【野球】大学選手権初戦 竹内一のサヨナラ打で準々決勝進出 桐蔭横浜大戦

6月9日(水) 慶大―桐蔭横浜大 二回戦 @神宮球場

takeuchi

サヨナラ打を放った竹内一

先日の東京六大学リーグ戦優勝により、13年ぶり8回目の全日本大学野球選手権大会出場を果たした慶大。シードされ初戦となった2回戦、前日完封勝利を挙げた好投手・東明擁する桐蔭横浜大(神奈川大学野球連盟)と対戦した。慶大・福谷、桐蔭横浜大・東明の息詰まる投手戦となったが、この試合指名打者で出場した竹内一のサヨナラ打で慶大が辛勝。準々決勝へ駒を進めた。

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桐蔭横浜大 000000100 1
 慶   大 000000101 2

 慶大:○福谷-長﨑

 慶大出場選手

 1 [6] 渕上(商4・慶應)

 2 [4] 湯本(商4・野沢北)
 3 [9] 山口(商4・慶應)
 4 [9] 伊藤(環3・中京大中京)
 5 [3] 髙尾(商4・慶應)
 6 [5] 松尾(環4・鳥栖)
    [H]  山﨑(商2・慶應)
 7 [D] 竹内一(商4・慶應)
 8 [8] 青山(環4・関西学院)
   [H] 伊場(政3・慶應)
   [8] 辰巳(文2・郡山)
 9 [2] 長﨑(商4・高志)
 P [1] 福谷(理2・横須賀)
 
雨天による第2試合の試合開始時刻の遅延や前の試合が延長戦となった影響などで、試合開始が大幅に遅れ、初回から照明が灯されナイトゲームとなったこの試合。慶大先発の福谷(理2)は序盤からテンポの良い投球を披露。さらにストレートの最速は150キロに達し、桐蔭横浜大打線を寄せ付けない。

しかし対する桐蔭横浜大先発の東明も連投の疲れを感じさせず、抜群のコントロールと切れのあるストレートを武器に慶大打線を6回まで被安打0、四球2つと完全に抑え込む。

試合が動いたのは7回。簡単に2死まできた福谷であったが、5番・佐々木に四球を与えると、続く塩崎に右前安打を許し、2死一、二塁となる。落ち着いて後続を断ちたい慶大バッテリーであったが、続く斎藤への2球目に三盗を許すと、さらに4球目に桐蔭横浜大が重盗を敢行。これが成功し、佐々木が生還、桐蔭横浜大が1点を先制した。

しかしその裏、ここまで無安打の慶大打線であったが、3番・山口(商4)がこの試合チーム初安打を放つと、一気に流れは慶大へ。その後、伊藤(環3)が内野安打、髙尾(商4)が四球で出塁し、2死満塁となり迎えるのは、早大3回戦で猛打賞の竹内一(商4)。この場面で、ここまで抜群の制球だった東明が竹内一に死球を与えてしまい、慶大がすぐに同点に追いつく。

その後立ち直った福谷は9回にも150キロを計測するなど、終盤に入っても衰えを見せないストレートを武器に8回、9回を0点に抑え、打線の援護を待つ。

そして同点で迎えた9回裏、試合を決めたのも竹内一だった。2死二塁、一打サヨナラの場面で打席に立つと、その2球目。竹内一が放った打球はレフトの頭上を越え、2塁走者・伊藤が生還。2-1で、慶大がサヨナラ勝利、準々決勝に進出した。

「負けたら終わり」のトーナメントの重圧の中、劇的な幕切れで、リーグ戦からの勝負強さの健在ぶりを印象付けた慶大。明日は4強をかけて、こちらも前の試合でサヨナラ勝利を収めた中央学院大(千葉県大学野球連盟)との対戦となる。慶大同様勢いに乗る相手にどのような戦いを見せるか。2000年以来の日本一、1987年以来の大学選手権制覇へ、慶大の勢いは止まらない。

