【野球】義塾のユニフォームの誇りをかけて戦う副将! 今泉将~秋季早慶戦直前インタビュー~

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9月13日に開幕の東京六大学野球2025秋季リーグ戦も、残すは最終第8週・早慶戦のみ。東大・立大から勝ち点を獲得し、5勝6敗1分、勝ち点2で現在5位の慶大は、11月1日・2日に5勝5敗、勝ち点2で現在2位の早大と戦う。伝統の一戦を直前に控え、気迫をみなぎらせる選手たちにインタビューを行いました!今回は今泉将(商4・慶應)副将です!(このインタビューは10月23日に対面で実施しました)

ーー立教戦が終わって、身体の調子や状態

ほんとうに、4年間の集大成ということで、かなり状態も上がっていて、万全に近い状態で早慶戦を迎えられそうです。

 

ーー個人として今シーズンを総括すると

思い描いていたシーズンとは違って、あまりスタートから出ることはなく、途中から試合に入るという中で、なかなか結果がついてこない試合が続いていたので、個人的にはほんとうに悔しい想いしかないリーグ戦ですが、あと2試合残されているので、そこに向けて頑張るだけです。

 

ーー副将として、今シーズンのチームの状態をどのように見ているか

チームとしても序盤は苦しい戦いが続きましたが、決して他大学に大きく力が劣っていたりとか、優勝出来る力がなかったという風には思っていないです。ほんとうに力がある選手が多く、夏に積み上げてきたものがたくさんあって、優勝出来るチームだと思ってはいるのですが、歯車がうまく噛み合わずに、流れに乗れない序盤戦だったのかなと思います。

 

ーー最初の2カードを落とした中でも、東大から今季初の勝ち点を取って、迎えた立教戦。1回戦では同点の延長10回裏、2死一、二塁とサヨナラのピンチで、回の途中から一塁の守備に就いた。どんなことを期待されていたと思うか

おそらく、ファーストでのスク―ピングというか、送球のカバーを期待されてあの場面で投入されたと思っています。

 

ーー春から内野の陣容がかなり変わった中で、今秋の序盤はシートノックで三塁に入ることもあったが、最近は一塁に入っている。今泉選手が早慶戦で三塁を守る可能性はあるか

そうですね、今でも練習ではサードをやっていて、試合になってファーストを守ることが多いので、どちらも行けるように準備をしています。

 

ーーそのサヨナラのピンチを外丸(=東眞、環4・前橋育英)投手が抑え、11回表、1死一、三塁と勝ち越しのチャンスで打席が回ってきた。どんな意識で入ったか

「今度こそ結果を残してやろう」という気持ちと、その回4人目のバッターで、後輩たちが「ずみ(今泉の愛称)に回せ」と言ってくれていて、みんなが必死につないでくれた絶好のチャンスだったので、「もうやるしかない」と思って、割り切って打席に立ちました。

 

ーーあの打席のバッティングを振り返って

興奮してあまり覚えていないですが、気付いたらバットが折れていて、気付いたらレフトにボールが飛んでいたという感じです。自分の中で、なかなか結果が出ていないことに対しての苛立ちとか、「自分はこんなもんじゃないんだ」という想いがすごく強かったので、クールに喜ぼうと思っていたのですが、あの場面は抑えきれずに、すべての感情が爆発しました。

 

ーーその勝ち越しのタイムリーもあって、外丸投手が通算20勝目を挙げた。チームを共に引っ張ってきた主将への想いは

まさか、もう一回いっしょに試合後の取材を受けられるとは思っていなかったです。いつもプライベートでもご飯に行ったり、オフの日をいっしょに過ごしたりとか、すごく仲が良くて、彼の努力を一番近くで見てきたので、2人でもう一回あの取材の場に立てたのがすごく嬉しかったです。

 

ーー3回戦では、先ほど挙がったスク―ピングで、緊迫した1点リードの9回にワンアウト目を取った

正直、9回の守備に行く時にすごく嫌だなという気持ちがあって(苦笑)、ほんとうに緊迫した試合の中で、苦しいピンチを乗り越えながらようやくたどり着いた9回だったので、絶対に点をやりたくないという気持ちから緊張もあったのですが、逆に考えればこれだけやってきたのだから大丈夫だという気持ちもありました。サードから送球が来る時も予感があって、想定通りのショートバウンドが来たので、自信を持ってグラブを出しました。

 

ーーこの1年、副将としてチームを引っ張る中での苦悩はあったか

なかなかプレーの結果でチームを引っ張ることが出来なかったのは苦しかったことだとは思いますが、それでも、結果以外の取り組みや準備で伝えられる部分は少なからず後輩にあると思って、どんな辛い状況でもひたむきに取り組んできた自信はあるので、苦しみながらもよくやってこれたと思います。

 

ーーそういった取り組みを続けて得られたものの中で、今後の人生の糧になっていきそうなもの

自分が出来ることをすべてやったと思っても、結果に結びつかなかったというのは、すごく勉強になったと思います。120%、自分のやるべきことをやったうえで悔しさを味わった人しか味わえないものだと思うので、大学野球を振り返った時に「どうしたら結果が出たのかな」と考えながら、これから先の人生で結果につながる努力というのをもっともっと追い求めていきたいです。

 

