【バレーボール】慶大、開幕3連勝! 夏に磨いたブロックが光る/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第3日 vs 明治学院大

バレー戦評

1部昇格を目指す秋季リーグ、勢いに乗りたい慶大は第3戦・明治学院大との一戦に臨んだ。第1セットは序盤から拮抗する展開となったが、中島昊(経1・慶應)のサーブを起点に4連続ブレイク。ブロックで主導権を握り、25-20で先取した。第2セットは立ち上がりからリードを許し、終盤には6連続失点。反撃の糸口をつかめず、17-25で落とす。流れを切り替えた第3セットは、山口快人(経3・慶應)の先制スパイクを皮切りに稲井正太郎(法2・慶應)・清水悠斗(総2・習志野)のブロックが冴え、サーブ&ブロックで突き放す。25-12と圧倒し、再びリードを奪った。第4セットは松山鼓太郎(商3・慶應)が攻守で存在感を発揮。序盤から優位に立つと、清水のサーブを起点に6連続ブレイク。入来晃徳(環4・佐世保南)や山口の高さを生かした攻撃も決まり、相手を寄せつけない。最後は25-9の大差で締めくくった。
セットカウント3-1で勝利した慶大は、開幕からの連勝を3に伸ばし、1部昇格へ向けて弾みをつけた。


 

2025年9月13日(土)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 @亜細亜大学

第3日 慶大×明治学院大

 

得点

 

 

慶大

セット

明治学院大

25

20

17

25

25

12

25

 

出場選手

 

 

ポジション   

背番号

名前(学部学年・出身校)

OH

清水悠斗(総2・習志野)

MB

中島昊(経1・慶應)

OP

11

入来晃徳(環4・佐世保南)

OH

山口快人(経3・慶應)

MB

22

稲井正太郎(法2・慶應)

S

13

松田悠冬(商1・慶應)

L

今田匠海(政2・慶應)

途中出場

 

 

MB

松山鼓太郎(商3・慶應)

S

15

久保田健介(商4・慶應湘南藤沢)

S

26

岩間 祥成(環2・成城)

 

MB・稲井

 第1セットは序盤からサイドアウトの取り合いとなる。今季初スタメン出場のMB・中島昊(経1・慶應)の得点から始まるも、S・松田悠冬(商1・慶應)とアタッカー陣のコンビに乱れがあり、失点。すぐにOH・山口快人(経3・慶應)がスパイクでサイドアウトを奪うが、相手にも鋭いスパイクを決められ同点にされる。MB・稲井正太郎(法2・慶應)がクイックやブロックで得点し6-4とするが、なかなか点差を広げられない。OP・入来晃徳(環4・佐世保南)を始めとする慶大のスパイカー陣が相手ブロックを避けてスパイクを打ち込むも、明学大のレシーバー陣に上手く拾われ、16-15と拮抗した試合展開に。しかし、相手のミスで慶大が得点すると、入来・稲井・山口が立て続けにブロックに成功。慶大が力を入れるブロックからの攻撃を組み立て、中島のサーブから4連続ブレイクする。その勢いのまま、25-20で第1セットを奪う。

OP・入来

 第2セット、レフトにスパイクを打ち込まれ先制されると、続く慶大のスパイクもブロックされ、明学大にリードを許す形で試合が進む。1-3から、OP・入来晃徳が相手に触らせない強烈なスパイクを叩き込む。逆転したい慶大だが、相手に上手くブロックをかわされ、サイドアウトを取られる。両者譲らないまま10-10、MB・稲井正太郎がクイックで連続得点し逆転に成功するも、点差は広がらない。15-16の場面ではMB・中島昊に代わって松山鼓太郎(商3・慶應)が投入され、ブロックでプレッシャーをかけて相手のミスを誘う。しかし16-16から相手の好ディグや息の合った攻撃に押され、6連続ブレイクを許す。OH・清水悠斗(総2・習志野)のスパイクでサイドアウトを取るも、点差を縮められず17-25で第2セットを落とす。

MB・稲井、S・松田

 第3セット、OH・山口快人のスパイクでの先制を皮切りに、MB・稲井正太郎やOH・清水悠斗のブロックで慶大は攻撃のリズムを掴む。13-11の場面では、慶大のレシーブが崩されたものの、稲井が決め切るなど、理想の攻撃体制ではなくても得点を奪う慶大の底力を見られた。セット後半もサーブ&ブロックで得点を積み上げ、25-12で第3セットを奪取する。

OH・山口、MB・稲井

 セットカウント2-1で迎えた第4セット、MB・松山鼓太郎の活躍で慶大は波に乗る。松山のブロックや相手の崩れたところを狙うスパイクで8-4にすると、OH・清水悠斗がコート上でスリップしてしまい失点するが、再び松山がスパイクでサイドアウトを奪い、慶大の流れを切らさない。11-6、清水のサーブから始まると、OP・入来晃徳や松山のスパイクなどで慶大は6連続ブレイク。相手にサイドアウトを取られ17-7となるが、OH・山口快人や入来の高さを活かしたスパイクですぐにサイドアウトを奪いブレイクすると、相手のミスも目立ち始め、二桁得点を許さずに25-9でゲームセット。セットカウント3-1で慶大は開幕から3連勝となった。

