本のレシーブが相手ボレーヤーのミスを誘い11ー9。慶大の有本・菅谷ペアが4度のデュースに及ぶ大熱戦を制する。

ガッツポーズする有本(左)と菅谷(右)

勢いそのままに勝ち切りたい第2セットだが、いきなり菅谷のサービスゲームを落としてしまう。慶大の1セットダウンで試合が進み、2ー3で迎えた第6ゲーム。有本・菅谷ペアは「後衛がレシーブで崩し、前衛がボレーで決める」良い形でポイントを重ね、このゲームを支配。40ー15でブレイクバックし、3ー3のイーブンに戻す。しかし、ここから早大ペアが一気にギアを上げ、再び1ブレイクダウンとされる。ゲームカウント3ー5で、慶大主将・菅谷のサービスゲームを迎える。絶対に落とせないこのゲームで、菅谷は脅威の集中力と主将の意地を見せつける。2本連続のサービスエース、さらに相手のレシーブミスで40ー0。その後デュースに持ち込まれるが、最後はセンターへのサービスエースで勝負強さを発揮する。尚も落とせない第10ゲームで慶大ペアがデュースからブレイクに成功し、ゲームカウントは5ー5。続く第11、12ゲームはいずれもデュースにもつれ込むが、互いにキープとなる。

スマッシュを決める有本

第1セット同様6ー6タイブレークに突入すると、互いにキープで両者譲らず。それでも5ー4の場面で、有本がバックハンドを相手選手の足元に沈めてミスを誘い、慶大ペアのチャンピオンシップポイント。直後のポイントは惜しくも早大に献上するが、6ー5で2度目のチャンピオンシップポイントを迎える。有本のサーブが相手コートのセンターを突き刺すと、甘く浮いたレシーブを菅谷がバックボレーで叩き込みゲームセット。慶大の有本・菅谷ペアが2度のタイブレークを勝ち切り、7ー6(9)、7ー6(5)で早大を下し春関優勝。8日間に及ぶ春関本戦において、菅谷は春関無敗で圧巻の「単複優勝」を成し遂げ、シングルスで悔し涙を呑んだ有本もダブルスで意地をみせた。

ハイタッチを交わす有本(左)と菅谷(右)

表彰式の有本(左)と菅谷(右)

      

  (取材:長掛真依、梅木陽咲)

♢選手コメント♢

主将・菅谷優作選手(法4・慶應)

ーー春関、単複優勝おめでとうございます!今のお気持ちを教えてください

主将としてすごく意識していた大会で、この後早慶戦とかもあるので自分の1勝1敗がチームにとっての流れにも繋がると思っていたので、そういった意味で責任感を感じながら挑んだ大会だったので結果を出せて嬉しいなと思います。

ーー登場にもこだわられていたとお伺いしましたが…

シングルスの登場

よかったです(笑)。シングルス、ダブルスどっちもワンピースのキャラクターの真似をして入場していて、昨日ギアセカンドで入ったので今日はレベルアップしてギア5で入ろうと思って入ったらシングルス優勝できたので、レベルアップして良かったなと思います!ダブルスはもうエンターテインメントで入ろうと思って、ラケット3本使ってくるくる回しながら3刀流で入ったんですけど、それも結果的に良かったです(笑)。

ーー春関シングルスを振り返って

4回戦が結構山場だったなと思っていて。4時間ちょっとの試合を耐え抜いて勝てたのが本当に自信にも繋がったところはあったので、そういった状況で勝ち上がれたのは良かったなと思います。

ーー今日のシングルス決勝を振り返って

1セット最初に落としましたけれど、自分の中で(流れを)掴みつつはあったので、ちょっと最後疲れて足が一歩出なかったなというところは2セット目以降で修正できたので。相手もちょっと疲れが見えてきていたので、ここで粘ったらいけるなという感覚はあった中で耐え抜いて勝てたかなと思います。