ーー今年のチーム発足から、もっとも成長を感じるところ

ミスがあって流れが悪くなっても、いい顔して前を向いて、次のプレーに切り替えていく姿勢が、本当にここ最近ですが出来てきている部分だと思います。

 

ーー大学野球のキャリアで一番の瞬間は

難しいですが、初ヒットです。初ヒットを打つまでは5打席くらい立ってノーヒットで、2年春から出ているにも関わらず、4年春をノーヒットのまま迎えたので、なかなかヒットが出る気がしなかったというか、神宮の打席が怖いという想いもありましたが、2ストライクノーボールの苦しい状況から執念で打ったヒットはその後にもつながりましたし、自分としてもすごく思い出深い一打だったと思います。

 

ーーここからは早慶戦について、今季の早大の印象

3連覇しているチームということもあって、当然、力のある選手が4年生を中心にそろっていて、オールスターやオール早慶戦でいっしょのチームでやらせてもらったので、その力は僕も知っていますし、本当に強い印象です。

 

ーーオールスターやオール早慶、全早慶で親交を深めた早大の選手

前田健伸(商4・大阪桐蔭)選手は同じポジション(一塁手)なので、守備のことを聞いたりとか、あとは他愛のない話をしたりとか、たくさんコミュニケーションを取れたと思います。

 

ーー前田選手に一言

またヒット打つから、一塁ベース上で優しく話しかけて!

 

ーー春の早慶戦直前インタビューでは、伊藤樹(スポ4・仙台育英)投手を打ちたいと話していた、この秋対戦したい投手は

伊藤樹投手と田和廉(教育4・早実)投手は、今、2人ともドラフト2位で選ばれたので(笑)、やっぱりそういったピッチャーを崩して勝ってこそ、4年間の集大成だったと言えると思うので、最後に打ち崩したいです。

(このインタビューはドラフト会議当日の夜に実施しました)

 

ーー事前のアンケートでは、『愛塾心』を注目してほしいとコメント

僕自身、中等部から10年間慶應にいて、中等部の野球部で野球をしていたので、慶應のユニフォームを着るのは10年目になります。みんなよりも人一倍、あのユニフォームを着て野球をやる幸せさというか、あのユニフォームが持つ意味というのはすごく理解しているつもりで、誇りをもってユニフォームを着て神宮球場で野球をしているので、そういった部分もあっての『愛塾心』というところです。

 

ーー初めて早慶戦を観戦したのは

父親も慶應のOBなので、ちっちゃい頃に見た気がしなくもないのですが(笑)、しっかり覚えているのは中学1年生で中等部の行事として行った春の早慶戦だったと思います。

 

ーーどんな試合だったか

今、ヤクルトにいる矢崎(=拓也、平28商卒)さんが自分でホームランを打って抑えて勝つという試合だったのですが、それまでほとんどプロ野球しか見たことなかった自分が初めて大学野球を見て、「こんなに多くの人に応援してもらえるんだな」という気持ちで、慶應の応援に憧れたところから、「ここでやりたいな」という想いを強く持ってずっとやって来ました。

 

ーーこのチームで戦うのもこの早慶戦が最後、いっしょに戦ってきた後輩たちにはどんな姿を見せたいか

結果を出して、チームを勝ちに導く姿を見せたいと思っていて、自分が見せられるものの中で一番説得力があると思いますし、あれだけ取り組めばこうやって最後結果が出るんだよというところを最後に見せられればいいかなと思います。

 

ーーメッセージを伝えたい後輩

いっぱいいますが、まずは吉開(=鉄朗、商3・慶應)だと思います。高校の時からいっしょに練習することもあって、大学に入って下級生の頃から2人とも第一寮にはいましたが、なかなかメンバーに入れない中で、2人でずっと夜に自主練をしてきて、バッティングをしてきて、彼は今レギュラーを取って、チームの要として戦っている姿はすごく頼もしいと思います。まだまだこんなもので終わる選手ではないと思うので、来年はいろんなものを背負うかもしれないですけど、彼のやることは変えずに、しっかりとそこにフォーカスして、名実ともにチームを引っ張る存在になってほしいと思います。

 

ーー4年間、切磋琢磨してきた同期への想い

同期のおかげで楽しく過ごせた4年間だと思っていて、1年生の頃はいっしょにいっぱい怒られましたが(苦笑)、そういった中でも明るく楽しく練習でも普段の生活でも雰囲気を作ってくれて、今考えたらああいった時間がほんとうにかけがえのない時間だったと思いますし、「ほんとうにありがとう」と言いたいですね。

 

ーー今年の『DOMINATE~神宮に熱狂を~』というスローガンを達成するため、早慶戦ではどんなプレーをしたいか

『DOMINATE』したと言える結果は2連勝だと思うので、バットでチームを勝たせられるようにしたいと思います。

 

ーー先ほどもあったが、中等部から着てきたグレーのユニフォームを着るのもこれが最後、そこについて

名残惜しい気持ちがあります。今、自分がこの環境でやらせてもらってる中で、この環境が当たり前じゃないんだ感じることもありますし、すごく恵まれた環境でやらせてもらっているということは、今でも思っていて、お世話になった方々もいっぱい見てくれていると思うので、成長した姿を、このユニフォームを着て見せられたらなと思います。

 

ーー最後に、早慶戦への意気込み

今まで積み上げてきたものをすべて発揮できるように、120%の力で頑張りたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします。

 

(取材、記事:柄澤晃希)

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