2025年10月19日(日)東京六大学野球秋季リーグ戦 立大2回戦 @明治神宮野球場
初回に1点の先制を許した慶大は2回裏、横地広太(政3・慶應)の右中間への二塁打を起点に、竹田一遥(環1・聖光学院)の犠打をきっかけとした失策絡みで同点。さらに、八木陽(法2・慶應)の適時打で逆転に成功する。しかし3回表、山形球道(コミュ4・興南)に無死一塁からの本塁打を浴びて再逆転を許すと、7回には田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)が落合智哉(スポ3・東邦)に2点本塁打を浴び、4点差に広がった。その後は斎藤蓉(コミュ3・仙台育英)や吉野蓮(コミュ4・仙台育英)といった鉄腕リリーバーに抑え込まれ、勝ち点の行方は第3戦以降へ持ち越しとなった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
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立大 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 6 |
慶大 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
慶大バッテリー:●竹内、小川琳、鈴木佳、熊ノ郷、坂中、田上ー吉開
立大バッテリー:○竹中、斎藤、吉野ー落合
慶大本塁打:なし
立大本塁打:山形3号2ラン(3回・竹内)、落合3号2ラン(7回・田上)
◆慶大野手成績
位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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[8] | 丸田湊斗(法2・慶應) | 一ゴロ | 右安 | 二ゴロ | 二ゴロ | 右飛 | ||||
[6] | 林純司(環2・報徳学園) | 左2 | 三邪飛 | 一飛 | 左安 | |||||
[3] | 渡辺憩(商2・慶應) | 右飛 | 空三振 | 二飛 | 右飛 | |||||
[9] | 中塚遥翔(環2・智辯和歌山) | 空三振 | 空三振 | 二安 | 二ゴロ | |||||
[7] | 横地広太(政3・慶應) | 右2 | 二ゴロ | 右安 | 遊ゴロ | |||||
[4] | 竹田一遥(環1・聖光学院) | 投犠野 | 投ゴロ | 一犠打 | ||||||
H | 森村輝(総4・小山台) | 死球 | ||||||||
4 | 上田太陽(商3・國學院久我山) | |||||||||
[5] | 八木陽(法2・慶應) | 中安 | 見三振 | |||||||
H | 今津慶介(総3・旭川東) | 一ゴロ | ||||||||
5 | 服部翔(政2・星稜) | 二併殺打 | ||||||||
[2] | 吉開鉄朗(商3・慶應) | 右安 | 二飛 | 四球 | ||||||
H | 加藤右悟(環1・慶應) | 空三振 | ||||||||
[1] | 竹内丈(環3・桐蔭学園) | 見三振 | ||||||||
1 | 小川琳太郎(経4・小松) | |||||||||
1 | 鈴木佳門(経1・慶應) | |||||||||
H | 吉野太陽(法3・慶應) | 二ゴロ | ||||||||
1 | 熊ノ郷翔斗(環1・桐蔭学園) | |||||||||
1 | 坂中大貴(商4・高松商業) | |||||||||
H | 村岡龍(商3・慶應) | 中飛 | ||||||||
1 | 田上遼平(商3・慶應湘南藤沢) | |||||||||
H | 今泉将(商4・慶應) | 遊ゴロ |
◆慶大投手成績
選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
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先発 | 竹内丈(環3・桐蔭学園) | 2 0/3 | 10 | 41 | 5 | 1 | 0 | 0 | 3 | 3 |
2 | 小川琳太郎(経4・小松) | 0 1/3 | 4 | 12 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
3 | 鈴木佳門(経1・慶應) | 1 2/3 | 4 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
4 | 熊ノ郷翔斗(環1・桐蔭学園) | 1/3 | 4 | 20 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 |
5 | 坂中大貴(商4・高松商業) | 1 2/3 | 7 | 28 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
6 | 田上遼平(商3・慶應湘南藤沢) | 3 | 11 | 39 | 2 | 1 | 1 | 3 | 2 | 2 |
昨年、そして今春と徐々に順位を上げ、勢いに乗る強豪・立大に対し、投打が噛み合い7-4で見事勝利を収めた第1戦。粘って延長11回の試合を制した勢いそのままに、連勝で今季2つ目の勝ち点をもぎ取り、最終カード・早慶戦へつなげたい。
注目の先発投手は、24年秋季・早慶2回戦以来の登板となった竹内丈(環3・桐蔭学園)。一方打線は、1番に丸田湊斗(法2・慶應)、5番に横地が先発スタメンに名を連ねた。俊足と打力を活かし、今季初の先発起用に応えられるか。対する立大は、前日も4安打を放ち、試合前打率.368と圧倒的な打力を持つ山形をはじめとした強力打線が待ち構える。
すると1回表、竹内は1番・山形にフルカウントから左二塁打を浴びると、続く小林隼翔(コミュ2・広陵)も内野安打を打たれ無死一、三塁のピンチを招く。後続を一ゴロに打ち取ったが、丸山一喜(コミュ3・大阪桐蔭)に適時打を浴び、先制点を献上した。