ーーフォアハンドが強烈な髙妻選手に対して、バックサイドを狙われている印象でした

フォアハンドが強い選手というのは分かっていて、あまりフォアハンド打たれたくないなと思ってバックを狙っていたんですけど。それが良かったりとか、たまにフォアに振ってみたらバックサイドが空き始めたりということもあったので、試合前に練っていた作戦がうまくハマったかなというイメージはあります。

ーー試合終盤には何度もデュースにもつれこみました

自分のサービスゲームでデュースが続いていたと思うんですけど、緊張感ある中でも強気で前に出ようと思ってプレーしていたので、そういったところで引かずにプレーできたのは去年からの進歩でもあるし、今後の強みとしても生きるのかなと思います。

ーーダブルスは振り返っていかがですか

今まで本当に良い時はすごく調子が良いし、悪い時は本当に何も入らないみたいなダブルスだったんですけど、トーナメント通して6試合全てストレート勝ちできたところ。去年インカレをとった(制覇)後からは、安定感のあるダブルスに仕上がってきているなというのを今大会でも感じたので、今後はもっと堅くて強いダブルスというのを磨いていきたいなと思います。

ーー早大ペアは精度の高いアングルショットなども目立ちました

そういったショットが入ってきたらもうしょうがないと思って、ひたすら真ん中に集めて、相手の打てるところを減らして相手を無理させるということを徹底するしかないなと思っていたので、ラリーの中で最後に1本相手にミスが出たというところで差がついたのかなと思います。

ーー早慶戦なども控えておりますが、今後はどう調整していきたいですか

個人的には疲れているので1回休んで、チーム的に考えれば1回戦負けの選手も結構いて、上の方の選手が勝ち上がったという状況ではあるので、もっと層を厚くするというところ。全員で鼓舞しあいながら仕上げていきたいなと思います。

 

有本響選手(総4・慶應)

ーーダブルス優勝おめでとうございます!今のお気持ちを教えてください

やっぱり自分はシングルスで早く負けてしまった分、ダブルスは優勝しなきゃいけないと思っていたので、しっかりそれを達成できて良かったなと思います。

ーーダブルス決勝を振り返って

1st、2nd、どっちも緊張した場面も多かったですし、40ー40から本当にその一本で勝負が分かれていたなというところもあったので、勝負どころでしっかり締められたのはすごく自信になったかなと思います。

ーー第2セットのタイブレーク6ー3の場面ではバックハンドの素晴らしいプレーもありましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

点数的には70点くらいかなと思っていて、正直自分の得意なボレーの感覚があまり良くなかったので、その分リターンだったり取れるところで割り切って強気でプレーできたのが、最後大事な場面で活きてきたのかなと思います。

ーー早大ペアと戦う上で意識されていたことは

この後6月中旬に早慶戦があるというところで、この勝利が早慶戦の勝利にも繋がってくると思っていたので、そういったところは本当に意識して勝ちを狙っていました。

ーーちなみに、登場にもこだわられていましたか

今日は部旗を持ってという感じだったのでそこまで考えてなくて、優作の方はワンピース関連でやっていたと思うんですけど(笑)。本当に演出とかも今までやったことなかったのでしっかり考えて臨みました。

ダブルスの登場シーン

ーー春関全体を振り返って

ダブルスは本当に今日優勝できて素直に嬉しいなと思います。ただシングルスは1回戦で負けてしまって、インカレの予選にいけるか、いけないかというところに今いるので、その勝負が来週、再来週あるので、ここで満足せずにしっかりシングルスもまた明日から練習していきたいなと思います。

ーー早慶戦なども控えておりますが、今後はどう調整していきたいですか

自分自身の苦手な部分もそうですけれど、しっかり武器を伸ばしていくということが今後に向けて大事になってくるかなと思っているので、何が武器で、どういったところで勝負していくのかというところは大事な場面で活きてくると思うので。武器を磨いていくというところは、この数ヶ月間でまた取り組んで行きたいなと思います。

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