【スケート】吉田、女子1500メートルで6位に食い込む―全日本ショートトラック

2010年12月25・26日 第34回全日本ショートトラックスピードスケート選手権 @江戸川スポーツランド

1500メートルでは決勝進出を果たした

 3日間にわたって行われた第34回全日本ショートトラックスピードスケート選手権。オリンピックあけのシーズンにも関わらず、男子の高御堂雄三(トヨタ自動車)、女子の桜井美馬(早大)などバンクーバー五輪にも出場した多数出場、オリンピック出場のかかった昨年にも負けず劣らずの白熱した戦いとなった。

 慶大からは注目の1年生エース・吉田麻里絵(総1)が出場。1500メートルでは決勝進出を果たしての6位、500メートル・1000メートルでも5位、8位に入る活躍を見せた。

 〝意地の滑り〟そんな言葉がふさわしい戦いだった。予選を難なく通過し、迎えた1500メートル準決勝。目標の決勝進出を果たすには、同走の6人の中の3番手までに入らなければならない。吉田は序盤、2番手の好位置につけるもスピードが上がった中盤に順位を落とし、決勝進出圏外の4番手に落ちてしまう。そして、レースはここからさらなる激しさを増す。後方につけていた選手も追い上げ、勝負の行方は混とんとする。そんな中、3位を争いに加わろうとした後方の2選手が転倒。混乱にこそ巻き込まれなかったものの順位は4位のまま最終周へと入る。だが、吉田は落ち着いていた。前方の選手が見せたわずかな隙をとらえると、バックストレートで3番手の選手を捕え、内側に入りこみ、鮮やかに抜き去る。決勝への切符を手中に収めた瞬間だった。

 最初の1500メートルで決勝進出、6位に入るとその勢いのままに続く500メートルの予選も難無く通過。準々決勝でも実力者・伊藤(トヨタ自動車)に次ぐ2位で通過し、準決勝に進んだ。だが準決勝ではレース中盤、ポイントを踏み転倒、同組4位に終わり、A決勝には進めず。しかし、5~8位を決めるB決勝では序盤、最後尾につけるも、徐々に順位を上げ、同組のトップでゴール、5位に入賞を決めた。

リンク上でスタートに備える吉田

 一夜明けて行われた1000メートル。この日も実力通り、予選・準々決勝を通過し迎えた準決勝。伊藤、酒井(早大)、坂下(神大)ら実力者を相手に中盤まで食らいついていくものの、最後は大きく離され、またもA決勝進出はならず。結局、この種目8位に終わった。

 だが、このままでは終わらない。大会の最後に行われた、3種目で上位に進出した7人のみが出場できる女子3000メートルにも出場。並いる強豪を抑え、見事3位に入る大健闘で、この日一番の見せ場を作った。

 この大会、500メートル・1000メートル・1500メートルのいずれでも8位以内に入る安定感が光った吉田。後は、世界でも活躍する桜井、酒井らとの差を縮めていくことがさらなる上位進出へのカギとなりそうだ。

結果

吉田麻里絵(総1)
500メートル:5位
1000メートル:8位
1500メートル:6位
3000メートル(スーパーファイナル):3位
総合:6位

By.Michio Ikezawa、Fumiko Yamaguchi

Camera.Kazuhiro Takai

選手のコメント

吉田

25日

(1500メートルの六位という結果について)目標にしていた決勝にはいけたが、決勝のレースが自分の納得いくものでは無かったので、今後の課題としてしっかりと受け止めたい。(準決勝の最後に3位に上がったが、抜いた時の気持ちは)とりあえず行かないと、という気持ち。負けたら決勝にいけないので。(レース全体を通して二番手のポジションにいる印象があるが作戦か)基本的に二番手に付くよう にしている。でも準決勝などはとりあえず通ればという感じです。 (500メートルのレースについて、準決勝では転倒があったが)ポイントを踏んでしまって残念だった。(接触などではなく)焦って自分がポイントを踏んだのが原因。(それまでは良いレースをしていた印象だったが) あの転んだ試合が自分にとっては山場だったので、転んでしまったのは痛かった。(後ろに早稲田の桜井美馬選手が付いていたが)ちょっと後ろは見えないので わからなかった。(プレッシャーとかは)同じチームなので美馬選手が出てくる前には前に行きなさいと言われていたので少し焦っていた。(B決勝については)勝たないといけない試合だった。準決勝で転んでしまったため4コースからという不本意なコース順だったがスタートを速くすれば もっときちんと勝てると思った。スピードも強くしていきたい。(外側から勝ち上がった良い試合展開という印象だったが)(1~4位で行われる)A決勝に行きたかったので、(5~8位で行われる)B決勝ではポイントをとらないと思っていた。(明日の1000メートルへの意気込み)一つでもA決勝の常連になれるように気持ちで負けないように頑張りたい。

26日

(1000メートルB決勝での転倒は)大丈夫です。(疲れは)疲れよりも実力不足ということを感じた。毎試合毎試合、実力不足だと感じるが、この試合ももう1度、作り直していかないといけない、と感じた。(1000メートルの準決勝、強豪がそろう組となったが)負ける試合にはなるかもしれないと思ったんですけど、もっといい試合ができたと思います。(序盤、前に出ようとしていたが)(前に)行きたかったんですけど、世界選手権にも行ってるメンバーはブロックが上手なので、(前に行くのは)難しかったです。(B決勝のレースについて)あまりよくなかった。もう少し課題があると感じた。(最後の転倒は)(原因は)いろいろあるが、よくあることなので、研究していきたいと思う。(今大会での課題と収穫は)(課題は)レース展開。勉強しなきゃいけないと思った。(収穫は)自信が持てるレースがあったこと。高校生の時と比べると(トップとの差が)縮まったと思う。(次の大会に向けて)慶應生らしく、後輩の見本になり、諦めない精神で、勝負の心を忘れずに戦っていきたいと思う。

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