 

(取材:梅木陽咲)

 

▼以下、コメント

星谷監督

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

春、立教大学に負けを喫したこの亜細亜大学の会場でしたが、そのときとは違う新しい気持ちで臨みました。明治学院大も非常にいいバレーをしていたのですが、慶大もそこを持ち直して自分たちの形でのバレーボールが展開できたので、成長したと言える試合だったと思います。

――今日は第1セットからMB・中島昊選手(経1・慶應)が出場しましたが、監督の目からはどう映りましたか

自分が今までにやってきたものを最大限に発揮する、ということをしっかり心掛けてやっていたなと思います。ただ、プレーにおいて相手に対応する動きや、自分の周辺に来たボールへの一瞬の判断といったところをもう少し磨いていけると、さらにポテンシャルが発揮されるんじゃないかなと思います。

――第2セットは終盤に6連続ブレイクを許すなど苦しい展開が続きましたが、振り返っていかがですか

向こうの戦い方としては、サーブを思い切り攻めて、慶大のレセプションを崩しにいく。そこからハイセットの状況をつくってミスを誘う、あるいはディフェンスしやすい状況をつくってトランジションを成功させる、というものだったと思うのですが、そこに上手くはめられてしまって、途中から慶大側も対応しようと試みたものの、経験が足りず、あたふたして修正が効かない状態になり、それぞれのプレーの関係性がこじれて連続失点に繋がったんじゃないかなと思います。

――第2セットを落とした後の、第3・4セットの戦い方はいかがでしたか

2セット目でやられてしまった、サーブレシーブを崩されるところについてしっかり修正ができて、パスを返し、サイドアウトを切るという展開を終始やり続けることができたのが非常によかったと思います。

――第4セットではMB・松山鼓太郎選手(商3・慶應)の活躍が目立っていましたが、どのようにご覧になりますか

自分の一選手としての役割が何かを非常によく理解し、試合の中でも最初から最後までそれを発揮し続けるということができていて、素晴らしい選手だと思います。今週は平日の練習で思うように準備ができなかったこともあって、途中出場になりましたが、それでも自分の持つ技術や、チームを盛り上げるという役割をこなしたのが素晴らしかったです。松山のおかげでチームががらっと変わったんじゃないかなと思います。

 

#9 MB・松山鼓太郎(商3・慶應)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

すごくよかったなと思っています。自分たちが今まで取り組んできてきたブロックを、組織として機能させることができたのでよかったです。サーブもチーム全体としてしっかりと効果を出せていたので、これまでの取り組みが結構目に見えて現れた試合だなと思います。

――第2セット途中から出場になりましたが

今週は私用で練習に参加できていなくて、今日は後輩がスタートから出ていたんですけど、星谷さんからは「試合前に常に準備しておいてほしい」と言われていました。自分自身も1部に昇格するというチームの目標を達成するためにも、就職活動をしながら試合に向けてのコンディション管理などベストを尽くしていたので、いつでも出られるよう準備をしていました。

――スパイクはもちろんですが今日の試合ではブロックが特に光っていたように思います。試合中はどのようなことを意識していましたか

今日に限らずいつもやっていることなのですが、相手を見るということを意識していて、相手のプレー中の動作やセッターの癖、どういうコンビをやってくるのかという特徴を1セット目が終わるまでに言語化できるようにしています。今日は2セット目から出場して、自分の中でブロックが掴めていなかった印象があったので、時間差攻撃をやられてしまったり、左手を出せずに自分の守備範囲を守れなかったりという場面がたくさんあったので、もっと早い段階で気付けたらよかったなとは思いました。

――オフシーズンに重点的にとりくんでいたことはありますか

チームとしてはブロック。上手い選手が揃ったチームじゃないからこそ、高さで圧倒しないといけないので、夏は常にMBを中心にブロックを意識して取り組んできました。個人としては、チームとしての存在意義というのを意識するようにしていました。来年は最上級生にもなるし、試合にもチームを代表して出ている立場なので、今までの1、2年生のときのようにただ試合に出て、結果が出た・出なかったではなく、より具体的にバレーボールについて考えるようになりました。一つ一つのプレーを繊細にというか、ミスしたら何が原因だったのか、ブロックが止まったら何で止まったのかを自分の中で具体化して、言語化できるようにというのを意識していました。

――具体化を意識したことで春からの変化は感じていますか

感じています。プレーが安定したなと思います。春は結構感覚でプレーしていたところが大きくて、結果論に基づいているというか。ダメだったとしても、昨日よかったしいいか、という感じで。今は一つ一つのプレーをしっかり言語化して咀嚼しているので、上手くいかないときでも、自分がやらないといけないことが明確になっているので、そこまで下ぶれない。そういったところでプレーが安定してきたなと思います。

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