【ソッカー(男子)】1部残留を懸け運命の最終戦へ “最後の若き血”をアウェイの地で轟かせよ/関東リーグ第22節 東京国際大学戦展望

ソッカー男子

4年ぶりに関東リーグ1部の舞台で戦う慶大は、ここまで5勝7分け9敗、勝ち点は22で10位の成績。6試合連続未勝利など苦しい時期を過ごし、前期は最下位で折り返したが、直近5試合では3勝1分け1敗と最終盤にチームは好調を維持している。その勢いのまま11月15日(土)、アウェイで東京国際大との最終節に臨む。詳細は後述するがこの試合に勝利すれば自力で残留を決められる非常に重要な一戦となる。そしてプレーオフの可能性は残すものの、今節で4年生は関東リーグ戦が最後の試合となり引退を迎える。関東3部から2年連続優勝での1部復帰、4年ぶりの早慶戦勝利など慶大の躍進を引っ張ってきた4年生。このラストゲームでどのようなプレーを見せるのか、必見だ。

 

対する東京国際大は前節・東海大戦の敗戦により既に降格が決定。後期は未だ1勝しか挙げられていないものの、前期では優勝を決めた筑波大に2-0で勝利しており降格が決まっているとはいえ侮れない相手だ。注目選手はやはり前期の試合で得点を挙げたFW齋藤晴。ここまでチーム2位の4ゴールを挙げており、慶大ディフェンスラインは警戒が必要だ。

前期は角田の2ゴールで勝利

ここで残留条件を確認したい。現在慶大は勝ち点22でプレーオフ圏内である10位であるが、勝ち点が23である9位東洋大、そして同24である8位中央大が最終節で戦うため、この試合がどのような結果になったとしても、勝利することでどちらかの勝ち点を上回ることができるので自力残留は可能である。慶大が引き分けとなった場合は、東洋大の得失点差に並ぶことができず、また勝ち点19の11位流通経済大が慶大の勝ち点に並ぶことが不可能であるため、プレーオフを戦うことが確定する。万が一敗戦となった場合でも、流通経済大が勝利しない限り自動降格圏には落ちない。つまり慶大は他会場の結果を気にする必要なく勝ち点3奪取で残留を決められるということだ。

勝利で残留を掴み取れるか

慶大を勝利に導く攻守の注目選手を3人紹介する。

1人目は慶大の攻撃を司る心臓・角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)。前節の日本大学戦では角度のないところから伝説的なフリーキックで先制点を決め、立石宗悟 (法4・桐蔭学園)の勝ち越し弾を演出する美しいアシストを披露した。ここまでチームトップの7得点、5アシストを挙げている角田は左右両足から繰り出される正確無比なキックでチームの攻撃を牽引。また副将として苦しい時間を過ごしたチームを鼓舞し続けた。チームへの思いが人一倍強い彼がウルトラゴールで“勝利の風”を巻き起こしてくれることは間違いないだろう。

荒鷲の心臓として攻撃の中核を担った

2人目はチームの最後尾で中町サッカーを体現する“慶應の守護神”・洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)。足元の技術が高くディフェンスラインに正確に指示を送れる洪は、ゴールキーパーもビルドアップに参加することを要求する中町サッカーにおいて必要不可欠な存在だ。また押し込まれる展開が続く中でも驚異的な反応でビックセーブを幾度となく見せ、チームを救ってきた。しかし今シーズンは一度もクリーンシートを達成したことがないため、ラストゲームでは相手の攻撃をシャットアウトしスコアボードに0を並べたい。

最後尾で中町サッカーを体現

3人目は今シーズン主将を務める 田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)。今シーズンすべての試合でスタメン出場を果たした田中は、不動のボランチとしてチームの攻守において圧倒的な存在感を放った。ダイレクトパスで一気に状況を打開したかと思えば、次のプレーでは激しい守備でボールを奪い取る唯一無二の“マエストロ”。そんな彼は常に勝利を求められるチームにおいて主将としての重責を果たしながら横浜F・マリノスへの内定を勝ち取った。学生ラストゲームとなる今節ではソッカー部の夢を乗せたその右足で勝利、そして残留を掴み取りたい。

攻守において存在感を発揮

ここまで慶應を引っ張ってきたのは上記の3人だけではない。ピッチで戦い続けた選手、自分の悔しさを押し殺しながら仲間のために声を枯らした応援メンバー、覚悟を決めてチームにすべてを捧げたグラウンドマネージャー、影でチームのために奔走し選手を輝かせたマネージャー、寝る間も惜しんで分析に時間を費やしたアナリスト、その一人ひとりが様々な思いを抱えながらも全員が「慶應の勝利」を共通目標に4年間苦楽を共にしてきた。このラストゲームで勝利し、“最後の若き血”を合唱して4年間を最高の形で締めくくりたい。

最高の形で締めくくれるか

(記事:甲大悟)

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