【應援指導部】正念場の立教戦で勝ち点獲得 早慶戦に向けて勢いづく

應援指導部

試合がなかった先週の他大学の結果によってⅤ逸が確定した慶大。しかし、ひとつでも高い順位を目指すため、應援指導部は選手たちに応援を届け続けた。今回の記事では、そんな応援席の様子をレポートする。

10月18日(土)慶應義塾大学 7-4 立教大学(第1回戦)

~試合概要~

先発の渡辺和大(商3・高松商業)が安打を重ねられながらも粘りの投球を続けると、5回表に吉開鉄朗(商3・慶應)の犠飛と押し出し四球で逆転に成功。しかし6回裏に本塁打を浴び再び同点に追いつかれる。その後、7回から登板した水野敬太(経2・札幌南)が好投を見せるも、打線も立大救援陣に抑えられ試合は膠着し、延長戦に突入する。それでも11回表、副将・今泉将(商4・慶應)の適時打で勝ち越すと、打線がつながり更に4点を加え、最後は主将・外丸東眞(環4・前橋育英)がピンチを凌いでカード初戦を制した。

早朝に行われた箱根駅伝予選からの連戦となった部員も多かった中、1回表からフルスロットルの応援が繰り広げられる。その裏、渡辺和が立ち上がりを攻められ一死満塁とされると、メイン台の脇から「笑顔ボード」が出現。すると本来のピッチングを取り戻した渡辺和が後続を打ち取り、無失点で窮地を切り抜ける。

2回裏に先制を許した慶大だったが、5回表の塾生注目でメイン台に上がった部員が「メガホンを叩け、さらば勝利の道は開かれん」と、新約聖書の一節を引用して客席を鼓舞すると、続けて魔曲・朱雀の大合唱でグラウンドに声援を送る。すると慶大の選手がこれに応え、内野安打と相手の失策で無死満塁のチャンスを作ると、吉開の犠飛と林純司(環2・報徳学園)の押し出し四球で逆転に成功する。

6回裏に同点弾を被弾し、再び試合が振出しに戻ると、その後は渡辺和に替わって登板した水野敬太(経2・札幌南)が安定感抜群の投球を披露し、試合は膠着。一方、8回表の攻撃開始前行われた塾生注目で「ワークライフバランス度外視の、馬車馬のような応援で選手を後押ししよう」と力強い号令がかかると、試合展開と反比例するように応援席の熱量は更に高まっていく。それでも試合は9回で決着がつかず、延長戦に突入する。

10回裏、7回から好投を続けてきた水野が二死1、2塁の窮地を迎えると、ここで主将・外丸東眞(環4・前橋育英)が登板。完璧な火消しで勝利への望みを繋ぐと、11回表の攻撃開始前、メイン台には『主将の力』と書かれたスケッチブックを手にした枝廣代表が上がる。「外丸投手が『主将の力』を見せ、抑えてくれた。我々も大きな応援で彼の活躍に応えたい」と絶叫し、応援席はこの日一番の盛り上がりを見せる。すると、先頭打者・林純のこの日2つ目の四球を皮切りに打線が繋がり、副将・今泉、代打・加藤右悟(環1・慶應)、吉開の適時打と、外丸の犠飛で一挙5点を挙げて立大を突き放す。回を跨いでマウンドに上がった外丸は、2点を失いながらも最後は相手打者を左飛に打ち取り、慶大は試合時間3時間半を超える激戦の末にカード初戦を制した。また、外丸はこの試合で六大学通算20勝を達成。記録にも記憶にも残る一戦となった。

 

10/19(日)慶應義塾大学2-6立教大学(第2回戦)

前日の第1回戦では延長戦を制し、今季初、初戦で勝利をつかみ取った慶大。2個目の勝ち点獲得へ向け、選手のみならず、応援席も「若き血」を滾らせ、熱い声援を送った。ここではその様子をリポートする。

~試合概要~

初回に1点の先制を許した慶大は2回裏、横地広太(政3・慶應)の右中間への二塁打を起点に、竹田一遥(環1・聖光学院)の犠打をきっかけとした失策絡みで同点。さらに、八木陽(法2・慶應)の適時打で逆転に成功する。しかし3回表、山形球道(コミュ4・興南)に無死一塁からの本塁打を浴びて再逆転を許すと、7回には田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)が落合智哉(スポ3・東邦)に2点本塁打を浴び、4点差に広がった。その後は斎藤蓉(コミュ3・仙台育英)や吉野蓮(コミュ4・仙台育英)といった鉄腕リリーバーに抑え込まれ、勝ち点の行方は第3戦以降へ持ち越しとなった。

