フェンシングの関東学生選手権大会が10月7~14日(9~11日は試合なし)に駒沢屋内球技場で行われ、慶大からも多数の選手が出場。その中で、男子フルーレ個人では、5月に行われた高円宮牌フェンシングワールドカップ2010でも8位入賞を果たした三宅諒(文2)が前評判通りの実力を見せ、優勝した。
世界を経験している三宅にとっては「通過点」とも言える今大会。難なく予選を突破すると、その後も順調に勝ち上がり、決勝こそ接戦となったものの、最終的には貫禄を見せつける結果となった。三宅はこの後、パリで行われる世界選手権(11月4~13日)にも出場する。
また、女子フルーレ個人・女子エペ個人でともにベスト16に進出した鬼沢麻由(総4)、女子エペ個人で6位に入った松島智美(環4)、男子エペ個人で32位となった杉山大悟(総2)の3選手がインカレへの出場権を獲得。京都の京都大山崎体育館で10月20~24日に行われる第60回全日本学生個人選手権大会に出場する。
岸田主将・三宅選手インタビュー
―夏にチームでやってきたことは
岸田 フェンシングは1対1でやる個人競技というイメージが強いと思うんですけど、団体戦はイタリアンリーグ形式とおって45点までみんなでバトンをつないで積み重ねていく競技なので、一人一人が飛び抜けて強いのではなくみんなでまとまっていかなければ勝てない競技なんですよ。それもあるので、個人個人の技を磨いていくのももちろんですけど、チームワークを良くしていこうという形でやってきました。技術的な面もお互いアドバイスしあったり、それ以外のミーティングを増やしてお互いどういうことを考えているかとかどういうことを目指しているかを部で共有してやってきました。技術的には体力をつけようということで、今年の夏は体力練習もやってきました。
―まとめていく中で苦労したことは
岸田 フェンシングはフルーレ、エペ、サーブルと3つ種目があってそれぞれ競技特性が違うこともあって、やるメンバーも分かれているんです。その中で主将が今までは部員が少なかったこともあって全部をみていたんですけど、そうじゃなくて種目毎にリーダーを置いてやってきました。そのリーダーが小さいとこ(各種目)をまとめていって、主将が全部を見るということをやってきました。最初の滑り出しが中々うまくいかなかったということはありました。
―フルーレ、エペ、サーブルと3種目分かれているとまとめるのは大変だったか
岸田 主将が全部を決めて「これをやれ」という形でトップダウンというのは楽だと思うんですけど、部員も昔と比べて増えてきていて、塾高(慶應高校)も人数が多いですから、彼らが続けてくれれば部員も大分増えてくるだろうなとも思うので、しっかりした組織を作っていきたいなというのは思ってやってきました。滑り出しは少し難しいという感じです。
―三宅選手はフルーレの個人で優勝したが、今の率直な感想は
三宅 僕は関カレは優勝するつもりで臨んだ試合で、国内試合では勝たなくてはいけないというのがありました。11月に世界選手権でパリに行くんですけど、その前に優勝しておかなければいけないという気持ちがあったので一言でいうとホッとしているのが一番です。
―通過点という位置付けだが、課題と収穫は
三宅 まず、個人の方では勝つことが大事で、どんなに練習をして技の精度を上げてもポイントを取る、突くということが大事ことであってどんなに汚い形であっても突けば1点になるので、突くことが個人戦の大事なことです。団体戦では個人戦での大事なことを受け継ぎつつ、チームでポイントをみんなで取りにいく、ポイントを積み重ねるということでは同じなんですけど、空気作りは自分の中でかなり努めました。
―大きな大会に向けての目標と強化すべきポイントは
三宅 世界選手権では各国の代表の選手が集まるので、僕もまだその中ではまだまだ下の方なので自分の可能性に挑戦していきたいことが一つです。それにどうしていったらいいかというと、やっぱり日々の練習を大事にして、いつでも自分が出したい技を出せるように準備していきたいと思います。
―早慶戦に向けて
岸田 自分としては学生生活最後の早慶戦なので勝ってみんなで笑って終われるようにしたいです。そのために必要なものは三宅君も言っていましたが、チームでどうやって勝っていくかとか、試合の時と練習の時で同じ実力・パフォーマンスを発揮できるかというのが大事になってくるのでもっとチームワークを良くしていきたいですし、技術的にも上げていきたいです。早慶戦というのは40部みんなで戦っていて、1つの部の勝ち負けではなく全部の部に波及してくることだと思うのでウチの部が勝って他の部も勝とうと盛りあがってくれれば嬉しいです。他の部も結果が出てきて、勝っている部もいっぱいあるみたいなので、自分たちも是非勝って、慶應の体育会を盛り上げる一役を担いたいなと思っています。
三宅 僕は主将ではないのでチームのことというよりも個人のこととなってしまうんですけど、僕もチームの歯車としてチームの盛り上げ役であったり、点数に関わってくるところではピンチだったら助けたり、差ができていたらそれをさらに離したり自分の役割をしっかり果たしたいです。他の人がうまくいってなかったり、調子が悪かったりしたらそれを励ましたり、アドバイスしたり、岸田さんがトップから指示を出す中で僕は中から支えるような形でサポートしていけたらなと思っています。
By Tomoki Kakizaki、Michio Ikezawa
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