苦しい立ち上がりとなった先発・竹内
1点を追う打線はその裏、先頭の丸田が俊足を飛ばして一塁へ内野安打かと思われたが、立大のリクエストによるビデオ検証の結果、判定はアウト。続く林純司(環2・報徳学園)が左中間フェンス直撃の二塁打を放ったが、立大先発・竹中勇登(コミュ4・大阪桐蔭)を前に得点に結びつけることができない。

左中間へ二塁打を放った林純
2回表、竹内が三者凡退に抑えて反撃の流れを作ると、その裏の攻撃で先頭打者・横地が右中間へ二塁打を運びチャンスメイク。続く竹田一の犠打が相手守備の乱れを誘い、同点に追いつくと、八木の中前適時打で逆転に成功する。続く吉開鉄朗(商3・慶應)、丸田の右前打で満塁と攻め立てたが、竹中の粘投に阻まれ追加点は奪えず。

今季初スタメン起用に対し2安打で応えた横地

一時逆転の適時打を放った八木
すると直後の3回表、竹内が山形に打った瞬間それと分かる2点本塁打を浴び、再び逆転を許す。ここで竹内から小川琳太郎(経4・小松)に継投も、後続に安打を重ねられ、4番・丸山の犠飛でさらに1点を追加される苦しい展開に。ここで堀井監督が小川琳に代えてマウンドに送ったのは、この日リーグ戦初ベンチ入りを果たした鈴木佳門(経1・慶應)。初球で6番・村本勇海(文2・大阪桐蔭)を投併殺打に取り、ピンチを切り抜けると、4回も完璧に抑えて堂々たる神宮デビューを飾る。

完璧なリリーフで神宮デビューを飾った鈴木佳
5回表は右腕・熊ノ郷翔斗(環1・桐蔭学園)が神宮初マウンドへ。力強い速球を見せたが3四球で満塁のピンチを招き、降板。代わった坂中大貴(商4・高松商業)が後続をフライアウトに仕留め、流れを渡さない。だが打線も立大守備陣の堅実なプレーに阻まれ、3回以降3イニング連続三者凡退と沈黙する。

与四球3で降板し、ほろ苦デビューとなった熊ノ郷
6回表、坂中が回跨ぎでマウンドへ。濱本遥大(コミュ1・広陵)の代打・桑垣秀野(コミュ4・中京大中京)に右前打を許す。犠打で二塁に走者を進められると、1番・山形の内野安打で一、三塁とピンチを迎える。しかし後続を断ち、この回は無失点で切り抜けた。

5回の危機を火消し、6回も無失点に抑えた坂中
流れを呼び込みたい6回裏、慶大は中塚が内野安打で出塁。横地が右前打で続き、一、二塁の好機を作る。竹田一の犠打で1死二、三塁と攻め立てたが、八木の代打・今津慶介(総3・旭川東)の一ゴロで三走が挟殺。吉開の四球で満塁としたものの、坂中の代打・村岡龍(商3・慶應)が中飛に倒れ、無得点に終わる。
その後7回からは田上が登板。しかし、前日の試合でも本塁打を放っている落合に2点本塁打を浴び、4点差に広げられる。

7回表で落合に被弾した6番手・田上
8、9回は田上が持ち直し無失点に抑えたが、打線は斎藤、吉野ら立大救援陣の前に沈黙。8回には竹田一の代打・森村輝(総4・小山台)が死球で出塁するも、途中出場の服部翔(政2・星陵)が初球で痛恨の二併殺打。9回は加藤右悟(環1・慶應)、今泉将(商4・慶應)の代打攻勢も実らず、最後まで得点を奪えなかった。慶大は序盤の失点を埋めきれず、痛い黒星となった。
チームは8安打を放ちながらも得点は序盤の2点止まり。6回の好機を逃したことが最後まで響いた。これでカードは1勝1敗。勝ち点獲得を懸けた第3戦では、再び「全員野球」が鍵となる。打線の奮起と投手陣の粘投で、立大からの勝ち点奪取に期待したい。
(記事:礒尾凌太郎、片山春佳、写真:河合亜采子、鈴木啓護、林佑真、加藤由衣)