この日の先発は、竹内丈(環3・桐蔭学園)。今季初先発となった竹内に対し、部員からは「我々の声を届けてリラックスさせていきましょう。」という声が飛んだ。初回、メイン台には代表・枝廣二葉が上がる。「慶應は立教に284勝、167敗である。立教に強いぞ。勝てるイメージしかしないぞ」と叫び、応援を呼びかけた。初回は丸山喜一(コミュ3・大阪桐蔭)に適時打を許し、先制点を献上したものの、2回表は三者凡退に斬って取り、応援席は大きく沸き立つ。

2点を追いかける展開の中、2回裏、試合が動く。横地広太(政3・慶應)の二塁打に続き、竹田一遥(環1・聖光学院)が犠打を成功させ、自らも相手のフィルダースチョイスにより出塁を決め、同点に追いついた。本格的に雨が降り出す中、球場には「若き血」がとどろく。さらに、八木陽(法2・慶應)がきっちりと中前適時打を決め、逆転すると、野球部部員もメイン台に上がり、ともにこの日2回目の「若き血」が熱唱された。

3回表、山形球道(コミュ4・興南)に本塁打を浴びるも、部員からは「応援席から雰囲気を変えていきましょう」とポジティブな呼びかけが。その後1点を追加される厳しい展開となるが、リーグ戦初ベンチ入りを果たした鈴木佳門(経1・慶應)が初球で打ち取り、応援席はこの日一番の盛り上がりを見せた。

5回裏の攻撃前には、部員からひとこと。「本日10月19日は『ほめ育の日』らしいです。たくさんほめてあげることで、相手も自分も笑顔になるとっても素敵な日だそうです!」と声を上げ、OB・OGの方々、上段のお客様、野球部員、應援指導部員をそれぞれほめたたえ、応援席が一丸となった応援を呼びかけた。

7回表、田上遼平(商3・慶應湘南藤沢)が前日も本塁打を放った落合智哉(スポ3・東邦)に2点本塁打を許し、点差が一挙に4点に広がるも、応援席からは必死の応援が送られる。

9回裏攻撃前、メイン台には再び枝廣二葉の姿が。「隣を見てほしい。明治来てるぞ。あいつら優勝かかってるらしい。正直優勝なんてさせる気はないぞ。ただ、我々が今いい雰囲気を作ったら、明治の皆さん、多分応援してくれるぞ。明治にいいところ見せるぞ。」と明治の応援席も巻き込み、「若き血」を熱唱した。しかし、その後も打線は沈黙し、2-6で試合終了。前日の流れのままに勝利を手にしたい慶大だったが、勝ち点獲得は翌日以降の試合に持ち越すこととなった。

【試合後インタビュー 代表・枝廣二葉さん】

Q.本日の試合を振り返って

そうですね、今日は昨日、土曜日の試合が勝ったということで、初めて土曜日に勝利できたので、その勢いのままに日曜日(の試合)を勝ちたいなと、勝たせる応援をしたいなと思っていました。

Q.途中雨も降ってきたが

雨が降った方が個人的にテンションが上がるので。もう勢いそのままに、雨なのか汗なのか分からないくらい、必死に頑張りました。

Q.塾生注目で明治の応援の方に向けた言葉があったが

あれだけの人数連れてきてくれたので、明治の方にも、せっかく慶應の(応援の)席なので、一緒に応援したいな、してもらいたいなと思ったのと、巻き込みたいなと思ったので。まだ優勝させたくないので、その自分の本音を伝えました。

Q.明日は応援人数が少ない中での応援となるが、意気込みは

平日なので少数精鋭で戦いたいなと思うのと、もうこの慶立戦の3回戦がおそらく内野席だけで応援を作る最後の応援なので、もう1人1人来てもらった方と目を合わせて、肩を組んで「若き血」を歌ってというところを目標に頑張りたいと思います。

 

第3戦で慶大は3-4で立教大学に勝利し、カード勝ち越しを決めた。慶大は第1戦を延長の末に制し、第2戦こそ落としたものの、第3戦で粘り強く競り勝ち、今季2つ目の勝ち点を挙げた。V逸が確定した中でも、選手と應援指導部は最後まで戦い抜き、記録と記憶に残る慶立カードとなった。

(記事: 吾妻志穂、髙木謙 取材: 小野寺叶翔、中原亜季帆、鈴木拓己、岩切太志)

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