                                       By Kenji Okamoto

選手のコメント
 
江藤監督
(他リーグの相手だが、事前の情報は)テレビで昨日見ていたけど、 やっぱり打席に立ってみなきゃわからない。(東明投手は) コントロール良かったでしょ。ストレートでバンバン追い込んでくるから、バッターは受け身になっちゃった。彼は連投だったから終盤崩れたんだと思う。うちにとってはラッキーだったな、あれが初戦だったら完封されていた。(途中まで何を考えていたか)ノーヒットノーランかなって (笑)まぁでもチャンスは必ず来る。だから選手には1点で我慢しようって言っていた。(リーグ戦との戦いは違うか)DHがあるから調子の良い人を4打席使える。今日はいろんな人を使いたかったんだけど。誰がいいか見たかった。(日本シリーズみたいなものか)そうですよ。とにかく勝つためにそこで役に立つんなら、どんな控えの人でも使っていくしかないでしょう。(福谷はどうだったか)1週間の練習の中で、ぐっと調子があがってきていた。彼は法政戦で完封したけどその後は、立ち上がりが悪かったり、真っすぐだけに頼ったりして痛打されていますからね。今日はある程度いいピッチングしたと思う。(早大3回戦から、竹内一がラッキーボーイだが)今のところ1番調子いい。彼はいつ出てもいい状態を作ってくれている。ベンチから外れたこともあったけど、外れた時も絶対に練習は手を抜かないから、そういう選手は絶対活躍する。それがこの前と今日。(選手権では六大学が強いというところを見せたいと言っていたが)六大学の代表だから、行くところまで行って負けたらしょうがないけど、1回戦では負けられない。今日は必死でしたよ。(早大3回戦に続き今日は監督自らノックをしていたが)あれは縁起。なんとかそのままの流れでいきたかったから。(次も監督が)そうですね。年寄りだからノックできないと思っているだろ?(笑)次はキャッチャーフライも打つよ。(笑)

竹内一

(打ったときの感触は)打った瞬間外野を越えると思った。(早慶戦に続いていいところで打てているが)ここ一番で打てているのはたまたま。だけどいいところで打てるのはやっぱりうれしい。(今日は不利な状況からの逆転だったが)途中まで試合展開はあやしかった。投手が頑張っていたから野手が頑張らないとと思っていた。だから最後に打ててよかった。(トーナメント戦はやはりいつものリーグ戦とは違うか)リーグ戦は負けたら次へと気持ちを切り替えられるが、トーナメントは負けたら終わりなので。やっぱりプレッシャーは強い。(DHに違和感はないか)守備についた方が試合に入りやすいが練習試合ではDHでも試合に出ていたので特に違和感はなかった。(6回までチームが無安打だったが途中から何か対策を立てたか)最初はフライが多くて簡単に攻撃が終わっていたが後半は低く強い打球を飛ばすよう意識した。(同点の押し出しデッドボールについて)よける気はなかった。とにかく一点をとろうと思っていたので。(日本一のプレッシャーというものはあるか)日本一にならないとというプレッシャーはある。逆にプレッシャーがないとできないと思う。(次戦の意気込みを)次戦は野手が頑張って少しでも投手を楽にできるようにしたい。

福谷

(今日の先発はいつ伝えられたか)昨日の練習中に。(調子は)体の調子自体はいいとは思わなかったがそこでこそ調整していかないと、これから先発などできないと思うので。(投手戦になると予想していたか)相手が分からないチームだったしピッチャーが東明投手であるということもあったが、ここまでとは思わなかった。最初、自分がつまずくかなと思っていた。(全国のピッチャーはどうか)昨日の試合を特に見ていないので。でも、元々全国にでてくるピッチャーはすごいと思っている。(全国大会は初めてか)もちろん。(緊張は)東京六大学でやってきたという過信ではない自信があったので、気負いはなかった。(なかなかヒットが出なかったが)こういう試合だと一本出れば続くと思ったので自分はホームにかえさないようにすることだけ考えていた。(DH制だったが)リーグ戦以外はDHなので、自分にとっては投げることに集中できるので合わせやすい。(9回にブルペンにいたが延長では代わる予定だったか)延長だったら次のピッチャーと決まっていたので。(余力はあったのでは)監督に「抑えられるか」と言われて、自分がそうであるか考えた時に終盤で疲れもあったので代わった方がいいと思った。(三盗を二回決められたが)一回目は完全に反省すべき点。二回目は一か八かという感じだったので。(トーナメントとリーグ戦の違いは)第一に負けられない試合なので。勝ち続けなければならないから最初から最後まで流れをチームに引き寄せていられるかが大事。(相手は一つ勝ってきているチームだったが)勢いがあった。でも(昨日の桐蔭横浜大の試合は)神宮でなかったから良かったなとは思ったりもした。(ナイターの試合はどうだったか)去年の夏のオール早慶戦でしていたので気にしなかった。ナイターの方が好きです(笑)(気になる投手は)個人的には高校から知り合いの創価大の小川投手。(前の試合が長引き長い時間待たされたが)体が少し冷えてしまって大丈夫かなという心配はあった。(チームのムードは)チームとして焦りが見えたような試合だったので、明日からもう一回チーム一丸となって挑戦者として頑張りたい。

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